2022年5月27日金曜日

2022年パリ・クロワッサンコンクール優勝のお店 Carton カルトン

  


 ここ数年、毎年、行われるパリのバゲットコンクールで優勝したお店には、必ず行って、食べてみるのが楽しみの一つになっていましたが、パリにはクロワッサンコンクールというものもあることを、私はついこの前まで知りませんでした。

 パリの街を歩いていて、あるブーランジェリーのショーウィンドーに堂々とパリクロワッサンコンクール優勝と掲げられているのを見つけて、あら、クロワッサンコンクールもあるんだ!と思ったのですが、その日、たまたま、そのお店はお休みで、そのクロワッサンは買えないまま、また、クロワッサンのことは忘れていました。

 しかし、つい先日、2022年のクロワッサンコンクールの記事を見つけて、「あ〜これこれ!今年こそ行こう!」とクロワッサンを買いに出かけたのでした。

  


 フランスでパンといえば、やはり主食とも言えるバゲットがやはり王様、一番、大量に消費されるパンで、クロワッサンは、パンではなく、ヴィエノワズリーと別の分類をされるものです。

 このヴィエノワズリーの王道は、クロワッサンで、その他、パン・オ・ショコラ、パン・オ・レザン(レーズン入り)、ショッソン・オ・ポム(りんご)などは、たいていどのブーランジェリーにもある定番のヴィエノワズリーで、卵やバター、生クリームなどを使ったパリパリとした幾層にもなったパイのような生地を軽くふわっと焼いたものです。

 毎朝、焼き立てのクロワッサンを食卓で・・などということをしている家庭は少ないと思いますが、お休みの日の朝など、夫がとても得意そうに、クロワッサン買ってこようか?などと、さぞかし私たちを喜ばせようとしてくれているのだな・・と感じることがあります。

 バゲットにしても同じですが、クロワッサンにしても、あまり買い置きができるものではなく、やはり焼き立てのものが美味しいので、たとえば、朝、出勤の途中にカフェでクロワッサンとコーヒーで軽く朝食をとって・・とか、また、以前、私の通勤途中の駅構内にパン屋さんがあって、朝はクロワッサンを焼くバターの香りが駅に広がっている・・という駅構内に広がるバターの香りに、まだ、フランスに来たばかりの頃は、これが立ち食いそばのお出汁の匂いだったら、どんなによかっただろうに・・などと思ったこともあります。

 しかし、フランスでの生活も長くなり、クロワッサンの焼けるバターの香りもまた、このうえもなく、幸福感を覚えるものにもなりました。

 でも、一方では「クロワッサン=カロリー爆弾」の印象が拭えないのも事実でもあります。

 一般的にクロワッサン100gあたりのカロリーは424kcal程度と言われていて、軽くてあっという間にたべてしまうクロワッサンがこんなカロリー!!と認識してからは、そうそう気軽に食べることを躊躇ってきました。

 ただし、「美味しいものには、カロリーは関係ない」ことは私の中の勝手な掟。パリで一番美味しいクロワッサンと言われれば、カロリーは無視。とはいえ、クロワッサンを買うと入れてくれる紙袋に染み出すバターにはちょっとした背徳感を感じるのですが、今回のクロワッサンでは、それほど油が染み出してきていませんでした。

 今年のクロワッサンのチャンピオンだけあって、このクロワッサンは大ぶりで堂々とした出立ち(9cm×16cm)、表面がつやつやしています。



 買ってきたクロワッサンを一瞬だけオーブンで温め直し、また、蘇ってくるバターの香りを楽しみつつ、やさしくちぎって、遠慮なくサクッと一口・・サクッとした歯触りの次にしっとりしたやわらかい食感とそこはかとなく甘い香りが口の中で広がります。

 思ったよりもバター感がしつこくなく、軽く2〜3個はいけてしまいそうな危険な軽さです。美味しいものの条件の一つに、私は後味の良さがあると思うのですが、このクロワッサンは、後味が非常にすっきりしています。

 気にしないといいつつ、このクロワッサンの重さを計ったら、1つ73gだったので、1つあたり約309kcalことになります。

 このブーランジェリー、まことに危険なお店で、他にも美味しそうなケーキやサンドイッチがたくさんで、大変な誘惑と戦うことになりましたが、今回はとにかくクロワッサン!と自分に言い聞かせて、ケーキは写真だけでガマンガマン・・また別の機会にすることにしました。






 昨年、行ったバゲットコンクール優勝のパン屋さんなどは、堅実な街のパン屋さんという感じでしたが、今回のクロワッサンNo1のお店は、やたらと目移りするお店の規模も少し大きめのお店でした。



 

彼が手にした賞状とカップは店内にも展示されていました

 しかし、コンクールの審査の基準になっているのかどうかはわかりませんが、お値段はチャンピオンだから特に高いということもなく、クロワッサン1個 1.2ユーロと、普通のお店と変わりません。

 良いお店というのは、店員さんもきびきびしていて、とても感じがよい(パリなのに・・)のが特徴です。

 あまり、私がよく行く地域ではないのは残念ですが、ちょっと、また、是非、覗いてみたいお店を見つけてしまいました。きっと、クロワッサン以外のものも、絶対美味しいお店です。

 イートインスペースもあります。

 今、一番パリで美味しいクロワッサン、パリにいらしたら、是非、お試しください。


⭐️Carton Paris  

    6 Blvd de Denain 75010 Paris 6:30~20:00 日曜休 

    Gare du Nord(パリ北駅4番出口から徒歩3分)

   



2022年パリ クロワッサンコンクール優勝店 カルトン


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2022年5月26日木曜日

ストライキに遭遇して見知らぬ人と駅まで歩くハメになった・・ストライキには腹を立てないフランス人

 

 

 今週、フランスは、木曜日が祭日(Assension 昇天祭)で、金曜日を挟んで、土日がお休み、このような場合はポンする・・(橋をかける)といって、金曜日も休んで4連休にする人が非常に多く、なんか、連休モードになります。

 学校でさえも金曜日はポンで休み・・となってしまうところも多いので、夏には長いバカンスをとるフランス人にとっては、4連休など、なんのことはないと思いきや、この連休を利用して、本格的なバカンスのウォーミングアップがわりに、近郊にキャンプにでかけたりする人やスーツケースをごろごろ転がしている人も見かけます。

 この連休に入ってしまう前に(土日・祭日はバスなども休日運行になるため)用事は済ませておこうと思って出かけたら、なんと、不覚にもパリではバスやトラムウェイのストライキをやっていて、バス停に行くと、ちょうど来ていたバスに乗ろうと思ったら、激混みでバスの扉も閉まらないほどでした。

 このマスク義務化が撤廃されたばかりの交通機関にこの混み具合でバスに乗り込むということをちょっと躊躇っていたら、運転手さんが、「次のバスに乗った方がいいよ!もうドアが閉まらないから・・」と言われて、無理やり乗り込むことは諦めて、次のバスを待つことにしたのです。

 この時点では、なんでこんなに混んでるんだろう?と、この激混みが、まだストライキであることに、私は気付いていませんでした。

 仕方ない・・次のバスまで待つか・・とバス停のベンチに腰掛ける前にバスの表示版をチェックすると、表示版には、通常は次の○○行きのバスが車であと○分・・とか表示されているものが、「2本に1本」としか表示されておらず、この時点でようやくストライキであることに気が付いたのです。

 そういえば、数日前に今週、フランステレビジョンがストライキをする・・というニュースは見かけたものの、RATP(パリ交通公団)のストライキはチェックはしていませんでした。

 まぁ、待つしかない・・と、ベンチに座って、スマホをいじり出すと、あとから、ポツポツとバスを待つ人が溜まり始め、人が来るたびに、表示版を眺めては、ため息。

 あと何分と表示されているなら、また表示版を見て、次のバスを確認することもできますが(ときには、あと5分が7分とかに増えていくことがある・・)、今回は2本に1本というまことに不親切な表示。それでも、また見てしまうのが人情というもの。

 その場に居合わせたおばさんが、「ここからメトロの駅までは歩けないのかしら?あなた、この辺の道、わかる?」と言い出して、この見知らぬ女性とメトロの駅まで歩くことになったのです。歩いて10分くらいなのですが、バスに乗ってしまえば3分くらいで着いてしまうため、ついついバスに乗る習慣がついていました。

 すると、そばにいた、また別のおじさんが、「一緒についていってもいいかな?」と、これに便乗、見知らぬフランス人2人を先導して、駅まで歩くことになりました。

 幸いにも天気もよくて、「まあ、このくらいの距離なら、本当は歩いた方がいいんだけど・・」「いつ来るかもわからないバスを待っているのもバカらしいし・・」「この方が健康にもいいしね・・」などと言いながら、見知らぬ人々とおしゃべりをしながら、駅まで歩くことになりました。

 私より、少し年上かな?と思っていた女性は、4人の子供がいて、「一番下の子ももう30を過ぎているとか・・みんなもう結婚していて、もう9人の孫もいるのよ・・」などと話ながら、平日の午後の見知らぬ人とほのぼのとした世間話をしながら、歩くハメになりました。

 ストライキはフランスでは珍しいことはありませんが、その度に感じるのは、この交通機関などのストライキに対して、フランス人があまり腹をたてていないことです。これが、長く続けば、また話は別なのですが、ちょっとくらいのストライキでは、もう慣れたもので、日常では、文句があれば、決して黙っていないフランス人としては、このストライキの被害を黙って受け止めていることが不思議な気もしています。

 考えてみれば、私も以前は、家が職場まで遠かったこともあり、ストライキの被害はもっとキツく感じられ、「RATPなど、私など、一般市民よりもずっと労働条件はいいのに、このうえ、何の文句があるのか!!ストライキをしたいのは、こちらの方だ!」などと真剣に腹をたてたこともありましたが、今はこうしてバスが使えない程度で、大した被害もないこともあり、あまり腹をたてることもなくなりました。

 細かいことを言えば、1ヶ月単位で購入しているNavigo(パリ市内使える定期のようなもの)、使えなかった分、返してほしいと思いますが、これは、ストライキが、よほどの長期間に渡った場合でもない限り、返金はされません。

 以前、1ヶ月近くストライキが続いた翌月には、次回の購入分が半額とかになった記憶があります。また、この際に、長く続いたストライキのあとに検札に回ってきたRATPの職員が「おまえ、あんなに長いことストライキをやっておいて、検札に回ってくるなんて、ふざけるな!」と周囲の乗客に袋叩きにあって、次の駅ですごすごと降りていったことを覚えています。

 私は少し離れていたところから、その様子を見ていましたが、1ヶ月間ストライキに苦しめられた身としては、胸のすく思いでした。

 しかし、通常のストライキに対しては、そこまで怒ることもなく、意外と大人しく受け入れているフランス人。

 下手をすると、自分が被る迷惑以上に、一方では、ストライキやデモが盛んな国であることを誇りにしているようなところもあるフランス人に、長くフランスにいても、まだまだ理解しきれないことがたくさんあるな・・と思うのです。

 そういう私も、「そういえば、以前はコロナ感染が怖くて、できるだけバスなどに乗るのも避けて、自転車にやたらと乗っていたし、歩けるところは歩いていたな・・」とか、「こうして、見知らぬおばさんとおしゃべりしながら歩くのも悪くないな・・」などと、ストライキを肯定的に受け止めようとしている自分の変化も感じながら歩いたのでした。

 今日のところは、幸いメトロは通常運転でしたが、これからマクロン政権の第2期がスタートして、年金問題などの改革に着手すれば、ストライキはこの程度では済まなくなるかもしれません。


ストライキ


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2022年5月25日水曜日

冷凍ピザの次はサラミソーセージにサルモネラ菌 真剣にどうにかしてほしいフランスの食品衛生管理

  


 現在、フランスでは、急速に進むインフレで購買力の低下をどのように克服するか?が盛んに論じられています。ウクライナ戦争に連動したエネルギーや農業原材料の高騰によるインフレは、2022年には基準値の5%を超える可能性があり、フランスの食費は2022年末までに一人当たり月224ユーロ(約3万円)上昇すると言われています。

 つまり、年間、一人当たり合計2,963ユーロ(約40万円)増加するということですから、かなり深刻です。

 私などは、かなり大雑把な人間なので、買い物の際に、商品ひとつひとつの値段をよほどのことがない限り、覚えていないので、安くなっているものを買い、この値段だと高いから買わないとか・・このくらいなら、いいか・・程度なので、今のところ、インフレを痛烈に感じてはいないのですが、それでも、買い物に行くと、お肉が高くなったなぁ〜とか、レジで支払いの段になって、合計金額を見て、「あれ?こんなに買ったっけ?」と感じることが増えているのは事実です。

 このように5%物価が上昇すると予告されていれば、5%程度、消費を抑えるように心がければよいか・・と考えるのが普通で、この消費低迷を回避するために、フランス政府は、食品バウチャーの発行を検討しているそうです。

 しかし、実際には、ヨーロッパの食品メーカーは2021年に入ってから14%値上げしたのに対し、食品流通業者は6%の値上げにとどまっているのだそうで、この政府が発行すると見られている食品バウチャーの発行とともに、さらに値上げに拍車がかかるとも考えられます。

 それでも、フランスは食料品に関しては、自国で賄える割合が高い国ではありますが、実際に流通しているものは、フランス製のものばかりではなく、むしろ、価格が低いものは、他国から来ているものが多く(基本的な食料品)、輸送価格の高騰から、この差が縮まりつつあります。

 しかし、先日、発覚した冷凍ピザの食中毒死亡事故の様子などを見ているとフランスの食品にも懐疑的になってしまうな・・と思っていたら、今度は、大手スーパーマーケットチェーン・カーフールで販売されていたサラミソーセージに重大な食中毒の原因となるサルモネラ菌が検出され、商品の回収を呼びかけるというニュースを聞いて、愕然としています。


 

 フランスでは、ソースィッソンと呼ばれるこの食品(日本でいうサラミソーセージ)は、フランスでは、とてもポピュラーな食品で、アペロ(食前に軽くちょっとつまみながら飲む習慣)には、チップスなどとともに登場する機会が多いもので、家にもたいてい、買い置きがあるものです。

 もともと、保存食のような食品なので、あらためて火を通すことも冷凍することもなく口にするのなので、これで食中毒と言われれば、ちょっと、しばらくは買うのを控えようかと思ってしまいます。

 カーフールは、ロット番号13922、14022、製品識別番号3498301003320、3498301003320に該当する賞味期限2022年7月18日、2022年7月19日の同製品の回収を呼びかけています。

 サルモネラ菌は、サルモネラ症の原因となる腸内細菌で、摂取してから一般的に6~72時間後に発熱や頭痛を伴うことが多く、突然の胃腸障害(下痢、嘔吐)が起こります。

 これらの症状は、幼児、妊婦、免疫不全者、高齢者に特に顕著に現れると言われています。

 ここのところ、幼稚園などで、高熱を出す生徒が増えているという話なども聞くので、子供が病気?と聞けば、まず、コロナを疑い、インフルエンザを疑い、そして食中毒を疑わなければならないのかもしれません。

 ただでさえ、コロナウィルスによるパンデミックは終わらない中、なぜか最近は、インフルエンザも流行し始め、その上、「サル痘」なる、これまで聞いたこともなかった病気までが登場しているこのご時世。

 食中毒のように、衛生管理で防げるはずの事故が立て続けに起こることに、インフレとは別にフランスの食品の消費を控えたくなるような気になります。

 逆にコロナウィルスがもっと蔓延していた時期には、食品工場に限らず、フランス全体が消毒され、衛生管理に気を配るようになって(ピークで感染対策をしていた頃でさえ、日本の通常モードレベルの衛生管理ではありましたが・・)いたのですが、このコロナ感染対策緩和で、街は再び汚れ始め、駅のトイレも匂いを取り戻し始め、この気の緩みが直接、口に入るものを扱う食品衛生管理にも現れ始めているのではないか?とも思うのです。

 この度重なる食中毒事故をどの程度、フランス人が注目するのかは、疑問ではありますが、これらの事故を機に、少しでも食品衛生管理を改善していってもらいたいと切に思うのです。

 食中毒に見舞われるくらいなら(一度、カーフールの魚で死にそうに苦しい思いをしました)、家でおにぎりでもパクついていれば、安心でご機嫌です。

 食中毒で苦しい思いをした体験を思い起こせば、もう2度とあんな思いはしたくないし、そりゃあ〜高齢者や幼児などには、致命的なことにもなりかねないのも想像がつきます。

 土足文化の上に、やたらと地べたに座るのが好きなフランスの人々、汚いもの、不衛生という感覚は、そう簡単には、変化するとも思い難く、やはり検査で厳しく取り締まってもらわなくては、ダメなのかもしれません。

 

サルモネラ菌 サラミ回収 カーフール


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2022年5月24日火曜日

日本の友人と話が噛み合わなくなってきた・・日本とフランスの感染対策観念とマスクの効用

  


 ここのところ、日本の友人とLINEなどで話をしたり、メッセージを送り合ったりしていると、なんだか、ちょっと私は日本の感覚と違ってしまっているかもしれない・・と思うことが、度々あって、ちょっと、自分は、気が緩んでしまっているのかも・・と、ちょっと戸惑いを覚えながらも、やっぱり違和感を感じずにはいられないことに少しモヤモヤしています。

 それは、友人が、「週末に外食の約束をしているのだけど、感染状況次第では、日にちを変更しようと思っている・・」という話をしていたことで、「えっ!?感染状況次第で外食もやめてしまうの?」とちょっとびっくりしてしまったことで、逆に私は、日本人の感染対策への観念とずいぶん、ズレしまっているんだな・・と感じたのです。

 今、私は、パリでそんなに頻繁に外食をしているわけではありませんが、現在のこの解放モードのフランスで、外食をすることには、なんの躊躇いも感じておらず、その外食ができる場合とできない場合の感染状況の違いを理解することができなかったのです。

 また、別の友人とは、全く別の話をしていて、「ちょっと旅行でもして、気分転換すれば? よかったら、パリにおいでよ!」と気軽に話したら、「う〜ん、ちょっと、現在の環境を変えて、気分転換は必要だと思っているんだけど、海外旅行は、もう少しコロナがおさまってからね・・」と言われて、またまた、「えっ?私、この間、日本に行ったばっかりじゃん!」まあ、日本への一時帰国は旅行とはまた少し違うとはいえ、やっぱり、私自身もフランスにいて生活しているうちに、この感染対策に対する感覚がやっぱり日本に住んでいる人とはズレてしまっていることを思わずにいられませんでした。

 それは、やはり、どんどん感染対策が解除されていくフランスで、「公共交通機関のマスク義務化くらい、継続してもいいのに・・」と思いつつ、バスやメトロの中で、個人的にはマスクをし続けていても、やはり、あまりに周囲の雰囲気が全く通常の日常モードに戻っていくなか、知らず知らずのうちに自分の感覚もどんどん緩くなっていることを自覚せずにはいられない感じです。

 やはり、マスクというものは、心理的にも行動を抑制する働きがあるんだな・・とも感じるのです。まあ、もともと、公共交通機関でのマスクの義務化が、かろうじて続いていた段階でさえも、屋外でのマスク義務化が撤廃され、飲食店が再開された時点で、もうフランスはほとんど通常モードで、皆、躊躇なくバカンスにも行っているし、レストランも通常営業、これまでのコロナ規制を取り戻すかの如く、外食も旅行も満喫している様子で、最近では、日常のあいさつ代わりのビズー(頬と頬を合わせてあいさつする)もかなり復活。

 つい最近の大統領選挙や新内閣の発足などでエリゼ宮に集まっている政府の首脳やEUの会議などでも、屋内外問わず、マスク姿はとんとお目にかからなくなりました。

 昨日、バイデン大統領の日本訪問の映像を見て、バイデン大統領もマスクをしているのを見て、「郷に入れば郷にしたがえ」なのか・・などと、思い、さしずめ、私は「朱に交われば赤くなっている」のかもしれません。

 しかし、そんなにまだ、みんなが慎重に感染対策をしている日本はいつの間にか、フランスよりも1日の感染者数がフランスよりも多くなっていて、(フランスはここ1ヶ月ほどでかなり減少してきて、ここ1週間の1日の感染者数の平均は24,000人程度、日本は34,000人程度でいつの間にか逆転しています)ちょっとビックリしています。

 やっぱり日本の人々が慎重な感染対策を取り続けているのは、そんなこともあってのことなのかもしれません。


日本とフランスの感染対策の感覚


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2022年5月23日月曜日

全仏オープンテニス ローランギャロス平常モードで開幕 ロシア選手は出場するか?

   



 フランスで毎年、行われる国際的なイベントの一つとして、毎年5月に開催される全仏オープンテニス・ローランギャロスがあります。

 パンデミックのために2020年には、5月開催を延期し、さらに感染状況が悪化した9月に開催したり、昨年は、感染対策が厳しくとられる中、例年どおりの5月に開催されました。

 今年の全仏オープンは、マスクの義務化もワクチンパスも撤廃された例年どおりの大会を取り戻しています。観客も100%入ります。2年間のパンデミックの規制がこの大会では全て、取り払われ、まだ、始まったばかりというのに行列ができています。

 ローランギャロス観戦は、もともと感染対策以外の警備も厳しいことで知られており、荷物のチェックもうるさく、持ち込めるバッグの大きさ(15ℓ以下)から、禁止項目は、アルコール飲料やヘルメット、応援用の旗のサイズや楽器類から、セルフィースティックまで詳細にわたっています。

 さんざん、感染対策用の規制ばかりを見慣れてきた身としては、逆にこのようなセキュリティーのための規制が新鮮に感じてしまうのは不思議です。




 感染対策への規制が撤廃され、ほぼほぼ平常が戻ってきている雰囲気の中、今年は、新たな問題が登場しています。それは、ロシア、ベラルーシからの選手の出場可否についての問題です。

 これについては、世界中でロシアに対する様々な経済措置がとられる中、大会開催前から、物議を醸してきましたが、今回の2022年の全仏オープンテニス大会では、今年3月9日の時点で欧州連合をはじめとする36カ国のスポーツ大臣の共同宣言の署名文書に沿ったものとして、ロシア・ベラルーシの選手が中立的な旗の下で競技に参加することを認めています。

 この共同声明によると、ロシア・ベラルーシの選手に関しては、出身国に関するいかなる表示もしないという厳しい中立性制度を尊重しなければならないとされています。このため、ロシア・ベラルーシの選手は出場は許可されているものの、国旗、国歌の掲揚は禁止されています。

 実際にローランギャロスの出場選手のリストを見ると、世界ランキング2位のダニール・メドベージェフ選手や、世界ランキング7位のアンドレイ・ルブレフ、同8位のアリナ・サバレンカはロシアの国旗を掲げることが許されず、各選手の国旗が記されているスペースはブランクになっています。

  



 出身国に関するいかなる表示もしないという厳しい中立性制度を尊重しなければならないというのは、こういうことなのか・・と思わせられます。

 この大会ディレクターのアメリー・モーレスモは、「これは非常にデリケートな問題で、正しい判断が何かはわからない。しかし、国としての代表選手の場合は出場できないが、個人として中立な立場をとる者の出場は制限しない。しかし、これらの選手がメディアを通して、プーチン寄りの発言をした場合には、必ず制裁をとる」としています。

 また、FFT(フランステニス連盟)会長のジル・モレトン氏も「すべては進化している」とし、ロシア人選手のプーチンに対する立場について、「我々は、一人ひとりの家庭の事情に余計に左右されることを知っているので、個々の個人的な状況の詳細に踏み込むつもりはない」と語っています。

 これに対して、6月に開催が予定されているイギリスのウィンブルドン大会では、すでに「ロシアが自らの利益のためにイベントの成功を利用しないように、また選手や家族の安全のためにロシア・ベラルーシからの選手を排除する」決定をしているようです。

 全仏オープンとウィンブルドン、2つの大きなテニスの国際大会で、異なる選択をしたフランスとイギリス。

 本当にこの状況で何が正解なのかは、わかりませんが、とりあえず、私は、全仏オープンに関しては、フランスらしい選択をしたような気がしています。


全仏オープンテニス2022  ローランギャロス2022


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2022年5月22日日曜日

パリで一番、美しいスターバックス Starbucks Boulevard des Capucines

  

外観はそんなに特別でもないスタバの正面入り口



 カフェ文化が根強くはびこるフランスで、スターバックスが出来始めた時には、一体、どの程度、広まるものかとも思いましたが、スタバは今やどこでも見かけるほどにグングン拡大していきました。たしかに美味しいとは思いますが、だいたい、いつも行列していて、並ぶのが大嫌いな私は、滅多にスタバには行くことはありません。

 最近は、他のお店でも見かけるようになりましたが、かつてはあまり一般的ではなかったチーズケーキやドーナッツやマフィンなどがあるので、お菓子目当てに行っていたことはあります。

 とはいえ、パンデミックで多くのお店が閉店に追い込まれたりしたものの、パリでもスタバは健在、パリのほとんどの区にスタバは存在し、パリ1区にいたっては、ちょっと数えただけでも8店舗もあります。

 今回は、パリ2区にスタバとは思えないようなスタバがあるというので、これは是非、行ってみたいと思って、覗きに行ってきました。

 オペラ通りから歩いていくと、オペラ通りにも1軒、こちらの方は、そんなに特別感はありません。それでも、ここも大抵、いつも行列ができています。

 今回のお目当てのスタバは、もっとオペラ座に近いキャプシーヌ大通り(Boulevard des Capucines)にあります。外観は、そんなに特別感はありませんが、中に入ると、「うわっ!これか!!」とやっぱり、なかなかインパクトがあります。

 


 入り口付近の注文する場所は、いかにもスタバな感じのモダンに作られたスペース、中央には、スタバグッズが並んでいます。


   


 それは、外観の店構えよりもずっと奥行きのある空間で、客席は、階段を数段上がったスペースに設けられています。

 


 この階段を数段上がっていくと、美術館?宮殿?と思われるような光景が広がります。

 



 もちろん、満席。一瞬、ここ、図書館?どこかの事務所?と思うくらい、パソコンを開いたお客さんが中央を陣取っています。このパソコンを開いている人々のいるテーブルが中央にあり、それを遠巻きにするように各座席があります。

  




 しかし、それ以上にびっくりするのは、もはや内装という言葉は適さないのではないかと思うような天井のフレスコ画、大理石の柱、ゴールドの装飾、豪華なシャンデリア、鏡と優雅な空間です。

 



 そのキラキラ、豪華な内装には、とってつけた感がなく、どこかしっくりきてしまうところがさすがのパリマジックです。

 スタバのお値段は、場所によっても違いますが、オペラ通りのお店とは、同じお値段だったら、せっかくなら、この優雅な空間を味わえる方がなんだかお得な感じです。

   


 しかし、パリ市内、どこも値段は同じかと思えば、我が家から直近のスタバを覗いてみたら、値段は、だいたい50セント安かったので、やっぱりパリの中心地は高いようです。

 もともと、スタバのお値段は少々、高め・・そのうえ、さらにちょっとだけ高いのですが、この豪華な空間を楽しめるのであれば、文句はありません。

 ましてや、そこで長時間、仕事をしたりするのであれば、気分よく仕事ができそうな気もします。しかし、場所取りはなかなか大変そうです。

 とはいえ、ここで仕事?をしている人のパソコンはなぜか、圧倒的に Mac(Apple)が多く、りんごのマークがずらりと並んでいます。ひょっとして、ここApple?と勘違いするほどです。

 スタバが好きな人は、なぜかMacが好き・・一見、全然、関係ないようでいて、ここに集まる人のタイプが垣間見えるような気もしたのでした。

 しかし、もしパリにいらっしゃる機会があれば、この優雅なスタバ、一見の価値があるかもしれません。

 




Starbucks Boulevard des capucines

3 Boulevard des capucines 75002 Paris 7:00~22:00



パリのスタバ スターバックス パリ



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2022年5月21日土曜日

ヨーロッパで相次いで症例が報告されているサル痘がフランスにも上陸した

   


 これまで聞いたことがなかった「サル痘」(Monkeypox)という病気が、ここ数日でヨーロッパで広まっているというニュースを聞いて、ギョッとしています。

 正直、また、ヨーロッパを中心に感染拡大・・と思ったら、カナダやアメリカ、オーストラリアでも、症例が報告され始めて、これは、欧州だけではないらしいことがわかりました。

 もともと、西アフリカの風土病であったサル痘がアフリカ大陸の外で拡大するケースは稀なことで、WHO(世界保健機構)は、このサル痘に関する緊急会議を召集しています。

 しかし、私が以前、西アフリカにいた時、サル痘なんて、聞いたことありませんでした。あの時は、とにかくマラリアが怖くて・・夫は数回、マラリアにかかって苦しんでいました。

 この病気(サル痘)は、最初の段階で、発熱、頭痛、関節や筋肉の痛み、リンパ節の腫れなどの症状が現れ、第2段階では、水疱を伴う発疹ができ、多くの場合、顔から始まり、手のひら、足の裏、性器など体の他の部分に広がるとのこと。特定の治療法はないようですが、天然痘のワクチンが有効であるとも言われ、大多数の患者は隔離され、自然に回復するとされています。しかし、一方で、一部の疫学者の間では、「サル痘の死亡率はコロナウィルスよりもはるかに高い」と警告しています。

 今回のサル痘の蔓延は、5月6日にイギリスで確認されたのを皮切りに、5月14日以降、ヨーロッパでは、ポルトガル、スペイン、スウェーデン、イタリア、ベルギーでの症例が報告されており、とうとうフランスでも、5月20日に、イル・ド・フランス地方で初めてサル痘の患者が確認されたと、保健当局とSanté publique France(SPF)が発表しました。



 このフランスでの患者は29歳の男性で、過去にウイルスが流行している国への渡航歴はないと、保健当局が発表しています。患者は、感染症が疑われた時点ですぐに保護され、現在のところ、自宅で隔離されています。

 ウイルスは、病人の皮膚病変部や粘膜に直接触れたり、飛沫を介したりして感染し、また、病人の生活環境(寝具、衣類、食器、バスタオルなど)との接触でも感染するとされています。

 また、現段階での感染経路の追跡によると、感染者やその体液(唾液など)との接触による感染が目立ち、「感染が疑われる症例は、性交渉の際に粘膜を介して感染が起こった例が多い」ことが指摘されていますが、現段階では「感染のダイナミクスをより理解するために適切に調査する必要がある」とされています。

 潜伏期間は5日から21日。発熱期は1〜3日程度続きます。通常は軽症で、2~3週間後に自然に治癒することが多いということです。

 しかし、総じて、この病気は人間同士の感染力はそれほど強くないことから、コロナウィルスのようなパンデミックには陥りにくいだろうと予測されていますが、一方では、にもかかわらず、明らかなアウトブレイクが多発していることに、WHOや欧米各国の保健当局は警戒を強めています。

 マスク、手洗いなどの最低限の感染対策の日々はまだまだ続けなければならないようです。

 まったく、次から次へと未知の病気が出てきて・・という風にも思いますが、逆にコロナウィルスによるパンデミックを経験して、これまでよりも感染症に対する警戒が強まったために、このような報告が浮上してきているのかもしれないとも思うのです。


サル痘 Monkeypox 


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