2021年12月11日土曜日

日本の水際対策のための強制隔離が大混乱の模様

   


 パンデミック以来、私は日本に帰国していませんが、この間、一時、感染状態が少し下火になっていた時期もあったのですが、日本はオリンピックもあったりして、どうにも躊躇われたし、何より隔離期間の2週間(強制隔離も含めて)は、実際に滞在する日程プラスの2週間が必要なわけで、まず何よりもそれが、日程的にもキツいことが、一番でした。

 もちろん、長距離フライトの間の感染も気掛かりでしたが、それに加えて、往復の際に必要な検査、書類、交通手段などを考えると、いつもは必要のない高額の予算が必要で、強制隔離期間(フランスからの場合は3日間)を終えて、羽田から自宅に移動する際にも公共交通機関は使えず、専用のハイヤーを頼むか、レンタカーを借りて自分で運転して帰るかしなければなりません。

 親戚や友人に迎えに来てもらおうにも、叔父や叔母も立派な高齢者で、友人や従姉妹たちとて、高齢の親を抱える者ばかりゆえ、万が一、私がどこかのタイミングで感染していて、感染させてしまったら、取り返しがつかないので、そんなお願いも絶対にできません。

 この期間に日本に留学するつもりでいた娘は、留学する予定だった大学が地方であったために、(その地方には、フランスからの直行便がない)強制隔離の3日間を終えたら、東京の実家で残りの隔離期間を過ごすつもりで、荷物だけ送って、羽田から世田谷の家まで歩くつもりでいました。(結局、留学はキャンセルになったので、そんなことは必要なくなりましたが・・)

 「自宅での隔離期間は、絶対に親戚の人にご飯食べにおいで!」などと言われても、絶対に行っちゃだめよ!」と言い聞かせていた私に、娘は、「全然、余裕で大丈夫!」と、出前やUberで頼めるメニューに目を通したりして、「あれも、これも食べたい!」とそれなりに楽しんで、隔離期間を過ごすつもりでいました。

 しかし、現在は、オミクロン株という新たな変異種の登場と、再び、ヨーロッパを中心にした感染拡大で、隔離状況は、さらに厳しくなり、イタリア、イギリス、オランダ、スウェーデン、ドイツ、ポルトガルなどの14カ国からの入国には、6日間の強制隔離、フランス、ベルギー、スイスなど39カ国からの入国には、3日間の強制隔離が必要となり、強制隔離施設が確保できずに、成田に着いたはずなのに、強制隔離施設が福岡、仙台、ついには、那覇などの地方になったり、関東近県でも、大学の学生寮になったりと、大変なことになっているようです。

 そもそも、14カ国から入国の6日間の強制隔離、プラス39カ国から入国の3日間の強制隔離施設といったら、大変な数の宿泊施設が必要になるのは、当然のことです。

 それも、日本到着後にも、自分がどこに連れていかれるのかも知らされず、ましてや、そこから再び長距離移動して地方に連れていかれるなどとは、思いもよらないことです。

 海外からの長いフライトのうえに、羽田や成田で検査やチェックにも3〜4時間はかかるそうで、ようやく入国したと思ったら、さらに延々と待たされた挙げ句に、また国内の長距離移動では、それだけでも具合が悪くなりそうです。

 帰国後2週間は、「公共交通機関を使うな」といいつつ、隔離施設への移動には、まさか隔離者専用のチャーター便というわけでもあるまいし、一体、何のために何をやっているのか?わけがわかりません。

 また、施設にもかなり、当たり外れがあるようで、話を聞いていると、ロシアンルーレットのようです。しかも、乗ってきた飛行機に感染者がいて、6日間の強制隔離がさらに延長された・・なんていう話まであります。

 そして、3日間の強制隔離と6日間の強制隔離をどのような基準で決めているのかはわかりませんが、(初期に発表されたオミクロン株の感染者数?)、これもわけがわかりません。

 イタリアがなぜ6日間の強制隔離が必要でフランスがなぜ3日間のみでいいのか?感染状況から見ると、自慢にはなりませんが、現在はフランスの方がずっと酷い状態です。

 強制隔離も振り分けられた施設にもよるでしょうが、3日間くらいならまだしも、6日間となると、精神的にも健康維持の面でも、かなりキツそうです。

 昨年の3月から約2ヶ月間、私はフランスでほぼ完全なロックダウン状況で、ほとんど外に出られない生活を送ってきましたが、それは、自宅での話で、それでさえ、息がつまり、毎日、YouTubeを見ながら、ヨガやストレッチ、ZUMBAをやったり、ベランダで野菜を育てたりと精神的にも病まないように過ごしてきました。

 それが、たとえ6日間であろうと、決まった時間に食事の配給はあるものの、小さなホテルの一室の空間から一歩も出れずに過ごすのは、具体的な話を聞いてみると、想像以上に心身ともに病んでいく様子がわかります。

 しかし、この強制隔離に関しては全て日本国の負担。文句を言えるものではありませんが、この現状のやり方に何も説明がないのは、納得しにくいところです。「そういう決まりですから・・」でおさめてしまうのが日本なのですが、せめて説明があれば、もう少し受け入れやすいような気がします。

 イギリスなどは、この強制隔離に対しても、自己負担にしているようですが、日本もこれを自己負担にすれば、逆に国籍の区別なく留学生なども受け入れられるようになるのでは?とも思います。

 しかし、現状のような日本への一時帰国者の話を聞いていると、「とても日本へは帰れない」と思ってしまいますが、実は、もしかして?そう思わせることが目的??、いやいや、そうではないでしょうが、しかし、帰国者の話を聞けば聞くほど、日本行きは当分、無理だ・・と確信するのでした。


日本入国の際の強制隔離


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2021年12月10日金曜日

美食の街リヨン 市議会が公式レセプションでのフォアグラ使用禁止

  


 フォアグラと聞いてフランス料理を連想する人は多いのではないかと思います。世界三大珍味の一つとも言われるフォアグラは、フランス人が大好きな高級食品の一つでもあります。

 特にこれからノエル・年末年始と、フォアグラのないスーパーマーケットはないだろうし、レストランなどでもフォアグラを使ったメニューが多く登場します。

 そのフォアグラをリヨンでは、市議会の決定により、リヨン市が開催するイベント、ビュッフェ、レセプションでのフォアグラの使用が禁止されるという奇妙な事態に発展し、波紋を呼んでいます。

 エコロジストの市議会は、公式レセプションだけでなく、レストランでのフォアグラの使用禁止も切望しているようです。ここまでいくと、あまりに非現実的な気もします。

 エコロジスト(エコロジスト色の強い)のリヨン市議会によると、この決定の主な理由は、「フォアグラは動物福祉に完全に反する農場の製品であるため」と説明しています。

 リヨンはフランス第二の商業都市としても有名ですが、「美食の街」としても知られるところ・・フランス料理を学びにきている人だけではないでしょうが、日本人の留学生が多いところでもあります。

 以前、娘が学生時代に知り合った友人にリヨン出身の子がいて、彼女が日本人とのハーフであることを知ると、リヨンには、日本人が多いんだよ・・と教えてくれたそうです。

 おそらく、日本でも有名な「ポール・ボキューズ」も、国家最優秀職人賞(MOF)・レジオン・ド・ヌール勲章を受賞し、ミシュランの三つ星を50年以上維持したリヨン出身の料理人で、彼のレストラン「ポール・ボキューズ」も、もちろんリヨンに誕生し、今では世界に知られるフランスを代表するフレンチレストランの一つです。

 よりにもよって、そんなリヨンでの「フォアグラ使用禁止」は、なかなか違和感を感じる決定です。しかも、一年のうちでも、恐らくフランス人が最もフォアグラを食すると思われるノエルの前に、この決定は大きな波紋を呼んでいます。

 エコロジストたちが「動物福祉に反する」強制給餌や繁殖に抗議するために行った公式レセプションでの使用禁止ですが、これには、「リヨン市長は、レストランのオーナーにまで、フォアグラの提供をできる限り制限するか、あるいは中止するように求めて、我々の食卓を規制しようとしている」と反対の声も大きく上がっています。

 前市長のジェラール・コロン氏は、この決定を受けて、「美食の都・リヨンの恥」と反発しています。フォアグラの使用を禁止することが、「リヨンの恥」とまで言い切るのも、これまた、なかなかです。

 反対の声をあげている者たちは、「リヨン市長は、周囲に耳を貸さず、対話が成立しない」とコミュニケーションの欠如を指摘しています。

 リヨンは今年の2月の段階で、市長が、コロナウィルスの感染対策のために、キャンティーンのサービスをスピードアップして、混雑状態を緩和するために、学校のキャンティーンのメニューから肉を排除し、単一メニューにしたことで波紋を呼びました。

 コロナの感染対策を利用して、キャンティーンから肉を排除したことに多くの反発が起こりました。キャンティーンは、時には、家では満足に食べられない子供たちの大切な栄養源でもあるからです。

 どうにも、偏りが強すぎる感が拭えないエコロジストの強いリヨンの発信には、歪な議会の様子が映し出されているようにも思えます。

 皮肉なことに、リヨンのお料理には、肉料理が多く、豚や牛、鶏肉類の肉はもちろん、内臓や皮、脂肪や血など肉のすべてを使うものも少なくありません。フォアグラの使用禁止に反対する人々は、「次はロゼット(ドライソーセージ・サラミ)でも禁止するか?!」と怒りをあらわにしています。

 私は、フランスにいながら、それほどフレンチレストランに行くわけではありませんが、周囲のフランス人のチョイスを見ていると、「フォアグラや肉が好きなんだなぁ・・」とつくづく思うほど、彼らは肉食です。

 この決定を下したのは、リヨンだけではなく、グルノーブルやヴィレルバンヌでも同じことを言っているそうです。

 

ノエル前にはお色直しをして山積みにされるフォアグラ


 しかし、ノエルの近づいてきたスーパーマーケットなどの様子を見ると、さっそく、例年どおり、「フォアグラ祭り」が始まっていて、綺麗にお色直しされたフォアグラがこれでもかというほど山積みにされています。

 こんな光景を見る限り、フォアグラがリヨン市の公式レセプションで使用されないことなどびくともしない感じがするのですが・・。


リヨン市議会エコロジスト フォアグラ使用禁止 


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2021年12月9日木曜日

フランスの1日の新規感染者数6万人突破のタイミングで3回目のワクチン接種をしました!

  

  

 私が3回目のワクチン接種の予約をしたのは、11月11日のことでした。

 ちょうどフランスの感染者数がグングン上昇を始めて、1万人を超えた頃だったのですが、その時は、フランスでは、ブースター接種は、2回目のワクチン接種から6ヶ月後とされていたので、2回目のワクチン接種をしたのが6月5日だった私は、自ずと12月6日以降ということになるため、その近辺で空いているところを探して予約していました。

 その頃には、65歳以上の高齢者のヘルスパスが3回目のワクチン接種をしないとこれまでのものが無効になるという発表がされていたのですが、・・ということは、その後は、全ての年齢の人も3回目のワクチン接種をしないと無効になるということは、当然のこと。

 時の流れとともにワクチンの有効性が弱まるのは、何も高齢者だけではないので、同じようにワクチン接種を重ねてヘルスパスも更新していかなければ、ヘルスパスの意味がなくなってしまいます。

 案の定、11月末になって、全世代に対して、2回目のワクチン接種から7ヶ月以上経過した場合は、来年の1月中旬には、これまでのヘルスパスは無効になることが発表されました。

 そして、何よりも、1日の新規感染者数が1万人を超えてからは、感染者数の上昇の仕方も加速度的に進み、週ごとに1万人増えていく感じで、とうとう昨日は、6万人超え。感染者が増加すれば、感染するリスクも高まるわけで、何よりも私は感染することが恐怖でした。

 私が3回目のワクチン接種の予約を入れて、しばらくして、あまりの感染の増加に3回目のワクチン接種は、5ヶ月後からできることになりましたが、時すでに遅しで、私が予約していた日にち以前の予約はもうすでにいっぱいで、前倒しにすることはできませんでした。

 おそらくワクチンの有効性が薄れているであろう身でウィルスに怯えながら生活するのは、もう懲り懲りで、私は心臓疾患があり、リスクが高い人に分類されているため、おそらく、もし、感染した場合のリスクは、本当に大きいのだろうけど、食事にだって行きたいし、友人にだって会いたいし・・ワクチンでもなんでも頼れるものには、なんでも頼りたい・・もうそんな気持ちになっていたのです。

 2回目のワクチン接種から有効性が薄れると言われている6ヶ月間の最後の1ヶ月は、ちょうど、フランスの感染も急拡大していくタイミングで、私は本当にできるだけ出かけずに、おとなしく、おとなしく過ごしていました。

 いつもはしないインフルエンザのワクチン接種までして、久しぶりのインフルエンザの予防接種に軽く熱を出したりもしました。

 前回2回のワクチン接種はかかりつけのお医者さんでやってもらったのですが、今回はDoctolib(ドクトリブ)というアプリを使って、予約の空きを探したために、バスで15分ほど先の薬局でした。

 それはごくごく普通の薬局で、もっと立て込んでいるのかと思いきや、薬局には誰もおらず、予約した時間よりも早く着いてしまった私は、「ちょっと予約した時間より早いけど・・」と言うと、すぐに受け付けてもらうことができ、「薬に対するアレルギーはありますか?」とか、「これまでにコロナに感染したことはありましたか?」などの簡単な問診に答え、健康保険証のカードを渡すと、別室に通され、あっという間にワクチン接種は終了。

 その場で、数分で、3回目のワクチン接種の証明書、QRコードをもらって、難なく、3回目のワクチン接種は終了しました。

 これまで2回のワクチン接種でもそうでしたが、ほぼ、何も感じず、ほんとにやってくれたの?と思うほどの速さと何の感覚もありませんでしたが、証明書のQRコードをもらって、記載されていることが間違いないか確認し、ほんの10分ほどで薬局を後にしました。

 ず〜っと、まだかまだかと待っていたワクチン接種、私は、正直、これまで、今回ほどワクチン接種というものを心待ちにしたことはありませんでした。

 ワクチンが身体に浸透するまでに2週間ほどかかると聞いていますが、薬局からの帰り道、私はすでにもう、あ〜あそこにあれを食べに行きたい!とか、あそこにも買い物に行きたいとか、友達にも会いたい!とか、色々と考えていました。

 ワクチン接種から6時間ほど経った時点で、若干、腕が痛くなりましたが、(これは前回と同じ)その他は1日経過した現在も、特に副反応らしき兆候はありません。

 なんとなく、ちょっとだけ安心したところで、3回目のワクチン接種直後に感染したという人の話を聞き、ガックリ。すでにワクチン接種をした時点で感染していたのか、それともワクチンが効き始める前に感染してしまったのか? しかも、ワクチン接種後に体調が悪化したのをワクチンの副反応だと思って、ひたすら耐えているうちに悪化してしまったとのこと。

 いずれにせよ、やはり、ワクチンとて、100%安心できるわけではないということを再確認させられました。

 家に帰って、QRコードを携帯のヘルスパスに読み込むと、画面には、花吹雪が舞いました。




 3回目のワクチン接種のヘルスパスにこんな遊び心を盛り込んでくれるところは、フランスらしいところかな?と思いました。

 ひとまず、大仕事を終えた気分のところに、夜のニュースでは、さっそく科学技術審議会の会長が、「場合によっては、4回目のブースター接種が必要になるかもしれない」という話をしており、思わず指折り数えて、次は、5月?と気が重くなるのでした。


フランス新規感染者数6万人突破 ブースター接種


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2021年12月8日水曜日

フランスの12月の恐怖の配送事情を垣間見た!

  


 日頃から、あまり配送事情が良いとは言えないフランスですが、最近、モンディアル・リレーなどの自宅に直接配送するのではなく、中継地点を経由する(配送の時も受け取りの時も中継地点で引き渡し、受け取りする)システムができて、若干マシになってきたと思っていました。

 12月は特にクリスマスプレゼントなどで、配送品も一段と多くなる季節。フランスには、お歳暮のようなものはありませんが・・その代わりといったら何ですが、ノエルのプレゼントには、皆、お金を使います。

 そんなわけで、いつもよりもずっと、配送が立て込み、時間もかかれば、紛失などの事故?も増えるのです。私もこれまで12月に日本から送ってもらった荷物がいくつか紛失されており、そのたびに、送ってくれた人にも申し訳ない気持ちになるので、12月は泣く泣くお断りするようにしています。

 私は、ここ数年、家の中の断捨離かたがた、お小遣い稼ぎに、Vinted(ヴィンテッド)というフランス版メルカリのようなものをやっているのですが、この時期は、最も良く売れる時期で、出したまま、放ったらかしになっていた品物をもう一度、出し直したりしています。(時間が経つと検索の上位にあがらなくなるため)

 この時期は、さすがにクリスマスプレゼント用だけあって、中古品よりは、新品のものが売れるのですが、家に買ったまま使用していないものは山ほどあって、この山を見るたびに、どれだけ余計なものを買い込んでいたのか?と反省し、なんとか、少しくらいはとりかえそう!そんな気持ちなのです。

 Vintedで指定できる中継点はいくつかの会社があるのですが、それは、買い手側が選択するようになっているので、こちらからは、会社を指定することはできません。週末の間にサイトを見る人が多いのか、先週末には、3点が売れ、残念ながら、3ヶ所別々の会社の配送地点で、一日に3軒まわるハメになりました。

 その中でも、海外から(今回はイタリアでしたが)の購入者の場合、UPSという会社を指定されることが多いのですが、そのUPSに荷物を持っていった時の話です。

 いつもは、そんなに人がいるわけではないのに、さすがに12月だけあって、狭い荷物の引き渡し場所には、数名がすでに待っている状態。狭い空間で、マスクをしていない人もいたので、嫌だな・・感染が心配だ・・と思いながらも、だからと言って帰るわけにもいかずに、列に並んで待っていたのです。

 すると、一人目の女性は、2個の荷物を受け取りに来たのに、1個目の荷物は、「今は荷物が多過ぎて、探せないから出直してください!」と言われ、もう一つの荷物は、「別の地域のUPSに届けられているから、そこへ取りに行ってください!」と言われており、なんだか、みているうちに嫌な気分に・・。

 そして、次の男性は、引き取るはずの荷物を検索したはずなのに、「あなたは、もう10月8日に受け取ってますね・・」とあっさり・・、男性が、「その荷物じゃなくて、こっちだ!」と携帯の通知画面を見せると、「ああ〜それね・・」と、応対している女性は全く怯むことなく、再度、検索。

 すると、「あなたの荷物はメキシコに届いています!」と・・。列に並びながら、聞くとはなしに聞いていた私も「メキシコ??」と思わず、声をあげてしまいました。パリに来るはずの荷物がなぜメキシコに行ってしまうのかわかりませんが、その男性は、慌てて、携帯で送り主?と連絡を取り始めました。

 次に引き取りに来ていた男性の荷物も、「あなたの荷物はまだ届いていませんよ!あなた、荷物を受け取るための税金を払っていますか? 多分、そのために、荷物は税関で止められているのだと思います」とばっさり。

 男性は、「前回は、税金は、ここで支払ったから、それでいいと思っていたんだけど・・」と言うも、「とにかく、ここには届いていませんから、税関に連絡してこの地域の配送担当の人と話してみて下さい」で終わり。

 フランスでは、今年の夏から、配送品に税金がかかるようになって、色々とシステムが変わったために、これまでもスムーズとは言い難かった配送がさらに滞っていることが考えられます。

 結局、私の前に並んでいた女性で荷物を無事に受け取れたのは、延々と待たされていた女性一人だけ・・。私は受け取りではなく、配送してもらうものを渡しに行っただけとはいえ、こんな様子を見てしまって、これから送る荷物は無事届くのだろうか?と大いに不安になりました。

 しかし、これらの塩対応?を受けた人々は、がっかりする様子はあっても、怒ることもなく、「ハイ・・そうですか・・」と意外と素直に受け入れているのも不思議なことです。

 慣れているというか、こんなものだ・・と思っているのでしょうか? 物申すはずのフランス人もこういう事には、意外とあっさりと受け入れるところは不思議です。

 けれど、こんな場面を一度に見せられて、やっぱり私は、ちゃんと送ったということだけでも知らせておかなければ・・と、とりあえず、買い手の女性には、「今、荷物を送りました」と連絡を入れておきました。

 そして、さらに、その翌日、朝早くに階下の隣人がドアフォーンを鳴らすので、(顔見知りで、会えば挨拶程度はするが、あまりよくは知らない人)何かと思いきや、これがうちのポストに入っていたけど、これ、お宅のものではないですか?と間違って配達されていたけっこう大きめの荷物を届けてくれました。

 この荷物は、会社からのもので、特に荷物を送りますという連絡もなかったため、荷物が届いていないこと(迷子になっていること)さえ知らなかった私。隣人が正直で親切な人で、わざわざ届けてくれたからよかったようなものの、ばっくれられていたら、もうそれで終わりでした。

 うちは、そんなに配送品と多く関わらないにもかかわらず、このようなできごとに連日、遭遇するとは、やはり、フランスの配送事情はちっともよくなっていなかった・・と思わざるを得ないのでした。


フランスの配送事情


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2021年12月7日火曜日

フランス政府の発表した第5波対応策 ディスコ・ナイトクラブ4週間閉鎖

   


 新型コロナウィルス第5波が想像以上に大きな波となり、1日の新規感染者が5万人を超えたフランスで、週明けに開催された国防会議で決定された対応策を発表しました。

 感染者数の上昇とともに、現在のフランスは医療機関の圧迫も進み、入院患者数は、1週間で23%増加、集中治療室の患者数は28%増加しています。

 この現状のわりには、カステックス首相の発表は、現在以上の極度な制限はない、かなり多くの人に理解されやすいであろう程度の比較的マイルドなものでした。

 すでに、ヘルスパスにより、かなりの場面で制限がとられているフランスでは、なによりも、ワクチンの有効性が低下し始めている人々へのブースター接種、また、これまでに一度もワクチン接種を行っていない人のワクチン接種の拡大とスピードアップということが、中心に据えられ、1月初旬までには、1,500万人がブースター接種可能な状態になります。

 特にリスクの高い65歳以上の高齢者に関しては、ワクチン接種センターでは、予約なしに優先的に行われることになりました。ワクチンの予約が難しかったこの年代の人々には、朗報です。

 パリ警察庁は、今後15日間以内に、パリ市内に9つの追加の予防接種センターを開設することを発表しています。 

 

 今回の政府の対策で一番、影響を受けるのは、ディスコやナイトクラブで、12月10日(金)から、4週間にわたって閉鎖されます。2度のワクチン接種をしているにも関わらず感染者が増加している若者の集まる、この感染対策の取りにくい場所が今回は標的になりました。

 このセクションを閉鎖することに対する経済的な支援は、政府から支払われる予定になっています。

 現在、最も感染が急上昇している小学校では、感染対策のレベルをさらに上げ、屋内外を問わず、マスク着用が義務化され、ソーシャルディスタンスをこれまで以上にとることとし、ノエルのバカンスを前倒ししたり、学校を閉鎖したりすることは避けるとしています。

 また、既往症等のあるリスクの高い6歳から10歳の子供に対しては12月15日から、ワクチン接種を開始することになりました。その他の子供に関しては、今しばらく、科学的な研究結果を待つとしています。

 ただ、この年齢層の感染上昇は、明らかに異常であるとし、他の対策をとるべきだと訴えている専門家も少なくありません。

 その他、テレワークを3日に2日の割合に増やすことが推奨されていますが、これは、あくまでも推奨されるというレベルのものです。

 結局のところ、これまでいつも第一のターゲットになってきた飲食店に関しては、現状どおりのヘルスパスのチェック、文化施設、娯楽施設、商業施設に関しても、営業時間制限を行うことも、縮小して営業されることもなく、クリスマスマーケットが閉鎖されることもありません。(クリスマスマーケットに関しては、地域の県知事の裁量でヘルスパスが導入されます)

 ワクチン未接種者のみのロックダウンやレストランや商店の時間短縮営業などを行っている周囲のヨーロッパ諸国の対応に比べるとかなりマイルドな対応と思われますが、「ワクチン接種がこの勢いで進んでいけば、感染もおさまっていくでしょう」と、フランス政府は自信満々です。

 つまり、ワクチン接種の他には、ごくごく基本的な感染対策をとりなさいと繰り返し、伝えているのであり、今さら、連呼することなのかとも思うのですが、それができていないから、連呼しなければならないわけで、相変わらず、決して国民を叱ることもありません。

 ノエルまであと3週間を切ったこのタイミングでの発表は、「ノエルを安心して家族と過ごせるために、皆で協力して、感染対策をしましょう」というもので、あくまでも、日々の日常生活をできるだけ尊重する姿勢が見えます。

 かなり楽観的とも思われるフランス政府のこの対応は、今後、吉と出るか凶と出るかわかりませんが、私も、ブースター接種をして、できることを淡々とするしかないと思っています。

 それにつけても、この会見の際にカステックス首相の前に掲げられていた「Conférence de presse COVID-19」という立札の「COVID−19」という文字を見て、2021年ももうあとわずか・・2019・2020・2021といつの間にか過ぎて、もうすぐ2022年になることをあらためて、ジンとした気持ちで眺めたのでした。


フランスの第5波対応 ディスコ4週間閉鎖 小学校マスク完全義務化


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2021年12月6日月曜日

日本入国のための日本人の外国人配偶者短期滞在ビザの効力停止の混乱

   


 12月1日付けで、「新型コロナウイルス感染症の拡大防止に係る上陸拒否について」という文書が出ています。知人が大使館からメールでお知らせが来たというので、これは、外務省からのものと思いきや、読んでみると法務省の決定を伝えているものでした。しかし、法務省というきっちりとした発信元の記載はなく、最後に連絡先として、出入国在留管理庁出入国管理部審判課とあります。

「新型コロナウイルス感染症の拡大防止に係る上陸拒否について」 

 これによると、「当分の間、上陸の申請日前14日以内に以下の地域(これに入っていない国があったら教えてもらいたいくらいのほぼ全ての国)における滞在歴がある外国人について、「特段の事情」がない限り、上陸を拒否する」とあります。

 この「特段の事情」には、「日本人の配偶者」、「永住者の配偶者」、「外交の在留資格取得者」とありますが、実際には、「配偶者のビザが停止された・・」「大使館にビザの申請に行っても受け付けてくれない」という人も少なくないようなのです。

 自分で調べようとしても、相変わらず、外務省、法務省などのサイトはこの上なく、わかりにくく、また次から次へとページを飛ばなけれなならないサイト上でもたらい回し感満載の状態です。

 念のため、フランス大使館に電話して問い合わせたところ、現在は、日本人の配偶者でも日本に居住している場合、もしくは、居住する場合にしかビザの申請は受け付けられない(とりあえず12月31日までは)ということでした。

 そして、フランスには少なくないであろう事実婚のカップルについても一応、聞いてみると。「事実婚の場合は、日本は配偶者とは認めていない」ということでした。

 「配偶者のビザが停止された」「ビザ申請も受け付けない」などというのは、あり得ない話で、日本に居住しない限り、外国人の配偶者は日本人の家族として認められていないのか?と怒りを感じます。

 すでにビザを取得していた人には、なおさらのことで、そもそもその申請に必要な書類を揃えるだけでも、相当な時間とお金と労力がかかっているので、その落胆は、計り知れません。

 パンデミックが始まり、そろそろ2年が経ちます。海外で生活するということは、好きな時に必ずしも日本に帰国できないことは覚悟はしていましたが、これほどまでに長引くと、やはり焦燥感は募ります。

 「いつになったら日本へ行けるのか?」「このまま叔父や叔母にも会えないまま、お別れになってしまうかもしれない・・」「私は生きているうちに、あと何回、日本に行けるだろうか?」などということ考えてしまいます。

 私の場合、日本の両親はすでに他界していますので、このために最期の時に会えなかったとかいうこともありませんが、これまで(コロナ前)、親が急に入院した・・危篤・・などという知らせに、すぐに飛行機を予約して数日後には、日本へ・・などということも一度や二度ではありませんでした。

 そうでなくとも、こちらでの生活にも様々な事情があり、そうそう簡単にいつでも帰国できるわけではありません。

 今回のオミクロン株出現以来の強硬な日本の対応は、全世界からの外国人シャットアウト、フライト予約停止、停止撤回とぐるぐると状況が変わり、特段の帰国の理由のない私はハナから日本への一時帰国は諦めていますが、今の時期にわざわざ日本に帰国する人には、それなりの事情があってのことだと思います。

 私の友人でオミクロン騒ぎになる前に日本に帰国した友人がフランス人の夫のビザも書類も全て揃えたのに、入国の際に長くチェックのために空港で留め置かれた話も聞いています。

 無防備にしろとは言いませんが、もう少し鷹揚な対応をしてくれても良いのではないか?とも思ってしまいます。

 比較になりませんが、イギリスでは、水際対策強化のために、イギリス入国に際しては、12月7日から、12歳以上の全ての人に対して、48時間以内のPCR検査・抗原検査の陰性証明書が必要になったそうです。

 むしろ、これまでそれですら、やっていなかったことの方が驚きです。

 それでも、オミクロン株の登場以来は、入国後2日以内のPCR検査で陰性が確認されるまでは自主隔離、レッドゾーンからの入国は原則禁止(入国が許可された場合でも10日間、政府指定のホテルで自費で自主隔離)ですが、国籍の制限ではありません。

 これに対して、一時はフライト予約停止と日本人でさえ入国できない状態になったり、配偶者ビザが停止されたりと、二転三転しながら、日本の水際対策は戦々恐々としています。

 私は、国籍による区別には疑問に感じています。日本人同様の隔離期間を設け、自費で指定期間に隔離し、検査をすれば、良いのではないかと思うのです。殊に日本人の家族がいるのならば、なおさらのことです。

 どうやら、ヨーロッパと日本では、感染対策には、激しい温度差があるようです。

 にもかかわらず、先ほど、JALからメールが入り、「日本行き2月のスケジュール発表しました!」「各国の出入国制限が続く中ではありますが、渡航を必要とするお客様のたまに、パリ発羽田行きは、2月も継続して毎日運行いたします」と書いてあり、なんとも言えない気持ちになりました。


日本入国のための配偶者ビザ効力停止 受付停止


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2021年12月5日日曜日

6歳から10歳の子供の感染が激増しているフランス

   


 フランスの新型コロナウィルス感染は悪化の一途を辿り続け、ついに1日の新規感染者数は5万人を突破しています。4万人のしきい値を超えたのが11月30日だったので、それからさらに1万人増加するのに1週間もかかっていない急増の仕方です。

 中でも、6歳から10歳の子供の感染が急激に増加していることが注目されています。フランスの全世代平均(全国)の10万人あたりの発症率が388であるのに比べ、この年代の発症率は750になっており、どう考えても、異常な事態と言わざるを得ません。

 現在、フランスで行われているワクチン接種は12歳以上なので、ワクチンによって守られていないことから、起こっている現象とはいえ、0~2歳では120、3~5歳では335、11~14歳では439、15~17歳では267となっているので、特に考慮されるべき年齢層であることに違いありません。

 この年齢層の発症率は3週間前までは、わずか100程度であったことを考えれば、この急増の仕方には、愕然とさせられます。

 この6歳から10歳の子供の感染者数の増加は万聖節(トゥーサン(ハロウィン))のバカンスの直後から始まっており、もちろん、この年代がワクチン接種を行なっていないことは大きな原因の一つでもあるものの、ちょうど、この時期を前後して、小学校での感染対策を変更しており、子供の集中力などの学習能力を考慮し、教室でのマスク義務化を排除したり、また、学級内で感染者が出た場合もその時点で、学級閉鎖にはせずに、感染者が出るたびに学級内の生徒には、検査を行い、陽性者のみが隔離という対応に切り替えた時期の後から始まったことでもあります。

 当然、この年代の子供の検査数が急増したために、感染していることが確認されるケースが多いことから、この年代の発症率が上昇することになってはいるのですが、それにしても、実際に感染者が多いことに変わりはなく、このまま放置できる問題ではありません。

 現在は、小学校でも再びマスク着用の義務化が再開していますが、一時、対策を緩和したツケがまわってきていることは間違いありません。

 また、同じようにワクチン接種を行っていなかった昨年の冬は、この年代の子供の発症率は今年よりも低かったのです。昨年の今頃はまだワクチン接種が全国民に対しても行われていなかったことから、ソーシャルディスタンス、マスク着用、部屋の換気、その他の衛生管理対策が現在よりも徹底されていたことを思い出します。

 昨年の今頃は、フランス全体が現在よりもノエルを家族で迎えられる状況を作るために、もっと警戒した緊張状態にあったのです。

 当然、この年代へのワクチン接種について、再考が重ねられていますが、11月30日の時点でフランス国立衛生局(HAS)は、「重症化して死に至る危険性がある」子供たちや、「ワクチン接種で保護されていまい免疫不全者や社会的弱者の近くに住んでいる」子供たちに対しては、ファイザー・バイオンテック社のワクチン接種を推奨しています。これには、約36万人の子供たちが該当します。

 また、オリヴィエ・ヴェラン保健相は、HASの発表に基づき、12月中旬から下旬にかけて、リスクの高い子供(6歳から10歳)に対してのワクチン接種を開始することを発表しています。

 欧州医薬品規制当局(EMA)は、11月25日に、この年齢層へのワクチン接種をすでに承認しています。EU諸国はこれを取り上げ、各国ごとに実施することが可能になっています。

 フランスでは、かなり慎重な態度を取り続け、差し当たっては、「高リスクの子供のみ」とし、フランス科学審議会は、「すでにアメリカで行われているこの年代の子供へのワクチン接種に関する初期のフィードバックを待っている」と述べています。

 しかし、一部には、「ワクチンのベネフィットとリスクのバランスを考えれば、現段階でワクチン接種を受ける権利を持たない子供は不利である」「子供のワクチン接種の恩恵を受ける権利を奪う権利はない」と権利の主張が得意なフランス人ならではの言い方での意見も出始めています。


フランスの6歳から10歳の感染急増


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