2023年8月18日金曜日

好奇心旺盛のフランス人の夫がアフリカで食べた動物がパリの動物園にいた!

  



 以前に、とっても懐かしい思い出があったパリの動物園のオランウータンに会いに行って、オランウータンのスペースを探しながら(動物園の地図には、なぜか載っていない動物がたくさんある)、水牛とか、獏とか、なんだかオレンジ色っぽい子ザルとか、一目見ただけでは、この動物はなんという動物だかわからないような動物がけっこういて、なんだか、感動ポイントがフランス人とはずれているのかなぁ?と思いつつ、なんだか、今一つ盛り上がりに欠けるかも・・などと思いながら、歩いていました。

 それでも、せっかく来たのだから、一応、ここにいる動物はひととおり見て行こうと思って、「これ、何?」と思う動物は、一応、看板を見て、何の動物なのかを確認しながら歩いていると、なにやら、熱帯動物を集めた、歴史を感じさせる、やけにガッチリ作られた石の門構えの建物があり、入ってみると、熱帯動物を集めているだけあって、中の空気は生ぬるく、蒸しっとしていて、ひとつひとつの動物?ごとに、ガラス窓でしきられていて、覗いてみると、なんとヘビやオオトカゲなどの爬虫類・・。

 あまり趣味ではないので、早々に退散、しばらくして、鳥類が集まっている場所の一部には、鮮やかなフラミンゴがいたりして、ちょっと救われた気がしたものの、なんだか、「もう!一体、オランウータンはどこだったんだっけ?」と思いつつ、もう少し、動物園らしい?喜びを感じさせてくれる動物はいないものだろうか?と思って歩いていると、その中のひとつに、看板を見て、「ん??これは何と読むのだ?」という動物がいました。

 もちろん、全部、フランス語(英語でも書いてあったと思う)で書いてあるので、ましてや、あんまり見覚えがない動物の名前など、フランス語はもちろんのこと、日本語だって、わかりません。


 しかし、「AGOUTI」(アグーチ)とたどたどしく読みながら、「アグーチ、えっ?アグーチ??」「アグーチって、もしかして、あのアグーチだ!」と、私は、一人でちょっと興奮していました。

 それこそ、感動ポイントがずれていると思いますが、アグーチという名前には聞き覚えがあり、なんとそれは、好奇心旺盛なフランス人の夫とコートジボアール(西アフリカ)にいた時に、その土地の名物料理のようなものが食べたいと、レストランで食べたことがあった動物だったのです。

 それは、テーブルに出てきた時には、シチューのような煮込み料理になっていたので、原形をとどめておらず、どんな動物なのか?とレストランの人に聞くと、なにやら、モグラとネズミの混ざったような動物だということで、どちらにしても、食用としたら、あまり気持ちのよいものではないだけに、あらためて、わざわざ調べてみることも、具体的に想像してみることもしてきませんでしたが、この名前だけは、なぜか鮮明に記憶していたのでした。

 まさかのパリの動物園で、このアグーチを見ることになるとは、思ってもみないことで、まじまじと見つめてしまいました。

 夫は好奇心旺盛で、フランス人はあまり行かない現地の小さい村のお祭りに大使館の現地採用のスタッフに頼んで参加させてもらったり、なんだか、野原のようなところの、「これ、ほんとに石鹸?」と思うような石鹸工場を見に行ったり、タバスキと呼ばれる、イスラム教のラマダンの終わりに行う羊をいけにえに捧げる行事に参加したり、物珍しいものごとには、果敢に参加して挑戦する夫は、現地の人が食べるとい珍しいお料理もぜひにと食べたがって、実現させたのでした。

 なんだか、得体のしれないものを食べたがるわりには、胃腸はあまり丈夫ではなく、必ずあとには、必ずお腹を壊すのですが、それでも、夫は大変、満足そうでした。

 実際に、現地の人々は、やはり、貧しくて、うちに来ていたボーイさんなどに聞く話では、動物は、ほとんど、どんな動物でも食べるそうで、そういわれてみれば、猫や犬でさえも、あまり外をウロウロしていることはありません。

 動物園といえば、アビジャン(コートジボアール)でも、一度、動物園に行きましたが、英語では、アイボリーコースト(日本語で象牙海岸共和国)と言われるくらい、大昔には、象牙の売買で有名だった場所。さぞかし立派な象がいるだろうと思いきや、あんなに痩せた象を見たのは初めてで、なんだか、悲しくなりました。

 話は逸れてしまいましたが、四半世紀を過ぎて、あの時、夫が食べたアグーチに会うとは・・、なんだか、私には、「へえ~~?これがあのアグーチ!」「まさに、モグラとネズミの混ざった感じ・・」と、ちょっと感動?しましたが、果たして、ふつうに動物園を訪れた人が何を思うか?不思議な気もしました。


アグーチ パリ動物園 コートジボアール


<関連記事>

「オランウータンと友達になったフランス人」

「今は亡き夫の友達だったパリの動物園にいるオランウータンに会いに行った」

「亡き夫の誕生日 夫の思い出」

「フランス語力ほぼゼロだった私のフランス人外交官の夫とのアフリカ生活」

「子供が生まれて思ったことーアフリカでの出産」

「アフリカは、アフリカでいい」

「MADE IN AFRICA」



2023年8月17日木曜日

冷蔵庫が壊れて、慌てて新しい冷蔵庫を買いに行きました・・

  


 2~3日前から、どうも冷蔵庫があんまり冷えないな・・と思い始めていたのですが、急ぎの仕事があったので、そのうちなんとかしなくちゃと思いつつ、それでも、冷凍庫は動いているので、そのうちなんとかなるか・・と甘い気持ちでいました。

 私は、電気系統とか、家電とかに全く弱く、ネットで冷蔵庫が壊れた時の対処法などを調べて、「冷凍庫に霜がたまっていませんか?」とか、「冷蔵庫の裏に埃がたまっていませんか?」など、故障の原因になっている場合があるということを少しずつやってみて、Twitter(X)の皆さまにも教えを乞うたりして、どれをやっても、結局ダメ。

 また、悪いことに、パリはちょっと気温がまた上がってきたタイミング、もう冷蔵庫なしでは、どうにもならない・・と、慌てて、冷蔵庫って、いくらぐらいするものだったっけ?とネットで調べ始めました。

 とにかく安い買い物ではないし、以前、冷蔵庫を買ったときに、おそらく、これが、私が生きている間に買う最後の冷蔵庫になるのでは?などと思って、そこそこいい冷蔵庫を買ったつもりではあったのですが、その冷蔵庫が届いた時から、運んできたおじさんが、得意気に、「これが冷蔵庫の霜取りに使うヘラです。こんなのもちゃんとついてます!」というので、「こんなのつけるくらいなら、霜のつかない冷蔵庫にせんかい!」などと思ったことは、覚えているのですが、肝心な値段は、全く覚えておらず、ただ「高いな~」という記憶しかありませんでした。

 しかし、数ある電化製品の中でも恐らくないと一番困るのは、冷蔵庫。ふつうにあることがあまりにあたりまえで、日頃は全く、ありがたみを感じることもないのですが、特にこの暑い中、冷蔵庫が冷えないと、当然のことながら、中のものはどんどん腐り始め、ほんとうに困ります。

 そういえば、家電製品修理の援助金というものができたんだったな・・と思いつつ、冷蔵庫などは、自分で持っていくこともできないし、冷蔵庫修理の援助金は25ユーロで、もう修理に来てもらうだけでも、そんな金額ではとても間に合わないうえに、来てもらったうえに、結局、なおらないとか言うことになった場合は、それこそ大変なうえに、何日もかかることになります。

 この夏の暑い中、できるだけ早く冷蔵庫は必要で、もう腹を括って、買いに行きました。ネットで買うこともできるのですが、やっぱり写真では、イマイチぴんと来ないし、今ある冷蔵庫を引き取ってもらったり、色々、わからないことを質問したりもしたかったので、お店に出向きました。

 やっぱり、実物を見てみると、中のしきりの大きさとかポケットとか、スペースの取り方とかがそれぞれ、微妙に違い、このスペースは何?と聞くと、「それは、チーズのためのスペース」とか、ワインラックがついているものとか、いかにもフランスな感じのものもあり、そんなものはいらない私は、やっぱり直に来て聞いてみてよかった・・などと思ったのでした。

 幸い、バカンス中でお店は空いていて、運よく、とてもテキパキした若い女の子が担当してくれて、非常にスムーズに、お店のカードをその場で作って、今日からそれで割引にしてあげる!ということになり、明日には、配達できるというので、けっこうあっという間に決めて帰ってきました。

 電化製品のお店は日本のようにそんなに選択肢がなく、たいていDARTYというお店に行くのですが、こんな風に何かが壊れた時に来るだけなので、本当に何年かに一度しか来ないし、前に来たのがいつだったか?何を買ったのかもよく、覚えていないくらいです。

 しかし、前に来た時にも少し感じたのですが、以前はたくさんあった日本の製品がすっかり姿を消していることに愕然とし、Samsung(サムソン)のものがたくさんになっていて、思わず、「私は日本人なので、日本のメーカーがいいんだけど、日本の冷蔵庫はないの?」と半分、冗談めかして言ってみたものの、あっさり、「全然、ない!ありません!」とのこと。

 他の電化製品にしても、すっかり日本のものはなくなっていて、かろうじてあるのは、SONYのテレビくらいのもので、ここでも日本の衰退ぶりをハッキリ見せつけられた気がして寂しくなりました。

 とにかく、明日の午前中には新しい冷蔵庫が届くことになっていますが、最後の最後まで安心できないのがフランスです。一度、約束の日になかなか来ないと思っていたら、電話がかかってきて、「運ぶときに冷蔵庫に穴をあけてしまったけど、割引するから、それでもいいか?」などと言われたこともあり(いいわけないだろ!という話ですが・・)、無事に運んでくれて、それがしっかり動くことを確認し、きっちり古い冷蔵庫を持って行ってもらうまでは、まだまだ安心はできません。

 しかし、とかく電化製品といえば、立て続けに色々なものが壊れ始めるというジンクス(我が家ではという話ですが・・)があるため、またまた、他のものにも、いつ何が起こるのか?不安な気持ちにもなります。

 以前から感じているのですが、電化製品というのは、当たりはずれがあって、やけに、あっさり壊れてしまうものもあれば、やたらと長持ちするものもあったりで、全く、寿命というものに見当がつきません。

 ちなみに我が家で使っている電子レンジは、フランスに来た時に、義姉が、もう家で使っていないものがあるから、これ、使って!と言われてもらってきたもので、ということは、少なくとも、我が家では、もう25年以上使っていて、その前に義姉が使っていたことを考えれば、スゴく長持ち・・昔の電化製品の方が長持ちするという感じもするのですが、とにかく、これは当たりの電子レンジでした。しかも、もらいもの。

 こんなことを言っていると途端に電子レンジが壊れた・・とかいうことになりかねませんが、その電子レンジはTOSHIBAのものです。

 どうか、今度の冷蔵庫は霜取りが必要ありませんように・・。


冷蔵庫故障


<関連記事>

「10ユーロから45ユーロの電気・電子機器 家電製品修理ボーナス導入」

「基本、信用しないことで成り立つフランスでの生活」

「未だに霜取りが必要なフランスの冷蔵庫」

「娘のフランス人のDNAが活性化するとき・・生ハムの塊が消えた・・」

「今どきあり得る? 突然の停電」

2023年8月16日水曜日

母親の命を救った7歳の子供 救急隊員が通話記録をSNS上に公開して正確な通報を啓発

  


 殺伐としたニュースばかりが多い中、珍しく、ほっこりさせられるニュースです。

 目覚めない母親を心配して、救急隊に電話してきた子供とオペレーターの会話をSNS上で公開し、正確に状況を把握して処置を行おうとする救急隊のオペレーターと冷静な子供の応答を公開して、正確で冷静な通報の啓発と頼もしい救急隊の仕事ぶりをアピールしています。

 すごく不安で、小さな男の子が救急隊に電話をかけてくるだけでも、大変な勇気のいることであっただろうに、この男の子は極めて冷静で、オペレーターの質問に正確に答え、指示に従って、一つ一つの確認作業をこなしていくのには、聞いているだけでも、思わず、「がんばれ!えらいぞ!」と応援したくなります。



 子供は第一声、「ボンジュール、私のお母さんが起きられないので〇〇(住所)に来てください」と言います。

「ママは何歳ですか?」「34歳」

「一軒家ですか?アパートですか?」「一軒家です」

「ママはうつ伏せになっていますか?仰向けになっていますか?」「うつ伏せですが、起きられません」

「ママを仰向けにできますか?」「ママン・・」と言いながら、仰向けにしている気配で、オペレーターは、「呼びかけるとママは答えますか?」と畳みかけるように質問すると、「いいえ、返事がありません」

「ママの耳の近くで大きな声でママ~と叫んでみてください」「ママ~!具合わるいの?」

「仰向けにしてください」「了解」、「仰向けにできましたか?」「ウィ!」

「ママの鼻のそばに耳をあてて、空気が出ているか確認してください」「はい、鼻から空気が出ています!」

「君は何歳ですか?」「7歳半です」

「ママを肩を下にして、横向きにできますか?」「はい、できました!」

「君は家に子供一人だけですか?」「いいえ、妹と一緒です」

「妹は何歳?」「4歳半です」

「お隣さんのところへ知らせに行けますか?」「ハイ!」といって、子供はお隣に行って、事情を説明し、お隣のおばさんに電話を引き継ぎます。

 救急隊員は子供が確認したことを再度簡単におばさんに確認し、救急隊が到着するまで、子供と一緒にいてもらえますか?と頼み、「彼はとても立派だあったので、彼を誉めてあげてくださいね・・」と付け加え、通話は終了します。

 救急隊を呼ぶ事態となれば、大人であっても、冷静に会話、行動することは、なかなか難しいことですが、この子供はびっくりするほど冷静で、本当に全然、関係ない私も「偉かったね・・」とほめてあげたくなります。

 私は、ずいぶん前のことになりますが、夫が家で苦しくて息ができない!と言い出したことがあり、一度だけ、夜中に救急車を呼んだことがありましたが、救急隊に電話して何を話したか?全く記憶がありません。

 一応、命に別状はないとのことで、当時、娘はまだ3~4歳で、まさかそんな子供を連れて夜中に一緒に救急車に乗ることも憚られて、不安な気持ちで夜を過ごしたことだけは覚えています。

 しかも、娘にとっては、救急車が家に来たことが相当なショックだったようで、しばらくは、救急車を見かけるたびに、「voiture de papa !」(パパの車だ!)と反応していました。

 呼び掛けても答えない意識不明の母親を救った7歳の男の子、本当に立派だなぁ~と感心させられます。


意識不明の母親を救った7歳の子供


<関連記事>

「救急車が電動キックボードに乗ったティーンエイジャー2人を轢き殺す陰惨な事故」

「緊急通報回線不通になる恐怖の一夜」

「子供なりの涙ぐましくも笑える危機への対応 ママが死ぬときにはパパはとっくに死んでいるでしょ!」

「パリの救急外来とアクシダン・ド・トラバイユ」

「子供の急病」

2023年8月15日火曜日

エッフェル塔への相次ぐ爆破予告

  


 先週末にエッフェル塔に爆破予告があり、エッフェル塔を訪れていた観光客は、正午頃から避難を余儀なくされ、エッフェル塔には、爆発物処理要員が現場に向かったと報じられました。

 避難命令は、エッフェル塔の前庭、エッフェル塔内のレストラン、記念碑を含む3回部分に及び、近隣の交通も遮断され、迂回しなければならない大規模な警戒態勢になりました。実際にエッフェル塔が爆破された場合に及ぶ被害を考えれば、当然の避難、警戒態勢とはいえ、来場していた人、前庭にいた人全て避難させるなど、大変なこと、また、その場にいた人にとっては、大変なパニック状態になることは必須です。

 来場者全員の避難が終了したのは、午後1時半すぎのことで、けっこう時間がかかるものです。

 しかし、これは、結局は、幸い?にも虚偽の爆破予告だったようで、実際にエッフェル塔が爆破されることはなく、午後3時半頃には、警報が解除され、エッフェル塔の公開は再開されました。

 全く、人騒がせな爆破予告だ・・と思っていたら、今週になって、再び、爆破予告が届き、またエッフェル塔には、警報が出され、皆、避難。先週末と同じことを繰り返すハメになったようです。

 この2つの爆破予告は、jeuxvideo.com(ビデオゲームニュースを提供するサイト)とmoncommissariat.fr(警察及び、行政に関する通報、および相談などができるサイト)に投稿されたメッセージからのもので、「エッフェル塔に爆弾がある(ガラスの向こう側ではない)」、「どうやって知っているかは聞かないでください。確かなことは、エッフェル塔の周囲の地域はできるだけ早く避難しなければならないということです。」というものでした。

 特にビデオゲームニュースのサイトからの情報などといえば、少なからず、ゲーム感覚で周囲を騒がせて楽しんでいる愉快犯のような色が濃そうな気がします。

 先日の、警察官検が問の際に発砲した事件がきっかけでフランス中に広がった暴動や略奪行為もスナップチャット(SNS)での情報共有により、ついには、一部では破壊・強奪行為の競いあいのゲームのような現象にさえなっており、どうにもゲーム感覚で犯罪を犯すというスタイル?が増えてきている気がします。

 とはいえ、爆破予告を疑い、無視するわけにはいかないのは当然のこと、テロ行為が珍しくはない国、駅や空港、電車などでも、たとえ、それが単なる忘れ物であったとしても、不審物発見のために避難・通行止め、電車が不通となったりするのですから、ことさら、予告などがあったりすれば、警戒措置をとるのは、あたりまえのことでもあります。

 そういえば、以前、職場に突然、警察官がドカドカと入ってきて、急に「すぐに外に出て、できるだけ遠くに避難してください!」「とにかく早く~~~!早くできるだけ遠くに走って~~!」と大騒ぎになったことがあり、どうしたの?と思ったら、通りの前に止まったバスの中に不審物があるとのことで、だったら、バスごと移動してよ!パリのど真ん中でしょ!と思いながら、わけもわからず、必死で走ったことがあったのを思い出しました。

 しかし、度重なる爆破予告にエッフェル塔とて、大変な営業妨害を被っているわけで、そのたびに大勢の警察や憲兵隊が出動するのですから、迷惑千万な話。

 パリ検察当局は、この虚偽の予告について、犯罪の脅迫と虚偽の情報の開示の容疑で捜査を開始し、これらの犯罪には 2 年の懲役と 30,000 ユーロの罰金が課せられると逆に警告しています。

 エッフェル塔は年間580万人の観光客が訪れると言われるパリのウルトラ級の観光地、前回のエッフェル塔への爆破予告は、2020年9月に「アッラー・アクバル」と叫び、「エッフェル塔の全てを爆破する!」という電話だったそうで、この手の脅迫も、電話からネットに移行しているようで、ネットの功罪が続々、登場しているようで、犯罪も変化しているようです。


エッフェル塔爆破予告


<関連記事>

「エッフェル塔のふもとで27歳の女性が5人の男に強姦された事件 真夜中のエッフェル塔は危険」

「やっぱりエッフェル塔近辺は治安が悪い シャン・ド・マルスでの観光客レイプ事件」

「パリの治安の悪化再び エッフェル塔近辺で暴力を伴った強盗事件で一晩で12人逮捕」

「パリ市内観光の新しい移動手段 トゥクトゥクには、ご注意ください」

「フランスのテロの報道と対応」





2023年8月14日月曜日

落とし物を届けに行ったら・・へんな顔をされた・・

 


 落とし物をしても、日本だったら、見つかる可能性もなくはないと思うし、以前、流行語にもなった滝川クリステルさんの「お・も・て・な・し」の東京オリンピック招致のスピーチの中に、東京は安全な場所だというアピールの中で、「もし、あなたが、落とし物をしても、きっと戻ってきます・・現金の入ったお財布でさえも、年間3000万ドル以上が警察に届けられる街なのです・・」 という話を思い出します。

 たしかに、これは、海外から見れば、現金でさえも、そんなに落とし物として届けられるなどということは、ちょっとしたミラクルのような話です。

 だいたい、落とさなくても盗られるのが不思議ではなく、しかも、盗られても、気をつけなかった方がいけないような雰囲気で、たとえ、スリなどにお財布を盗られたとしても、警察に盗難届を出しても、見つかる可能性は限りなく低く、保険のための盗難届の書類を書いてもらうために行くようなものです。

 パリでの私の落とし物に関しては、一度は、パンツのうしろポケットに入れていたNavigo(定期券のようなもの)を座った時に、レストランで落としたらしく、後で気が付いて、取りに行ったら、レストランの人がとっておいてくれた・・ということがありました。

 あとは、一度、歩いている途中にスカーフを落としたら、後ろから来た人が私のスカーフを持って駆け寄って来てくれて、「これ、落としましたよ!」ということがあったのですが、「うわ!ありがとうございます!」とお礼を言い、彼女たちが私の横を通り過ぎていく時に、一緒にいた女性が、「なんで?渡しちゃうのよ!ふつう、渡さないでしょ!」と拾ってくれた女性を責めているのが聞こえてしまって、「やっぱりね・・ふつうは、拾っても盗られちゃうんだよな・・」と思いました。

 もう一度は、バスの中でけっこう気に入っていた折り畳みの傘を忘れて降りてしまい、バスを降りてすぐに気が付いたので、猛スピードで走ってバスを追いかけて、ちょうど渋滞でストップしたバスの扉をドンドンたたいて、「忘れ物をしてしまったので、ちょっとすみません・・」とバスに乗り込み、私が座っていた場所に目をやると、ちょうど、隣にいた女性が自分のバッグにしまおうとしているところで、「それ!私のです!」といって、取り返してきたことがありました。

 その他は、娘も含めると、相当の落とし物をしていますが、見つかったためしがありません。

 最近は、もうできるだけ落とし物やスリに遭ったりしないように、服装などもできるだけシンプルに、大ぶりのバッグを持ち歩いたりと対策をとっているので、落とし物もしていないし、スリなどの被害にも遭っていません。

 それとは逆に、この間、動物園に出かけた時に、歩いていたら、子供用の帽子が落ちているのを拾ったので、ちょっと周りを見回しても、それらしい子供が見当たらなかったので、一瞬、これはどうしたものか? ここの近くのどこかにひっかけておいた方が、もしも、本人か親が探しに来た場合、見つけられるかな?とも思ったのですが、いやいや、関係ない人に盗られてしまうこともあり得るし、広い動物園の中、どこで落としたかのかもわからないだろうな・・と思って、動物園の入口(出口)の受付に届けておこうと思って、持っていきました。

 受付にいた一人の女性に、「これ、拾ったんですけど・・」と帽子を渡したら、「それ、あなたのじゃないの?」と変な質問をされ、「自分のものを拾って届けるわけないだろ!」と心の中でつぶやきながら、「およっ??やっぱり落とし物を届けるなんて、あり得ないこと??」と思いつつ、「いいえ、私のではありませんよ・・」と言って、その帽子を渡したら、「始末に困る・・」と言わんばかりの不機嫌な顔をされて、やっぱり落とし物を預かるということに慣れてないんだわ・・と、あたかも私がフランスの文化に馴染んでいないような気になりました。 

 落とし物が届けられるといことがどれだけ少ないことなのか?と思った体験でした。


落とし物


<関連記事>

「スリやひったくりや置き引きだけじゃない!パリのメトロに出没するおじいちゃん詐欺師」

「パリの盗難被害 パリの泥棒は、なかなか捕まえてもらえない」

「パリで犯罪から身を守る方法は、まず、犯罪の手口を知ること」

「思ってもみなかった娘のクリスマスイブの悲劇」

「12月は犯罪が多いパリ パリのスリの生息地」

「在宅中でも油断できないパリの治安 偽身分証明書による家宅侵入による盗難事件」


2023年8月13日日曜日

コロナウィルス新変異種 Eris(エリス)出現で再び感染者増加傾向 2週間で24.6%増

  


 いつ頃からだったか、自分でも記憶にないのですが、恐らく、1年前だったら、熱を出したとか、だるいとか、少々具合が悪いとか体調が悪かったりすれば、「まさか・・コロナウィルスに感染した??」と一番に疑っていたと思いますが、げんきんなもので、コロナウィルスのことなど、すっかり忘れて、もう先日、少々、体調を崩したときには、その前日に行った心臓の検査のせい?だと思っていました。

 まあそれも、2日ほどで回復したので、何だったかはわかりません。

 街中からはマスク姿の人は、ほぼほぼ見られなくなり、全くもと通りの生活に戻っている中で、コロナウィルスが消え失せたとは思っていなくても、ほぼマスクの消失?とともに、その病気の恐怖も私の中で消えつつあったのです。

 今回のパンデミックでは、ヨーロッパはなかなかの被害者数を叩き出し、ウィルスの出現とその拡散のスピードは恐ろしいほどで、あっという間にロックダウンという、証明書がないと、ほぼほぼ外出さえできないという前代未聞のセンセーショナル?な体験をしたというのに、あっさりとその時の恐怖を忘れてしまうのは、なんだか愚かなような、また忘れることで、気持ちを回復できるチカラというか、その両方を感じます。

 それが、フランス公衆衛生局の発表によると、Eris(エリス)と呼ばれる新変異種の出現のため、ここ2週間あまりで、感染者数が24.6%増加しているという話を聞いて、「そういえば、ここのところ、体調が悪くても、コロナウィルス感染を疑わなくなっていたけど、もしかしたら、感染していたのかもしれない・・」と、思い出しました。

 実際のところ、多くの人は、おそらく私のように、体調が悪かったとしても、検査をするという習慣がすっかりなくなっているので、実際の感染者数は、もっと多い可能性もあります。

 しかし、問題なのは、重症化した場合に病院の病床がひっ迫する状況になってしまうかどうか?ということで、現在のところ、バカンスシーズンの真っ只中で、コロナウィルス感染者増加うんぬん以前に、もともと不足している病院のスタッフの人員がバカンスのために、さらなる人出不足を招いており、救急病院でも夜間は受け付けないとしている病院が出始めているというニュースを聞いたばかりです。

 また、コロナウィルスに対する緊急事態対応も一応、停止されており、検査等も全額国民健康保険負担ではなくなっており、ワクチンパスポート等に利用されていたTousAntiCovidのアプリも一時停止になっています。

 そして、検査の結果、陽性となった場合でも隔離義務はなくなり、病気休暇も別に医師の診察をうけないと取れなくなっています。

 現在のこの俄か感染者増加の現象を鑑みて、フランス公衆衛生局は、現段階では、さして神経質に心配する段階ではないとしながらも、「頭痛、喉の痛み、咳、発熱などの症状がある場合は、検査を受けることを推奨する」としています。

 考えてみれば、バカンスシーズン真っ盛りで、ほぼ日常どおりにあちこちで、たくさんの人が集まるお祭りやイベントごとがあちこちで行われ、また、幸か不幸か、今年のフランスの夏は、けっこう涼しめで、考えようによっては、ウィルスが蔓延しやすい状況でもあります。

 私は、これまでに4回のワクチン接種をしていますが、この話を聞いて、久しぶりにワクチンパスポートを開いてみたら、最後のワクチン接種は昨年の7月で、ちょうど1年くらい経過しています。今回の感染者の増加は、ワクチンの恩恵が時間とともに減少していることも原因の一つとされています。

 ワクチンがどの程度効いていたのかは、わかりませんが、私は、これまでに何度となく、検査をしましたが、これまで一度も感染してきませんでした。もしかしたら、感染していたのに、気がつかなかったということもあるかもしれませんが、高齢者と接触する機会があるわけでもなく、いずれにしても、重症化さえしなければ、いいのかな?くらいの軽い気分になってしまっています。

 私は、ITのことは、からっきし、弱いので、これが偶然なのかどうかもわからないくらいですが、少し前から、私の携帯には、いつの間にかなくなっていたTousAntiCovidのアプリ、「復活させたい場合は、こちらをタップしてください・・」という画面が表示されています。

 日本の事情はわかりませんが、最初のロックダウンの時も政府から個人の携帯にロックダウン開始のメッセージが入り、「なんで?私の電話番号知ってるの?」とびっくりしましたが、なかなかフランスは、この方面、いつの間にか結構進歩し、いつの間にか自然と浸透ています。

 もともと人混みは嫌いなので、あまり人の多い場所には行かない私ではありますが、また、マスクは持ち歩き、必要に応じて、使った方がいいかな?と思い始めています。


コロナウィルス エリス 感染者増加


<関連記事>

「パリのメトロはマスク率ほぼゼロ」

「医療従事者ワクチン接種義務解除とコロナウィルス第10波 フランスだけがなぜ?」

「いつの間にか、コロナウィルスのPCR検査が有料になっていた・・」

「フランス(ヨーロッパ)でコロナウィルスが広まる理由」

「ヨーロッパのコロナウィルス感染拡大 国の対策の取り方で明暗を分けた理由」



 

2023年8月12日土曜日

病気休暇の正当性を認めなかった80歳の現役医師が暴行を受け、顔面7針縫う大ケガ

  


 まず、この事件の狂暴性以前に80歳で現役で医者を続けている人がいることに驚きました。昨年から今年前半にかけて、フランス中が揉めに揉めた年金問題は、職種によるとはいえ、一般的には、62歳から64歳に延長されるというものだったので、80歳現役、しかも医者というのですから、ビックリさせられたのです。

 フランスは、医者不足問題も抱えていて、これから数年の間に医者の25%は60歳以上になり、10年以内にはこれらの人々は引退してしまうため、さらに医者不足が加速することにあなります。

 政府は、それらを少しでも緩和させるために彼ら(医者)に定年後も働いてもらうために、定年の年齢を迎えた後は、彼らの年金保険料を免除し、年金をもらいながら、仕事を続け、働いた分だけ給料を得られるシステムを検討することを発表していました。

 現在のところ、その法案が可決された話は聞いていないので、定年を過ぎても仕事を続けている医師は、よほどの使命感を持って働いていらっしゃる方であると思います。

 この医師は、通常、午前中は、自分の診療所で診察を受けつけ、午後は、在宅治療中の患者、病気休業中の患者さんの自宅を往診してまわり、その後の時間帯は、社会保障と連携する企業の病気休暇中の患者さんをチェックし、その状況について意見を提出する仕事を同時に行っている忙しい毎日を送る、まさに自分の職業に対して情熱を持って取り組んでいる人のようです。

 今回の事件は、おそらく、彼の仕事のうちの最後の病気休暇中の患者さんのチェックとそれに対する意見書の作成にまつわる彼の見解に納得しなかった患者が彼を暴行するに至ったということだと思います。

 フランスでは、病気休暇が認められれば、基本的には日給の50%~66.66%は、国民健康保険から支払いを受けられることになっており、この病気休暇のための費用は増加傾向にあり、必ずしもそれが正当なものではなく、ずる休みになっているケースも少なくないため、昨今は、医師による病気休暇の正当性のチェックを厳しく行うようにすると言われてはいます。

 今回の暴行者は、この病気休暇がこの医者により、正当性がないと判断されたために、激怒し、この医者が作成した意見書にサインを求められた際にその用紙を奪い取るとともに顔に殴りかかり、恐怖を感じて、逃げ出した医者を執拗に追いかけて、その後も暴行を加え、顔を7針も縫う大けがを負いました。


 幸いにも、途中で、通りかかった二人の男性が介入して、彼の暴力を止めてくれたそうですが、一瞬、彼は、もうこのまま助からないであろうと頭をよぎったと証言しています。

 彼の証言によると、この暴行者の問題は、明らかに彼の職場の上司とのトラブルで、病気休暇を取り続けることは問題の解決にはならないと判断したそうですが、彼は医者が家に訪問してくること自体からして受け入れきれずに、訪問時には、すでにかなりの興奮状態であったと話しています。

 この暴行者は逮捕、拘留されましたが、彼の身元は明らかにされていません。

 この医師がメディアに証言者として登場した際には、当然のことながら、すでに悲惨な暴行を負った後のことで、彼の負った傷のせいもあるのでしょうが、立派?な老人で、この人にそんな忙しい仕事が務まっているのか?と思ってしまいそうになりましたが、話し始めてみると、さすがに現役で忙しい仕事を続けているだけあって、話し方は、若々しく、声だけ聞いていたら、とてもこんな年齢とは、思えないような理路整然と、きびきびした話し方で、なるほど、使命感をもって、ここまで仕事を続けている人は違うな・・と妙な感心をしてしまったほどです。

 私にも、幸いなことにとても信頼しているかかりつけのお医者さんがいますが、やはり、どこか、他の職業の人に対してとは、違う尊敬と信頼の念があり、そういう相手に向かって暴力をふるうなどとは、考えられない(他の人に対しても暴力はふるいませんが・・)ことで、こういう患者さんがいては、お医者さんも大変だ・・と思ってしまいました。

 しかし、これは、極端な例ではありましたが、実は医者に対する暴力というのは、少なくないようで、フランスでは2022年に医師に対する1,200件以上の暴力行為が報告されているようで、この数字は過去 20 年間増加し続けていると言われています。

 治安が悪くなり、暴力的な事件が増えているとは思っていましたが、お医者さんに対してもこんなに暴力事件がおきているとは、これでは医者になりたい人が減るわけです。


80歳の現役医師に対する暴力事件


<関連記事>

「フランスの医者不足 医者に定年後も働いてもらうためのシステム」

「ドクターストップの制度にメスが入る リモート診療でズル休みが増えた」

「パリの救急外来とアクシダン・ド・トラバイユ」

「医療介護者・看護士不足のための病床閉鎖の増加」

「国民健康保険カードCarte Vitalを利用した詐欺と日本のオレオレ詐欺」