2020年12月31日木曜日

フランスで爆発的な売れ行きのリドル(Lidl)のスニーカー

      このスニーカーが突如、フランス(ヨーロッパ)で、もの凄い勢いで売れ始めました。 先週のフランスのTwitterでも、トレンド1位に度々、登場していました。 このスニーカーは、リドル(Lidl)というディスカウントスーパーマーケット(ドイツの会社)のもので、このスニーカーに使われている色も、このスーパーマーケットのロゴに使っている色が全面に使われているものです。 最初にこのスニーカーが爆発的に売れていると聞いて、正直、「??? なぜ? なんだこれ? これがフランスで人気??? ずいぶん、フランスもテイストが変わったもんだ・・」と思っていました。 当初は、このスーパーマーケットで12.99ユーロ(約1,650円)で販売されていたこのスニーカーは、クリスマス前後に再び店頭に並ぶと、客同士が奪い合うようにして、あっという間に完売し、転売サイトでは、295ユーロ(約37,500円)から、終いには、4,900ユーロ(62万円)まで価格が高騰しました。 フランスでは、ある程度の流行というものはあっても、何か一部の商品が爆発的に売れて、誰もが同じものを持ち歩いたり、身につけたりという流行は、あまりないので、このスニーカーの騒ぎは、ちょっと意外でした。しかも、この色とこのメーカー・・。 このスーパーマーケットは、低価格商品で有名なお店で、フランスにも1,350店舗を展開するドイツのディスカウントスーパーのチェーンです。我が家の近所にはないので、あまり利用はしていませんが、恐らく、フランスでは、安いものを売っているスーパーとしての認識が高いお店です。 このスニーカーの爆発的な人気には、メーカーのブランドイメージを変えるための戦略であり、影響力のあるインフルエンサーが関わっています。 スニーカーは、リドルから、インフルエンサーに100足近くが配られ、その中で、フランスの元サッカー選手のジブリル・シセが、インスタグラムに「お母さんが買い物をしていた場所」「大いに感謝」と投稿したのです。また、フランスのラッパー・ブーバでさえ、このスニーカーを注文したことが拡散されています。 リドル・フランス(Lidl...

2020年12月30日水曜日

フランスはどこまで甘いのか? 年越しに関する制限は、現状どおり

   昨日、コロナウィルス感染拡大に関する防衛評議会がエリゼ宮で開かれると聞いていたので、私は、微かな期待をしていました。 目前に控えた大晦日、年越しの日への何らかの対策を発表してくれると思っていたからです。 その日の夜のニュース番組に出演した保健相オリヴィエ・ヴェランの回答は、全く失望するものでした。 「現在のところ、フランスの感染状況の数字は、横這い状態であるため、現在のところは、ロックダウンもその他の行動に関する制限に関する変更もしない」とのことでした。 現在、フランスで、特に感染拡大が深刻になっているのは、グラン・テスト、オーヴェルヌ・ローヌ・アルプ、ブルゴーニュ・フランシ...

2020年12月29日火曜日

食品廃棄物防止・減少へのフランスの取り組み スーパーマーケットの食品廃棄物防止のラベル

 ここのところ、スーパーマーケットに買い物に行くと、賞味期限ギリギリになった食品に黄色やオレンジのステッカーが貼られて、大幅に値下げしている商品をそれぞれの売り場で見かけるようになりました。 殊に、この食料品が溢れかえっているクリスマスと年末のスーパーマーケットの極端な値段の下げ方に、私は、ちょっとワクワクしていたくらいです。 この取り組みは、半年くらい前から乳製品やハム、パンなどから始まっていましたが、クリスマスが終わって、魚介類や肉、野菜などの生鮮食料品にまで、この値下げのラベルが貼られるようになりました。  クリスマスから一夜あけて70%オフになっていた魚介類 賞味期限がギリギリで一度に食べられなくても、ある程度、下処理をしたり、お料理をして冷凍してしまえば、かなり安上がりになり、助かります。 このスーパーマーケットの動きは、政府主導のものだったようで、昨日、フランス政府は、食品廃棄物を減らすために、この「アンチガスピヤージュ(無駄廃止)」のラベルを推奨して、本格的にこの問題に取り組むことを発表しました。 また、計り売りの野菜はこれまでビニール袋が使用されていましたが、最近、全て紙袋になりました。これも環境問題への対応の一環と思われます。 野菜売場に置かれている紙袋 具体的な食品管理やラベルをつける条件などの詳細は、年明けに発表されるようですが、2015年の状態から、食品廃棄物を50%削減することを目標にしています。 これは、とても喜ばしいことで、これまで、フランスでは、これ売り物?と思われるような、萎びた野菜などが平気で普通に並んでいたりしたので、このラベルができることで、自ずと食品の状態をしっかりと管理する体制になってくれるのではないか?と、期待しています。 萎びた野菜が置いてあったりして、「なんで、こんなもの並べておくのだろう?」と苦虫を潰して、遠目に眺めていても、また、それを買っていく人を見かけたりするので、「あ〜買う人がいるからだ・・」と思ったりしていたのです。       政府は、このラベルをつけることで、「消費者の選択を導く」としており、あくまでも新しい商品を定価?で求めるか、賞味期限の迫った値下げされた商品を選ぶかは、国民の選択に委ねられています。 しかし、倹約家のフランス人のこと、この「食品廃棄物防止ラベル」で、これまで廃棄処分になっていたであろう食品は、確実に減っていくと思います。 個人的には、年末年始にかけて、いつもは、手軽に手を出せない高級食材が大幅値下げになってくれるのを心待ちにしているのです。<関連>「表示価格があてにならないフランスのスーパーマーケット」https://rikakaigaiseikatsu.blogspot.com/2019/12/blog-post_19.html「フランスでの日常の食料品の買い物...

2020年12月28日月曜日

フランス・コロナウィルスワクチン接種開始

   12月27日(日)、いよいよフランスでもコロナウィルスのワクチン接種が始まりました。 78歳の女性がパリ近郊のセーヌ・サン・ドニの病院でフランス初めてのワクチン接種を受けました。次いで、午後には、65歳の医療従事者(心臓専門医)がワクチン接種を受けました。 フランス初めてのワクチン接種を受けた女性は、ワクチン接種を受けるにあたって、「感動している!」と答え、またワクチン接種直後には、「暑くなってきた!」と高揚した面持ちで語っています。 彼女は、高齢でしかも慢性疾患に苦しんでいることなどの条件からフランスでの最初のワクチン接種に選ばれたようですが、このフランスでの最初のワクチン接種として...

2020年12月27日日曜日

心配の種は尽きないフランス ノエルの後は、年越し 

    今年の特別なクリスマスは、我が家では、至って静かに過ぎ、また、近所でも大騒ぎをしている様子の家も見当たらず、むしろ、我が家では、ノエルどころか、娘がTGVですりにあったことで、(しかもクリスマスイブに・・)(娘のスリ被害の話)https://rikakaigaiseikatsu.blogspot.com/2020/12/blog-post_25.html  彼女は、数日しかパリに滞在できないために、その間に、警察への被害届を出しに行ったり、お財布に入っていたIDカードやカードの再発行、保険のための手続きを進めるという、ノエルのバカンスとは思えない所用に追われる日を過ごすことになりました。 フランスでは、25日のノエルの日は祝日ですが、翌日は土曜日とはいえ、休日ではありません。警察には、日曜も祭日もありませんが、とはいえ、クリスマスのピリオドということで、市役所は、土曜日もやっているはずなのに、住民課は休み。 ある程度は、ネットでIDカード申請の手続きは、進められるものの、書類を提出することはできませんでした。 警察に盗難届を出してもらいに行くと、ノエル直後などはガラガラかと思いきや、近隣の住民が家に沢山の人を招いて夜中まで大騒ぎをしていてあまりにうるさいという苦情を申請しに来ている人がおりました。 我が家のすぐ近所ではありませんでしたが、やはり近隣での話、やっぱりノエルを家族だけ、6人以内でおとなしく感染に注意しながら過ごしていた人ばかりではなかったことをひょんなことから知ることになりました。 考えてみれば、ノエルが終わったからといって、フランスは、全然、安心できない状況であることは、明白です。 31日の大晦日の年越しのカウントダウンが待っているからです。 ノエルが家族の集まりを主流としているのに比べて、年越しのカウントダウンは、友人同士の広範囲の集まりになるのが、一般的なフランス人の習慣です。 家族の集まりならば、まだ、歯止めが効くものの、年越しの友人同士の集まりとなれば、たがが外れる傾向にあるのは、必須です。特に若者たちは、一度は許可されたはずの31日の夜間外出が禁止になったことに反発をしています。 フランスで現在、人気急上昇中のYouTubeの若者向けのニュースチャンネルを運営しているYouTuber ユーゴ(Hugo...

2020年12月26日土曜日

クリスマスはXデーになったのか? コロナウィルス変異種フランスでも検出

  コロナウィルス禍中、すったもんだのあげくに迎えたノエルを、フランスは、結局、1テーブル6人以内という制限付きではありましたが、家族で過ごすことが許され、24日の夜には、夜の外出制限も解除された状態で、過ごしました。 世間では、概ね6人以内という制限は、守られたのではないか? という見方がされているようですが、(ほんとかな?)各家庭の様子を全て覗き見ることはできません。 しかし、たとえ、かなりの注意を払ったとしても、かなりのリスクであったことに違いはありません。 先週の1日の感染者数の平均は、1日1万4千人で、ここ数日の感染者数は、2万人を超えています。 ノエルが終わったとはいえ...

2020年12月25日金曜日

思ってもみなかった娘のクリスマスイブの悲劇

      24日クリスマスイブの夜 ガラガラのTGV 現在、スタージュのためにブルターニュにある会社の研究所で働いている娘がノエルのために、クリスマスイブにパリに帰ってくることになっていました。当日は、少し早めに会社を退社して、そのまま、TGVでパリに戻ってくることにしていました。 その日の朝、彼女はまず家を出たときに、パリの家の鍵を忘れたことに気付いて、慌てて家に戻って、走って転び、それでも、その日の仕事を終え、予約してあったTGVに乗るために駅に向かいました。 TGVの出るレンヌの駅に行くまで、さらに電車で1時間半ぐらいかかるど田舎です。そのど田舎の駅で電車を待っていると、電...

2020年12月24日木曜日

コロナウィルス変異種感染拡大によるイギリスからの入国制限が引き起こした混乱

  イギリスのボリス・ジョンソン首相がコロナウィルス変異種が検出され、この変異種のために感染が急激に悪化していることから、ロンドン、イギリス南東部を再ロックダウンすることを発表して以来、この変異種がこれまでのコロナウィルスよりも70%も感染率が高いとの報告を受け、即刻、翌日には、イギリスからの入国を禁止したフランス。 イギリスで感染拡大しているこの変異種のフランスへの感染を恐れて緊急措置としては、致し方なかったとはいえ、あまりに急な国境閉鎖に3日以上経った現在も、1400台以上のトラックが国境付近で足止めを食っています。 フランスは、48時間後に72時間以内のコロナウィルス検査で陰...

2020年12月23日水曜日

12月26日には、再ロックダウン?? みんな本当は、ヤバいと思っている

   イギリスのコロナウィルスの変異種による感染拡大や、ヨーロッパの他国の緊張状態をよそに、ノエル気分で盛り上がっているフランス人も、さすがにヤバいと思い始めています。 昨日、久しぶりにフランス人の元同僚が電話をくれて、お互いの近況やコロナウィルスのことやノエルのことを話していたら、彼が、とてもコロナウィルスを怖がっていることに、こちらの方がビックリしたぐらいです。 彼は、もうだいぶ前に、会社を定年退職している、ごくごく一般的なフランス人ですが、割と家が近いこともあって、私が旅行したりするときには、猫の世話を頼んだりしているので、会社を辞めてからも、ずっと付き合いが続いています。 ...

2020年12月22日火曜日

ノエル目前のフランスのPCR検査

  フランスのPCR検査は、当初から無料で提供されてきましたが、検査場の数は限られていて、一時は、パリの街中の行列ができているといえば、検査場の前というくらい、人だかりができていて、まさに検査場で感染してしまうのでは?と思うほどでした。 ここへ来て、政府は、ノエルの家族の集まりをできるだけ安全に行えるように、家族の集まりに参加する前に、また、バカンスに出かけるためにPCR検査を受けましょうと奨励しています。 これまで、検査場でしか受けられなかったPCR検査も12月に入って、フランスでは、薬局でも受けられるようになりました。 ちょうど、昨日、薬を取りに薬局に行ったついでに聞いてみると...

イギリスからの入国禁止に踏み切るフランス コロナウィルス変異種警戒

  フランス政府は20日、英国での新型コロナウイルス変異種による感染急拡大を受け、21日午前0時から48時間、英国からの入国を全て停止すると決定しました。ドイツ、イタリア、オランダ、ベルギー、オーストリアなども同様の措置を取ることを発表しています。 今後、欧州連合(EU)で共通の対応を検討していくことになっています。 イギリスは、日曜日から、ロンドン、イギリス南東部をロックダウンしていますが、このロックダウンは、国内だけでなく、結果として、他のヨーロッパ諸国からのロックダウン状態に発展しています。 このイギリスからの入国制限は、旅客、貨物双方、また、陸上、航空、海上、鉄道にわたり、...

2020年12月20日日曜日

ヨーロッパを再び襲い始めたコロナウィルス感染 イギリス再ロックダウンの波紋

 昨日、イギリスのボリス・ジョンソン首相がコロナウィルス感染が急激に悪化していることから、ロンドン、イギリス南東部を再ロックダウンすることを発表しました。 クリスマスを目前に控えたこの発表にジョンソン首相は、厳しい面持ちで、「クリスマスを前にして、過酷な現実だが、国民を守るためには、他に選択の余地はない」と語りました。 これにより、イギリスのこれらの地域への往復の旅行は禁止、生活必需以外の事業は閉鎖され、クリスマスを含め、他の世帯との接触は禁止、他の地域では、12月25日にのみ許可されます。 このロックダウン宣言までは、23日から27日の間は、3世帯までは、集うことを許可していただけに、寸前...

2020年12月19日土曜日

ノエルのバカンスに突入したフランス 夜間外出禁止が裏目に出ている

                                              いよいよノエルへのカウントダウンが始まり、学校もノエルのバカンスに入りました。ずっと続いてきた土曜日のデモもバカンス突入と同時にお休みに入るようで、久しぶりに土曜日のデモの予定が出ていません。こんなところは、フランス人のちゃっかりしたところです。 デモと言えども、バカンス中はお休みなのです。 今週末からノエルにかけてSNCF(フランス国鉄)は75万人の乗客が、空港では1日5万人の利用客が見込まれています。高速道路は200㎞の渋滞です。 昨年のノエルの期間のSNCFの利用客は、85万人だったそうで、それ...

2020年12月18日金曜日

2020年12月17日木曜日

パリから車も人も消えていく パリ絶対伝説の崩壊!?

  ロックダウンが解除された代わりに、フランスに戻ってきた夜間外出禁止令。夜20時から朝6時までは、外出禁止になりました。取り締まりもあり、罰金(135ユーロ)付きということもあって、今のところ、夜になると街はシンと静まりかえっています。 ノエルを控えているということもあるのか、予想以上に皆、この夜間外出禁止の規則を守っているようです。(といっても、まだ2〜3日しか経っていませんが・・) むしろ、外出証明書さえあれば、外出できたロックダウン中の方が夜も人がいたような気がするのは、皮肉なことです。 いつもなら、ノエル前の人出は、相当なものですが、静まりかえって、車さえ、まばらな、イル...

2020年12月16日水曜日

ロックダウン解除初日のフランス バカンス前の二日間は学校を休んでもいい

         フランスは、ロックダウン解除の第2段階に入りました。今朝、買い物に出かけようとして、思わず、携帯を手に取り、外出証明書をダウンロードしかけて、「ああ〜今日から、いらないんだった・・」と出かける時も何か忘れものをしているような、心許ない気分になりました。 習慣というものは、恐ろしいものです。まあ、楽な方にはすぐに慣れますが・・。 外出が自由になった代わりに、夜の外出禁止(夜20時までに家に帰らなければなりません)が義務付けられるようになりました。個人的には、夜は出歩かないので、関係ないのですが、20時以降も営業していた店舗にとっては、痛...

2020年12月15日火曜日

フランス税務当局、カルロス・ゴーンに追徴課税金と財産差し押さえ

   思い起こせば、2020年の年明けは、カルロス・ゴーンの日本からの逃亡劇から始まりました。シャンゼリゼのカウントダウンの様子をテレビで見ていた時に、カルロス・ゴーン逃亡のニュースが流れ始めたのです。 それからしばらくして、年明け早々、カルロス・ゴーンがレバノンに世界中の記者を集めて、会見を開き、彼自身の行動の弁明と正当性を訴えました。 しかし、間もなくして、世界は、コロナ禍に飲み込まれ、カルロス・ゴーンどころではなくなりました。 日産とルノーにまたがる彼の事件は、日本とフランスの両国での追跡で、両国の対応の仕方を見比べられる意味でも、興味深い事件でもありました。 カルロス・ゴー...

2020年12月14日月曜日

他国の感染悪化を余裕で語るフランスに唖然とする

  フランスでは、ドイツをはじめとする他国の感染悪化の様子を盛んに伝えています。 特に、ドイツは、これまでにない感染悪化から、13日、メルケル首相が会見を行い、1月10日までの「学校の閉鎖、生活必需品以外の店舗の営業停止 」のロックダウン(部分的)を発表しました。 メルケル首相の会見からもいつになく、必死な感じが伝わってきます。このクリスマスの前の時期に学校やお店を閉めざるを得ないことは、大変な決断です。 これまでドイツは、ヨーロッパ全体がコロナウィルス感染が拡大し、苦しんできた中、強固な医療体制と、先んじたテストや隔離の実施から、感染が広まりつつも、常にフランスなどよりは、遥かに余裕の優等...

2020年12月13日日曜日

驚異的な数の警察・治安部隊を配置してでもデモをする権利を守るフランス

   金曜日の夜に、翌日のデモを知らせる通知が来て、「またか・・まだやるのか・・」とうんざりしていました。先週、先々週と続いて、パリ市内のデモは暴徒化し(デモ自体が暴徒化したというよりも、デモに乗じて暴れる集団・ブラックブロックの犯行)、多くのものが燃やされたり、破壊され、街がめちゃくちゃにされたからです。 この前歴があるにも関わらず、まだ、デモを許可するのか?とちょっと呆れた気持ちになったのです。 ところが、今回のデモには、一般の警察、憲兵隊だけではなく、先週までの3倍近い数のBRAV(Brigades de répression des actions violentes)(暴力行動抑止団)やCRS(Compagnies...

2020年12月12日土曜日

ノエルに向けて治安の悪化するパリ

   常日頃から、決して治安が良いとは言い難いパリも、ノエルが近づく頃になると、一段と治安が悪くなります。 先日は、パリ6区のブルバード・サンジェルマンの高級衣料品店(モンクレール)に黒づくめの11人の男がお店になだれ込むように入店したと思ったら、大量の商品を持ち去るという強奪事件が起こりました。 防犯カメラに映った犯行の様子は、万引きというには、あまりに堂々としていて、暴力などは、一切なかったのですが、大人数の黒づくめの集団に店員も圧倒された様子で、いささかの抵抗もしておらず、なだれ込んだ人々が商品を持ち去るのを遠巻きに眺めている様子が残されていました。 一般的に高級店...

2020年12月11日金曜日

やっぱりノエルが最優先のフランス 12月15日以降のロックダウン解除の方法

   結局のところ、フランスのノエルは死守されることになりました。「死守」という言葉を使うにあたって、意味を確認したら、「命がけで守ること」だそうです。 まさに今年のノエルは、命がけです。それでもフランスは、「ノエルを家族と過ごす権利」を最優先した決断を下しました。 15日からのロックダウン解除は、前回の段階的なロックダウン解除の発表よりも、若干、制限が厳しくなり、21時以降の外出禁止が20時に前倒しになり、12月31日の大晦日もこの夜間外出禁止令が敷かれることになりました。(ノエルの夜間外出禁止の制限はありません) そして営業が再開されるはずだった劇場、映画館、美術館等の営業再開...

2020年12月10日木曜日

リサイクルショップ・エマウスがノエル前に繁盛しているフランスの一面

  今日、買い物に行ったら、意外にも繁盛しているお店があってビックリしました。 それは、エマウス(Emmaus France)というリサイクルショップでした。フランス人は、車などは、中古車の方が売れているくらい、中古品にあまり抵抗がないこともあり、また、蚤の市なども、盛んな文化的な背景もあり、時には、掘り出し物があったりもするので、この手のお店は、珍しくはありません。 エマウスは、フランスでは有名なリサイクルショップで、その商品は、全て寄付された日用品、衣料品、装飾品から食器類、書籍、玩具、家具に至るまで広範囲のものを扱っています。売り上げは、全て生活困窮者に向けての寄付にまわされ...

2020年12月9日水曜日

フランスのコロナウィルスワクチン接種

  イギリスでヨーロッパ最初のコロナウィルスのワクチン接種が行われ始めたことで、フランスのワクチン接種はどうなるのかが注目されています。 フランスでのコロナウィルスワクチン接種に対しては、政府は、15億ユーロ(約1900億円)を投じて、国民健康保険加入者には、全額無料、しかし、強制ではなく、希望者のみに行うとしています。 フランスは、検査も無料なら、ワクチンも無料、そんなところは、とても助かります。 ワクチン接種は、12月29日から、高齢者を優先に、まず高齢者施設の入居者100万人を中心に開始されます。その後、2月を目処に心臓疾患や糖尿病などのリスクの高い人1400万人への接種が開...

2020年12月8日火曜日

15日のロックダウン解除は無理 フランスの感染減少が止まった

  11月6日には、一日の新規感染者数が6万人を突破したフランスは、その後、ロックダウンの効果が比較的順調に現れ、11月末には、1万人前後にまで減少しました。 正直、ここまで急速に減少したのは、奇跡的なことだと思っていましたが、マクロン大統領は、この感染の減少を受けて、11月24日に段階的なロックダウンの解除を発表しました。 このまま、減少していくかと思いきや、新規感染者の減少はピッタリと止まり、(止まるどころか若干上昇傾向にあります)マクロン大統領が提示したロックダウン解除の条件の一つである、「一日の新規感染者数が5000人以下になっていた場合」をクリアできない可能性が高まってきました。 15日までには、残すところ、あと一週間と迫り、先週の一日の新規感染者数は平均10,500人程度、一週間で半減することは、まず不可能です。 考えてみれば、1万人に迫った時点で、ロックダウンを緩和し、小売店が一斉に営業許可になり、人がより外に出るようになり、毎週のように数万人単位のデモが起こり、気温も一段と下り、ロックダウンを緩和した状況で、感染がこれ以上減少する理由は一つもないのです。  にもかかわらず、フランス人は、ノエルを家族で迎える気、満々で、一度は、今年の家族の集まりはなしにしよう、あるいは、リモートにしようと言っていた人々も、やっぱり、家族で集まろうと計画し直している家庭が多いのです。 年配の人ほどリスクが高いにもかかわらず、あと何回ノエルを家族と過ごせるかわからないと思うのか、ノエルを家族と過ごすことに執着しています。しかし、命がけのクリスマスを楽しめる気持ちが私には理解ができません。 昨日、現在のこの感染状況を受け、保健総局長であるロックダウンおじさんことジェローム・サロモンが会見を開き、感染減少がストップしている状態を説明しました。 折しも、11月末にサンクスギビングデー(Thanksgiving...

2020年12月7日月曜日

フランスの配送事情の救世主 配送品取扱システム モンディアル・リレーとポアン・リレー

 フランスの配送事情の悪さは有名で、これまで私が日本へ送った荷物、日本から送ってもらった荷物が何度となく、紛失しています。特にクリスマス前の季節などは、失くなる可能性が高く、娘が小さい時など、娘がこっそり日本のパピー(おじいさんのことをフランス語ではパピーと言います)に頼んで送ってもらったゲームのソフトなどは、かなりの確率で失くなり(盗難)ました。 配送品を記入する欄には、NINTENDOなどとは、絶対に書かないで!と言っていたのに、父はうっかり?書いてしまうのです・・。 NINTENDOのソフトでも、開けてみたら、日本語のソフトだったとわかった犯人も開けてビックリがっかりだったでしょうが、一回盗んだものを返してくれるわけもありません。 特にクリスマス時期は、盗難が多く、この時期に何かを送ってもらうことは、辞退していたくらいです。 国内の郵便物でも下手をすると日本へ送った郵便物よりも時間がかかったりすることもありました。 家にいるのに不在通知を入れられたりすることもしばしばで、再送してもらうように電話をすると、近いんだから(実際には、ちっとも近くはなかった)、取りに来いと言われたこともありました。(配送料を払っているのだから、配達してくれと言い返して、結局、届けてもらいましたが・・) 不在通知を入れられるのが嫌で、しばらく私は、配送先は、日中、必ず人がいる勤務先の会社にしていたくらいです。 そんな感じのことが度重なったので、私は、フランスの配送事情は全く信用しておらず、長いことネットショッピングなども、最小限に控えてきました。 しかし、最近になって、フランスでは、配送品の中継ポイントとなる場所を設けて荷物の配送を行うモンディアル・リレー(ルレ)(Mondial...

2020年12月6日日曜日

ブラックブロックがパリを破壊する フランス全土で5万人超えのデモ

  つい数日前にシャンゼリゼに立ち寄って、イルミネーションの圧巻の美しさに「パリにいるのも良いものだ・・」と思ったばかりです。 先週末もフランス全土で大規模なデモが起こり、大変な騒ぎでした。コロナウィルス感染も心配ですが、もうここのところ、デモのあまりの暴力化から、土曜日の午後にパリで外出することは、危険を感じるようになりました。 依然としてグローバルセキュリティ法に反対する動きは根強く、この日は、フランス全土で5万2350人(パリでは5千人)がデモに参加したと内務省から発表されています。先週のデモに比べれば、政府がグローバルセキュリティ法・全面書き直しを発表したこともあり、人数的には、少なくなりましたが、破壊行動の被害は、一向に治ることはありません。 デモ隊は、午後2時過ぎに、平和的?に行進を開始しましたが、デモが予定されていたルートに沿って、散発的に火が放たれ、ゴミ箱や、バイク、車(少なくとも6台)、トラックなどが燃やされ、近隣の商店が壊され、銀行までが燃やされました。 前回同様、ブラックブロックと呼ばれる黒い覆面と服装に身を包んだデモに便乗しては、破壊行動を繰り返す集団の犯行です。この破壊行動に及んだ人は、400人〜500人いたと発表されています。この日のパリのデモ隊の規模は、5千人と言われていますので、人数から言えば、約1割がブラックブロックだったわけです。 デモを行うには、予めそのルート等を申告し、警察の許可を取ることが義務付けられていますが、ブラックブロックの集団もそのルートを元に計画的に破壊行動を計画していることがわかります。 5000人が参加したと言われるパリのデモは、最終地点のリパブリック広場に到着できたのは、午後6時すぎ、半分以下の2000人でした。彼らは、表向きはデモ隊に参加しているかのように振る舞い、グローバルセキュリティ法反対などのプラカードを掲げたりする役割の人もいるのですが、その実、デモをぶち壊していることは明白です。 街中に炎が立ち上り、黒煙が立ち昇り、催涙ガスが蔓延し、放水車が人を攻撃し、ガラスが割られ、ブラックブロックと警察の治安部隊が戦う光景は、もはやデモではありません。パリはどうなっちゃうんだろうと不安にかられます。 ブラックブロックは、2016年頃から登場し始めていますが、その破壊行為は、どんどんエスカレートしています。コロナウィルスによるロックダウンのストレスもあるかもしれません。 私もフランス生活が長くなるにつれて、時にデモも必要なことではないかと思い始めてはいますが、昨今のような、デモといえば、ブラックブロックが便乗して暴力を振るい、破壊行動を繰り返してデモをぶち壊してしまう現状では、デモをこのまま容認することは、不可能ではないかと思っています。 近隣の商店などは、デモはもう辞めて欲しいと憤りを露わにしています。 表現の自由を叫び、自分の意思を表現することが尊ばれるフランスだからこそ、このようなコロナ禍でさえ、デモが認められているのですが、この暴力集団が破壊行動を繰り返す限り、こんな状態が続けられるわけはありません。 今回のデモでは、42人が逮捕されています。実際に破壊行動をしていたと言われる人々の1割程度です。警察は、徹底的にこのブラックブロックの輩を追跡して、暴力ではない警察の力を見せつけて欲しいです。 だいたい、ロックダウンの効果でコロナウィルス感染も減少してきたとはいえ、未だ、フランスでは、新規感染者が一日1万人以上いるのです。ノエルを家族で祝いたいんじゃなかったの?...

2020年12月5日土曜日

ブラックフライデーと娘の携帯

  ブラックフライデーでも20%off 今さらながら赤いテープが痛々しい 娘の携帯電話が危うくなり出して、ヤバい状態が続いていました。前回、帰省した際にも時々、調子が悪くなり、時々、急に画面が消えたりすると言っていました。彼女は、どうにもアクシデントの多い人で、かなり派手な自転車事故を起こして、自転車の修理に行ったら、よくかすり傷で済んだと驚かれたり、忘れ物、落とし物も多く、帰省するときに家の鍵を忘れてきたり、お財布を忘れてきたり、しっかりしているかと思えば、妙に抜けているところがあるのです。 当然、携帯も数回、失くしており、うっかり落とすこともしばしばで、つい先日も、携帯を落とし...

2020年12月4日金曜日

2020年コロナ禍中でもシャンゼリゼのイルミネーションの美しさは圧巻 パリにいて良かったと思う瞬間

  パリ中心部に用事があって、ついでにノエルのデコレーションを見て帰ろうと思って、パリの中では、一番好きなヴァンドーム広場のノエルのデコレーション・イルミネーションを見に行ったら、今年は、自粛なのか、経費節減なのか、まったく、いつものような華やかさはなく、ガッカリしたので、このまま帰るのも悔しくて、せっかく近くまで来たのだからと、ちょっと足を延ばして、シャンゼリゼのイルミネーションを見て帰ることにしました。 シャンゼリゼのイルミネーションは、すでにテレビやネットで見ていて、もう点灯しているのもわかっていたので、こちらは肩透かしを食うことはないと思ったのです。 友人から、「今年は、シ...

2020年12月3日木曜日

パリは観光地だったんだ・・ お店は開いてもお客はいない

 お店は開いているものの、ガランとしたヴァンドーム広場の店舗 寒くなってきて、お天気も今ひとつだけど、パリの中心部に用事があったので、週末から来週にかけては、さらに天気が悪い模様・・やっぱり、今日、行くしかないな・・ノエルのデコレーションもちょっと楽しみだし、たまには、パリの街を歩こうと出かけてきました。 ところが、もはや12月に入って、準備が遅れている?というわけでもなかろうに、どうにも今年のパリのデコレーションは控えめです。 いつも通る、ノエルでなくても、きれいにデコレーションされているようなところでさえ、さっぱりなのには、少々ガッカリ・・今年は、自粛ムード?それとも、経費節減...

2020年12月2日水曜日

スキー場オープンか否かで統一が取れないヨーロッパ フランスがダメならフランス人は隣国へスキーに行く

  ノエルと年越しをどうやら家族で祝えることになったフランスは、今度は、スキーがOKになるかどうかが騒ぎになっています。 隣国のスイスやオーストリア、イタリアなどでは、制限付きでスキー場がオープンになることになったことから、フランスもスキー場を開けろ!と騒いでいるのです。 スキー場側からしたら、スキーシーズンは限られているため、このシーズンに開けられないのは、大打撃になるのです。 たしか、前回のカステックス首相の発表では、スキー場は開けてもいいが、リフトはダメという話だったと思いますが、リフトがなければ、事実上、閉鎖と大して変わらない状態です。 スキー自体は、屋外のスポーツであるし、許可され...