2023年9月15日金曜日

コンコルド広場にできているラグビーヴィラージュ ラグビーワールドカップ2023パリ

  


 現在、フランスでは、ラグビーのワールドカップが絶賛開催中で、このワールドカップが始まる少し前に見かけた工事中だったコンコルド広場のオフィシャルショップが完成したところを見てみようと出かけたところ、コンコルド広場全体が、ラグビーヴィラージュとなっていて、大きなオフィシャルショップだけでなく、巨大スクリーンが設置され、そこでは、現在進行中の試合の模様が中継されていました。

 私が訪れた日の夜には、フランスの試合が開催される予定だったためか、このラグビーヴィラージュ周辺は、大変な警戒ぶりでした。

 少し歩こうとシャンゼリゼから歩いて行こうと思ったのですが、通常ならば、シャンゼリゼを下っていけば、コンコルド広場に到達するのですが、これがシャンゼリゼの途中、グランパレを過ぎたあたりで、通行止め。

 やたらと警察車両が止まっているので、何ごとか?と思いましたが、警察車両がたくさん待機していることは、決して珍しいことでもないので、そのまま通り過ぎたのですが、それにしても警察官の数も半端ではありません。

 あと5分くらい歩けば・・というところで、いよいよ本格的に歩行者さえもシャットアウトで、警備にあたっている警察官を捕まえて、コンコルド広場には、入れるのでしょうか?と聞くと、迂回していくしかないとのこと・・。

 結局、想像以上に歩くことになり、コンコルド広場に入るかなり前の道にも警官がたくさんいて、「ラグビーショップに行きたいのですが・・」と言ったら、荷物チェックのうえ、道を通してくれました。

 最寄りのメトロの駅(①号線コンコルド駅及びチュイルリー駅)は閉鎖されており、せっかくのラグビーヴィラージュに簡単にアクセスできないことは、フランスの現在の治安を物語っています。

 しかし、このワールドカップの期間(9月8日~10月28日)限定のラグビーヴィラージュは、その背景には、シャンゼリゼやエッフェル塔、チュイルリー公園などが広がる絶景のスペースです。


 ラグビーヴィラージュの中には、巨大スクリーンの他に、大きなステージが用意され、簡単に遊べるミニラグビー場や障がい者用(車いす用)のスポーツエリア、飲食店のスタンドなどが、いくつかあり、コンコルド広場って、こんなに広かったっけ?と思わせられるスペースになっています。





 飲食店のスタンドもそんなに多くはない中、ビールは、スポンサー企業であるアサヒスーパードライが独占状態で、さすがに他にワインやジュースもある中、フランスでビールがアサヒのスーパードライだけ・・という場所もそうそうないことで、これを機に日本のビールがもっともっとフランスでも広まってくれればなぁ~と思いました。



 コンコルド広場は、来年のオリンピックにも、いくつかの試合が開催されるアーバンパークとして利用されることが発表されていますが、このラグビーヴィラージュは、おそらく、その予行演習のようなテストケースのようなものでもあるのかもしれません。



 しかし、今回のように、実際にコンコルド広場で競技が行われるわけでもないのに、こんなに凄い警戒態勢で、大変な迂回を強いられるわけなので、オリンピックになったら、もうパリの街中は、自由に移動することが不可能になるのではないか?と、ちょっと、ウンザリしないでもありません。


ラグビーヴィラージュパリ ラグビーワールドカップ2023


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2023年9月14日木曜日

フランス発 肺がん治療ワクチン Tedopi について

  


 フランスのバイオテクノロジー企業 Ose Immunotherapeutics が開発した肺がん治療ワクチン Tedopi が化学療法と比較して、死亡リスクを40%以上軽減するという研究結果ががんに関する医学専門誌に掲載され、がん治療に光が差したと話題を呼んでいます。

 このニュースは肺がん治療に関わる人々にとっての大きな朗報であることには違いありませんが、現在のところは、このワクチンは、すべての肺がん患者を対象としたものではなく、最も重篤な患者、再発した患者、転移のある患者、既存のすべての治療に抵抗があるが免疫療法にすでに陽性反応を示した患者のみを対象としています。

 つまり、この研究結果は、かなりの末期患者を対象としたもので、この臨床試験の結果も、「肺がんの末期患者の44%以上がこのワクチン接種後1年後も生存が確認されており、平均すると3ヶ月半の生存期間の延長がみとめられた」というもので、必ずしも完全治癒するというものではありません。

 しかしながら、化学療法などと比較すると、副作用等も3分の1に減少するため、治療に際して患者さんのQOL(生活の質)も向上するとしています。

 このワクチンは、現段階では、いわゆるワクチンでイメージされる予防のためのものではなく、治療薬であり、免疫反応を引き起こす抗原を選択し、免疫系のキラー細胞である T リンパ球は腫瘍細胞を認識し、それらを排除する働きを利用するという、コロナウィルス対応のRNAワクチンを思わせる感じです。

 病気に特有の病気の異常を特定し、ワクチンによってこれらの異常に特異的に対処する免疫系の細胞を生成することが可能になり、患者自身の免疫系が病気に関連する細胞を根絶するというものです。

 このメッセンジャーRNAタイプのワクチンは、コロナウィルス予防のワクチン開発のために、急激に普及し、研究も進みましたが、元来は、がん治療に有効であるという考えのもとに開発されてきたものでした。

 このワクチンは腫瘍学者によれば、これは「がんとともに生きるすべての患者に大きな扉を開くものであり、本当に大きな希望をもたらすものである」と断言しており、肺がんと同時に転移のある膵臓がんや再発した卵巣がんに対する検査も進行中です。

 しかし、このワクチンも、現段階では、治験の段階であり、一般化されるかどうかは、未定であるものの、比較的可能性が高いとも言われています。

 Tedopiは2027年に販売認可を申請予定としていますが、さらなる新たな治験でテストされる必要があるようです。現在の治験の結果を見ると、治験ゆえ、あらゆる治療を試みたにもかかわらず、効果が認められず、他に手立てがない場合に行われているもので、その前段階に使用した場合の効果に関しては、発表されていません。

 しかしながら、これはフランスの5,000人から7,000人の患者に相当するもので、このワクチンを製造するバイオテクノロジー企業は、世界中で年間10万人の患者を対象とするものになることを見込んでいるそうです。

 以前は、ガン宣告=死亡宣告のようなもので、告知されないケースなどもありましたが、この研究が進んでいけば、ガンも治る病気として認知される日がやってくるかもしれません。


フランスバイオテクノロジー 肺がん治療ワクチン Tedopi


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2023年9月13日水曜日

フランスでの iphone 12 販売禁止の理由

  


 奇しくも iphone 15が発表された日にフランス ANFR(国家周波数局)は、9月12日のプレスリリースで、Appleに対し、規制されている許容量を超える電波を発する iPhone 12の販売を中止するよう要請したことを発表しました。

 これは、この機種の電波がヨーロッパで規制(認可)している比較している閾値を超えているためであることから、この措置はフランスだけに留まらない可能性があります。

 また、ANFRは、この問題について、2週間以内に同社が対策を講じない場合は、この製品の、すでに流通している商品に対するリコールを命令する用意があると警告しています。

 一応、携帯は持ってはいるものの、まるで、その知識に疎い私にとっては、一体、なんのことやら、わからないのですが、この販売禁止の理由は、過度に高い波動の放出が原因とされており、最近実施されたテストで、携帯電話を手に持ったり、ポケットの中に入れたりしたときに人体が受信する電波を測定した結果、比吸収率の限界を超えたことが関連していると言われています。

 このテストによれば、フランスでは、携帯の電波は、4 W/kg に制限されていますが、 iPhone 12 の場合は 5.74 W/kgであったとされています。

 具体的にどのようにこの閾値が設定されているのかはわかりませんが、一応、様々な観点から設定されているであろう数字なので、これを看過することはできないのもわかります。

 しかし、この iPhone 12 は、2020 年にリリースされたもので、すでに3年も経った今になって言われるのも、なんで、発売前にちゃんとチェックしてくれなかったの?とモヤモヤします。

 現在、発売になったばかりの iphone 15の前にすでに iPhone 12の後には、13、14が出ていて、それに関しては、販売禁止の対象になっていないということは、これらに関しては、問題がないのだとは思われますが、それにしても、販売する企業側も、販売を許可する側も販売前にその検証がなされていなかったことは、遺憾に思います。

 同時に、今や携帯なしでは生活できない気がしてしまうほど、全ての人々に浸透しているからこそ、このような検証がなされ続けることは必要なことではないかと思っています。


フランス iphone 12 販売禁止


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2023年9月12日火曜日

ラグビーワールドカップとジャニーズ性加害スキャンダル

  


 現在、フランスではラグビーのワールドカップを開催中で、街中には、サポーターの集団がワイワイしているのを見かけたりするので、普段、あまりラグビーに興味がない私は、今さらのように、「ラグビーってこんなに人気あるスポーツだったんだ・・」などと、少々ズレたことを感じたりしていました。

 ラグビーとは全然関係なしに、このワールドカップが始まる少し前に、たまたまパリのコンコルド広場近くを通ったら、ずっと工事中だった場所に大きな仮設の建物が建っていて、「あれ?オリンピックの用意ができ始めたんだ・・見てみよう!」などと、行ってみると、まず、その建物には、マスターカードのマークがやたらと張り付いていて、「えっ?オリンピックはVISAカードじゃなかったっけ?」などと、「へっ??」と思っていると、それは、ラグビーのワールドカップのオフィシャルショップ(けっこうな広さ)で、なるほど、ワールドカップの方は、マスターカードがスポンサーなのか・・と気が付いたのでした。

 しかし、ワールドカップのために、コンコルド広場にこんなスペースを設けるとは、なかなかなアピール具合です。

 コンコルド広場には、その他、いくつかのスポンサー会社のテントが張られていて、その中に「Asahi」のテントを見つけて、「やるな~!日本の会社も頑張っているぞ!」と思ったばかりでした。

 日本でのジャニーズの性加害スキャンダルについては、フランスでは、今のところ、テレビメディアでまでは、それほど大きな扱いにはなっていませんが、新聞媒体(ルモンド紙)では、ジャパンラグビーのアンバサダーとして起用されているジャニーズ事務所のタレントであることを問題視する記事を掲載したりはしています。

 そんな中、ジャニーズ事務所の謝罪と新体制の記者会見を受けて、次々と企業側がジャニーズタレントの広告起用を取りやめる発表をし始めていますが、中でもいち早く、アサヒホールディングスが入っていたことに、なるほど・・と思った次第です。

 日本では、このような事態に対して、曖昧な状態でいることが、さほど責められないどころか、賛否両論あるなどと、甘いことを言っていますが、このような事態は、海外では一発アウトの案件であり、今回のラグビーのワールドカップのスポンサーなどという、世界中の注目を集めるイベントのスポンサーとしての立場にいるアサヒホールディングスは、いち早く、キッパリとした対応をとる必要があったのです。

 さもなければ、世界の大舞台のスポンサー企業として名を連ねていることで、通常以上に一企業として注目される立場にあるわけで、同企業の社長が会見で「ジャニーズタレントを起用するということは、人権問題に寛容な企業と判断される」と発表しているように、はっきりした態度をとる世界基準に沿ったきっぱりとした対応を早急に表明する必要があったのです。

 現在、どの程度、どの企業の広告にジャニーズタレントが起用されているのかは、わかりませんが、このワールドカップのスポンサーであるアサヒホールディングスの対応を考えれば、来年のパリオリンピックのスポンサーとなっている企業、ブリヂストン、コカ・コーラ、パナソニック、トヨタなどは、同様の対応をとらざるを得ないことは必須です。

 世界的には、タレントに罪はないなどという理屈は通用せず、むしろ、このような事務所のタレントを広告に起用したりすることは、マイナスイメージにしかならないのが世界の常識なのです。


ラグビーワールドカップ アサヒホールディングス ジャニーズ事務所


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2023年9月11日月曜日

モロッコの大地震 救助を制限されているフランスの焦燥




 2,000人以上の死者を出したモロッコの大地震について、フランスでは、我が国のことのように大きく報道しています。

 私はモロッコという国に行ったことがありませんが、フランスに来てから、モロッコという国は以前よりも身近に感じる国になったことは事実です。

 在フランスモロッコ人の数は約150万人と言われており、モロッコ人に遭遇する確率も多く、比較的、近い、異文化を感じられる国として、フランス人の人気のバカンス先でもあります。

 以前の会社の同僚には、モロッコ人もいたし、フランス人でも、バカンスにモロッコに行くという話はわりとよく聞くので、最初は、「へぇ~モロッコって人気あるんだ・・」と、最初はちょっと意外に感じました。

 今回、モロッコでの大地震による大惨事に、フランスの報道機関は取材チームを現地に送り、大々的な報道を続けています。

 専門家の解説によれば、どうやら、今回の地震は、「起こるか起こらないかではなく、起こることはわかっていたが、いつだかわからなかった・・」というものだったらしく、「驚くことではない・・」などと説明していることに驚いてしまいます。

 しかし、専門家が「驚くことではない・・」と説明するのとはうらはらに、その被害の様子の映像は、充分に衝撃的なもので、壊滅的に崩れて、原形がどういう場所だったのかは、よくわからないような状況です。

 もともと、フランスには、こうした地震がないので、一般的には、おそらく日本人以上に大きな地震に対する反応が大きいような気もするし、それだけモロッコを身近な国であると感じているということもあるのだと思います。

 しかし、当のモロッコ政府は、国際支援の管理について、責任を持って、最も効果的なアプローチが必要との理由で、現在のところ、スペイン、英国、カタール、アラブ首長国連邦の4ヵ国からのみの援助を受け入れています。

 これに対し、すでにフランス、イタリア、米国、スイス、ベルギー、トルコなど、多くの国がモロッコに支援を申し出ており、赤十字などの団体やアストラゼネカなどの企業も援助を申し出ています。

 マクロン大統領は、モロッコ当局が有用と判断した場合に介入できるよう、技術チームと安全保障チームを待機させていると発表しています。

 救助を申し入れているフランス人としては、この悲劇的な状況にモロッコが支援を制限していることが、少なからず納得がいかず、なぜ、スペインやイギリスを受け入れて、なぜフランスからの支援を受け入れないのか? 日頃の外交に問題があるのではないか? などと、話は別の方向にも傾いています。

 とりあえず、フランスのすべての携帯電話事業は、「激しい地震に見舞われたモロッコへの通話とテキストメッセージを顧客に提供している(フリー、ブイグ、SFR、オレンジの顧客はモロッコへの通話とSMSが無料になる)」と、デジタル担当大臣代表が発表しています。

 慈愛の精神に満ちたフランス人としては、壊滅的な被害を受けている場所に飛んでいって、助けたいという気持ちが溢れているのに、それを止められていることに少なからず焦燥感を感じるところがあるようですが、政治的な立ち位置は別として、とりあえず、一度にあらゆる国が押し寄せてきてくれても、場所を含めて被害状況がはっきり確認できない状態では、混乱を招きかねないと考えるモロッコ政府の言い分もわからないではありません。

 援助を提供するのも受けるのも簡単なことではないようです。

 在モロッコフランス大使館は、モロッコに旅行予定だったフランス人に向けて、現在のところは、旅行予定を中止、延期してほしいと呼びかけるとともに、状態が沈静化した後のモロッコ復興のために、モロッコをバカンス先候補から排除せずに、モロッコの観光産業を盛り立ててほしいと話していました。

 マクロン大統領、インドのモディ首相、コモロのアスマニ大統領、世界銀行、国際通貨基金、欧州委員会の指導者は、「モロッコが緊急事態に必要なあらゆる支援を提供する」と約束する共同宣言に署名しています。


モロッコ大地震とフランス


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2023年9月10日日曜日

久しぶりの郵便局で・・家にいるのに不在通知を入れられて・・

  


 フランスに来たばかりの頃は、ポストを覗くのは、楽しみなことで、今のようにネットが自由に使えなかったので、私は仲の良い友人にも家族とも、結構、よく手紙のやり取りをしていたので、自宅のポストを覗いて、手紙が入っているのは、一日の終わりの嬉しいことでもありました。

 今では、私もすっかりネットに侵され、よっぽどのことでもない限り、手紙を出すこともなくなってしまったし、よって、友人から手紙をもらうということもなくなってしまったので、今やポストに入っているものは、請求書や厄介な要件のものばかりで、一応、日課のようにポストは覗くとはいえ、何も入っていないと、ホッとするようになっています。

 昨日、出かける前にポストを覗くと、郵便局からの不在通知が入っていて、「え~~?家にいたのに・・」と思いました。家にいるのに、アパートの上まで上がってくるのが面倒で不在通知だけをポストに入れていくというのは、まあフランスではそんなに珍しいことではないとはいえ、ふつうの郵便物ならば、そのままポストに入れて行けばいいものの、手渡ししなければならない書留できている手紙なわけで、また、どこから、そんな書留が来ているのか? どうせロクな手紙ではないわけで、わざわざ、この招かれざる手紙をこちらから出向いて取りに行かなければならない煩わしさと、それがどこからの何なのか?という不安とで、ざわざわしてしまいました。

 まあ、これから出かけるので、帰りについでに寄ってくればいいか?と思いきや、受け取りは、翌日以降と指定されていて、一晩はなんとなく何の手紙なのか?ちょっと気になりつつも翌朝、起きるとさっそく指定された郵便局へ行くと、土曜日ということもあってか、長蛇の列。

 ようやく自分の番になって、不在通知票と身分証明書を出すと、記載されたナンバーを入力してチェック・・すると、ここにはなくて、間違って別の郵便局に保管されているらしい・・とのこと。さんざん並んだのに~~!

 以前だったら、猛烈に怒っているだろうと思いつつ、もうこんなことでいちいち怒りません。仕方なく、もう少し、遠いところにある、言われた別の郵便局へ行くと、ここも、けっこう混んでいます。

 しかし、郵便局に来るのも久ぶりで、ずいぶんきれいになったんだな・・しかし、以前は、なんで、あんなに郵便局に来る用事があったんだろうか?と考えてしまいました。

 多分、郵便局に持っていた口座にお金を入れに来たりしていたのですが、それが今では、ネットで全部済むようになったことや、郵便局経由での荷物が減ったことも郵便局から足が遠のいた理由でもあります。

 果たして、今度こそは、私宛の手紙はちゃんとこの郵便局に届いており、土曜日の閉店時間(土曜日は午前中のみ)ギリギリに受け取ることができました。

 手紙は裁判所からのもので、何ごとか?と、ちょっとギョッとしましたが、何かの公的な手続きが通らなくて、こちら側から異議申し立てをしていたものの返事で、少し時間をおいてから、再度、手続きをしなおして、もうとっくに問題は解決していたものでした。

 それにしても、忘れずに反応があるのは、律儀といえば、律儀ではありますが、もうかれこれ1年半以上前の話。私の方はもうすっかり忘れていました。

 まったく、まともに、返事を待ち続けていたら、気の遠くなるような話でした。

 

不在通知


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2023年9月9日土曜日

しっぺ返しの夏の暑さ 9月に入って毎日35℃超えの猛暑のパリ

  


 今年の夏はちょっと不気味なくらい暑くならなかったパリは、新年度、新学期が始まったとたんに暑さがやってきて、こんなに長い夏休みの期間は暑くなくて、学校が始まったとたんに暑くなるのも皮肉なもんだな・・と思っていました。

 しかし、この暑さ・・思った以上に長く続いており、ここ数日間は35℃を超える暑さで、今年はあまり、暑さに痛めつけられてこなかった分だけ、ここへきて、しっぺ返しを受けている感じがしています。

 今年の8月のパリは、日中、少々汗ばむくらいのことはあっても、朝晩は少々、肌寒いほどで、私などは、のんきに、「そういえば、以前は、こんな感じだったな~、このまま秋になってしまうのかしら?」と、実際にもうセーターや革ジャンなどを着ている人をみかけて、「もう冬服じゃん!いくらなんでも・・」などと思っていました。

 このフランス人の季節の変わり目の衣替えの速さは毎年のことながら、舌を撒くところなのですが、今年の場合は、それからまもなくして、真夏の暑さが今頃になってやってきたのですから、よけいに身体には堪えます。

 とはいえ、ここ数年の夏の暑さ対策は、もう手慣れたもので、朝の早いうちに家の空気の入れ替えをした後は、シャッターのある窓は、ほぼ締め切り、暑い日差しが入ってくる大きな窓には、板でバリケードをし、遮光状態にして、不思議な空間の中で過ごします。

 しかし、こう暑さが続くと朝になっても、さほど気温が下がらなくなってきて、また、数日にわたる暑さからくる疲弊でますますしんどくなってきます。

 日本だと日中、一番、気温が上昇するのは14時~15時くらいだという記憶がありますが、フランスの場合は、夏は日が長いせいもあるのか、一番、気温が高いのは17時頃です。

 我が家には冷房がないので、暑い時間帯は、むしろ、外出して、美術館や博物館などにいたり、プールに泳ぎに行ったりするものの、もうぐったりしてくると、その往復だけでも、バスやメトロは冷房が効いていなかったりすると、もうそれは地獄のようで、家にこもりがちになります。

 寒ければ、着込めば済むものを暑いとなると、脱いだところで暑いし、だんだん頭もボーっとしてくるので、始末に負えないのですが、もう最近は、家には他に人もいないし、洋服は着ない状態で、濡れたパレオを身体にまとって過ごすという、ちょっと他人様にはお見せできない状態でなんとか乗り切っています。

 しかし、同時に強い太陽の光は、排気ガスを拡散させるそうで、オゾンが発生し、暑いだけでなく、実際に有害なガスを引き起こしているようで、バカンス期間が終わって、パリ市内の交通量が増えてからのこの暑さは、大気汚染の公害も引き起こしているようです。

 それでも、けっこうフランス人は暑さには、強いようで、こんな炎天下でも平気でパラソルなしのテラス席で食事をしていたり、昨日から始まったラグビーのワールドカップの応援でけっこう、パリ市内、あちこちで興奮状態のサポーターを見かけ、暑さ以上の熱気を感じます。

 今年のパリの夏は冷夏だったような気がしていましたが、よくよく振り返ってみると、5月から6月にかけては、けっこうな暑さでもあり、今からこの暑さでは、夏真っ盛りの時期はどうなっちゃうんだろう?と思ったし、また、9月の今になって、この猛暑日が続いているということは、結果的には、総合的に夏の暑い時期が長期化しているということで、ただただ異常な気温の上昇というだけではなく、年間を通しての平均気温は確実に上昇しているということです。

 こうして、異常な暑さに見舞われるたびに、地球温暖化対策って、大事だな・・などとは思うのですが、この現状を見ると、環境対策は全然追いついていないということなのかもしれません。


9月の猛暑


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