2022年12月17日土曜日

ワールドカップ フランス対モロッコの試合 大フィーバーの影の超極右勢力の暴挙

   14日のワールドカップの準決勝フランス対モロッコの試合はフランスでは大きな盛り上がりを見せ、さらにフランスが勝利したことで、パリではシャンゼリゼには信じられない数の人々が集まり、その勝利に歓喜していました。 なにか一つのことに対して、国全体を挙げてこんなに感動でき、人々を喜ばせることができることを素晴らしいと思い、在仏日本人の私としては、フランスの勝利を嬉しく思いつつも、少々、フランスがうらやましいような気もしていたのです。 この応援や勝利を祝う集い?には、在仏モロッコ人など、どちらが勝っても嬉しいというようなモロッコのユニフォームを着ながらフランス国旗を振り回して喜ぶような人たちもいて、日本を応援しつつも、フランスも応援する自分ともダブる気もして、そんな様子を微笑ましいな・・などとも思っていたのです。 しかし、このフランス対モロッコの試合に際しては、残念ながら、フランスの超極右勢力の一部の人々がパリ、リヨン、ニース、モンペリエなど、いくつかの都市で動員されており、パリ17区では、12月14日夜から15日にかけて、暴力的な右翼運動関係者38人が逮捕され、拘束されています。 警察関係者が報道関係者に語ったところによると、彼らの中にはブラスナックルやスパナなどの武器や大量破壊兵器を持っており、シャンゼリゼ通りでモロッコ人サポーターと攻撃しようとした疑いが持たれています。 彼らは、「暴力や損害を与える目的でグループに参加した」「危険カテゴリーに入る武器を携帯した」「武器や顔を隠した集会への参加」で逮捕され、検察は司法調査を開始し、彼らが「人種差別的な性質の暴力を振るう」ことを望んでいた疑いがあるとしています。 戦うのはルールにのっとったスポーツの場だけでよく、なにも対戦国のサポーターを攻撃するのはお門違いだと思いますが、彼らにとっては、サッカーの試合は単なるきっかけに過ぎず、彼らは常に攻撃する機会を探っているのだそうです。 フランスという国は、単に群衆が集まる危険だけでなく、このような危険な集団が何かのお祭り騒ぎに乗じて、ことを図る危険もはらんでいるのです。 また、次は決勝戦ともなれば、さらに高まる興奮で危険が高まるかと思いきや、政治学者の見解によれば、超極右勢力のターゲットはマグレブ諸国(モロッコ、アルジェリア、チュニジアなどのアフリカ北西部の地域の国々)であり、アルゼンチンとの間に特に争いはないことから、彼らの動員は起こらないのではないかと見ています。 超極右勢力の活動家はフランス全体でも数十人に過ぎないとも言われていますが、このような機会に乗じて、武器まで携えて、人を埋め尽くしているシャンゼリゼなどに現れれば、騒ぎは大変なことになることは間違いなく、彼らは危険人物としてリストアップされ、内務省によって、追跡されているといいます。 「フランスが負けるようなことがあって、フランスが屈辱を受けることは許されない」という彼らの理屈は理解できませんが、彼らの目的は攻撃することにあり、サッカーの勝敗などは、口実なのです。 このような暴力行為が目的の人もいれば、単に興奮して騒ぎを起こすサポーターなど、サッカーの試合は、歓喜を引き起こすとともに、衝突も巻き起こしています。 それを数千人の警察官がガードしながら、みんなが喜びあうあたり、デモ行進を警察や憲兵隊がガードしつつも、決してデモの権利を損なわないように保つ日常とも似ている気がして、そんな様子もフランスらしいな・・と思うのです。ワールドカップ 超極右勢力暴動<関連記事>「2022年サッカーワールドカップ フランス決勝進出」「...

2022年12月16日金曜日

カルトヴィタル(健康保険のカード)が壊れた・・

   日本ではマイナンバーカードと保険証が一体化するという話を聞きましたが、フランスのIDカードと保険証のカードは別々になっています。 現在のフランスのIDカードにはICチップが入っていますが、そのICチップまでが必要とされるIDカードのチェックなどは滅多にあるものではなく、たまに身分証明書として求められても、チラッと目を通されるくらいで、IDカードはいつも携帯しているものの、ほとんど持っているだけで使うことはありません。 それに比べて、カルトヴィタル(健康保険カード)は、考えてみれば、ここのところ、このパンデミックで使用頻度がかなりの割合で増え、通常、たまに医者にかかるとき、処方された薬を買うときなどだけだったカルトヴィタルは、コロナウィルスのワクチン接種、度々行ってきたPCR検査、これまではしなかったインフルエンザのワクチン接種などのたびに必要で、いままでの数倍の頻度で使用することになっていたのです。 そして、これまた考えてみれば、IDカードの書き換えは10年に1回(ビザの年数にもよるけど)ですが、カルトヴィタルの書き換えはこれまでしたことがありませんでした。 フランスに来て以来、最初にカルトヴィタルを作って以来、一度、ポルトガルを旅行中にスリに遭い、財布の中に入っていたIDカードやカルトヴィタルまで全て盗られた時に作り直して以来、ずっと同じものを使っていました。それさえも、いつのことだったか、覚えていないくらいです。 このカルトヴィタルがないと医者にかかれないわけではありませんが、保険で返金される分をいちいち申請するために手続きの用紙を送らなければならなかったりで、その後の手続きがなかなか面倒なのです。 今回、3ヶ月に一度、常用している薬の処方箋をもらいにかかりつけのお医者さんに行くと、「あなたのカード使えないわよ・・、寒いせいなのか?磁気がおかしくなっているのかわからないけど、確認した方がいいわよ・・今日は払い戻しの用紙を書いておくから、これ記入して送りなさい」と衝撃の事実が発覚・・。一体、いつの間に?? このカルトヴィタル、時々、「アップデートしてください」とかいう通知がメールで来たりするので、その時は、薬局にある機械に差し込むとアップデートできるようになっているのですが、今回はそれ以前の問題。 このご時世、いつどんな病気になるかもわからず、カルトヴィタルはある意味、命綱でもあり、使えない状態にしておくわけにはいきません。 もしや、別の機械なら大丈夫かもしれない・・と儚い期待を抱いて、そのまま、書いてもらった処方箋をもって薬局に行って、カードを出すと、ここでもやっぱり、「あなたのカード、使えないわね・・」と。 幸い薬局は商売だけあって、すでに登録してあるナンバーと名前とで、支払いすることなく、薬は出してくれましたが、結局、ここでもカードがなぜ使えないのか解明することはできませんでした。 健康保険組合のサイトで質問してもカードを見なければわからないといい、電話で問い合わせようにも電話もつながらず、「久々に出ました!フランスのこのたらいまわしの感じ!」と思いながら、仕方なく、国民健康保険の事務所にカルトヴィタルの問い合わせに行くことにしました。 当然と言えば、当然なのですが、以前は何かと行く用事があった健康保険の事務所もかなりの部分をネットで処理できるようになったためか、調べてみると、以前に行ったことのあった事務所は閉鎖されており、場所が格段に減っていて、見ず知らずの「なんで?こんなところにあるの?」という場所まで行くハメになりました。 その事務所はネットで調べて出かけたのですが、以前、調べてでかけたところがオープン時間と書いてあったにもかかわらず閉鎖されていて、延々歩いて行ってもまた、閉鎖かも・・とあまり期待しないで歩いていきました。 しかし、幸いにも今回はしっかりオープンしていて、カードを見てもらうと、「これは、カードの磁気がダメになっているから、作り直さないとだめね!」と軽くひとこと。そして「手続きはネットでできるから・・」と冷たいひとこと。 ネットだといっても、また、「サイトがメンテナンス中・・」などということも多く、常にスムーズに進むわけではありません。これを逃してはまた、いつになるか、また更なるトラブルが積み重なることもありえる・・と、「せっかく、私はここまで来てるんだから、ここで手続きしてください!」と食い下がり、その場で、新しいカードの手続きを済ませてきました。 考えてみれば、こんなことは久しぶりで、以前はこの手のやりとりが日常茶飯事だったな・・と思いながら、一仕事片付けた感じで少しだけホッとしながら、家に戻ってきました。 後になってから、カードを見ると、カードを作った日付は、2011年となっていて、なんだかんだでもう10年以上使っていたわけで、銀行のクレジットカードなどもせいぜい2~3年で新しいカードが来るし、もう寿命だったのかな?と思いました。 しかし、いずれにしても、フランスに住んでいると、すべてが滞りなく、静かに暮らせているという期間は、めったになく、一つ片付けば、また一つなにかトラブルが起こる・・そんな感じです。 良いように考えれば、このカードの故障がノエルのバカンス期間より少し前に起こってくれたことは、おそらく不幸中の幸いだったということで、ノエルのバカンスから年末年始はただでさえ時間がかかるお役所仕事がさらに輪をかけて進まなくなる時期でそれよりも少し前倒しに手続きできたことはラッキーでした。 これ以上、トラブルなしに平和に年が越せますように・・。カルトヴィタル 健康保険カード<関連記事>「...

2022年12月15日木曜日

2022年サッカーワールドカップ フランス決勝進出

   フランスにとってのサッカーは国民的なスポーツで、今回のようなワールドカップがあったりすると、国民の熱狂ぶりで、サッカーがどれほどの位置を占めているのかを痛感させられることになります。 今回のワールドカップで、フランスは順調に勝ち進み、昨日のフランス対モロッコの試合は準決勝というのに、決勝並みの大騒ぎで、パリだけでも2,000人、全国で5,000人の警察官が動員され、シャンゼリゼには2万人以上が集まる大フィーバーとなりました。 今回の準決勝進出を先に決めたのはモロッコでしたが、アフリカ大陸から初の準決勝進出ということや、フランスには、モロッコの人、アラブ系の人々も多いために、その時点でもすでにモロッコ勢はシャンゼリゼに集結し、大いに盛り上がっていました。 フランスが準決勝進出を決めたときは言うまでもありません。 モロッコ対フランスの準決勝当日もモロッコを応援する人、フランスを応援する人に紛れて、モロッコのユニフォームを着て、フランス国旗を振っているようなどちらも応援しているような人も少なくありません。 今回の準決勝には、まさかのマクロン大統領までがカタールに応援に出向くという熱の入り方、しかし、一応、メディアは彼にも注目はしますが、大統領でさえも存在感が小さく感じられるほど、フランスのサッカーチームは、いまをときめくスーパースターなのです。La...

2022年12月14日水曜日

未成年強姦容疑で身柄拘束されたフランスの人気ユーチューバー YouTube広告収益撤廃

   1200万人の登録者を持つフランス第3位の人気ユーチューバーであるノーマン(Norman Thavaud)が、複数の10代の少女や若い女性を巻き込んだ未成年者強姦の容疑でパリ検察庁に身柄を拘束されたという衝撃的なニュースから約1週間、検察庁に身柄拘束された彼は、取り調べに応じ、涙ながらに、陰謀にはめられたとか、相手の女の子があまりにも熱狂的、情熱的だったとか、犯行の事実を否認していると報じられ、結局、48時間の身柄拘束は延長されずに現時点では、起訴されないまま解放されていました。 しかし、彼の身の潔白が証明されたわけではなく、今後も捜査は継続して行われるとのことで、彼はグレーな存在のままです。 彼の身柄が拘束されて、すぐに、すでにフランスで最も重要なYouTubeチャンネルを制作しているウェブディア(Webediaグループ)は、「ユーチューバーのNorman...

2022年12月13日火曜日

寒さが最後の後押ししてくれたインフルエンザのワクチン接種

   昨年の年末は、コロナウィルス感染の広がり方が半端ではなく、ちょっと出かけると、すぐにTous Anti Covid(フランスのワクチンパスポートと感染者追跡アプリ)のアプリにアラートが来て、「感染者に接触しているので、すぐに検査してください」という通知が来るし、ブースター接種が待ち遠しい感じで、もうコロナに感染していないのは奇跡的な感じもしていたので、もしもインフルエンザとコロナウィルスとダブルチョップで襲われることがあったら、大変だと思い、普段は通知が来ても無視していたインフルエンザのワクチン接種を受けていました。 インフルエンザワクチンなど、もう何十年もやっていなかったこ...

2022年12月12日月曜日

パリのバス停はおばちゃんの井戸端会議の場

  私がフランスに来る前の印象では、フランス人はツンとしていて、なかなか感じ悪い印象がありました。実際に、パリに旅行で来た時(といっても、かなり前の話ではありますが・・)には、何か英語で尋ねても、わからないふりをされたりしたことがあったりしたためで、「フランス人ってほんと、感じ悪い!」と思っていました。 そのころとは時代も変わり、こちらから頼まなくてもレストランなどで英語で話してくれたりするようになって、今となっては、逆に突然の英語にドギマギするほどなのですが、考えてみれば、日本人だって、日本で突然、英語で話しかけられれば、「ノー!イングリッシュ!」などと拒絶する人はいるだろうし、...

2022年12月11日日曜日

2023年1月1日からファストフードの使い捨て容器廃止へ

  ファストフードの容器については、すでにプラスチックのストローが廃止されたり、プラスチックボトルで提供されていたエビアンなどの水が取り扱われなくなったり、すでに環境問題に適応してきました。 しかし、この適応では飽き足らずに、2023年から1月1日からは、イートインの飲食については、段ボール製のハンバーガーボックスや紙コップによるテーブルサービスが禁止されます。これまで、プラスチックから紙に移行していたのに、ついには、その紙もダメになったのです。 その代わりに、店内での飲食に関しては、ハンバーガーが崩れないように包む紙を除いて、再利用可能な食器や洗える食器のみが利用可能になります。再利用可能な・・というと、ハードルが高そうではありますが、要は普通の食器、食器はそもそも再利用できるのが普通です。 持ち帰り販売にはこの規制は適用されないものの、ファストフード店では、使用後すぐに捨てられてしまうパッケージが年間18万トンも発生しているそうで、これだけでも、相当な量のごみ削減に貢献できるとともに、まずは、大手ファストフードチェーン、バーガーキング、KFC、クイック、マクドナルドに対して課せられるものとなれば、ある意味、人々の意識改革を促すものにもなりえる気がしています。absolutely...