最近のフランスで起こる凶悪事件の実行犯には Snapchat 等のSNSにより、未成年の若者たちが少額(その犯罪の重さに比してという意味で)の報酬で依頼されて実行してしまうというケースが目に見えて増加しています。
ちょっと思い出せるだけでも、薬物取引による元締めの争いによる残虐な報復行為や携帯ショップ襲撃など、私でさえも、ここ数年で、あっという間に片手で足りなくなるほどの事件が思い浮かびます。
Snapchat は、世界で月間アクティブユーザーが4億人を超え、特に10代・20代の78%以上が日常的に利用しているSNSであると言われています。
今回、パリのバンク・オブ・アメリカに対する襲撃未遂事件においても、現在までに計5人が逮捕されていますが、このバンク・オブ・アメリカの前で手製の爆弾を仕掛けているところを現行犯逮捕されたセネガル出身の17歳の少年は、このSnapchatを通じて、炭化水素の容器と起爆装置からなる爆発物を仕掛けるように、報酬600ユーロを受け取り、依頼されたと供述しています。
中東情勢がいつまでも集結しない中でのテロ行為に600ユーロの報酬で依頼を受けて実行してしまうところが信じられないことでもあります。
この事件の背景には、イランとの関連も疑われており、この少年がどのような思想の持主であったのかは、現段階では伝えられていません。
ただ、このテロ未遂事件とイランとの関連については、3月21日の段階でパリはイラン系グループによる脅威にさらされており、テレグラムに投稿された動画の中で「ハラカト・アシャブ・アル・ヤミン・アル・イスラミア(正義の友のイスラム運動)」は、GoogleMapを使って、パリ8区のボエティ通りにあるバンク・オブ・アメリカの本社に赤い点滅表示を示していました。
「フランスのバンク・オブ・アメリカは単なる銀行ではなく、影のシオニスト(レスチナの地にユダヤ人の国家を建設・維持すべきだと考える人々)勢力でもある」、「手遅れになる前に出ていけ!これが最後の警告だ!すぐに銀行から出ていけ!」とこの親イラン系テレグラムチャンネルでアシャブ・アル・ヤミングループは主張していました。
そして、1週間後の3月28日、このテロ未遂事件が起こっています。
しかし、バンク・オブ・アメリカ襲撃未遂事件において、直接的な動画や犯行声明は出ていません。
そのような背景からこの事件の司法捜査は国家対テロ検察庁(PNAT)が主導しており、イラン政府によるテロ行為の可能性が真剣に検討されていると言われています。
今回の事件は犯行手口がオランダやベルギーで発生したテロ事件とあらゆる点で似通っていると言われているのも、この関連性が疑われている要因となっています。
もちろん、現在の中東での出来事も大問題であるのはもちろんのことですが、この未成年をも巻き込むSNSを利用しての犯行依頼の手法、またそれにこの少年たちが犯罪に手を染めてしまう傾向も充分に深刻な社会問題の一つであるとも言えます。
フランスでは15歳以下のソーシャルメディア利用禁止が来年度(2026年9月)に間に合うようにすすめられていると聞いていますが、すでにこのような事件が起こってしまっており、また、年齢的にも今回、逮捕されている少年を見ても、15歳以下の禁止には、かからないことになってしまいます。
まさに、どんどん蔓延していくSNSの世界に法がついていけていない・・そんな現状が見えてきます。
バンク・オブ・アメリカへのテロ未遂事件
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