日本ではマイナンバーカードと保険証が一体化するという話を聞きましたが、フランスのIDカードと保険証のカードは別々になっています。
現在のフランスのIDカードにはICチップが入っていますが、そのICチップまでが必要とされるIDカードのチェックなどは滅多にあるものではなく、たまに身分証明書として求められても、チラッと目を通されるくらいで、IDカードはいつも携帯しているものの、ほとんど持っているだけで使うことはありません。
それに比べて、カルトヴィタル(健康保険カード)は、考えてみれば、ここのところ、このパンデミックで使用頻度がかなりの割合で増え、通常、たまに医者にかかるとき、処方された薬を買うときなどだけだったカルトヴィタルは、コロナウィルスのワクチン接種、度々行ってきたPCR検査、これまではしなかったインフルエンザのワクチン接種などのたびに必要で、いままでの数倍の頻度で使用することになっていたのです。
そして、これまた考えてみれば、IDカードの書き換えは10年に1回(ビザの年数にもよるけど)ですが、カルトヴィタルの書き換えはこれまでしたことがありませんでした。
フランスに来て以来、最初にカルトヴィタルを作って以来、一度、ポルトガルを旅行中にスリに遭い、財布の中に入っていたIDカードやカルトヴィタルまで全て盗られた時に作り直して以来、ずっと同じものを使っていました。それさえも、いつのことだったか、覚えていないくらいです。
このカルトヴィタルがないと医者にかかれないわけではありませんが、保険で返金される分をいちいち申請するために手続きの用紙を送らなければならなかったりで、その後の手続きがなかなか面倒なのです。
今回、3ヶ月に一度、常用している薬の処方箋をもらいにかかりつけのお医者さんに行くと、「あなたのカード使えないわよ・・、寒いせいなのか?磁気がおかしくなっているのかわからないけど、確認した方がいいわよ・・今日は払い戻しの用紙を書いておくから、これ記入して送りなさい」と衝撃の事実が発覚・・。一体、いつの間に??
このカルトヴィタル、時々、「アップデートしてください」とかいう通知がメールで来たりするので、その時は、薬局にある機械に差し込むとアップデートできるようになっているのですが、今回はそれ以前の問題。
このご時世、いつどんな病気になるかもわからず、カルトヴィタルはある意味、命綱でもあり、使えない状態にしておくわけにはいきません。
もしや、別の機械なら大丈夫かもしれない・・と儚い期待を抱いて、そのまま、書いてもらった処方箋をもって薬局に行って、カードを出すと、ここでもやっぱり、「あなたのカード、使えないわね・・」と。
幸い薬局は商売だけあって、すでに登録してあるナンバーと名前とで、支払いすることなく、薬は出してくれましたが、結局、ここでもカードがなぜ使えないのか解明することはできませんでした。
健康保険組合のサイトで質問してもカードを見なければわからないといい、電話で問い合わせようにも電話もつながらず、「久々に出ました!フランスのこのたらいまわしの感じ!」と思いながら、仕方なく、国民健康保険の事務所にカルトヴィタルの問い合わせに行くことにしました。
当然と言えば、当然なのですが、以前は何かと行く用事があった健康保険の事務所もかなりの部分をネットで処理できるようになったためか、調べてみると、以前に行ったことのあった事務所は閉鎖されており、場所が格段に減っていて、見ず知らずの「なんで?こんなところにあるの?」という場所まで行くハメになりました。
その事務所はネットで調べて出かけたのですが、以前、調べてでかけたところがオープン時間と書いてあったにもかかわらず閉鎖されていて、延々歩いて行ってもまた、閉鎖かも・・とあまり期待しないで歩いていきました。
しかし、幸いにも今回はしっかりオープンしていて、カードを見てもらうと、「これは、カードの磁気がダメになっているから、作り直さないとだめね!」と軽くひとこと。そして「手続きはネットでできるから・・」と冷たいひとこと。
ネットだといっても、また、「サイトがメンテナンス中・・」などということも多く、常にスムーズに進むわけではありません。これを逃してはまた、いつになるか、また更なるトラブルが積み重なることもありえる・・と、「せっかく、私はここまで来てるんだから、ここで手続きしてください!」と食い下がり、その場で、新しいカードの手続きを済ませてきました。
考えてみれば、こんなことは久しぶりで、以前はこの手のやりとりが日常茶飯事だったな・・と思いながら、一仕事片付けた感じで少しだけホッとしながら、家に戻ってきました。
後になってから、カードを見ると、カードを作った日付は、2011年となっていて、なんだかんだでもう10年以上使っていたわけで、銀行のクレジットカードなどもせいぜい2~3年で新しいカードが来るし、もう寿命だったのかな?と思いました。
しかし、いずれにしても、フランスに住んでいると、すべてが滞りなく、静かに暮らせているという期間は、めったになく、一つ片付けば、また一つなにかトラブルが起こる・・そんな感じです。
良いように考えれば、このカードの故障がノエルのバカンス期間より少し前に起こってくれたことは、おそらく不幸中の幸いだったということで、ノエルのバカンスから年末年始はただでさえ時間がかかるお役所仕事がさらに輪をかけて進まなくなる時期でそれよりも少し前倒しに手続きできたことはラッキーでした。
これ以上、トラブルなしに平和に年が越せますように・・。
カルトヴィタル 健康保険カード
<関連記事>
「旅行先に着いた途端にスリ被害で一文無しになったらどうするか?」
「国民健康保険カードCarte Vitalを利用した詐欺と日本のオレオレ詐欺」
「ヘルスパスのQRコードのオンライン上の盗難と偽造QRコードへの警告」