現在、フランスでは、急速に進むインフレで購買力の低下をどのように克服するか?が盛んに論じられています。ウクライナ戦争に連動したエネルギーや農業原材料の高騰によるインフレは、2022年には基準値の5%を超える可能性があり、フランスの食費は2022年末までに一人当たり月224ユーロ(約3万円)上昇すると言われています。
つまり、年間、一人当たり合計2,963ユーロ(約40万円)増加するということですから、かなり深刻です。
私などは、かなり大雑把な人間なので、買い物の際に、商品ひとつひとつの値段をよほどのことがない限り、覚えていないので、安くなっているものを買い、この値段だと高いから買わないとか・・このくらいなら、いいか・・程度なので、今のところ、インフレを痛烈に感じてはいないのですが、それでも、買い物に行くと、お肉が高くなったなぁ〜とか、レジで支払いの段になって、合計金額を見て、「あれ?こんなに買ったっけ?」と感じることが増えているのは事実です。
このように5%物価が上昇すると予告されていれば、5%程度、消費を抑えるように心がければよいか・・と考えるのが普通で、この消費低迷を回避するために、フランス政府は、食品バウチャーの発行を検討しているそうです。
しかし、実際には、ヨーロッパの食品メーカーは2021年に入ってから14%値上げしたのに対し、食品流通業者は6%の値上げにとどまっているのだそうで、この政府が発行すると見られている食品バウチャーの発行とともに、さらに値上げに拍車がかかるとも考えられます。
それでも、フランスは食料品に関しては、自国で賄える割合が高い国ではありますが、実際に流通しているものは、フランス製のものばかりではなく、むしろ、価格が低いものは、他国から来ているものが多く(基本的な食料品)、輸送価格の高騰から、この差が縮まりつつあります。
しかし、先日、発覚した冷凍ピザの食中毒死亡事故の様子などを見ているとフランスの食品にも懐疑的になってしまうな・・と思っていたら、今度は、大手スーパーマーケットチェーン・カーフールで販売されていたサラミソーセージに重大な食中毒の原因となるサルモネラ菌が検出され、商品の回収を呼びかけるというニュースを聞いて、愕然としています。
#RappelProduit
— RappelConso (@RappelConso) May 24, 2022
Saucisson sec beaufort 180g VPF - Alliance Producteur
Risques : Salmonella spp (agent responsable de la salmonellose)
Motif : Test bactériologique non satisfaisant: salmonelle détectéhttps://t.co/klUbuHs4Vv pic.twitter.com/QTwEzg3zrZ
フランスでは、ソースィッソンと呼ばれるこの食品(日本でいうサラミソーセージ)は、フランスでは、とてもポピュラーな食品で、アペロ(食前に軽くちょっとつまみながら飲む習慣)には、チップスなどとともに登場する機会が多いもので、家にもたいてい、買い置きがあるものです。
もともと、保存食のような食品なので、あらためて火を通すことも冷凍することもなく口にするのなので、これで食中毒と言われれば、ちょっと、しばらくは買うのを控えようかと思ってしまいます。
カーフールは、ロット番号13922、14022、製品識別番号3498301003320、3498301003320に該当する賞味期限2022年7月18日、2022年7月19日の同製品の回収を呼びかけています。
サルモネラ菌は、サルモネラ症の原因となる腸内細菌で、摂取してから一般的に6~72時間後に発熱や頭痛を伴うことが多く、突然の胃腸障害(下痢、嘔吐)が起こります。
これらの症状は、幼児、妊婦、免疫不全者、高齢者に特に顕著に現れると言われています。
ここのところ、幼稚園などで、高熱を出す生徒が増えているという話なども聞くので、子供が病気?と聞けば、まず、コロナを疑い、インフルエンザを疑い、そして食中毒を疑わなければならないのかもしれません。
ただでさえ、コロナウィルスによるパンデミックは終わらない中、なぜか最近は、インフルエンザも流行し始め、その上、「サル痘」なる、これまで聞いたこともなかった病気までが登場しているこのご時世。
食中毒のように、衛生管理で防げるはずの事故が立て続けに起こることに、インフレとは別にフランスの食品の消費を控えたくなるような気になります。
逆にコロナウィルスがもっと蔓延していた時期には、食品工場に限らず、フランス全体が消毒され、衛生管理に気を配るようになって(ピークで感染対策をしていた頃でさえ、日本の通常モードレベルの衛生管理ではありましたが・・)いたのですが、このコロナ感染対策緩和で、街は再び汚れ始め、駅のトイレも匂いを取り戻し始め、この気の緩みが直接、口に入るものを扱う食品衛生管理にも現れ始めているのではないか?とも思うのです。
この度重なる食中毒事故をどの程度、フランス人が注目するのかは、疑問ではありますが、これらの事故を機に、少しでも食品衛生管理を改善していってもらいたいと切に思うのです。
食中毒に見舞われるくらいなら(一度、カーフールの魚で死にそうに苦しい思いをしました)、家でおにぎりでもパクついていれば、安心でご機嫌です。
食中毒で苦しい思いをした体験を思い起こせば、もう2度とあんな思いはしたくないし、そりゃあ〜高齢者や幼児などには、致命的なことにもなりかねないのも想像がつきます。
土足文化の上に、やたらと地べたに座るのが好きなフランスの人々、汚いもの、不衛生という感覚は、そう簡単には、変化するとも思い難く、やはり検査で厳しく取り締まってもらわなくては、ダメなのかもしれません。
サルモネラ菌 サラミ回収 カーフール
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