2024年4月29日月曜日

オルセー美術館 文化財破壊未遂で2名逮捕・拘留

  


 オルセー美術館で「文化財破壊未遂」で2名が逮捕・拘留されたというので、今度は、どの絵が被害を被ったのかと思ったら、入口で捕まったとのこと。

 彼らは、「Riposte alimentaire」(リポスト・アリマンテール)(フードレスポンス運動)という環境活動団体の名前の入ったTシャツを着ており、接着剤と粘性のある白っぽい混合物である白い液体を所持しており、これにより、なんらかの文化財に損害を与えようとしていたと見られています。

 この環境活動団体(旧ラスト・リノベーション)は、1月に「モナ・リザ」にスープを掛け(防弾ガラスによって保護された)、2月にはリヨン美術館に展示されているクロード・モネの絵画「ル・プランタン」にスープを投げつけ、ここ数カ月で有名になっています。

 現在のところ、なにしろ未遂で終わっているために、確実な犯行の確認はとれていないようですが、パリ14区の警察署が操作を委託されています。

 2月に、他の2人の活動家がリヨン美術館に展示されているクロード・モネの絵画「ル・プランタン」にスープを投げつけたときは、「私たちが反応しなければ、この春だけが残るだろう」、「もし春がなくなったら、未来のアーティストは何を描くだろうか?」とオンラインに投稿した動画で彼らの主張を訴えていました。

 私には、この手の運動?というか文化財の破壊行為に何の意味があるのか?全く理解ができないのですが、リポスト・アリマンテールは、自らを「気候的および社会的レベルで社会に根本的な変化をもたらすことを目的としたフランスの市民抵抗運動」であると主張しています。

 彼らは「私たちは芸術を愛しています」と言いつつも、「しかし、私たちの将来の芸術家たちは、焼け落ちた地球上には描くものが何も残らないでしょう」というのが抗議運動に芸術作品を選んでいる理由のようです。

 今回逮捕された2人は「過去の文化財破壊行為ですでに知られている」人物だったそうですが、それにしても舐められたものだとも思います。

 パリでは、美術館等に入る際には、荷物チェックがされるのがふつうですが、そこに堂々とこのような不審な荷物を持ち込み、しかもこの環境団体の名前のプリントされたTシャツを着て入ろうとするとは・・。

 よほどチェックが甘いと思われていたのか、それとも、この環境団体の名前がそれほど知られていない?と思っていたのか? 少なくも、今年に入ってからだけでもモナリザやモネの絵画への抗議運動でそれなりに名前を馳せている・・その団体名の入ったTシャツを堂々と着て入ろうとするとは・・美術館の警備の対象になっているとは思わなかったのだろうか?と思うのです。

 それにしても、文化財に溢れているパリの街で、これから一層、警戒は厳しくなるのだろうな・・と思わずにはいられません。


オルセー美術館 文化財破壊未遂


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2024年4月28日日曜日

農民たちの悲痛な叫びに対する政府の14の回答 

  



 高速道路を封鎖し、パリの街中まで農業用のトラクターなどが行進した農民たちの怒りが噴出した大規模なデモから2ヶ月が経ち、政府は、農民たちへの回答として、14項目の農業保護計画に関する措置を発表しました。

 世界で起こっている戦争がインフレを加速させ、また地球温暖化による干ばつや洪水などの天候不順や、環境保護のための規制や、健康を守るための厳しい農薬基準等、がんじがらめに苦しめられている農民たちの怒りが爆発したのです。

 また、フランスの農産物生産に課せられている厳しい規制が外国からの輸入品には、ほとんどスルーされている状態であったり、また、ウクライナを支援するためにウクライナからの農産物の関税を一時的に免税にしたりしているために、価格破壊が起こり、フランスの農産物は買い叩かれなければならない異常な事態が起こっていることなど、この農民の暴動がなければ、一般には知り得ないことが公になりました。

 さすがに自国の農業生産者がここまで痛めつけられる結果になっていることに、多くのフランス人も「これはなにかがおかしい・・」と農民たちの気持ちを理解していた気がします。

 2月に行われた国際農業見本市の場は、デモのトラクターが会場前に勢ぞろいする異例の雰囲気になり、開催初日にマクロン大統領が予定していた話し合いの場に環境保護団体や大量流通団体まで参加させようとした(丸め込もうとしたと受けとられた)ことから、さらに彼らの怒りは爆発し、この国際農業見本市があわやさらなる大暴動の火種になるところでした。

 この話し合いを拒否し、一旦は、扉を閉じてしまった農民たちの代表の集まる場にマクロン大統領は、勇敢にも一人で立ち向かい、吊るし上げを食うようなカタチになった緊迫した場面もありました。しかし、マクロン大統領は、その日、朝から晩まで一日中を国際農業見本市の会場で過ごし、色々な立場の人々と話すことに費やし、また、最後には、3週間以内に全ての関係者を集めて、情報を収集し、農業保護計画を立てることを約束しました。

 その約束の結果の一部が今回のこの回答だと思われます。

 彼らの回答によれば、2026年からの農民所得対策の実施と、農業年金の計算方法の変更、Bpifranceに対し最大1億ユーロの新たな融資、最大7万5000ユーロの現金融資、そして困難に陥った農場への20万ユーロの融資の設定、税金の控除、気候変動(霜、洪水、干ばつなど)で最も大きな被害を受けている農家を支援するために5000万ユーロの割り当て、気候災害や健康災害が発生した場合に、未建築物件に対する固定資産税の減免率を引き上げる計画、100ヶ所の農業用水貯留または灌漑プロジェクトを加速させ、「2024年末までに完了」させることなどを発表しています。

 これには、彼らが要求していた海外の輸入品への規制などが入っておらず、農民たちは、まだまだ充分ではない!・・まだまだ矛を収めるつもりはない!と頑張っていますが、少なくとも、彼らの訴えにより、多くのことが変わろうとしていることに違いはありません。

 働いても働いても苦しくなるばかり・・こんな社会ではやってられない!そう感じるところは、日本にもたくさんあると思います。フランスのデモは、文化だと誇らしく言うフランス人は少なくありません。あまりに日常化しているデモやストライキに辟易とする部分もなくはありませんが、こうしたことをきっかけに政府や社会が時代に応じるカタチで変わっていくことは、必用なことなのかもしれません。

 日本には、あまり大がかりなデモやストライキなどの文化が根付いていないうえに、社会の不具合を指摘して、問題視していくマスコミなどの報道機関があまり機能していない印象で、どうにかして、変えていかなければいけないことが変わっていかない・・社会的なうねりとして変えていくことができていない気がしています。

 今回の農業に対する改革も農民たちの強い訴えがなければ、あり得なかった話です。


フランスの農業保護計画


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2024年4月27日土曜日

パリオリンピック開会式1週間前からの通行止めとメトロ・RER 17駅閉鎖

 



 オリンピックの期間中は、かなり厄介なことになるだろうな・・予想はしていたものの、少しずつ具体的なプランが発表され始めて、けっこうウンザリしています。

 パリ警視庁は、「2024年オリンピック開会式 安全保証セキュリティ システム」として、オリンピック前後の通行止め、駅の閉鎖などを発表しました。

 オーステルリッツ橋からイエナ橋までの 6 キロ以上のセーヌ川の上をボートでパレードし、トロカデロでグランドフィナーレセレモニーを行うという前代未聞のオリンピック開会式は、その警備も前代未聞のようで、その1週間前から、この開会式の行われる予定の中心部には、赤とグレーの境界線が設定され、一般市民も思うように動けなくなります。

 このあたりを通行するためには、デジタルパスを事前に用意する必要があります。

 歩行者と自転車は、デジタルパス、チケット、または式典へのアクセスを許可するアクセス許可を持っていることを条件として、このエリアへのアクセスが許可されますが、グレーのゾーンには一般車両(特別なケースを除いて)は通行ができなくなります。

 特に開会式当日 7月26日午後1時からは、治安部隊と緊急サービス以外は通行止めになります。

 また、7月18日から、このグレーのエリア内にあるメトロの駅は閉鎖され、これらの境界線を横切るバス路線は迂回路線を通ることになります。

 最も厄介なのはメトロで、1週間前から17駅が閉鎖されます。駅によっては、期間がもっと、長くなるため、注意が必要です。

<7月18日から開会式まで閉鎖される駅>

・Tuileries ①

・Concorde ①,⑧,⑫

・Champs-Elysées Clémenceau ①,⑬

・Alma Marceau ⑨ 

・Iéna ⑨

・Trocadéro ⑥,⑨

・Passy ⑥

・Quai de la Rapée ⑤

・Cité ④

・Javel ⑩

・Musées d'Orsay(RER C)

・Champ de Mars Tour Eiffel(RER C)

・ Pont de l'Alma(RER C)

・⑦号線の Châtelet (⑪号線を含む), Pont Marie, Pont Neuf, et Sully Morlandの区間は乗客を乗せずに通過します。

 また、Champs-Elysées Clémenceau ①,⑬駅、は、7月1日~9月21日まで閉鎖、アーバンスポーツイベントが開催されるコンコルド広場、Concorde ①,⑧駅、Tuileries ①は6月17日~9月21日まで閉鎖、Concorde ⑫は5月17日~9月21日まで閉鎖されます。

 もっとも、このあたりは、駅と駅の区間が短くて、これらの駅が閉鎖されても歩いて別の駅に行くこともできるので、まるで動きがとれなくなるわけではありません。ただし、以前、ラグビーワールドカップの時にコンコルド広場にラグビーヴィラージュができていた時に、試合によっては、周囲に近寄ることができないこともあったので(歩行者にも交通規制が敷かれていて、ものすごい迂回させられました)、そういうことがないとも限りません。

 また、トラムについても以下が閉鎖予定です。

・Porte d'Issy (T2) 、Porte de Versailles (T2, T3a)は、7月25日~8月11日、8月29日~9月7日

・Colette Besson(T3b)は7月27日~8月10日、8月29日~9月8日

 まあ、主な閉鎖駅に関しては、オリンピック開会式の前の1週間のことで、しかも、限られた地域(とはいっても、セーヌ川を沿ってパリを分断する感じ)ですが、とはいえ、今は机上のプランですが、実際にその期間になれば、ここに人が溢れかえった状態になっているわけで、最近、パリ市内を移動していても、ここも、ここも人で溢れかえるのか・・と想像するだけでゾッとしています。

 しかし、ここまでやるのだから、絶対に成功してほしいと思っています。セーヌ川の上で94 隻の船で 10,500 人の選手がパレードするなんて誰が考えたのか? これはテレビで見るしかないだろうし、綿密にカット割りなども美しく構成されているだろうし、成功したら、本当に素晴らしいし、楽しみでもあります。

 

パリオリンピック1週間前から閉鎖されるメトロの駅


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2024年4月26日金曜日

フランスの空港管制官のストライキ 飛行機がキャンセルになった場合

  


 かねてから予告されていた空港管制官のストライキは、やっぱりけっこうな規模のもので、ストライキに動員されるとする人数から、オルリー便の75%、ロワシー便の55%がキャンセルになると予想されていました。

 航空管制官らは航空交通管制の見直しを規定した改革に抗議するために動員され、経営陣が提案した支援策は十分ではないと考え、特に5年間で25%の報酬増額を要求しています。

 労働組合との協議は難航していたものの、ストライキ通告は、一旦、解除されたにもかかわらず、結果的には、多くの空の便に影響が及び、マルセイユ・プロヴァンス空港発の便の65%、ロワシーシャルルドゴール空港発の便の55%が欠航となりました。

 フライトの欠航は主に短距離および中距離のフライトではありましたが、短距離・中距離のフライトを乗り継いで、長距離便に乗るという人もいるわけで、フライトのキャンセルはその後のホテルなどの日程までキャンセルしなければならない大変なこと。とても他人事ではありません。

 最も影響を受けたのは欧州地域での運航を増やしている格安航空会社で、ライアンエアーだけでも300便以上、イージージェットとトランサヴィアはそれぞれ200便以上がキャンセルになりました。

 これらの航空会社は通常運行の場合は、本当にビックリするくらい安いのですが、このようなトラブルには、めっぽう弱いようです。

 ストライキによるフライトキャンセルの場合は、チケットをキャンセルして払い戻し手続きを行うか、フライトを変更する必要があります。

 このフライト変更に伴う時間差間の食費・宿泊費も航空会社が一定の金額を負担しなければならないことになっているので、請求するべきです。請求しなければ、支払ってくれません。

 航空会社が代替便への変更を提案してくれる場合もありますが、必ずしもこれに応じる必要はなく、チケットをキャンセルする権利があります。チケットをキャンセルする場合は、フライトの飛行距離によって最低補償金額が定めらており、1,500 キロメートル以下のすべてのフライトの場合は 250 ユーロ、1,500 キロ以上のフライトには 400 ユーロ、それ以上の場合は、600ユーロということになっています。

 ただ、ここが格安航空会社の落とし穴で、この払い戻し手続きや返金、補償のシステムが一部の企業では明確であるものの、そのルールに透明性がない会社もあるのも現実のようです。

 しかし、このような時は泣き寝入りはもったいない!とにかく、被害を被っているのですから、ダメ元でも、取り返すつもりで、返金手続きはするべきです。

 この航空管制官のストライキ、組合と経営者側の協議は15ヶ月間も続いているのに、一向に進捗が見えず、挙句の果てにこの大がかりなストライキで迷惑を被る乗客は、全くのとばっちりです。

 私も旅行が大好きなのですが、いつも不安をよぎるのは、このストライキでキャンセルになったら・・ということ。

 ちなみに、一応、規定では、ストライキに加えて、フライトが少なくとも 3 時間以上遅延した場合、フライトのキャンセルに相当すると考えられ、航空券の払い戻しを要求できるそうです。

 FNAUT(La Fédération Nationale des Associations d'Usagers des Transports)(全国交通利用者団体連合会)は、航空会社が適切な対応をしない場合は、民間航空総局 (DGAC) に連絡して払い戻しを受けるようにアドバイスしています。

 もっとも、そんなことをしなくてよいのが一番で、避けられるものなら、避けて予約したいものですが、なかなかそうもいかずに難しいです。

 今年はオリンピックがあるので、少々イレギュラーな気もしますが、彼らは特に迷惑がかかる時期を狙ってストライキを起こすので、子どもの学校のバカンスの時期などが時期的には、狙われやすい気がします。でも、子どものバカンス時期にしか出かけられない人もたくさんいますよね・・。まったく酷いです!


フランスの空港管制官のストライキ


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2024年4月25日木曜日

ニース市長 夏季期間中の13歳未満の夜間外出禁止を発表

  


 未成年による超暴力的な事件や非行の増加や過激化による問題は、昨今、報道されるニュースからも深刻な問題となっているのがわかります。

 そんな背景を受けて、フランス国内の複数の地域の市長らは、13歳以下の未成年の子どもに対して、夏季期間中の夜間外出禁止令を発表しています。

 最初にこの夜間外出禁止令の発令が注目されたのは、ベジエ市(フランス南西部・オクシタニー地域圏)の極右に近い市長の発表で、「13歳未満の未成年者は、4月22日から9月30日まで、午後11時から午前6時まで、市内の3つの地域に外出してはならない」というもので、「これに違反した子どもたちの親は刑事訴追の対象となる可能性がある」と警告しています。

 また、この未成年の非行問題対策に追随し、ニース市長もまたこれに同意する意向を表明し、「5月より、13歳未満の未成年者は午後11時から午前6時までの間、一人での(保護者なしでの)外出禁止」を発表し、これが再度にわたるものであった場合、保護者を強制的に子育て講習に呼び出すようにしたいと語っています。

 外出禁止といえば、コロナウィルスによるパンデミックの際のロックダウンを連想してしまいますが、今回、対象とされているのは、未成年で、しかも13歳未満の子どもの話です。

 逆に市長に禁止されるまでもなく、そんな時間に親が子どもを外出させるということ自体が私には考えられないことで、その子どもがどうこう以前に、そんな時間に子どもの外出を許している親の方がどうかしている気がします。

 しかし、こういう法令が出されるということは、それを看過している親が少なくないということなのでしょう。

 「門限」という言葉がありますが、いい大人ならともかく、13歳未満の子どもの門限が夜の11時というのも、なんなら甘すぎるような気もします。夏の間は日も長く、いつまでも明るいので、暗くなったら、家に帰るというのが夜の11時?ということなのかもしれませんが、そのあたりもなぜ?夜間11時にしたのかは、よくわかりません。

 13歳未満といえば、フランスでいえば、小学校から中学校のはじめくらいの年齢です。

 我が家の娘がそれくらいの年齢の時は、まず昼間でさえも、ほぼ一人で外出させるということもなく、まず、ウィークデーなどは、学校にいる時間が長かったし、お休みの日もお稽古事などで、ほぼスケジュールがキツキツで外出する時間などなかったし、夜に子どもが一人ででかけるなど、想像したことさえもありませんでした。

 休日の日にお友達の家に行ったりするのも、必ず送り迎えをしていたし、私が行けないときは、お友達のパパやママが家まで送ってきてくれたりしたものです。ですから、夜遅くに子どもだけで集まるなどというお友達もいなかったのです。

 子ども自身が非行に走るというよりも、それ以外にも危険な目にあったり、事故にあったりしないかとそんな心配はしていて、周囲の保護者たちも幸いにそういうスタンスの人たちばかりだったので、それは、当然のことだと思っていました。

 こうして考えると、私立の学校は、概して親の意識が高いなので(というか普通なので)、そういう環境に子どもを置くこと、悪い環境から子どもを守ることは、大切なことなのだと思うのです。

 子どもの犯罪の低年齢化や激化、悪化について、社会のせいにする人々もいるようですが、特に未成年の子どもに関しては、ほぼ親の責任だと私は思っています。

 親がしっかりとしていれば、こんな法令をわざわざ制定するまでもないはずだと思うのですが、これが必用だということは、そんな年齢の子どもを放置しているということです。

 子どもも子どもですが、それを許している親の方がどうかしていると思うのです。

 なんなら、深刻な事件を起こしている未成年の年齢を見ていると、14~15歳という年齢が多いような気もするので、13歳未満などと言わずに、未成年は・・としてもいいくらいかだと思います。


13歳未満の夜間外出禁止


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2024年4月24日水曜日

SNCF(フランス国鉄)のストライキ回避のための活動早期終了制度 早期退職制度

  


 SNCF(フランス国鉄)は、年明けからしばしばストライキを始め、2月の段階ではかなり大々的なストライキをすでに行っており、これにより、15万人の人々が足止めをくう大混乱を引き起こしていました。

 これによる国鉄側の損害も相当なものであったはずですが、その後も労働組合側は初夏からオリンピック期間に向けてのストライキを予告しており、これをどうおさめるのだろうか?と思っていたら、案外、あっさり経営者側と労働組合の話し合いの折り合いがついたということで、意外に思いました。

 しかし、この折り合いがつくのも、当然といえば、当然で、彼らの要求であった年金改革による影響を軽減するという希望が叶ったようです。一般人の立場からすれば、「あんなに大騒ぎして改革した年金改革はなんだったのか?」と思うほどです。

 そもそも、SNCF(フランス国鉄)やRATP(パリ交通公団)などの鉄道関係の運転手や管制官などは、退職年齢がかなり早く設定されており、年金改革後も引き上げられたとはいえ、一般職から比べると法廷退職年齢も低く設定されていました。

 職種によって、法廷退職年齢が考慮されるのは、当然だとは思いますが、それがかなり幅があることに違和感もあります。

 今回の国鉄経営陣と労働組合が締結した契約によれば、会社からの給与を残したまま退職を認める新たな「活動早期終了制度」というものを設けています。

 これは、国鉄の中でも職種によって期間が異なるものの、過酷な仕事として位置づけられている運転士や転鉄士(ポイント切り替えなどを行う仕事)に関しては、法廷退職年齢の30ヶ月前には、活動早期終了制度を開始することができ、その間の15ヶ月間働いた分には100%、その後の15ヶ月間については、仕事をせずに給料の75%が支払われるといい、管制官に至っては、36ヶ月前にこの制度が開始できるというものです(18ヶ月は仕事をせずに75%分支払い)。

 国鉄側はキャリアの終わりを2つの期間に分割する制度と説明していますが、結果的には、早期退職が認められつつ、75%とはいえ、給与が支払われるわけですから、年金改革前とどこが違うのか?と思ってしまいます。

 今回の国鉄の決定により、とりあえずは5月以降のストライキが回避できたということで、今後、様々な公共交通機関がストライキを予定していますが、この国鉄の決定が指針のひとつになるのではないか?という見方もあります。

 とりあえず近々では、空の窓口である空港の管制官がストライキを予告しています。

 とにかく、今年は、オリンピックという一大行事を控えているため、最低限でも公共交通機関のストライキは、絶対に避けたいことに違いないので、今のタイミングのストライキ、あるいは、その予告は、いつも以上に要求が通りやすくなってしまっているのかとも思います。

 だいたい、ストライキがなかったとしても、なんらかのトラブルは必須な公共交通機関です。そのうえ、ストライキなんてことになったら、大変なことです。

 しかし、昔からこのSNCF(フランス国鉄)やRATP(パリ交通公団)などの特別扱い感は満載だったのが、年金改革で少しは軽減されたかと思っていたのに、結局は、やっぱり特別扱いなのには、「やっぱり結局、変わらないじゃん・・」という気がしてしまいます。

 運転手はなにも国鉄だけではないだろうに、他の交通機関の運転手は、「運転手は国鉄だけじゃない!」と怒っているんだろうな・・と、少しまえに乗ったタクシーの運転手さんが、「タクシー運転手は夏は働かない人が多いよ・・」と言っていたことを思い出します。

 外部の反発を恐れてか、SNCF側は、年金改革を否定するのではなく、あくまで一部を緩和するものとしていますが、この一部緩和でさえも、ふつうは認められないものであることには、かわりありません。


SNCF(フランス国鉄)活動早期終了制度


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2024年4月23日火曜日

続々と発表される社会保障費の削減について

  


 昨年、大騒動を巻き起こした年金改革がどうにかおさまったと思っていたら、ここのところ、立て続けに社会保障の削減が続々と発表されています。

 ついこの間は、失業保険の受給期間が削減されることが提案されたばかり。これに関しては、もちろん、第一には、失業率を下げるため、失業後にできるだけ早く仕事に就くことを促すためと言われていますし、一部は、初めから失業保険ありきの働き方をしているというか、受給資格を得るまで働いて、その後はしばらく失業手当で生活している人などがいることを理由のひとつに挙げています。

 後者のようなケースの場合、そもそも再就職が比較的、容易に見込める場合なのだと思うのですが、比較的、本人にとっては、深刻な話でもないかもしれません。

 ただ、底辺の人たちにとったら、再就職はそんなに簡単なことでもなく、おまけに就業期間中に支払う失業保険料の金額が減額されるわけでもないので、まさに、まさかの時の保険なわけで、「そんなことはありえない!」と抗議の声があがっていることも事実で、本当に困っている人からも保障を奪ってしまいかねないことになりかねません。

 今回、この失業保険に続いて、また、他の社会保障が削減されるというので、今度は何かと思ったら、家族援助や最低限の老齢年金保障のようなものを受給するためには、最低9ヶ月はフランスに滞在していなければならない(これまでは、6ヶ月間)というもので、これには、逆に、「今までは、フランスにいなくてももらえていたの?」と逆に驚いた次第です。

 これは、特に家族手当(児童手当など)に関するものだと言われていますが、子どもや家族がいる場合に、たとえ、9ヶ月としても6ヶ月としてもフランスに滞在せずに受給がどうやって可能になるのか?わかりませんが、そういう人々は、実にうまくこのような保障の類を利用しているものです。

 我が家も娘がまだ小さいときに、夫が突然、亡くなってしまったので、家族手当などは、ずいぶん受けてきましたが、さすがに、これはフランスにいるからであると思っていたし、逆に日本に帰ってしまったら、こういうお金を日本では出してくれないんだろうな・・と思っていました。 

 そういう意味では、本当に我が家はフランスのお世話になってきて、娘は本当にフランスに育てていただいたようなものだととても感謝しております。

 しかし、この社会保障の詐欺?申請は、相当な金額に上っているそうで、一番多いのは、医療保険詐欺で38億~45億ユーロ、家族給付金詐欺は25億ユーロから32億ユーロと言われています。今回の改正案により、その損失?を少しでも失くす計画だと見られています。

 まさか、フランスに住んでいない人を援助しなくてもいいとは思いますが、この手の削減が、不正受給を受けている人のために本当に援助が必用な苦しい人をより苦しめてしまうのではないか?という感じもなくはありません。

 そもそも、通常、ふつうに働いている場合は、税金、高いですから・・。


フランスの社会保障費削減


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