2025年4月30日水曜日

SHEIN, TEMU, Ali Express 中国からの小包に課税 2026年からの予定

 


 エリック・ロンバール経済相は、中国からの荷物の流入の急増に直面し、「倫理、地球、公共財政」を尊重することを求め、中国からの小包(ネットショッピングによる買い物)に対して、これまで免税されていた150ユーロ以下の荷物に対して課税することを発表しました。

 これは、SHEIN, TEMU, Ali Expressなどのネット販売の大躍進によるもので、2024年、フランスには、年間8億個以上の150ユーロ以下のこのネットショッピングの荷物が到着しているそうで、これは、2023年の2倍になっています。

 欧州委員会もこの現実に注目し、2028年に同様の措置をとることを検討していますが、フランスは、これに先立ち、来年から実施する見込みと発表しています。

 この課税について、フランス環境移行機構(ADEME)などのデータを引用し、飛行機で輸送される荷物(中国からの荷物は特にこのケース)は、船で輸送される場合よりも100倍多くの二酸化炭素を排出していることなど、環境面からのアプローチも理由付けにされていますが、正直なところは、これらのSHEIN, TEMUなどのネットショッピングの低価格、幅広い選択肢、積極的なマーケティングにおされて、多くのフランス企業がその居場所を奪われていることが大きな理由でもあります。

 これまで、私は、これらのネットショッピングをしたことがなく、というよりも、できるだけ、買わない・・物はできるだけ減らしていくつもりでいるので、あまりこのようなサイトさえも覗かないのですが、今回、この話を見て、どれどれ??とサイトを覗いてみたところ、まあ、安いこと!10ユーロ以下のものがたくさん!しかも、見たところ、そんなに悪くなさそう・・これなら、使い捨てでもいい値段・・などと思ってしまいました。

 ちょっと日本で100均で買い物する感覚と似ているかもしれません。これが実際に買いものに行かずとも、クリックするだけで、家に届くのですから、これはショッピングが好きな人にとっては、ついついお買物をしてしまいそうです。

 ここ数年でフランスの中堅どころの服飾品メーカーが軒並み倒産に追い込まれていますが、これは、このネットショッピングが大きな原因のひとつになっているような気がします。(そんな中で大成功しているユニクロは凄いと思いますが・・)

 この価格帯ならば、150ユーロ以上の買い物をすることはむしろ大変で、そこに8億個分の小包に税金をかければ、税収が見込めるだけでなく、この荷物の流入に少しはストップをかけられ、フランスの企業を救うことに繋がるのでは・・という算段です。

 それならば、飛行機での荷物の配送は二酸化炭素を100倍排出するなどというきれいごと(そのこと自体は事実だとは思いますが、消費者には響かないと思う)を言っていないで、要はフランスにそのような魅力的な価格の商品やより魅力的な商品を提供できる商売を構築していけばよいのに、なんだか、あまりに中国が勝ちすぎているから、税金をかけるとは、ある程度はありと思わないではないですが、根本的なフランスの産業回復とは違うんじゃないか?これではトランプ大統領と同じではないか?と思うところもあります。

 実際にフランスで2026年から開始、欧州では2028年からとなれば、とりあえずは、欧州内の他の国に配達してから、フランスへ・・などといった税金回避の方法を考えるだろうし、この2年間の間にまた別の方法を考え出すに違いありません。


SHEIN,  TEMU,  Ali Express 中国からの小包に課税


<関連記事>

「Kookaï(クーカイ)、Pimkie(ピンキー)相次ぐ中堅どころの衣料品ブランドの経営危機」

「ユニクロがプリンセス・タムタムとコントワー・デ・コトニエの店舗を大幅閉鎖」

「カマイユ(Camaïeu)倒産に見るカマイユとユニクロ パリの微妙な比較」

「プランタングループ・フランス国内7店舗閉鎖」

「最近フランスに繁殖するハードディスカウントショップ アクション ACTION」


 

2025年4月29日火曜日

日本入国のためのオンライン事前申告渡航認証システム JESTA 前倒しで2028年度に導入

 


 ついこの間、イギリスでのETA(電子渡航認証)が始まって、すでにアメリカ、カナダ、オーストラリア、韓国などにも導入されているという事前申告渡航認証システムは、日本では、当初、2030年までに年間6,000万人の観光客を目指すとともに、このシステムを2030年までに導入すると発表していました。

 しかし、すでに続々と世界の国々がこのシステム導入に踏み切っており、欧州では、欧州30ヶ国への渡航システム「Etias」(欧州渡航情報・認証システム)を2026年にスタートすることを発表しています。

 この世界的な潮流に、日本は2030年導入の予定を2028年度に前倒しすることを決定したようです。

 この日本の新しいシステムを私はフランスのニュースで知ったのですが、「日本は外国人観光客の急増を受け、政府はJESTA制度の導入を前倒しすることを決定した」というもので、米国のESTAや英国のETAなどのモデルにヒントを得たこのシステムはビザが免除される旅行者を評価することを可能にする」のだそうで、約71ヵ国の外国人日本入国者はこの電子認証を取得するために、個人情報と滞在期間中の予定を申告しなければならないと説明されています。

 このアプローチは、何よりもまず、国境管理を強化しながら到着者の管理の改善することを目指しています。

 このJESTAシステムは、通常90日までの短期の観光または商用滞在のビザ免除旅行者を対象としており、旅行者は出発前に訪問理由や宿泊先の住所などをオンラインフォームに登録する必要があるそうです。

 日本政府は「管理を強化し、入国審査を円滑にするためにも、このシステムを早急に稼働する必要がある」としています。

 旅行者は出発前にJESTAを取得しておく必要があり、この申請が拒否された場合は、日本行きの飛行機に搭乗できなくなります。

 これにより、最初からリスクプロファイルを特定することができ、不正な滞在を防ぐことが可能になるそうです。とはいえ、不正に滞在しようとしている人々は、正面から、正規の方法では入国しないのでは?などと思ってしまいます。

 とりあえずは、このシステム導入は良いことだとは思いますが、その後のこの情報をどのように管理できるのかも疑問が残るところでもあります。

 もっとも、このJESTAに関しては、日本人には必要ないものなのですが、今後、多くの国では、同様のシステムが日本よりも早くに導入されるので、行く先々で、その国の渡航認証システムを取得する必要が出てくる・・そんな時代になりました。

 もうパスポートだけじゃ旅行できなくなるのね・・。


JESTA オンライン事前申告渡航認証システム


<関連記事>

「英国入国の際に必要になったETA(電子渡航認証)」

「海外在住者の本人確認はパスポートではできない不思議」

「日本人のパスポート保有率の低下に思うこと」

「入国審査 世界最強と言われる日本のパスポートでも起こる悲劇」

「滞在許可証更新手続きのトラブル アクセス不能なフランスのお役所」


 

2025年4月28日月曜日

家についている猫と家についている私

   


 「猫は家につく」と言いますが、最近、私も家についているな・・と思います。「ついている」というのは、ラッキーという意味ではなく、(住居に困っていないという意味ではラッキーですが・・)、家が好きという意味です。

 我が家の猫は、生まれて2ヶ月ほどで我が家にやってきて以来、ほぼほぼ外に出ることのない生活をしていることもあり、まさに内弁慶というか、外に出かけるのをとても嫌がります。

 最近は、もう無理に連れて出ることもやめてしまいましたが、娘が家にいた頃は、歩いて20分ほどの夫の眠る墓地に行く際に一緒にお散歩させたりもしましたが、家から出てしばらくは、ほっておくと、我が家に向けて一目散に駆け戻ってしまうので、近くまで抱きかかえて行って、その先はなんとかなだめすかして散歩させる・・それでも、途中、何度も抱っこしては、おろし・・を繰り返し、墓地の中だけでは、なぜかリラックスしているのですが、彼女にとって、お出かけは大変なストレスのようです。

 家の中は、すべて彼女の好きなように、時間帯によって、陽あたりのよい場所を移動して、勝手気ままにしていますが、食事の支度をはじめたりすると、どこにいてもすっ飛んでやってきます。

 日常的にはとても穏やかなのですが、嫌いな人がやってくると牙をむき、唸って威嚇します。そんなわけなので、とても外に預けることは無理そうで、私が旅行する時などは、知人に頼んで、家にご飯とトイレの世話に来てもらっています。

 人懐こいわけではないのに、微妙に側にいたがり、今もパソコンと私の間のちょうど私の腕に触れるか触れないかの微妙に邪魔な位置に寝ています。

 完全に家についている猫なのですが、最近、私もこの家、というかこの空間が一番好きで落ち着くな~としみじみ思います。旅行するのは楽しいし、温泉などもとても快適で気持ちよいのですが、生活空間としては、やっぱり我が家が一番、落ち着きます。決してきれいでも、近代的でも素敵でもないアパートですが、私の生活には、現時点ではとても快適です。

 もともと、今の家に引っ越してきた時には、夫と娘と3人で、今考えると、よくこのスペースに3人で住んでいたな~と思うのですが、夫が亡くなった当時はなんとなく、一人いなくなっただけで、なんとなくガランとした気がしたし、それから大分たって、娘が独立したときも、なんとなく、広くなった気がしたのですが、今では、これがちょうどいい感じになっています。

 夫と二人で使っていた寝室はもちろん、今は私一人で大き目のベッドに悠々と寝て、娘のいた部屋はすっかり倉庫状態(我が家にはフランスのアパートにはたいていあるカーヴ(倉庫蔵のようなもの)がない)。夫が亡くなってからは、ずいぶん、彼のものも処分したし、娘のものは、まだたくさん残っているものの、それでも少しずつ減らしています。

 にもかかわらず、現在の娘の部屋の倉庫としての変容ぶりには、ずいぶんと処分したはずなのに、なんでこんなにたくさんのものがあるんだろうとちょっと不思議な気もします。

 娘が帰ってきたときや、誰かが泊まりに来たときは、娘の部屋をなんとか俄かに片付けて使ってもらっているのですが、今度、誰かが来た時には、どうしよう?とちょっと不安になるくらい、とっちらかっています。

 私の部屋と倉庫になっている娘の部屋、そして、サロン(居間)と台所、台所はわりとスペースがあるため、テーブルに椅子、テレビもパソコンもあって、おそらく、私はそこにいる時間が最も長いです。

 サロンには、ソファや低いテーブル、ピアノなどが置いてありますが、他の部屋よりは少し広いために、もっぱら私の運動場というか、ヨガマットなどが備えてあります。

 その先には小さいスペースですが、ベランダがあるので、ベランダでは日本の野菜を少しずつ育てています。今は小松菜や水菜、春菊、わさび菜、小葱、山椒の葉などが採れています。

 私の育った東京にある実家は、2階建ての家で、私の部屋などは、2階にあったので、階段の上り下りのいらない(年寄りくさい気もする)今の家はずっと暮らしやすい気がしています。

 とにかく、全て家の中を自分の好きなように使い、好きな時に好きなようにできる今の家が何より心地よいのです。もしかしたら、私がいつまでもフランスにいる理由はこの空間を自由にしていられる・・周辺の環境や、だいたい30分以内でパリの好きなところには、どこにでも行ける・・そんなことを含めての環境だとも思うのですが・・。

 食べ物だけは、日本での食べ物には執着が断ち切れませんが、それも年に1~2回日本に行った際に山ほどの食料を持ち帰り、パリ市内で何がどこに行けば買えるかもだいたい承知しているので、日本のように簡単に手に入るわけではありませんが、困ることもありません。

 要は、自分の空間を自分の好きなように使えている今の家がとても心地よく、「猫が家につく」のと同じように、「私も家についているな・・」と思う所以です。


猫は家につく


<関連記事>

「人の気持ちがわかる猫 我が家に猫がやって来た」

「お留守番していた猫は、とても寂しかったらしい」

「夏のベランダ菜園 鳩との戦いの日々」

「ポニョの家族感」

「ポニョお医者さんに連れていかれて大激怒」




2025年4月27日日曜日

娘の手術と入院に心配したり・・ホッとしたり・・嬉しかったり?・・

 


 3月の初めにスキーで大ケガした娘ですが、しばらくは、本当に動けなかったようですが、その後、足にプロテクターのようなものをつけ、松葉杖を買って、どうにか、ゆっくりとなら、日常生活が送れるようになっていました。

 とはいえ、それは、一時的な処置なだけで、4月の半ば過ぎに入院して手術することが決まっていて、命にかかわるものではないとはいえ、やはり入院・手術・その後のリハビリとなると、離れていれば、勝手に心配するばかりの日々が続いていました。

 最初に怪我をしてから、いくつかの病院にかかって検査をしたり、その後の手術をしてもらう病院を選んだりと、日本で生まれ育ったわけではない娘にとっては、初めてのことばかりということもあり、どこまで日本語、大丈夫かな?と思ったりもしていたので、余計な心配もしていました。

 幸いなことに彼女はこれまでフランスでも入院や手術ということは経験がなかったので、どちらにしても一緒なのですが、やっぱり心配のひとつは、日本の医療システムというものがわからないだろうにな・・(という私も今は日本の医療システムについては、よくわからないのですが・・)と思っていたのです。

 しかし、初期に検査や診察をしてもらったお医者さんで、いくつかの大きな病院を紹介してもらった中から、彼女は、家からはあまり通いやすい場所ではないけど、特にリハビリがちゃんとしているといわれる病院を選んで入院しました。

 じん帯がたぶん切れているだろうとのことだったのですが、あけてみなければ、その状態ははっきりしたことはわからないということだったのですが、いざ手術してみると、やはりしっかり切れていたようです。

 手術は全身麻酔ということだったので、親としては、全身麻酔だけでも心配でした。手術は4時間ほどかかったようですが、麻酔からもしっかり目覚めたようです。

 2月に私自身は、検査のためにフランスの病院に一泊だけですが、入院したのですが、その際の食事が酷くて、日本の病院はどうなんだろうか?などとそんなことも心配していました。

 しかし、彼女曰く、薄味だけど、まあまあ大丈夫な食事なんだそうで、少々、量が少なめだけど、ほとんど動けないから、これくらいの方がいいかも?むしろ、きちんとカロリー計算もされているし、バランス良いお食事なんだそうで、フランスとは全然、違うようです。

 現在は、手術後のために、車椅子でしか動けないのだそうですが、それでも足を使わないリハビリというものがあるのだそうで、それを1日40分程度やるくらいで、あとは、病院でもカンファレンスルームを貸してもらって、仕事をしているのだそうです。

 そんな様子を時々、電話してくれたり、LINEしてくれたりして、知らせてくれるので、手術が無事に終わったと本人から電話をもらったときは、ホッとして思わず泣きそうになってしまいましたが、こうして、離れていても連絡を取れる時代になったということは、ありがたいことです。

 海外にいて、医者にかかることは、私も最初はとても不安なことのひとつだったので、娘についても診察等、しかも手術・・となると日本語という面でも大丈夫なのかな?とも、少し心配していたのですが、全く大丈夫だったようで、内心、私の日本語教育もここまでできれば、もうコンプリートかな?と思って、ちょっと嬉しかったりもしました。

 彼女が入院しているのは、大部屋?で他の患者さんたちとも同室なのだそうですが、他の患者さんたちは、けっこう、重病なのか?全然、ベッドから起き上がることがないので、全然、話すことはないのだそうです。

 個室じゃなかったら、冷蔵庫とかあるの?と聞いたら、冷蔵庫は有料だから、使ってないとかで、けっこう稼いでいるのに、相変わらずしまり屋です。もっとも、飲み物くらいは欲しいでしょ・・と言っても、彼女はふだんからとにかく水だけ・・しかも常温でしか飲まないので、冷蔵庫はいらないと頑として冷蔵庫も使っていないようです。

 この際、病院から出されているものだけで過ごして、身体を整えるとのことで、まあ、好きにしたら・・というか、しっかりしているというか・・。

 もしも、私が日本にいたら、せっせと何か食べ物を作って運んだりしそうなところですが、こんな機会はそれはそれとして、前向きに過ごそうとしている娘のたくましさを感じています。

 しかし、やっぱり病気になったり、怪我をしたり・・となると、離れているのはもどかしいところですが、ひとまず、無事に済んで、より一層、たくましく生活している娘を頼もしく感じたり・・まだ、最低でも一週間くらいは入院生活が続きそうですが、遠くから娘の回復を祈っている毎日なのです。


じん帯切断 入院 手術


<関連記事>

「娘がスキーで大ケガしたらしい・・」

「生きる気力を奪う病院食」

「検査入院の後遺症」

「子供の急病」

「絶対に入院したくないフランスの病院」

2025年4月26日土曜日

想像以上に酷かったナントの高校でのナイフ襲撃事件 被害者少女に57ヶ所の刺し傷

  


 先日のナントで起こったカトリックの私立高校でのナイフ襲撃事件について、当日の夜の予定だった検察の記者会見が延期され、翌日、行われ、詳細な事件の概要が明らかになってきました。

 検察官によれば、死亡した女子高生が一番のターゲットであったようで、彼女の遺体の検死が行われた結果、彼女が負った刺し傷は57ヶ所にも及んでおり、現場にいた生徒たちの証言から、その現場の一部始終を説明しています。

 この加害者の少年は予めトイレで犯行の準備を整え、変装(黒づくめの服装に顔と目を隠すためにサングラス)をし、額に傷をつけた後に、全生徒に向けての13ページにも及ぶマニフェスト(今回の犯行とは直接には関係ないと本人も述べているが、彼の思想や社会の問題点などについて詳細に書き綴った独特な論文のようなもの)を送信し、最初に襲撃する教室にナイフを持って入っていきます。

 その最初のターゲットになった少女というのが、非常に孤独であった彼が学校内で質の高い対話ができる唯一の人物だったという少女で、彼は全生徒が見ている前で、彼女を攻撃し、ナイフで主に上半身、特に頭部、喉などを刺し続け、彼女が床に倒れたのちもさし続けたと言います。クラス中の生徒が凍り付いてしまうであろう想像するだに恐ろしい光景です。

 単に彼女を殺害する目的ならば、こんなにさし続ける必要はないわけで、明らかに常軌を逸しています。

 教室では英語の授業中であったそうで、担当教員は、数人の生徒とともに、教室から逃げ、加害者の少年は、次の襲撃のために向かいの教室に移動。向かいの教室では、無差別に対象を選び、男子生徒2名、女生徒1名を狙って攻撃を続けていました。

 そこを、下の階にいたIT技術者が悲鳴を聞きつけ、現場に向かい、2つ目の教室で暴れている加害者の少年を椅子で殴りつけ、犯行を止めようとし、今度は、この助けに入ったIT技術者が彼に追いかけられますが、彼は、これ以上、被害が他の生徒に及ばないように廊下の先にあった扉を閉じ、犯人との対話を試み、その後、彼は持っていたナイフをさしだすことに同意したと言います。

 このIT技術者というのが、学校でのどんな立場の人なのかはわかりませんが、今回の惨劇における、まことに勇気のあるヒーロー的な存在です。

 検察官は、「彼は学校内で非常に孤独な存在ではあったが、いじめや嫌がらせの対象であったことは全くない」と断言していますが、非常に孤独であったということは、ほとんど多くの人々からは無視されたような状況ということで、このことが無関係であるとは考え難いことです。

 彼の両親は離婚しており、彼は母親と二人暮らしで、母子関係は良好であったと言われているものの、彼の言動、特にヒトラーへの異常な感心や自殺願望などを母親は大変心配しており、母親の要請により、ロワール・アトランティック青少年協会の教育者らとも6回にわたる面会を続けていました。

 この面会で、何が行われていたかは明らかにされていませんが、このような凶行が行われた後になってみれば、明らかに彼に必要だったのは、精神科の専門的な治療で、また、身柄拘束後、本人も、「自分の病気が無視されてきたことを残念に思っていた」と話しているそうです。

 彼の周囲にいたクラスメイトたちは、皆、彼は非常に静かで、控え目で、おとなしい人だったと語ってるようですが、実は、静かに見える彼の内側には、なにかのきっかけで爆発するようななにか、煮えたぎるようなものが潜んでいたようです。

 彼は逮捕、拘留後、ほぼほぼ、まともに話ができる状態ではないと伝えられていましたが、その日の夜には、拘留を解かれ、精神病院に入院させられたそうです。

 このような事件が起こった場合、もし娘が被害者だったら・・とか、もし、加害者だったら・・などと様々なことを考えさせられます。

 今回の被害者遺族は、被害者の苗字や写真を公表してほしくないと強く懇願しているそうです。

 フランスの場合、この種の事件があっても被害者の家族、加害者の家族などもがマスコミに登場する場合も見られるのには、驚かされますが、今回は、少なくとも被害者の写真や苗字が公表されることはなさそうです。

 彼が正常な精神状態でなかったことは明らかではありますが、この犯行に対する罪が精神障害のために軽減されるのかどうかは、同時に彼がとった非常に計画的な犯行の準備から、どのように判断されるのかは、殺人罪が適用される可能性もあると言われています。

 つい最近、15歳の誕生日を迎えたばかりという被害者の少女、と15歳の加害者の少年。

 私の勝手な印象ですが、未成年の犯罪には、この15歳という年齢が多すぎる気がしています。

 

 ナント カトリック高校ナイフ襲撃事件


<関連記事>

「15歳の高校生が授業中にナイフで生徒を襲撃 女子高生1名死亡、3名負傷」

「おたくのお嬢さんが刺されそうになりました!?・・バカンス中のサマーキャンプでの話」

「フランスの小・中学校(高校) 私立進学へのススメ」

「14歳の殺し屋と50ヶ所をメッタ刺しにされ、生きたまま焼かれた15歳の被害者」

「15歳の少年の殺人事件 逮捕された少年と母親」


2025年4月25日金曜日

15歳の高校生が授業中にナイフで生徒を襲撃 女子高生1名死亡、3名負傷

  


 ナント(フランス西部ロワール河畔地域)にある高校で生徒によるナイフ襲撃事件が発生し、女子高校生1名が死亡、3名が負傷(うち1名重傷)するという大惨事が起こっています。

 これが、ちょっと危険な地域の公立校だったり、ちょっとドロップアウトしかけた生徒だったり、壮絶ないじめのうえの仕返し行動だったりするのではなく、この学校がいわゆる県下でもまあまあレベルの高い私立のカトリックの学校であり、この犯行に及んだ生徒も警察にマークされていたり、学校内でも問題視されているわけではなかった生徒の突然の凶行であったために、さらにショッキングな社会現象として受け取られています。

 私自身もなんとなく、この学校が私立のカトリックのそこそこレベルの高いと言われている学校だったということで、なんとなく、娘が小学校から高校まで通っていた学校とダブって考えさせられるところがあり、これまで私立なら、ある程度、安心と思っていたのが、こんなこともあり得るのか?と愕然とさせられました。

 事件は、木曜日の昼頃、12時30分頃に授業中に起こったそうで、加害者の少年が当日、同じクラスで授業を受けていたのかどうかは、わかりませんが、一人目の少女を刺してから、別の教室を襲って、さらに3人を刺したと言われています。

 おそらく、最初に刺された少女が死亡したものと思われますが、その後、別の教室に向かって3人を刺したところで、教師が介入して、取り押さえられ、駆け付けた警察官にそのまま身柄を拘束された模様です。

 この最初の少女との間には、なにかしらの口論があったと見られていますが、とはいえ、これが怒りによる興奮からの突発的な犯行ではなく、犯行の15分前に彼は全校生徒に向けて、13ページにも及ぶ「免疫行動」と題された論文のような内容の文書を送信していました。

 この少年は、論文の中で、グローバリゼーションを攻撃し、人間を分解する機械と化した非常に暗い社会を描写しています。また、同時に彼は、「この13ページの文書は、いかなる行為を正当化するものではなく、単に事実を述べているものである」とし、「地球規模の環境破壊:最初の攻撃」、「組織的暴力と社会的疎外:第二の攻撃」、「全体主義的な社会条件付け:第三の攻撃」と3つの部分によって構成されており、ピーテル・ブリューゲルの「人間嫌い」の挿絵も添えられています。

 彼がこの文書とともに「この文書によって書かれている内容はいかなる行為も正当化するものではない」と説明しているように、この文書の内容とクラスメイトを刺すこととは、どういう関係があったのかは、全くわかっていません。

 しかし、彼の犯行が計画的であったことは、ほぼ明らかで、彼はハンティングナイフを含む2本のナイフを所持していたということで、一部の友人には、一週間まえに「さようなら。良い人生を送れるように祈っている。またすぐお会いできるでしょうが、今度はテレビで・・」と意味深な言い方をしていました。

 しかし、教室に居合わせた生徒たちはもちろんのこと、学校内の生徒にとっては相当なショッキングな出来事で、彼らは、事件発生直後から、4時間近く、学校内の体育館に避難させられ、午後4時半過ぎから少しずつ解放されたようです。

 とはいえ、相当にショックを受け、泣き出してしまう生徒たちもいて、すぐに学校の施設の周囲には大規模な警察官が配置され、警察官だけでなくライフルを持った憲兵隊までがずらりとならび、また校内には緊急心理医療ユニットが設置され、これまでに99名がとりあえずの心理的ケアを受けたそうです。

 それはもっともなことで、ふつうの人は人が刺される現場に遭遇することなどないにもかかわらず、白昼堂々・・というか、しかもそれが、学校内、授業中に起こったのですから、その衝撃は計りしれません。

 特に犠牲となった女子高校生の家族にとっては、いつもと同じように学校に行ったと思ったら、学校で刺されて死んでしまうなど、どう考えても受け入れられるものではありません。

 この加害者の少年について、同級生は、「彼は落ち着いた人で、少し内気で控え目な人だった」と見ていましたが、時折、冗談めいて、ナチスやヒトラーなどのイデオロギーや革命について語ることもあったと語っています。

 しかし、一方、スナップチャットのグループでは、過激派や政治家、ナチスなどを説明する動画をたくさん送りつけてくることもあったそうで、そのうち、周囲がついていけなくなった・・と語っている人もいるようです。

 彼は鬱状態であったとの報道もありますが、このような人物(学生)の犯行の場合、日常的には、目立った問題行動は見当たらず、おとなしく、ある程度以上の学力もあったりする場合、問題が思想的なものであったりしても、それを学校側がチェックしてスクリーニングするのは至難の業です。

 娘の通っていた学校は今回の事件が起こった学校と似た感じの私立のカトリックの学校でしたが、非常に厳しい学校で、言動を含む行動などに問題があった場合は、何回かの注意勧告(たしか3回)のあとは、やんわりと転校、退学を促されるような感じだったので、問題のある生徒は学校にはとどまれないようになっていたので、ああいう学校だったら、安心・・と勝手に思っていましたが、今回のような場合、果たして学校は、彼の危険なシグナルに気付くことができたか?と考えると疑問でもあります。

 また、夏のコロニー合宿に行った際には、ディレクトリスから、「あなたのお嬢さんが刺されそうになりました」と電話をもらって、相当驚いた覚えがありました。このとき、娘は小学校高学年くらいでしたが、娘自身は、大してショックを受けておらず、夜、部屋の電気を消すかつけたままにするかで部屋の中の数人でケンカになった末に、当事者の女の子がナイフを持ち出しただけ・・ということで、怪我も何もなく済んだそうですが、子どもから先に連絡が入って親が騒ぎ出すのを恐れて、ディレクトリスの方から先んじて連絡をくれたようです。

 だいたい、小学生の女の子がなんでナイフなんて持ってきてるの?それだけでもおかしいでしょ!と思いましたが、同時に娘には、「学校と違って、色々な人がいるんだから、あまりおかしな子は刺激しないようにした方がいいよ・・」と諭した覚えがあります。

 実際に、私はあの学校なら大丈夫・・と思っていたのです。

 それが、今回のような事件が起こったということは、より難しいことが山積し、複雑な時代になったということでしょうか?


高校生授業中ナイフ襲撃 女子高生死亡


<関連記事>

「おたくのお嬢さんが刺されそうになりました!?・・バカンス中のサマーキャンプでの話」

「フランスの小・中学校(高校) 私立進学へのススメ」

「学校選びは人生の岐路 娘の通ったフランスの学校はなかなか厳しい学校だった」

「12歳の少女が授業中に教師をナイフで襲う・・」

「いじめ・嫌がらせをしていた14歳の少年 授業中に手錠をかけられ逮捕」

2025年4月24日木曜日

パリの美味しいお肉屋さん Hugo Desnoyer

  


 パリには絶対に美味しいお肉屋さんがあるはず!と、ずっと美味しいお肉屋さんを探していました。

 とはいえ、日常のお買物は、だいたいスーパーマーケットで済ませてしまうので、そこまで熱心に探していたわけでもないのですが、いわゆる「お肉屋さん」・・お肉だけを売っているお店のお肉の方が美味しいには、美味しいのですが、その中でもとりわけ美味しい「お肉屋さん」というものに、私はこれまで出会ってきませんでした。

 しかし、昨年末頃についに、私は見つけたのです。「これは美味しい!」と感動できるお肉屋さんを・・。

 それは、たまたま、YouTubeでどこかのテレビで放送した番組を流していたもので、ピエールエルメなども登場する日本市場を開拓しようとしている・・もしくは、日本市場に学んでいる各食品の専門家?のルポルタージュのような番組で、パティシエ、ヴィティキュルチュール(ワイン用のブドウ栽培・ワイン製造者)、そして、このお肉屋さんが紹介されていました。

 番組では、彼が日本の和牛を実際の産地数ヶ所を訪れたり、試食したりしている様子や彼のパリのお店などが紹介されていました。




 この番組を見て、そこまで期待してはいなかったものの、パリ市内だし、しかもこのお店、エリゼ宮にお肉を卸しているお店(エリゼ宮御用達)でもあると紹介していたので、まあ、マクロン大統領が食べているお肉・・食べてみたい!と・・ミーハーな気持ちも半分で、そこまで期待はしていませんでしたが、とりあえず、一度、行ってみようと訪れたのが最初でした。

 これまでに、何回か行きましたが、いつ行ってもお客さんがけっこう並んでいて、人気なのがわかります。

 最初に行った時は、とりあえず、ステーキ用の肉を購入。まずは、簡単にステーキにして、ちょっと期待しながら、口に運んだところ、これが感動的に美味しかった!ふだんは、お肉が特に大好きでたまらない!というほどでもない私でも、その美味しさは、感動的でした。


 焼いていても、余分な水分は全くなく、それでいて、ジューシーでひとくち噛みしめると肉汁がじゅわっと広がり、お肉そのものの風味がたまらなく美味しく、もうステーキでありながら、肉は飲み物!といってもいいくらい、すいすいと食べられてしまいます。

 肉は飲み物!というのはオーバーと思われるかもしれませんが、全然、オーバーではありません。それこそ、自分でお肉を買ってきて、家でお肉を焼いて、こんなに感動したのは、初めてのことでした。

 お店自体は、そんなに大きくないお店なのですが、ガラスのショーケースの内側には、数人の店員さんが、次から次へとお客さんの注文を受けて、注文のお肉を切ってくれるので、並んでいても、行列はどんどんはけていきます。

 会計は、別の場所で会計専門の人が担当しているのですが、レジの後ろには、たくさんの注文が書かれたポストイットが一面に貼られています。このお店、小売り以上に多くのレストランにもお肉を卸しているそうで、きっと、そちらに販売されているお肉の量の方が多いように思います。

 一番、最近ではひき肉(こんなお店でひき肉は邪道かともおもったのですが・・)を購入。美味しいお肉はひき肉だって美味しいだろうと思って、買ってきたひき肉でハンバーグとミートソースを作りました。

 ハンバーグは日本風の玉ねぎやパン粉などを入れたハンバーグにしましたが、不思議と玉ねぎやパン粉などを混ぜたのがウソのようにしっかりしたお肉感があり、また、ミートソースにした分もミートソースにしつつも、その中のひき肉を思わず噛みしめたくなるような美味しさでした。

 そんなに近所ではないので、そこまでに頻繁には通ってはいませんが、でも絶対、定期的に行きたいお店のひとつです。今度は、焼肉にするつもりです!

 ただし、このお店の難点は、朝8時からやってくれているのは良いのですが、お昼13時から16時までが閉まってしまうことで、一番、行きやすい時間帯に開いていないことです。(月曜日と土曜日は終日営業のようです)

 現在のところ、私がパリで見つけたお肉屋さんの中では一番、美味しいお肉屋さんです。包装紙も可愛いのですよ!


🌟Hugo Desnoyer 45 Rue Boulard 75014 Paris  8:00~13:00, 16:00~19:30


パリの美味しいお肉屋さん Hugo Desnoyer


<関連記事>

「私史上、パリ最高のケバブに感激! パリの美味しいケバブ屋さん Doni Berliner Paris」

「エシレのミルクは超絶、美味しかった・・」

「ずっと食べてみたかったバター Au Bon Beurre オー・ボン・ブール」

「超人気のセドリック グロレのクロワッサンを買うのは大変 Cédric Grolét Opéra」

「やっぱり美味しかったマドレーヌ Le Comptoir ル・コントワール Ritz Paris 」