今週、発表された、フランス公衆衛生局、Insermおよび保健省統計局(Drees)が実施した主な死因に関する調査によると、がん、心神経血管疾患、新型コロナウイルス感染症(Covid-19)が三大死因として挙げられています。
ただし、これは、2021年のデータをもとにしているので、パンデミックの影響を大きく受けていた年でもあるので、一般的な年とは異なる結果となっている向きもあります。
フランスでは、年間で約66万168人が死亡していますが(2021年)、そのうちの4分の1がガン、5分の1が心神経血管疾患、そして10分の1が新型コロナウイルスによるものであったというデータが出ています。
ガンに関しては、肺、気管支、気管の腫瘍が最も多く、次いで、結腸直腸腫瘍 (10%) が死亡率の高い腫瘍であり、次に乳癌が続き、女性の腫瘍による死亡のほぼ 17% を占めています。
この発表ではまた、2020年以降、循環器系、内分泌疾患、栄養疾患、代謝疾患、消化器系の疾患による死亡率が増加していることも指摘しています。
それまで、心神経血管疾患による死亡は減少していましたが、これが増加しているという過去の傾向という変化は国際的な結果と一致しており、新型コロナウイルス感染症の流行が死亡率に直接的および間接的に及ぼす影響の可能性もあると言われています。
フランス公衆衛生局の疫学者アンヌ・フイエ氏は、「ケアへのアクセスの困難や、社会的孤立の拡大が行動や生活環境の違いなども生命の分かれ目に影響を与えた可能性があると考えられる」とも説明しています。
新型コロナウイルス感染症に関しては、依然として、多くの高齢者が死亡していますが(2021年)、2020年よりは減少しています。新型コロナウイルス感染症による死亡者のほぼ半数は85歳以上の人々に関係していますが、65 歳から 74 歳の割合は 11.9% から 15.8% に増加し、65 歳未満の割合は 6.2% から 8.4%とわずかに増加しているのも、ワクチン接種の年齢層別の拡大とロックダウン解除後の人との関わり方も関連しあっているとも言われています。
また、新型コロナウイルス感染症による死亡者の10人中9人近くには、少なくとも1つの併存疾患または合併症が死亡診断書に記載されている。この後、高齢者、既往症がある人は新型コロナウィルス感染の際の重症化のリスクが高いと分類されていたことも合点がいきます。
新型コロナウイルス感染症の流行は、原因が何であれ、自宅での死亡者数の増加も引き起こしました。 2017年から2019年にかけて、死亡の21%は自宅で発生していましたが、 この割合は、2021 年には 23% に増加しています。
また、このデータ発表では、あらゆる原因による男性の超過死亡率も浮き彫りになっており、 具体的には、男性の死亡率は女性の1.7倍になっています。 特に 65 歳未満の超過死亡、早期死亡は 10 人に 2 人近くの死亡に相当し、女性の場合はその半分です。
そして、もう 1 つ注目されているのは、死亡の約 6% は偶発的な転倒や交通事故などの外的原因によるものであり、自殺はこのカテゴリーに分類されており、これらの死亡のほぼ4分の1を占めています。 また、自殺による死亡の大部分は男性にというのも驚きました。
こうして、データを見ると、明らかに男性の方が弱い?と思わざるを得ず、それはフランスの平均寿命にも顕著にあらわれており、女性は85歳、男性は80歳となっています。
いずれにしても、女性は強いということでしょうか?
フランス人の死因
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