2023年11月19日日曜日

親友と語り明かした至福の時間 今さら発見した彼女と親しくなった理由

  


 彼女と知り合いになってから、ちょっと年数を明かすのも歳がバレる・・とはばかられるほどの月日が経っています。

 私は、昨年も一時帰国をしていましたが、その時は、彼女の職場でコロナウィルス感染者が出たために、彼女は濃厚接触者として分類され、泣く泣く会うのを諦めていました。なので、考えてみれば、パンデミックの期間プラス1年余計に彼女には会えなかったわけです。

 彼女とは、若い頃、一時、同じ会社に勤めていた時期があり、その時以来、付き合いが続いているのですが、それからお互いに職場を変わっても、そして、私が海外に出てからも、ずっと付き合いは続いていました。

 今のようにネットが一般的ではなかった頃は、彼女は実に筆まめな人で、頻繁に手紙のやりとりをしていましたし、その後、ネットが通じるようになってからは特に定期的に連絡をとりつづけてきたので、遠く離れていても、会えば、すぐに昔のようにいつまでも話していられる・・そんな存在です。

 会えるはずだったのに会えなかった昨年、私がフランスに帰国してしばらくして、彼女は彼女の人生において、なかなか大変な出来事、二人暮らしであった母親を看送るという一大事を経験していたのです。

 お互いに大変な食いしん坊で、彼女は、仲間うちでは、食べログなどのサイトができる前から、「歩くグルメマップ」と呼ばれるほどの食通で、とにかく「食」へのこだわりがものすごく、また、その味覚もたしかなことから、帰国して、何が食べたい?どこで?というリクエストだけで、瞬時にいくつものお店の名前が出てくる・・そんな人なのです。

 彼女がそんな仕上がりになったのも彼女の母親の影響が大きく、また若い自分からお互いを知っているだけあって、彼女の家に電話したりして、たとえ、彼女がいなくても、ついつい彼女のママと長話をしてしまう・・そんな付き合いだったのです。

 海外で一人で子育てしていた私たち親子を彼女親子はいつも暖かく見守ってくれていて、娘が成人した時などは、まるで自分の家族のことのように喜んでくれたりしていたのです。

 彼女の住まいは葉山の方にあり、私の実家からはえらく遠いために、大昔に一度、娘を連れてお邪魔したことはあったものの、たいていは都内のどこか美味しいお店で美味しいものを食べながら、おしゃべりするという感じでした。

 しかし、今回ばかりは、彼女は母親を亡くしたばかり、彼女のママのお参りもかねて、今回は、彼女の家でゆっくりおしゃべりをしようと彼女とのおうち時間を過ごしに行ったのです。

  長年、二人で暮らしてきた家に一人になった彼女の傷はまだ、癒えてはおらず、話をしながら、彼女は度々、涙ぐんでしまうこともあったのですが、そうして、彼女のママのことやらなんやらを二人で話続けていると、私にとっては、なんと至福のリラックスできる時間なのだろうかと思わされるのでした。

 彼女のママが突然ガンを宣告されて4ヶ月、彼女の家族は深く話し合い、積極的な治療は受けずに自宅で最期を送るという選択をしたのです。日に日に弱っていく母親のもとで、彼女は献身的に介護を続け、とうとう最期を家で看取った話を静かに話してくれました。

 この大変な決断をするにあたって、私が昔、イギリスのホスピスで勉強をしていた時の話がとても影響していたと話してくれました。

 時にはぶつかることもあったようですが、それでも、最期の時間を自宅で過ごせたことは、大変な勇気のいることだったと同時に看取った後には、淋しい気持ちはもちろんあるものの、やれることはやったという自信が感じられました。

 どんな人でも人生を全うするということは大変なこと。その大切な最期の時間をお互いの尊厳を傷つけずに乗り切った彼女を私はすごいな・・えらかったな・・と素直に思います。

 そして、今さらのように気がついたことなのですが、(彼女のママには、「そんなこと、ずっと前からわかってたわよ!」と言われそうですが、)彼女のママについて、こんな人だった・・とか、あんなことを言っていたのよ・・という話を続けていると、実は私は、彼女のママに芯の部分が似ているところを持っている・・ということにあらためて気付かされ、二人がずっと仲良く付き合ってこられたのは、こんなところに秘密があったのではないか?と思わせられました。

 しかし、こんな話を延々としつづけることのできる、私にとって、まさにかけがえのない親友の存在が、やっぱり私を満たしてくれることをあらためて、再認識し、とてもありがたいことであると思っています。

 まだまだ、彼女の傷が癒えるのには時間がかかると思いますが、焦らず、無理をしないで、少しずつ自分の生活を大事にしていってほしい、そして、私と彼女がこういう時間を積み重ねていくことで、ますます絆を深め、ずっとずっと友達でいてほしいと思った夜でした。


親友


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2023年11月18日土曜日

日本到着後の身体のメンテナンスは至福の時間

  


 ここのところ、日本行きのチケットを取るとすぐに、日本到着翌日に日本での美容院の予約を入れて、伸び放題になっていた髪を切り、カラーリングをしてもらったり、ヘッドスパのようなことをやってもらったりと、至れり尽くせりのお気に入りの美容院で、ゆったりした時間を過ごすのが大きな楽しみの一つになっています。

 今回は、たまたま翌日に美容院の予約が取れなかったので、その代わりといってはなんですが、中継ぎとして、整体・マッサージを予約していました。

 大昔に祖母のお供で、若い頃に整体に通っていたこともありましたが、今から考えてみれば、少々、胃が痛かったり、それにつれて脾臓が腫れているとのことで、治療を受けていたこともあったのですが、さすがに若かっただけあって、今よりも全然、元気だったわけで、そこから、大きな効果がみられた実感は、正直、ありませんでした。

 しかし、ここのところの長距離フライトの疲労感は半端なく、年齢のせいも、実際に飛行時間が長くなっていることもあるのでしょうが、日本到着後、身体はガタガタな状態で、おまけに時差ボケでよく眠れないままに忙しい日程を動き回るので、とても楽しい反面、パリに帰る頃には、もうボロボロで、正直、反面では、「やっと帰れる・・」という気持ちがないわけでもありません。

 長らく、そういった整体やマッサージというものを体験していなかったので、今回は、事前にネットで調べて、よさそうなところにあたりをつけて予約をしていたのです。

 そして、身体をほぐしてもらって、少々回復して、日本での日程をこなしていくのは、なんだかとても良いアイディアのような気がしたのです。

 実際にワクワクしながら、施術を受けてみると、足湯からはじまり、足ツボ、足、ふくらはぎ、指、腕、肩、首、背中、腰、頭と少しずつ、丁寧に進めてくれました。

 ついウトウトしてしまえるような、生やさしいものではなく、箇所によっては、悲鳴をあげそうになるほど痛い場所もあるのですが、ツボをほぐし、周囲の筋肉をほぐしていっていただくことによって、自分の血管がどのように身体にはりめぐらせられているのかを実感できるような感じで、身体の中の眠っていた場所、隅々にまで血液が循環して、ホワンと温かくなって、自然と大きく呼吸をしている自分に気付きます。

 私は、全身75分のコースでお願いしましたが、身体がほぐれて、イタ気持ちいいの連続で、これを定期的に続けていたら、きっと健康になりそうな実感がありました。

 まさに、長距離フライトの翌日には、もってこいのタイミング、その日の夜は(前日、バタバタしてほとんど眠れなかったこともありますが・・)ぐっすりと眠りにつけました。(朝、4時半に目覚めちゃったけど・・)

 施術をしてくださった方の大きなグローブのような手の温かさと、これだけツボをおしたり、筋肉をほぐしたりする中、足でもつりそうなところ、まったくそのようなことも起こらないのも不思議。そして、なによりも言葉控えめに質問には的確に応えてくださりながら、自然な細かい気配りや丁寧な仕事ぶりは、やはり日本人ならではのサービスを受けていることを実感します。「やっぱりこういうのは、日本人ならではのクォリティーなんだな・・」と大変、満足し、たまたま美容院の予約が翌日にとれなかったことから、急遽、入れた予定でしたが、なかなかよいチョイスであったと大変、満足しています。

 これで、今後、おそらく、日本到着後の日程は、これまで初日に行っていた美容院と入れ替わることになりそうな、そんな気がしています。

 長距離フライトがキツいと感じていらっしゃる方々には、この初日のマッサージ、大変、おすすめです。


整体・マッサージ


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2023年11月17日金曜日

日本に到着して、次から次へと私はトラブルを呼ぶ女

  


 日本到着直後から、自宅に到着するやいなや、食の予定を遂行するために、荷物を置くとすぐに、靴もコートも脱がないうちから、お気に入りのお寿司やちょっと食べたいものなどをみつくろいにでかけ、まずまず希望のものをゲットして、ようやく、家にもどり、荷物を解きはじめ、2つある大きな荷物の一つをあけ、大きい方のスーツケースをあけようとした時のことです。

 今回は、なんと、いつもお願いしていた運転手さんがパリにいなかったことから、少々、甘い考えを起こし、それなら、電車で行ってやろうじゃないの!などと、慣れないことをした私が悪かったのです。

 とりあえず、空港に着くまでは、荷物は大きいスーツケースと機内持ち込みができるキャリーバッグの二つにしたため、今回は、空港に行ってから、重すぎるスーツケースを二つに分けるという、いつもにはない作業が追加されたのです。

 荷物の仕分けはそんなに難しいことではなかったのですが、そこでスーツケースにかけた南京錠が問題で、家にあったいくつかの南京錠を適当に掴んで持ってきて、鍵がささった南京錠を使ったのですが、その鍵が正しい鍵ではなく、日本について、さて荷物を開けようとしたら、鍵があわずに、スーツケースがあけられなくなってしまったのでした。

 とりあえず、すぐに冷蔵庫に入れたいチーズやバターなどの食料品もあるというのに、スーツケースがあけられずに途方に暮れて、南京錠を切ることができるハサミというのを娘がAmazoで注文してくれて、翌日の午前中にはそれが届くことになっていました。

 まあ、寒い時期でもあり、スーツケースは庭に出し、翌日、ハサミが届くのを待っていました。その日の晩は、時差ボケもあって、1〜2時間しか眠れず、だからといって、用事は立て込んでいるのでじっとしているわけにもいかず、とりあえず、早朝から区役所に用事を済ませに行き、次は、銀行へ。

 区役所での用事はすぐに終了し、「さすが日本!はやっ!」と感心しながら、銀行について、用事をこなしていた途中に私は、区役所に自分の雑記帳?とペンを忘れてきたことに気づき、再び区役所へ。区役所の人はこれまた優しい人で、私の顔を見るなり、「よかった〜!連絡しようにも電話番号がフランスの番号になっていたので、お電話できなくて、どうしようかと思っていたんです!」と。

 こちらが「よかった〜」というのはもちろんですが、先方がそんなふうに私の愚かな忘れ物に対して心を配ってくださっていたことに、やっぱり日本人ってすばらしく誠実なんだな・・と、ノートがみつかってホッとしていました。

 まさに、忙しい中、自分で余計な用事を増やしている感じです。そして、銀行の手続きは、元ある口座のネットバンキングを登録したところ(ネットなのに、書面で登録しなければならないおかしなシステム)、地元の信用金庫ゆえ、あまりネットバンキングを利用する人が多くないために、慣れていないのか? では、パスワードを設定しなおしましょうか?など、ああでもないこうでもないと言っているうちに時間切れ。これは、また再度、別の日に行かなければなりません。

 そして、お昼に行きたいと思っていたお店にとなりの従姉妹とでかけると、なんと、お休み・・、じゃあまた次の予定も控えているので、急いで家の近所に戻って、よく言っていた洋食屋さんに行くと、お昼の営業は終わりで店はすでに閉店。仕方なく、今度はこれまたよく行くお蕎麦屋さんに行きました。

 これを前後して、鍵を切るハサミはやっぱり今日は届かないらしい・・というメッセージが娘から入り、ますます、ガガ〜ン!と落ち込むことになりました。

 まったく、日本到着以来、まだ1日しか経っていないのに、どうして?こう、どれもこれもがトラブルになるのだろうか?と、疲れも溜まって、やるせない気持ちなりました。

 そこで、落ち込み切らない従姉妹が、近所の鍵屋さんに鍵、壊してもらえませんか?と聞き回ってくれたりしましたが、どうにも、ダメそうで、これは、またさらに1日ハサミを待つしかないものか?とあきらめかけたところに、「そうだ!今、家の庭に入っている植木屋さんのお兄さんに頼んでみよう!」と言い出したのです。

 これから年末にかけて、父の代から、毎年のように庭の手入れをしてくれている植木屋さんがいて、先方もおじいちゃんの植木屋さんから、今では、お孫さんへと世代交代をしていますが、あいかわらず、毎年、季節になると、うちと、隣の従姉妹の家の庭の木をきれいに剪定してくれているのです。ちょうど、今回の私の一時帰国と重なりました。

 食事が終わって、家に戻って、そのお兄さんに事情を話すと、「できるかどうかわからないけど、やってみましょう!」と言ってくださって、小さな定規ほどの大きさの鋸を手に、鍵を切ってくれたのです。

 もう最近で、私はこんなに人に感謝したことはないと思うくらい感謝感激で、彼は5分ほどで鍵を切ると、庭での作業に戻っていきました。

 正直なところ、「もう植木屋さんなんて、いいんじゃない? 決して安くないんだし・・」などと言っていたのですが、意外も意外、なんと植木屋さんが私の大ピンチを救ってくれたのでした。

 Amazonで頼んだ鍵も切れるというハサミは無駄になってしまいましたが、本当に無駄になってよかったです。

 とにかく、疲れが溜まってくると、またその疲れが次のトラブルを生み出すことになるので、できるだけ早く回復し、せっかくの日本を楽しく過ごすことができるようにしたいと肝に銘じた1日目となりました。


トラブル


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2023年11月16日木曜日

パリ・シャルル・ド・ゴール空港発 日本行きの今

  


 前回、日本に行ったのは、コロナ禍がどうやら少し鎮まり始めた頃で、フランスから日本に入国しても、施設での強制隔離が必要なくなってしばらくした頃で、ヤレヤレようやく、なんとか日本に行けるかも? と思っていたところに、今度はウクライナでの戦争が起こり、ヨーロッパから日本への道は一時、ほぼ遮断された状態になり、パリからの直行便もなくなってしまいました。

 それでも、前回、昨年の3月から4月にかけて、娘が日本で就職することになった折に、最後の母としてのお勤めと、娘の日本での、長らく空き家になっていた実家での生活のスタートを見届けるために、日本に来たのが最後で、あれからもう1年半が経ちました。

 当時はロンドン経由、迂回経路での長時間身動きも取れず、マスク着用のフライトはつくづく負担そのもので、ちょっと嫌気がさすほどでした。

 あれからコロナウィルスは少しおさまり始めましたが、今度はイスラエル問題、燃料費高騰による航空運賃爆上がりと、次から次へとまるで障害物競走をしているようにハードルが立ちはだかります。

 今回のフライトはパリからのJALの直行便、今の時期は、通常ならば、かなり低価格のはずが、それでも往復1,400ユーロ強で、以前であれば、真夏のハイシーズンの価格です。

 私が乗った便は満席ではなく、ビジネスクラスなどは、むしろ、ほぼ満席でしたが、エコノミークラスは、一列おきに3席の真ん中が空席なくらいな感じでそんなに混んではいませんでした。

 もうマスクをしている人もいなくなり、羽田空港で感染症に関するチェックなどももう全くありませんでした。

 ビビりの私は、それでも、この来日の前にコロナウィルスとインフルエンザのワクチンを済ませてきました。

 フライト時間に関しては、一時よりは若干、短縮され、13時間30分、通常だと12時間程度、あるいは、運がよければ12時間を切ることもあったことを考えれば、まだ元どおりにはなっておらず、出発時の機長さんのアナウンスによれば、パリから日本までは、なんと15ヵ国の上空を通過するとかで、このご時世に、なにかと物騒な気さえしてしまいます。

 離陸してまもなく、CAさんが、「VISIT JAPANのご登録はお済みでしょうか?」と回ってこられて、どっきりしましたが、なんのことはない、とりあえず、携帯品・別送品の申告書を提出できればよい、これまでとは変わらない書類にサインをして、通関の際に提出すればよい話で、ほっとしました。

 JALのパリー羽田行きのフライトは、パリを夕方17時頃に出発し、羽田には、翌日の午後2時半頃(日本時間)に到着します。なので、パリで飛行機に乗って、食事をして少し寝て、日本到着前に昼食をとって、その日の夜には家に着くという感じなので、比較的、時差ボケの影響が少ないのではないか?と思われる時間帯ではあります。

 搭乗してからわりとすぐに出る夕食と、到着間際の昼食の間に一度、軽食としてサンドイッチが配られました。

 飲み物や簡単なスナック類なども常に用意されています。

 一時は、パリー羽田便の直行便は、ほぼフランス人で埋め尽くされるような感じでしたが、今回の乗客の大多数は日本人のようでした。今、フランスではバカンスシーズンから外れているということもあるのでしょうが、せっかく日本が観光地として脚光を浴び始めていただけに、こんな様子は少々、残念な気もしました。

 羽田での通関等は、いつもどおりスムーズで、荷物もきっちり受け取れて(これに関しては、羽田着の便に関しては、今までトラブルは一度もありません)、やっぱり直行便ならではで、パリで飛行機に乗って、降りたらもう日本・・というあたりまえのことに、ホッとしました。

 現在の世界情勢では、今度、また何が起こるかわからない感じもするので、こうして、日本に来れる機会がある時には、できるだけ来ておいた方がよいな・・と思ったのでした。

 久しぶりの日本はどこかホッとするような、少々、戸惑うような妙な気分ですが、やはり母国の地を踏むことは嬉しいことです。


パリー羽田便の今


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2023年11月14日火曜日

一時帰国のためのダイエットの思わぬ誤算

  


 日本の一時帰国には、一応、色々な用事はあるものの、やっぱり何よりも楽しみなことは、美味しいものをたくさん食べることで、この時ばかりは、ダイエットには、目をつぶり、胃薬片手に食べる気満々で臨みます。

 よって、フランスに戻った時には、体重が増加していることは、必須なのですが、それはあとで取り戻すとしも、少しでも、そのギャップを埋めるために、出発前から、準備段階として、少し食事を控え目にして、少しでも痩せてから日本へ行こうと、気持ち、控え目な食事を続けていました。

 とはいっても、お土産を買い集めている間、そのほとんどが食料品のために、行く先々で、試食したり、また

、日本には持って行けなさそうなものにもかかわらず、(つまり、本当ならば、試食する必要はない)「えっ?なに?これ?美味しそう!」、「こんなの初めて見た!」とかいうものにも次々と遭遇し、「やっぱり食べてみたい・・うん・・食べよう!」と、お土産とは関係のないものまで買う始末なので、そんなに厳しくダイエットしていたわけではありませんでした。

 でも、少し食事を控え目にするとか、夜中には食べないようにしようとか・・気持ち、気を付けるだけで、自分では、少しお腹のあたりがすっきりしてきたような気がしていました。

 そもそも少し痩せるとか言いながら、私は自分の体重というものを測ることはなく、大変、いい加減なものです。だいたい数字が見えるとその数字にしばられて、気になって仕方がなくなるので、図らないという、わけのわからない理屈なのですが、我ながら、本当に大雑把です。

 昨日、日本に持っていく買い物に友人が付き合ってくれるというので、じゃあ、そのまえに、ちょっとランチでもしようか?ということになり、「私、日本で思う存分食べるために、ダイエット中」といったら、まあ、じゃあさっぱりした軽いものにしようか・・ということになったのですが、結局のところ、食べたのはファラフェルのサラダでした。

 久しぶりのファラフェルに「外はカリッとして、中はふんわりしていて、やっぱりここのファラフェル、美味しい!」などと、ごきげんに食べ始めたのですが、友人と楽しくおしゃべりしながら、食べ進むにつれて、しばらくすると、なんだかお腹がいっぱいに・・。いつもなら、これぐらい、軽く食べて、えっとデザートどうする?なんて感じなのに・・。

 なんと、大して痩せたとも思えないにもかかわらず、少し食事を控えていたために、胃が小さくなってしまったみたいで、食事半ばでもうお腹がいっぱいになってしまったのです。ガ~~~ン!!!

 これは、なんたる誤算!これでは、日本で思いっきり食べられないではないか?と自分でも唖然となりました。

 これからは、日本行きの前は、胃の大きさを保ちつつ、痩せるようにしなければ・・と思ったのですが、今回は時、すでに遅しで間に合いません。

 これでは、日本で少しずつ大きくなるであろう胃の大きさがMaxの状態で、フランスに戻るという最悪の状況です。

 ほんとうにくだらないことに真剣に取り組んでいる挙句がこれですから、自分で自分が情けなくなりました。

 おまけに荷物の重さを測ろうと体重計に乗ったところ、なんと体重計は電池切れで、家では荷物の計量もできずに、でかけることになります。まったく我ながら、この無計画で土壇場に来て焦る(というほど焦ってもいない)感じ。私ってダメだな~とつくづく思います。


日本一時帰国


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2023年11月13日月曜日

40万ユーロを拾った人・・2年経って、半分を受け取れる!

  


 映画や小説だとしても、少々、嘘くさいような話が時には、存在するようです。

 今から2年以上も前になる2021年の5月にヴァール県(プロヴァンス・アルプ・コートダジュール地域圏)のラ・ロンドのヴァルクロスの険しい山道を2組のカップルが散歩していたところ、連れていた犬が地面を掘りだし、地面の中から古い金属製の箱を見つけました。

 なんと、その中には、黒いビニール袋に入った200ユーロ紙幣500枚の束が4束、合計40万ユーロ(約6,450万円)が入っていました。ただでさえ、日常ではほとんどお目にかかることのない200ユーロ札です。私など、1枚見ただけでもビックリしますが、それが札束で見つかったわけですから、その驚きたるや計り知れないもので、見慣れないだけに、ホンモノのお札かどうか?さえも、きっと、わからなかったかもしれません。

 フランスで、お金、というかお財布などを落としたりしても、まず、見つかることはないし、(落す前に油断していると盗られるし・・)、それが届けられたりしたという話も聞いたことがありません。

 しかし、彼らは正直者で警察に届け出ていたようです。あまりの金額に、逆に怖くて、到底、このように隠しているお金は、まともなお金とは考え難いし、ちょっと自分のモノにしてしまうのも、かえって躊躇われるものなのかもしれません。

 警察に届けられたお金については、このお金の出所と、なぜ、ここに埋められていたのかを解明するために、AGRASC(押収・没収資産管理回収庁)によって調査が行われると同時に、憲兵隊による捜査が行われてきたようです。

 目撃者を募って、事情聴取が行われ、犬チームによる敷地内捜索が行われ、その箱についたDNAの痕跡のサンプルは科捜研で分析されたりもしたようですが、結局、何も立証することができずに2年が経過した現在、捜査は犯罪行為、違法行為を立証できずに中止されました。

 まともなお金ならば、このような場所に隠すはずもなく、持ち主が名乗り出ることもなかったのです。

 結果的に、法律上、この40万ユーロの半分は、この落とし物を発見して届け出た人のものになり、残りの半分は、この土地の所有者(今回の場合は国有地)のものになります。

 この土地の市長は、この40万ユーロを警察に届け出た2カップルの誠実さを称賛するとともに、市が受け取る20万ユーロについては、この資金を市の「緑化プロジェクト」に使いたいと語っているようです。

 この箱を発見した2カップルが4人で20万ユーロを分けるとしても、1人5万ユーロ(約800万円)です。

 この現代版「ここ掘れワンワン!」、ウソのようなホントの話。

 思わず、犬を飼おうか?と冗談のように思ったり、現実的にこのような収入には、税金がかかるのだろうか?などと考えてしまいます。せっかく正直に届け出たのですから、課税しないであげてほしいなと思います。


40万ユーロの落とし物


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2023年11月12日日曜日

シャルルドゴール空港からパリに向かう車を狙う強盗が激増!

  

 

 車に乗っていて、強盗に襲われるという話は、パリでは珍しい話ではなく、場所にもよると思いますが、私の知人もパリの16区で車を走行中、信号で車を停車させたときに、いきなり強盗がドアを開けて押し入ってきて、助手席においてあったバッグを奪われたという話を聞いたことがあります。

 その話を聞いて、「バッグ等の荷物は座席の上などの見える場所には絶対におかない!」、「車のドアは必ずロックすること!」という教訓を心に刻みました。

 だいたい、車に乗っていたら、信号では車を止めなければならないし、ましてや、物を奪われる以前に、強盗が車に押し入ってくること自体が恐ろしいことで、少なくともドアをロックすることや獲物をちらつかせないといったスキを見せないことで少しでも恐ろしい事態を防げるかもしれません。

 ところが、最近、聞くのは、空港を出る時点から、車がつけられて、渋滞中などで車を減速、あるいは停車せざるを得なくなった時に、どこからともなくバイクが近付いてきて、車の窓ガラスを割って、強盗が押し入ってきて、荷物を強奪されるという恐ろしい話が浮上し始めました。

 先日、モンゴルのオリンピック代表団の団長とその夫人がパリCDGに到着し、空港からパリのホテルに向かう途中、スタット・ド・フランス近くのサン・ドニのランディトンネルのあたりで強盗に襲われています。

 車がトンネル付近に差し掛かったとき、2人乗りをしたオートバイが車に近づいてきて、強盗の一人は車の窓ガラスを割り、もう一人が宝石等の入ったバッグを強奪していったとのこと。

 この強盗自体も驚かされる事件でもありますが、この被害者であるモンゴル人のオリンピック代表団の団長の被害申告の内容もまた、二重にびっくりさせられるものでした。

 なんと、申告された内容は、単価16万5千ユーロのゴールドとダイヤモンドのイヤリングを含む57万ユーロ(約9,200万円)ということで、彼らは被害者ではあるものの、「オリンピック関係者ってどんだけ持ってるの?」という気がしてしまいました。


 この強盗は後日、サンドニで逮捕されたようですが、22歳~25歳の3人組だったようです。この犯行には、CDG空港を出るときから、仲間がターゲットを見つけて、ターゲットについての車などの情報メッセージを伝え、追跡チームがその後、車を追って襲うというチームの作業になっているようで、この3人組は、その前にも同様の手口で、サウジアラビアからの観光客を襲い、5万ユーロを強奪していたそうです。

 しかし、この強盗の手口は彼らに限ったものではなく、この手の強盗は頻繁に報告されているそうで、空港とパリ市内を結ぶ高速道路A1では、金品を持っていそうな観光客(アジア人や中東人が特にターゲットになっている)に対する襲撃事件が頻繁に起きているそうです。

 強盗の手順は常に同じで、車が速度を落としている間に、バイクが近付いてきて、そのうちの一人がタクシーの隣に立ち、客室内の手の届く範囲にある物をつかむ側窓の 1 つを割り、強奪品を奪うとすぐにバイクで逃げ去るというものらしいです。

 空港からパリ市内に向かう道は、渋滞することも多く、一度狙われたら、窓ガラスを割られて押し入られるのでは、避けられない感じもします。

 パリにいらっしゃる方は、くれぐれも目立たないように、できるだけ簡素な服装で、空港に着いた瞬間から、目をつけられないよう、お気をつけください。

 こんな警告をしなければならないなんて、まったく悲しいことです。


空港からの車を襲う強盗団


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