2023年10月10日火曜日

埼玉県の児童保護に関する法案とフランスの児童保護

  


 私は、日本で子育てをしたことがないので、正直、日本での子育てについては、よくわかりません。

 しかし、埼玉県の自民党県議団により、子供だけでの留守番や外出を「置き去り」として禁ずる虐待禁止条例改正案というものが提出されたという話を聞いて、ちょっとギョッとしてしまいました。

 対象年齢は小学校3年生までで、4年生から6年生は努力義務として、子供だけでの留守番や外出を禁止し、県民に対しては、禁止行為の通報を義務付けるというものです。

 日本の場合は、多くの場合、小学生になれば、送り迎えもいらなくなるし、子育ても一段落という感じがあるような気がしていて、フランスでは、小学校を卒業するまでは、送り迎えをすることがふつうなので、日本はいいな・・などと思ったこともあります。

 うちの場合は、小学校高学年になった時点で、リスクを負うのであれば、送り迎えもしなくてもよいということでしたが、リスクを負うのであれば・・などと言われれば、喉元にナイフをつきつけられているようなもので、そんなリスクを負うのはゴメンです。もしも、何かあったら、取り返しがつくものではないと思い、結局、小学生の間はずっと送り迎えをしていました。

 そんな感じでもあるので、子供だけでの留守番や外出は、フランスでは、基本的にあまりないことだし、しかし、その代わりに、通常の学校の授業が終わった後には、希望者にはエチュード(宿題などを見てくれる時間)の時間があったり、これだけ多いバカンス期間なども、必ず地域ごとに子供を預かってくれる場所が設けられていて、様々なアクティビティをさせてくれたりする受け皿があります。

 日常は、エチュードの時間は18時半までだったので、仕事を切り上げて、18時半までにお迎えに行くのは大変なことでしたが、それでも、このエチュードの時間には大変助けられたし、バカンス期間中の子供の居場所も、設けられていたので、一応、安心して、子供を預けることができていました。

 基本的に児童保護については、かなり厳しい面もあるフランスでは、もし、この義務を怠っていれば、通報されることもあります。

 一度、パリに引っ越してくる前に、ご近所の誰だかわかりませんが、嫌がらせに、「あの家は子供を学校に行かせていない!」などと、通報されて、児童保護機関の人が家にやってきたことがありましたが、こちらとしては、学校に問い合わせてもらえば、すぐにわかること、なんなら、学校以外にも公文やバレエなどのお稽古事の送り迎えもあって、目が回るほど忙しく、他の子よりも違う学びの場にも行かせている!と、憤慨し、そんな通報にひるむことはありませんでした。

 しかし、夫が亡くなって、我が家が外国人の母子家庭として児童裁判所の監督下におかれてからは、目をつけられたら、下手をすると子供を取り上げられてしまうため、この子供の置き去りに関しては、それまで以上に神経質になり、18歳になるまでは、子供を一人にすることは、決してありませんでした。

 娘も成人して、子育てを終わった今、日本よりも治安が数段悪いと思われるフランスでも、無事に子育てができたことは、ヤレヤレという気持ちもある一方、厳しい児童保護の法律があるとはいえ、これらの子供を預かってくれる受け皿があったことには、とても感謝しています。

 埼玉県の事情はよく知りませんが、埼玉県の虐待防止条例改正案というものに対して、その条例の前に、埼玉県には、私がフランスで利用させてもらってきたような、子供を一人にしないための受け皿というものがあるのだろうか?と、現役で子育てをしている人々がちょっと気の毒になってしまいます。

 これでは、女性に働くな!といっているようでもあり、また、子供を作るな!といっているようでもあり、子供を守るつもりがその家庭の生活そのものが成り立たなくなってしまう場合もあるのではないか?と、歪なものを感じます。

 そして、県民に通報を義務付けるというのも、ただでさえ、周囲の監視の目がキツそうな日本で、他人を責める格好の材料となりかねないような気もします。

 フランスでは義務と補償はセットのようなものところがあり、小さい子供を一人にしてはいけないという親の義務がありますが、それとセット補償?として、子供を預かってくれる場所が存在しています。

 子供を一人にしないということは正論ではあるかもしれませんが、そのために、国が何かの受け皿を同時に用意しない限り、それは単に子育てを苦しめるものにしかならないと思うのです。


埼玉県虐待禁止条例改正案 


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2023年10月9日月曜日

露天のクレープの生地はマンホールに保管されていた・・

  


 パリのシャン・ド・マルス(エッフェル塔近くの広場)の露天商が販売していたクレープの生地がマンホールに保管されていたと聞いて、驚愕しています。

 そもそも、多くの露天商は無許可営業が大部分を占め、怪しい存在でもあり、ふつうの飲食店ならば、パリ市によって、定期的にアトランダム、あるいは、通報により行われている衛生検査は結構、厳しいものであると聞いていますが、無許可営業ゆえ、そのような食品管理の検査などを受けているわけでもなく、考えてみれば、なんでもありの状態で、そのようなことも充分、あり得るのだろうな・・と思うのです。

 食べ物に限らず、この手の無許可の露天商などは、警察の取り締まりが来ると、すぐに逃げられるように、下に布地を敷いていたりして、すぐにそれを抱えて逃げられるようにしているために、その場にそんなに大量のストックは抱えていないのです。

 私も以前にオペラ通りだったか?パリの街中を歩いていた時に、若い青年が走ってきて、おもむろにマンホールをあけて、ペットボトルの小瓶を大量に持っていくところを目撃したことがあり、こんな場所を勝手に保管場所に使っているのか?と仰天したことがありました。

 ふつうの日常生活ではあまり、お目にかかることがないマンホールですが、パリ市内?は、特に地下には、思いがけないような地下道(道というほどでもないかもしれない)が入り組んでいて、たしかに、気温も低いだろうし、ある意味、冷蔵庫のような役割を果たすということもあるのかもしれませんが、問題なのは、ネズミもここを行き来している・・というか、ネズミの大運動上でもあるわけで、衛生上は大いに問題があります。

 パリ市は、来年のオリンピックに向けて、この露天商の摘発に力を入れ始めたようで、これらの露天商はもちろんのこと、そのストックの保管場所として使用されているマンホールのチェックに警察が介入し始めているとのことです。

 ここ一ヶ月ほど、一回の警察の介入でおよそ、30キロの商品を押収して廃棄していると言われており、9月のある1週間には、マンホールから、水380本、ワイン50本、ビール200本、トウモロコシ90本を押収したと報告されています。

 これらの商品は衛生的に大変な問題を抱えているため、パリ市は、多くの消費者、観光客に露天商の飲食物への注意の呼びかけを始めています。

 考えてみれば、パリの街中には、びっくりするほど多くの露天商が存在し、ましてやクレープなどといえば、直接、口に入る食べ物。クレープの場合、その場で焼いてくれるものもあれば、冷凍の生地を温めなおしているだけのものもあり、マンホールの匂いをお砂糖や、チョコレートクリームなどで、ごまかしているとさえ言われているものもあります。

 パリの街をクレープ片手に歩く・・などと、若い女の子が憧れそうな絵ではありますが、ちゃんとしたお店で買わないと、マンホールで保管されていたクレープを食べるハメになる危険性があるようなので、充分にご注意ください。

 パリ市は来年のオリンピックに向けて、多くの観光客を迎える準備をあちこちで、していますが、このマンホールクレープの摘発もそのリストに加えられた模様です。


パリ露天商 マンホール クレープ


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2023年10月8日日曜日

日本への一時帰国の移り変わり

  



 私が海外生活を始めて以来、といってもフランスに来て以来のことですが、日本へは、定期的に一時帰国をしていますが、考えてみれば、その一時帰国もずいぶん、移り変わってきたものだと、思い返します。

 イギリスに留学中だった頃は、期間限定ということもあり、この限られた期間中にわざわざ日本に帰国するのはもったいないと思い、日本ではなく、その分、ヨーロッパを旅行して歩きました。

 日本に定期的に一時帰国をするようになったのは、本格的にフランスに落ち着いて生活を始めてからのことです。

 最初の頃は、子供に少しでも日本に触れる機会をもたせたい、孫の存在をことのほか喜んでくれていた両親に孫を合わせたい、ほんの短い期間でも、子供に日本の学校生活を体験させたいなどというものでした。

 そんな子供のためという理由とともに、特に最初に母の体調が悪くなり始めてからは、日頃は、両親のために何もできないから、日本にいるうちにできるだけのことはやっていかなければ・・と、介護手続きに奔走したり、家の中を生活しやすいように整えたり、その合間を縫って、友達に会ったり、買い物をしたりと超絶忙しい日本滞在でしたが、両親と過ごす時間はかけがえのないものでした。

 両親ともに他界してしまった今では、日本に待っていてくれる人がいるというのは、どんなにか嬉しく、温かい気持ちにさせてくれるものだったか?と思い知らされます。

 その後は、母が急に入院した際とか、危篤状態になって、急に帰国したこともありました。連絡が来て、すぐにチケットをとって、翌日には日本へ・・なんてことも、何回かありました。

 その後、今度は夫が急に亡くなったりして、やたらと多いフランスの学校のバカンスと私のバカンスを調整して、この学校のバカンスをどうにか乗り切っていくために、しばらくは、日本に全く行けなかった数年間もありました。

 その後、しばらくしてから、日本への一時帰国は再開しましたが、それからまもなくして、今度は、父の具合が悪くなり、その介護施設の下見をしに行ったりしたこともあったし、とうとう、父が亡くなった際には、お葬式のために帰国、それからしばらくして、父の死後の手続きのための帰国、その後は、空き家となった実家の片付けに定期的に日本に帰国していましたが、パンデミックのために、2年近く中断していました。

 日本への入国もそろそろ厄介なこともなくなりつつあるかな~?と思っていた頃に、今度はウクライナの戦争が勃発し、一時は日本への直行便もなくなってしまいました。

 その後、娘が日本で就職することになり、しばらく、空き家にしていた家のこともあり、最初ぐらいは・・と思い、娘が日本へ行くときに一緒に同行し、私一人で帰仏しました。

 当時は、直行便がなく、迂回運行で、長距離フライトもずっとマスクをしたままというキツいフライトに思いっきりウンザリして、本当に身体が本当にキツくて足が遠のいていました。

 こうして、考えてみると、これまでは、日本への一時帰国はバカンス感はほとんどなく、ゆっくり過ごすということは全くできず、おまけに、その短期間に会う友人や親戚へのお土産探しだけでも、はっきりいって、大変なストレスで、もう20年以上、度々、フランスから日本へ持っていくお土産には、もう、ありとあらゆるものを持っていき尽くした感もあり、また、数も半端な数ではないため、これを買い集めるだけでも大変なのです。

 そんなわけで、だんだんと日本への一時帰国は楽しい反面、大変、気が重くなりつつあるのも事実なのです。

 若い頃(日本に住んでいた頃)は、海外旅行ばかりしていて、国内旅行は歳をとって、長距離の旅行がきつくなってからにしようなどと思っていたため、ほとんど日本国内を知らずに結局、年齢を重ねつつある今、そろそろ国内旅行にシフトするつもりであったのに、日本の国内旅行は遠いものになってしまったままです。

 今年は、年内には、一度、帰国する予定にしていますが、今は、介護する親もなく、空き家だった家には、娘が住んでいるので、片付ける必要も今のところはなくなり、日本へ帰っての特命事項はあまりなく、運転免許の書き換えや銀行などの用事が多少あるくらいで、自分の好きに過ごすことがようやくできるようになったので、今度は、念願の日本国内を少し旅行しようと思っています。

 そうなってくると、現金なもので、億劫だった日本行きも俄然楽しみになってきて、あそこに行ったら、あれを食べたい、ここも行ってみたい、あそこのあれも食べてみたいと思い始め、一人で夜中に興奮状態になり、眠れなくなるほどです。

 また、そんなことを考えていると、普段はパリで美味しそうなレストランなどを探しては、行ってみたりしているものの、全く興味が失せてしまう自分の変わりようにもびっくりするほどです。

 本来ならば、フランスと日本で半々くらいの生活をするのが理想ではあるのですが、実際に生活していれば、そんなに長く家を空けるわけにもいかず、また、こう航空運賃が爆上がりしてしまえば、そうたびたび、行き来するのも大変なことで、長距離フライトでは体力的にもキツいです。

 また、以前は、「フランスに住んでいるなんていいなぁ・・」などと言う人に対して、「フランスなんて、たまに来るくらいがちょうどいいよ・・」と答えていたのですが、なんとなく、今の自分は、「日本の方がたまに行くくらいがちょうどいいかな?」と思い始めてもいるのです。

 しかし、今回の一時帰国で、少し日本を観光することをとても楽しみにしています。


日本への一時帰国


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2023年10月7日土曜日

真実の追及よりも行儀よくルールを守ることが大事な一部の日本のジャーナリストに絶句した

  


 事実は小説よりも奇なりというけれど、それにしても小説としても、あまりにもシナリオがお粗末だという印象の今回のジャニーズ事務所の記者会見の騒動。

 この性加害問題が公に騒がれるようになってから、なんとなく、遠く離れた地からでも報道を眺めていて、直近の記者会見を見て、一番、気持ち悪いと思ったのは、会見が紛糾してきた時点で、副社長に就任した男性が、「どうか、落ち着いてください。この会見は多くの子供たちも見ています。ルールを守る大人の姿を見せていきましょう」というようなことを言いだしたときに、会場から拍手が起こったことです。

 そもそも、この子供への性加害問題についての会見を子供に見せる親がいるかどうかさえ、大いに疑問でもあるうえに、自分たちが勝手に決めたルールに従わないことを非難するのは、お門違い。

 会場に集まっているのは、今回の問題を追及するジャーナリストの集まりのはずなのに、その集団の中から、この問題そのものよりも、ルールを守るということを優先させ、拍手が起こるとは、もうため息しか出ない感じでした。

 この場面を見て、私は思わず、「うわっ!日本人!」と思ったのです。

 とかく、お行儀が良いこと、ルールを守ることが尊ばれる日本という社会は、たしかに、規律正しく、日本人の美徳である一面でもあります。

 しかし、時には、声を荒げることも必要だし、抗議することが必用な場面もたくさんあります。追及されるべきジャニーズ事務所側が設定しているルールにさえ、おとなしく従おうとして、しかも、それを諭すように説教されると、途端にいい子ちゃんになって、拍手まで起こるなど、もうつける薬もない感じがします。

 この後に、NG記者リストなるものが発覚し、以前のように、ジャニーズ事務所が記者媒体をコントロールしていたとなれば、この一部の記者たちの行儀のよさ?は、もう目も当てられません。

 今回のジャニーズ問題だけでなく、政治に関しても、日本人には話し合う、議論し合うということが極端に劣っていて、それを避けて通ろうとし、一方が抑圧的な態度になり、一般大衆が文句を言いながらも、強い権力を持つ者に行儀よく従う・・しかも、騙されていることにさえ気が付かずに・・という場面は、いくらでも存在しています。

 この期に及んで、まだ、以前と同じように、世間をコントロールしようとしているジャニーズ事務所にも、今回の性加害問題の深刻さの本質をまるで理解しているとは感じられず、終息ばかりを急ぎ、問題に本当の意味で向き合っていないことが感じられるうえ、それを受け取る一般大衆にも、この犯罪の重大さをまだまだ甘く受け止めているような気がしてなりません。

 この問題に関して、海外的に見たら、絶対アウトだから・・などとよく言われていますが、逆に言えば、なぜ?日本では絶対アウトじゃないのかが不思議でならないし、日本の認識が甘いということに他なりません。

 私もフランスでの生活に多分に毒されている部分があると思いますが、言うべきことは、行儀が悪くても、声を荒げても、言わなければならない時はあると思っています。特にその使命を担うジャーナリストは、正義を叫び続けてもらいたいと思っています。

 皮肉なことに、会見のたびに、ジャニーズ事務所が生き延びられないことを証明していくような結果になっていますが、そもそも、選ばれた新社長は、誰かが影で操るのに都合の良い人物であったというだけで、経営の能力があるわけでもなく、それどころか、特殊な権力のもとに守られて生き続けてきた一般社会を知らない人物。

 ジャニーズという名前や存在を消し去るなどと言っていますが、この分では、予想以上に早く、その日が訪れるかもしれません。

 それにしても、こんな場面を見ていると、日本人の教育には、議論するという教育を強化することが、絶対的に必要ではないか?と思うのです。

 そんなことを声をあげすぎる傾向のあるフランスにいると、特に強く感じるのです。


ジャニーズ事務所記者会見


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2023年10月6日金曜日

パリの日本文化会館は想像以上に立派だった・・

  


 前々から、パリに「日本文化会館」というものがあるのは、知っていたけれど、今まで一度も訪れる機会はありませんでした。

 時々、誰かの講演会とか、イベントごとがあったり、現在は、こんな映画の上映会をしています!というような広告を見かけることはあっても、なんとなく、あまり、普段、足をのばす地域でもなかったり、なんとなく、億劫で、一度も行ったことがなかったのです。

 先日、フランス人の知人と話していて、一度くらい行ってみたら?などと、フランス人から薦められて、「じゃあ、ちょっと覗いてみるか・・」と、半分はしぶしぶ出かけてみたのです。

 メトロの駅からも近く、場所は、エッフェル塔の近くで、パリらしい景色が広がるなかなかな好立地。

 日本文化会館の建物は、パリらしい感じの建物(いわゆる旧建)ではありませんが、近代的でなかなか立派な建物で、しかも、けっこうな大きさです。

 入口にはセキュリティチェックがあり、荷物をチェックされます。全体的にゆったりとスペースがとってあり、地上階には、日本の物産品店のようなお店があります。

 もっと、おざなりな感じのものしかおいていないかと思いきや、ちょっと、そこらの日本食材店ではおいていないような高級そうなお醤油やお味噌やお酒、こんなのあるんだ?と思うようなお菓子や、なぜかパン粉までありました。



 お皿や丼、お茶碗からお箸、箸置きなどの食器類なども小洒落た感じのもので、和紙のマスキングテープなどもなかなかセンスがよい品揃え・・意外にも、買い物できそうなものも揃っていて(失礼!)、日本人にも、また、日本のものが好きなフランス人にとっても、悪くない感じです。



 同じ地上階の反対側に赤文字で「虎」の文字が見えたので、和菓子の虎屋さんが入っているのかと思ったら、うどんの「国虎屋」さんでした。(うどんはないけど、おにぎりなどが売っています)

 私が訪れた日は、夕方から日本酒の試飲会のようなものがあるということでしたが、来週には生け花のイベントがあるとのこと。

 そして、上階には、図書館があり、これがなかなか充実していて、多くの本の中には、マンガなどもけっこう揃っていて(日本語のものとフランス語訳のものとが混ざっている)、オーディオスペースでは、たくさんの映画のDVDが揃っていて、無料で視聴できるようになっていて、また、webスペースでは自分のパソコンを持ち込み、勉強、作業ができるようになっています。



 パリの中にありながらも日本らしい空間で、整然としていて、清潔で、安心な感じのスペースで、ところどころには、日本以上に日本らしい小物などがおかれていて、日本人としては、なかなか心地よい場所です。




 また、ロケーションがよいために、上階に上がると、建物の中からは、パリらしい光景が見渡せて、なかなか大きなエッフェル塔がその景色に入ってくるところも嬉しいです。

 わざわざ旅行者が訪れる場所ではないかもしれませんが、在仏の日本人にとっては、結構、活用できる場所かもしれません。


パリ日本文化会館

101 bis Quai Jacques Chirac 75015 Paris


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2023年10月5日木曜日

海外生活をしていると年齢の自覚が希薄になるかもしれない

  


 それなりに年齢を重ねてきて、特に子供の年齢などを考えれば、着実に歳をとっているにもかかわらず、どうしても私には、自分の年齢の自覚が希薄な気がしています。

 最近になって、いつの間にか、体力が低下してきて、以前のようなつもりで動いていると、決まって、後になってから、疲れがどっと出たり、体調を崩したりすることで、ようやく、自分の年齢を自覚させられることになるのですが、よく言えば気持ちが若いと言えないこともありませんが、年齢に対する自己認識が甘く、自覚が足りないということになります。

 そもそも、海外で生活していると、どうしても日本人は実年齢よりも若く見られるということもあるし、服装などに関しても、おそらく、日本人のような周囲からの目というものも違って、けっこうな年齢の人がかなり華やかな洋服やアクセサリーをしていたりするのもふつうなので、私もそんな中にいると、歳をとったからといって、特に服装が変わったりということもなく、唯一、気を配っているとしたら、人に不快感を与えないようにしようということぐらいでしょうか?

 つまり、客観的に自分がどう見えているのかをあまり意識していないというか、自分が心地よく感じる服装をしているのですが、そんな無自覚な私でも、時々、自分でもビックリするのが、全く知らない、けっこうなおじさんの外見の人を見て、実はその人の年齢が自分よりも、ずっと若かったりするのを耳にすると、「え??もしかして、この人、私よりも年下??・・ということは、私って、もしかしたら、すごい年齢なのかも・・?」などと気が付いて、愕然とさせられることがあります。

 それでも、男女問わずに、知らない人から声をかけられることも多いし、こんなおばさんになっても、男性は、女性を女性として扱ってくれる感じがあるので、なんとなく、自分の年齢を自覚しにくいというのは、言い訳でしょうか?

 いずれにしても、何もせずにいたら、体力は衰える一方で、体力を維持していくだけでも努力が必要で、その努力でさえも、頑張り過ぎると逆に体調を崩すという情けない状態。今週は3キロは泳いだ!などと自己満足に浸っていると、途端に体調を崩して、しばらく、動けなくなるという、まさに1歩進んで2歩下がる感じ。

 私は、若い頃に、わりと、スポーツをよくしていた方で、昔は、「体力だけは自信があります!」などと言っていたのに、その自信もなくしつつあります。

 「日本に住んでいたら、私はどんな生活をしているのだろうか?」とか、「私はどんな感じだったんだろうか?」などと、考えても仕方ないようなことを時には思ったりするのですが、そんな私に娘からはキツい一言。

 「ママは日本だったら、まだまだ若者・・日本なら、ママよりも年上の人がいっぱいだよ!」と。たしかに・・日本に行くと高齢者ばっかりだもんな・・と思います。


年齢の自覚


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2023年10月4日水曜日

日本のユニクロの折り込みチラシはちょっと衝撃的だった・・

  


 フランスにユニクロができてから、もう15年近くなります。もちろん、私がフランスに来る前から、ユニクロのことは知っていましたが、当時、ユニクロは、そこまでメジャーな存在でもなく、どちらかというと、私は株式の方で記憶に残っているくらいで、当時、ユニクロの会社(ファーストリテイリング)は、店頭公開株で、「これって、ユニクロの会社なんだって!」と会社で聞き及んだ覚えがあるくらいで、妙な記憶の残り方でした。

 もちろん、その存在は知っていても、日本に住んでいた頃はユニクロで買い物をしたことはなく、その後、ヒートテックなどが登場したりした後に、日本に帰国時に買いものに行ったりしたこともありました。

 そのうち、パリにもあちこちにユニクロが増え始め、ユニクロの商品もほぼ、パリで調達できるようになったため、日本に行った際にユニクロを覗いてみることもなくなっていました。

 国が違うのですから、商品構成が違うことは、わかっていましたが、昨日、たまたまTwitter(X)で流れてきたユニクロの広告(今週の折り込みチラシ)というのを見かけて、ハッキリ言って、かなり衝撃的でした。思わず、「うそ!これユニクロ?」と目を大きく見開いてしまったほどです。


 今や、日本では、折り込み広告というものが、どのくらい拡散されているのかわかりませんが、まあ、折り込み広告というものだから、このようなレイアウトになるのかもしれませんが、これでは、まるでスーパーマーケットの折り込み広告と大して変わらないイメージで、パリにあるユニクロのイメージとは、あまりにかけ離れています。

 チラシそのものに関しては、パリでも昔は、ポストに放り込まれていたものも、ペーパーレスで、今や、ほぼ姿を消しています。

 チラシをよくよく見てみれば、商品構成もかなり違うこともあるし、金額もわかりやすく、だいたい安いし、種類も多く、思わず、欲しくなってしまいそうなものもあるのですが、このユニクロのイメージがあまりにパリとは違うことにかなりビックリしたのです。

 パリでは、お店はかなり整然としていて、おしゃれで、そこまで高級品扱いではありませんが、かなり、シンプルでベーシックな商品にしては、ちょっとお高め・・だけど、確実に高品質・・というイメージを持たれている感じで、この日本の折り込みチラシのイメージとはかけ離れています。

 ユニクロの広告は、雑誌などにも載っているし、駅などで見かけることもありますが、まるで、違うメーカーのものみたいなイメージです。

 これは、ユニクロの戦略なのでしょうが、これだけフランスでも存在感を増したということは、フランスでのアピールの仕方は、大成功だったと思われます。

 どっちがどうというわけではありませんが、国によって、こんなにアピールの仕方を変えているユニクロに、あらためて、おそるべし・・と思ったのでした。


ユニクロ 折り込みチラシ ユニクロフランス


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