2023年8月8日火曜日

最初は不思議だったヨーロッパの人々の公園の楽しみ方が少しわかってきた気がする リュクサンブール公園

  


 私が最初に海外で生活したのは、ロンドンで、その頃は、私も若く、日本では、東京生まれの東京育ち、日本の他の地域に住んだこともなくて、初めて親元を出た経験でもありました。言葉の違い、文化の違いなどに触れ、見るものすべてが驚きの連続でした。

 最初は、街の中を見て歩いたり、人々の様子を観察したりして、慣れない英語での生活にドキドキしながら、知っているはずだった英語をいちいちイギリス英語に直されたりするたびに、直すぐらいだったら、意味はわかっているんだから、いいじゃん!などとバカなことを思ったりしていました。

 ロンドンは(パリもだけど・・)、東京に比べるとずいぶんとコンパクトな街で、最初は地下鉄を使って、そのうち、バスで動けるようになると、街の色々なところを自由自在に楽しむことができるようになりました。

 ロンドンには、けっこう街中に大きな公園がありますが、その公園に行ったりすると、そこにいる人たちが、公園で寝転んだり、本を読んだり、ピクニックをしたりしている様子がとても楽しそうで、彼らはとてもシンプルに生活を楽しむんだなということが、なんだか、とても衝撃的でした。

 それは、パリに来ても同じことで、最初は、彼らはなんで、わざわざ、こんなところで本を読んでいるんだろう?とか、なんで、こんなところにきて、何もせずにただ座って、喋っているんだろう?とか、思いました。喋りもせずにただ一人で座っている・・なんていう人もいます。

 パリに来て、長い間、私は、公園どころではなく、仕事と子育てに追われて、公園でゆっくりするなんていう時間的な余裕もまったくなく、仕事が休みの日は、子供のお稽古事の送り迎えや買い物やウィークデーにはできない家事などで忙殺され、バカンスには、パリ以外のところに行ってしまうので、パリの街中、しかも公園を楽しむなどということはありませんでした。

 ここのところ、子育ても終わり、時間にも余裕ができて、健康のためにできるだけ歩かなければ・・などと思い始めると、どうせ、歩くなら、少しでもきれいな場所、気持ち良い場所が良いな・・と思い、たまに、パリ市内のきれいな公園(庭園)に行くようになりました。

 最近、行くようになったのは、パリ6区にあるリュクサンブール公園で、フランス人がヨーロッパで最も美しい庭園と誇る巨大な公園で、入口だけでも10ヶ所あります。


 季節ごとの花は美しく、フレンチな感じとイギリスの感じが混在する庭園と言われており、敷地は、公開されているだけでも部分だけでも 21.75haもあり、敷地内には、庭園はもちろんのこと、宮殿、美術館からテニスコート、バスケットコートや子供が遊べる公園や砂場、回転木馬、マリオネットの劇場、野外音楽堂、ピンポン、チェスなどを楽しめる場所、小洒落たカフェ、有名なメディチ家の噴水、庭園内には、102点の彫像が散りばめられ、それが、上手く調和して、存在しています。






 けっこう、ヨーロッパからの観光客も多く(子供連れも多い)、2022年には、年間来場者数620万人を記録しているそうです。

 わざわざパリまで来て、ここで、質素な食事でピクニック? わざわざ、こんな庭園に来て、読書?などと思わないでもありませんが、心地よい場所を選んで好きなことをしていると思えば、それはそれで、というか、それだけで、心にゆとりがあるような気もするのです。

ドイツからの観光客 パンや卵、フルーツなどを分け合いながら食べている


 彼らは太陽が大好きということもありますが、同じ本を読むならば、食事をするならば、屋外の景色のよい心地よい場所でというのは、たしかに、気分が良いことに違いありません。彼らは公園が大好き。若者でも、簡単な食事やお菓子を持って、おしゃべりしたり、カードゲームをしたり、すごくシンプルに遊んでいます。たしかに、狭い家の中で、ごそごそやっているよりも外に出て、緑や太陽に触れながら、遊ぶ方が健康的たし、心地よいに決まっています。

 しかし、私は若い頃には、そんな遊び方をする発想は皆無だったので、そんな光景もけっこう衝撃でした。

 また、観光客の場合、限られた日数の旅程で、あそこの美術館にも行きたい、あそこで買い物もしたいと忙しく動き回りそうになるところをゆったりとした時間を美しい庭園で好きなようにゆったりと時間を過ごすというのも、いいな・・と最近の私は、思うようになりました。

 リュクサンブール公園には、4,517の椅子(ベンチ)があるといわれていますが、今の季節、平日の昼間でも、椅子は、ほぼ満席?です。広い庭園の中をそんな人々の様子を眺めつつ、美しい花や彫像などを楽しみながら散歩するのは、なかなか退屈しません。

 せっかくパリにいるのですから、今度は、私も、歩くだけではなく、本を持って、ゆっくりと時間を過ごしてみようかと思っています。


リュクサンブール公園


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2023年8月7日月曜日

日光でのフランス人女性行方不明事件について

  


 昨日、夜8時のニュースを見ていて、私はちょっとびっくりしました。事件は、2018年に日本で行方不明になったフランス人女性についての話でしたが、それが、たまたま、つい先日、日本の犯罪ジャーナリストの人が運営しているYouTubeで見たばかりの話だったからです。

 見たばかりとはいえ、事件そのものは、2018年の7月に起こっている話で、日本を旅行中だったフランス人女性が日光に滞在中、2泊の予定で宿泊施設を予約しており、2日目の朝(つまり、まだもう1泊する予定だった)10時頃、ふらっとホテルを出たまま行方不明になってしまったにもかかわらず、それ以来、彼女の行方がわからなくなってしまったという謎めいた話です。

 日光といえば、日本でも有数の観光地、観光客の多いところで外国人観光客も少なくありません。彼女は、当時の朝、軽装で出かけており、部屋にもスーツケース、パスポート、観光プログラムなど、彼女の荷物は、そのままになっていて、失踪したと思われる気配もなく、朝食の場で、居合わせたドイツ人観光客と会話をしていたのが目撃されているそうですが、その後、彼女の目撃情報はほとんど見つからず、初動捜査にあたった栃木県警も、当初はあまり事件性を疑っていなかったために、本格的な捜査にかかるのが遅れ、観光地ゆえ、もしも目撃していた人がいたとしても、彼らは土地の人ではないために彼女の足取りを掴むことが困難になってしまったらしいのです。

 彼女の家族は、充分な捜査がなされない日本の警察に業を煮やし、フランスにて助けを求めました。その結果、フランス当局が同年秋に司法捜査を開始し、2019年5月にフランスの捜査官が日本を訪れ、日本当局の支援を受けて、現地調査が行われましたが、捜査は行き詰まり、2022年7月に捜査は中断されることになりました。

 また、悪いことに、途中、パンデミックがはさまり、日本は鎖国状態になり、外国人の入国は認められなくなり、彼女の家族が日本へ彼女を探しに行くこともできなくなったことにも、彼らは憤慨しています。

 彼女の家族は、捜査が打ち切られることが納得いかず、嘆願書に2万3千人以上の署名を集め、マクロン大統領に何度も手紙を書き、エリゼ宮を3度も訪れ、ついには、本まで出版して彼女を探し続けています。

 ついには、外務省を通じて、彼女の捜査は今年6月に再開されることになったそうです。

 しかし、時間が経ってしまった今、非常に彼女の痕跡を探すことは難しく、特に彼女の家族曰く、「日本の警察は捜査にほとんどリソースを割かなかったため、目撃者は無視され、犯罪痕跡は真剣に捜査されなかったことを非難しています。

 私がたまたま見かけたYouTubeは、今月初旬に配信されたもので、この犯罪ジャーナリストの方は、事件の概要を説明するとともに、日本の県警ごとの捜査の問題点なども指摘しています。

 この事件の印象から、「日本は犯罪が少ないのではなく、犯罪と認定していないだけなのでは?」などという質問に、特に地方の県警は、このような捜査に慣れておらず、おそらく、最初の段階で事件性を感じなかったのだろうと答えています。

 なるほど、考えてみれば、フランスではだれかが行方不明になったという通報などがあった場合は、ものすごい人数の憲兵隊などが捜索にあたり、「この人を見かけませんでしたか?」などと目撃証言を募るニュースが全国規模で報道されているのを見かけます。行方不明になった人の国籍は関係ありません。

 そして、私がたまたまフランスのニュースでこの件が報道されていたのに驚いたのは、このYouTubeの中で、この犯罪ジャーナリストの人が、最後に、「この件は、もっとフランスでも騒ぐべき!フランスのテレビとかで、日本の警察は世界一だとか言ってるけど、全然、そうじゃない、日本人は外国人がいなくなったら、ちゃんと捜査してくれないの?と騒ぐべき!」と言っていて、彼のアドバイスどおりに、さっそくテレビで報道されていたことです。

 このYouTubeが撮影されたのがいつだったのかはわかりませんが、それにしても、このフランス人ジャーナリストがこの事件に関するテープをテレビ局に持ち込んで、夜20時からの最も国民がニュースを見ると言われている時間帯の冒頭の5分ほどを使って、しっかり、そのニュースが流されたということです。

 たまたま、その日は、他に大きなニュースがなかったためでもあったのでしょうが、その日のニュースなんて、ギリギリになるまでわからないもので、もしも、隙間の時間があったら、これを報道してほしいと持ち込んでいて、テレビ局もそれを受け入れたに違いありません。

 とはいえ、もう事件が起こってから、5年も経ってしまっているものの、今後も日本が観光に力を入れていきたいのであれば、「外国人に対しては、行方不明になっても、ロクな捜査もしてもらえない!」なんて評判にならないように、とりあえずは、この事件に関して、しっかりかたをつけてもらいたいものです。

 これだけの署名を集めて、本まで出版して彼女を探しているこの家族やフランスのマスコミを舐めてはいけません。


日光フランス人女性行方不明事件


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2023年8月6日日曜日

ちょっとビビった心臓のMRI検査

  


 海外で生活していて、病気になることは、なかなか不安な思いをすることの一つでもあります。

 ここのところ、たしかに年齢のせいもあるとは思うのですが、ちょっとした検査の結果、あっちもこっちも、要注意、再検査が続き、老人なみ?(失礼)に、検査や医者通いを続けるハメになっています。

 ふつうの血液検査等は、いつでも予約なしにできるのですが、それ以外の検査や専門医となると、予約を入れても、いちいち2~3ヶ月待ちとかになるので、かれこれ、最初の検査を始めてから、もう半年以上が経過していることになります。

 そもそもは、かかりつけのお医者さんに「しばらく心臓専門医にかかっていないから、そろそろチェックしてもらいに行った方がいいわよ・・」と言われて、心臓専門医にかかるための血液検査をしたことが最初で、その結果、他の臓器にも少々、問題がありと言われて、また別の検査に行って、ようやく心臓専門医にかかったら、ちょっと、ここではできないコロスキャナーなる心臓のMRIの検査をした方がいいと言われ、電話で予約をとろうとしたら、書いてもらわなければならない書類もあるし、渡さなければならない書類もあるので、一度来てくださいと言われて、予約を取りに行って予約をとるも、それからまたさらに約2ヶ月待ち。

 おまけに、心臓の検査のための血液検査を検査の2週間前にして、必要な薬品を薬局で買ってきてくださいと処方箋をもらっていました。フランスでは、予防接種などの時にもよくあることですが、(さすがにコロナウィルスのときは別でしたが・・)、医者で処方箋をもらって、薬局でワクチンを買って、そのワクチンを持って医者に行って注射してもらうというようなことがふつうで、検査とて、あまり一般的な検査ではない場合だったりすれば、その検査に必要な薬品は自分で持参して検査してもらうということもありなんだろうな・・と思っていました。

 そもそも、フランス語は母国語でもなし、たとえ日本語であっても、そんな心臓の話をされたとて、どの程度、わかるだろうか?と不安でもあったのですが、検査の結果は書面などでもらえるし、かかりつけのお医者さんが、検査の結果が出たら、説明してあげるから・・と言ってくれていたので、もうまな板の上の鯉状態。仕方ない・・と思っていました。

 あらかじめ、薬局に行って、これは、急に買いに来てもすぐに手に入るものなのかを聞いてみると、いつもあるとは限らないから、3日前くらいには来てくれた方がいいと言われ、3日前になって、その薬品を買いに行くと、想像以上に大きな薬品の箱で、なかなかビビりました。

 なんだか、あまり詳しく調べたりすると、さらに恐怖が増すので敢えてあまり調べずに行くと、どうやら、私が持って行った薬品は、造影剤だったようで、スキャナーと聞いて、単純なエコーのようなものを想像していた私は、それがMRIであったことが当日わかって、びっくり。

 ただ、血液検査の内容が腎臓に関する検査であったのは、なぜだろうか?心臓の検査なのに・・?とだけ思っていました。

 造影剤を点滴しながら、「検査の途中、喉のあたりから、じわ~っと熱く感じてきますが、心配しないでください」と言われ、本当に喉のあたりからじんわりと熱くなってきた時には、感じたことのない、なんともいえない気持ち悪い感じでしたが、その間も、息を止めてください、ハイ、また息をして・・がしばらく続き、実際の時間はそんなにかかっていなかったとは思いますが、すごく長い時間に感じました。

 あとから調べたのですが、事前の血液検査は、この造影剤が腎臓に問題がある場合は、検査後に自ら排出できないために使用できないらしく、そのための検査であったようです。

 MRI検査の結果はその日のうちにもらえるということだったので、その場で30~40分くらい待たされたでしょうか?お医者さんに呼ばれて、「深刻な問題は現在のところはありませんでしたので、極度のストレスがかかることや、血圧があがらないように注意してください」ということで、また、心臓専門医に持っていくための画像やDVD映像をもらってきました。

 そもそも、なんの自覚症状があったわけではなかったのですが、母や祖父も心臓系の疾患で亡くなっているため、心臓病は遺伝の可能性も高いと言われていたために、常に不安でもあるのですが、とりあえずは、まあよし・・ということで、大いにホッとして、検査のために、前夜から食事もせずに、夜中にお腹がすいてあまり眠れなかったうえに早起きして検査に来たこともあって、ガックリ疲れて帰ってきました。

 画像や映像のの結果とは別に、診断書は、数時間後に「mon espace sante」という私の保険証?というか、私の健康状態の経歴がファイルされているサイトに送られてきました。

 これで、また、心臓専門医の予約をとらなければいけないのですが、とりあえずの結果を添付して、再び診療が必要な場合は連絡くださいとメールを送りました。

 ところが、その日は、一日中、身体がだるく、熱を出し、めっきり調子が悪く、まさか、あの点滴のせい?と思いましたが、翌日、かかりつけのお医者さんに行くと、喉が少々赤いから、風邪でしょう・・と言われて、なんだ、病院に行って、風邪もらってきた・・とガックリ。

 しかし、これで、ひとまず、年明けから始まった私の検査通いは、一段落のはず。身体によい検査も薬もないと言いますが、全くそのとおりです。

 娘が成人するまでは、何が何でも死ぬわけにはいかないと思いながらも、実際に具合が悪くなっても、今、医者にかかったら、入院しなければならないかもしれないから、娘を家に1人にはできないので、医者にもかかれない・・と思っていました。

 娘が成人してからは、もうこれでいつ死んでもいいといいつつ、検査をすれば、ひっかかって、少しでも身体が楽になる方法があれば・・などといじましいことを考え始めるという潔わるさが頭をかすめます。

 しかし、現状では、深刻な病状ではないにせよ、いつか、そんな結果が出たときに、少しは肝の据わった決断ができるようでありたいと自分に言い聞かせるのでした。


心臓MRI検査


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2023年8月5日土曜日

バイヨンヌのお祭りの悲劇 玄関前での立小便を注意した男性 殴り殺される

  


 事件はバイヨンヌ(フランス南西部・ヌーベルアキテーヌ地域圏)の年に一度の5日間にもわたる有名なお祭りの初日に起こりました。

 バイヨンヌはフランスでありながら、スペインのバスク地方とも近く、どこか異国の雰囲気のあるところでもあり、ジャンボン・バイヨンヌと呼ばれる生ハムやピーマン・デスプレットと呼ばれる独特の風味のある高級な唐辛子でも有名な場所です。

 あまりフランス国内の旅行はしてこなかった私も以前、ビアリッツに行ったときに、バイヨンヌや、アングレなどを車で回り、スペインまで足を延ばしたことがありました。

 年に1度行われるバイヨンヌのお祭りは、大勢の人が白いTシャツに赤いスカーフや赤いベルトを着けたり、赤い帽子をかぶって参加する、バスク色の強いもので、また、歴史的なお祭りとしても有名で、ユネスコの無形文化遺産にも登録されている伝統的なものでもあります。

 お祭り好きで、お祭りとなると、テンション爆上げになりがちなのは、おそらく全世界共通なものであるとはいえ、今回の事件は、また、限度を超えた悲惨な結果をもたらしてしまいました。

 このお祭りの初日、酒宴に盛り上がった若者3人が自宅の扉に向けて立小便をしているところを注意した46歳の男性がその中の一人に頭を殴られ、その後、病院に搬送され、9日間昏睡状態の末、死亡しました。自宅前で立小便をされれば、誰でも注意すると思われる、そんなことが原因で、殺されてしまったのですから、誰にでも起こりうることであると、この暴力的な若者の行為に憤慨しています。

 この3人の若者は、犠牲者を殴ったあと、すぐに逃走し、お祭りの赤と白の群衆に紛れてしまったために非常に捜査が難航しているようですが、バイヨンヌ検察によれば、主犯の男は身長180~185㎝の屈強な体格で黒い髪、20~25歳くらいで事件当時は、白か赤のショートパンツを履いて、上半身は裸だったと言われており、事件当日の近辺を撮影していた人の画像を送信するよう、または目撃情報を求めて呼び掛けています。

 犯人が着ていたショートパンツが赤か白かもはっきりしないほど、もう大勢の人が赤と白の服装をしているために、目撃情報も曖昧になってしまっているということです。



 つい、この間も、フランス北部の街で騒音被害を注意しに行った男性が若者たちに殴る蹴るの暴行を受けて死亡するという事件が起こったばかり。今度は騒音ではなく、立小便を注意されて・・という事件。

 立小便というのは、生理的な現象のゆえであるとはいえ、場所をわきまえることができない非常識を注意された挙句に逆ギレで、しかも、よりによって、頭を殴るという凶行に及ぶとは、もう迂闊に他人に注意することも憚られるご時世となっています。

 お祭りで興奮状態で、しかも、かなりの確率で酔っぱらっていたとは思われますが、楽しいはずのお祭りを台無しにしてしまう彼らは、計画的な犯行ではないにせよ、最近、逆ギレしやすい若者たちの存在が目立ってきています。

 また、このお祭りの期間、同地では、強姦被害の届けが少なくとも5件は出ているということで、伝統的なお祭りが多くの暴力行為の場となってしまうことは、とても悲しいことです。


バイヨンヌお祭り殺人事件


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2023年8月4日金曜日

パリ オルリー空港ターミナル4 システムダウンで大混乱

 


 パリのオルリー空港は、国際線も飛んではいますが、その多くはヨーロッパ圏内や、中近東、アフリカ、カリブ海方面へのフライトに限られているので、日本からフランスに入る場合には、あまり利用することはないかもしれません。

 しかし、オルリー空港はパリの空港としては、シャルルドゴール空港と並ぶ空港の一つであり、来年のオリンピックを前に整備が続いています。

 オルリー空港は、西ターミナル(オルリー1、2)、南ターミナル(オルリー4)に分かれており、新築された西と南を結ぶターミナルはオルリー3となっています。

 久しく、オルリー空港を利用することはなかったのですが、ついこの間、イタリアから帰ってきた飛行機がオルリー空港着だったので、久しぶりにオルリー空港の中を歩きました。

 以前、利用したのがいつだったか記憶にないくらいなのですが、とにかく、ものすごくきれいになっていて、「これ?ほんとにオルリー?」とビックリしたくらいです。

 現在は、バカンス期間の真っ只中、しかも、7月バカンス組と8月バカンス組とが入れ替わる、まさに、最も空港など、すべての交通機関がピーク状態になるタイミングで、今回は、オルリー空港・南ターミナル(オルリー4)で、荷物仕分けシステムの前代未聞の故障が起こったとのことで、8月3日の朝から、約40便におよぶ、1万人に影響を及ぼす、大混乱が発生し、一時、荷物のチェックインがストップし、多くの便が遅延し、中には、4時間遅れのうえに、結局は、荷物を積まないまま離陸してしまう飛行機まであり、オルリー4の前には山積みのスーツケースが積み上げられる事態となりました。

 この乗降客が多い時期に少しでも荷物が溜まり始めれば、雪だるま式に荷物は、積み上がっていくのは必須の事態。通常ならば、荷物は乗客と一緒に空港を去り、到着した荷物は、乗客と一緒に空港を出ていくことで、驚くほどの量の荷物が空港を通過していくわけで、それが滞ると大変なことになります。

 ちょうど、昨年の夏のシャルルドゴール空港のストライキ+システムダウンでは、記録的な大惨事となり、結局、3万5千個の荷物が紛失したと言われていますが、今回は、そこまでの規模の被害ではなく、何より、ストライキが加わっていないために、空港側もオレンジ色の帽子をかぶったトラブル対応のための案内をする職員を配置し、荷物は他のホールでのチェックインに切り替えたりして、トラブルを軽減したとしています。

 結局、同日の17時半過ぎには、システムは復興したと言われていますが、実は、同様の小規模のトラブルが3日前にもオルリー3でも起こっていたことが発覚しており、こんなことで、来年のオリンピックは本当に大丈夫なのだろうか?という声が上がっています。

 空港は国の玄関口にも等しい場所で、多くの国からの選手団、観客などを迎えるにあたって、空港でのトラブルは、国の印象に大きく関わる大切な場所でもあります。

 今回のトラブルで荷物を置き去りにして出発してしまった人、もしくは、荷物を受け取れなかった人には24時間以内には、荷物を届けると約束しているそうですが、果たして約束は守られるでしょうか?


パリ オルリー空港荷物システムダウン


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2023年8月3日木曜日

不良少年たちも本当は優しいんじゃないかと思う・・

  



 人を見かけで判断するのは、悪いとは思うのだけれど、いわゆる、パリやパリ近郊で見かけるちょっとヤバい感じの少年たち(いわゆる不良っぽい感じ)のファッション?はだいたい決まっている気がします。

 Nike(ナイキ)などのいわゆる、ちょっといい感じのスポーツメーカーのブランドのスニーカー?、靴を履いて、フード付きのパーカーかトレーナーに、携帯片手に、ホンモノか偽物か怪しいようなハイブランドものの小さなポーチというか、ポシェットのようなものを持っていたりしている子が多く、ちょっと、どこか不安を抱えている落ち着かない目というか、不安定なものが潜んでいる感じの顔つきで、この子たち、ヤバい感じかな?という少年たちには、どこか共通するところがある気がします。

 このところ、世間を賑わせていた暴動は比較的低年齢層が多く、暴動が終わってからも、なんとなく、この子たちも、あの中に混ざっていたのだろうか?と思ってしまうことがあります。

 しかし、最近、すごく暑くて参って、ヘロヘロしている時や、買い物の帰りに荷物が重くて、ちょっとへばりかけていたりする時に、彼らは、優しく、全然、知らない私に「Ça va ?(サ・ヴァ?)」(大丈夫?)と、声をかけてくれたり、席を譲ってくれたりすることが、ここのところ、何回か続けてあって、(それだけ、私も簡単にへばる老化というか体力の衰えを感じる今日この頃・・)、それがちょっと意外というか、「この子たち、心底腐っているわけではなくて、本当は優しい子たちなんだな・・」などと感じる機会に恵まれて?います。

 こう言っては失礼だし、偏見だと思うのですが、そういう感じの子が心配そうに声をかけてくれることが意外で、一瞬、「えっ?」とびっくりしつつ、「Ça va・・merci・・」(大丈夫です。ありがとう」と答えると、それでも、「ほんとに?大丈夫?」と心配そうにしてくれる様子がすごく印象に残るのです。

 こうして、心配されたりすると、少々、恥ずかしかったりもするし、また、こう言っては何なんですが、ちょっと見の印象と、子の優しさのギャップというかが余計、印象に残るのかもしれません。

 おそらく、多くのフランス人と一緒で、弱っている人や、弱い立場の人には、優しいのだと思いますが、それが、どうして、あんな騒ぎを起こしちゃったりするようになっちゃうんだろうか?と、なんか残念な気がします。本当は一人一人はきっと優しい子たちなのに・・。

 まあ、一人一人になると、ある程度はまともで、優しくても、そんな子たちがつるんだり、集団になると、また変わってしまうのかもしれませんが、なんだか、こういう子供たちもまるっきりどうにもならないわけではないんじゃないか?とそんな甘いことを感じたりもします。

 この少年たちの多くは、若気のいたりのようなところもあって、歳をとって、いいおじさんになっていけば、それなりに落ち着いていく人が大部分ではあると思うものの、心底、腐りきっていない部分が見えたりすると、それでも、どこかに救いがあるんじゃないかとも思います。

 そういえば、この間の暴動のきっかけになった警察官に射殺されてしまった男の子も、かなりやんちゃをしていて、警察にマークされたりしていた一方で、その子のおばあさんが、入院している時も「頻繁に連絡をくれたり、病院に来てくれたりしていて、とっても優しい子だった・・」とインタビューに答えていたのを思い出しました。

 なんとなく、この子ヤバいんじゃないか・・という偏見が私にもたしかにあるのですが、それを向こう側から、飛び越えて優しくしてくれたりすると、こちらの目が、心が曇っているのだろうか?などと、ちょっと思ってしまうこともあるのです。


パリの不良少年


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2023年8月2日水曜日

ルー・ド・ラぺのピアジェに白昼堂々、華麗なる強盗

  


 夏のバカンス真っ盛りのパリですが、なんとなく、人が減って、バカンス期間中の独特な雰囲気の今。しかし、観光地と言われるような場所は、けっこう賑わっています。

 パリの観光地といえば、シャンゼリゼやエッフェル塔、ノートルダム寺院やルーブル美術館など、数々の観光スポットがありますが、観光客が訪れる場所には、ショッピングの場、有名ブランドのお店が含まれています。

 パンデミックで海外からの観光客がほぼストップした時、飲食店だけは、最後までなかなか営業許可がおりませんでしたが、その他のお店は、営業を始めた頃、パリの中心部にクリスマスのイルミネーションを見に行ったことがありました。

 シャンゼリゼのイルミネーションはもちろんきれいなのですが、私は、すっきりと上品に飾られるヴァンドーム広場のイルミネーションが好きで、ヴァンドーム広場に行ったときのこと、ヴァンドーム広場はもちろんのこと、そのあたりは、高級宝飾品店が多く、ヴァンドーム広場に行き付くまでの道は歩道が結構、細い道もあったりして、普段ならば、けっこうな人で、人にぶつからずに歩くのが大変なくらいの人出でもあるのです。

 それが、その年は、スイスイ歩けて、余裕にショーウィンドーを眺められる感じで、ヴァンドーム広場の高級宝飾店などは、営業は始めたものの、お客さんはほとんどいなくて、手持無沙汰な感じの店員さんが、ただ、ウィンドー越しに見えているのが、気の毒な感じで、その時に、あらためて、「こういうお店のお客さんって、ほとんどが観光客だったんだ!」と気が付いたくらいでした。

 現在は、パリはパンデミック前の日常の状態にすっかり戻っており、ということは、この、夏のバカンス時期は、パリの住民はバカンスにでかけて減り、観光地は観光客で賑わっており、観光客狙いの犯罪が絶えない・・ということです。

 今回は、観光客狙いというよりは、バカンス時期で空いているパリでも観光客が比較的訪れるあたりにある、高級宝飾品店の一つであるPIAGET(ピアジェ)で起こりました。

 ピアジェの店舗はパリ市内に6店舗あり、ヴァンドーム広場にも1店舗ありますが、今回の事件が起こったのは、そこからも、さほど離れていないルー・ド・ラぺの店舗で起こりました。

 ヴァンドーム広場は、言わずと知れた高級品店が集まっているところですが、ルー・ド・ラぺもまた、高級宝飾品店が並ぶ通りでもあります。ここに白昼堂々、午後1時頃に3人組みの強盗が入りました。

 彼らはいかにも強盗といういで立ちではなく、2人の男性はスーツ姿、女性一人はドレスを着ていたとのことで、逆に、入店時にお店の人が不審に思わない服装とも言えます。彼らはカップルを装った二人組ともう一人が別々に入店し、その後、強盗に及んだと言われています。

 なんとなく、普段着で、気軽に入るのは、なんとなく、ちょっと気おくれしてしまいそうな感じのお店でもあるし、私など、用事も興味もあまりないので、入ったこともないのですが、このようなお店に強盗に入るとしたら、女性も使って、正装したカップルを装うなど、かなり用意周到な感じでもあります。

 ふつうの店舗とは違い、超高級品を扱う、そのあたりの店舗ですから、セキュリティもかなり厳重だし、店員は、強盗などが入った際には、一切、抵抗はしないように教育されています。

 犯人の一人が、武器を所持しており、店員を含めた店内にいた全員が、店の裏に地面に伏せるように命令され、あっという間に、約1,500万ユーロの商品を強奪して逃走したということです。

 今年の4月には、ヴァンドーム広場のブルガリに強盗が入っていますが、この時は、怪我人も出た模様でしたが、今回は、怪我人はなく、全員が無事だったそうです。

 むしろ、立地的にヴァンドーム広場は視界が広すぎて、逃走するのに目立ちそうですが、ルー・ド・ラぺならば、近辺の小路に入ってしまえば、逆に目立たずに逃走することができるのかもしれません。逃げていく様子が通りかかった人によって撮影されていますが、犯人は、走ったりせず、むしろ悠々と立ち去っていくという感じなところが、余計に怖い気もします。

 ここまでの高級品になると略奪したところで、一般の人には、品物をさばくのは容易なことではなく、組織的なギャングの犯行であると見られています。

 不謹慎ではありますが、スーツ姿にドレス姿の女性を同伴して登場し、誰も傷つけずに、あっという間に消えるように去っていくなど、なんだか映画のワンシーンのような気がしてしまいます。


パリ ピアジェに強盗


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