2022年7月31日日曜日

森林火災の放火犯は消防士だった!しかも、数年にわたる常習犯だった!

  


 夏になると森林火災が発生するのは、フランスに来てから、毎年のことで、日本では、あまり森林火災の被害をあまり聞いたことがなかったので、こんなに毎年毎年、山火事が起こることが私にとっては、不思議でもありました。

 特にここ数年、地球温暖化による猛暑が続き、異常に森林が乾燥していることも手伝って、一度、燃え始めた森林の火は、瞬く間に広がり、何万ヘクタールも焼けてしまうとか、消火に何日もかかるほどの大規模な火災に発展し、今年の夏などは、テレビのニュースなどでは、いつもどこかの森が燃えている映像が流れ続けていました。

 こんなに度重なる森林火災も、まさに火のないところに煙は立たないわけで、自然に発生することはなく、キャンプの火の不始末や放火が原因であろうと言われていました。

 それが、今年、何件も発生している森林火災のうちの一つ、エロー県(オクシタニー地域圏・モンペリエの近く)で発生した森林火災の放火犯が逮捕され、それが、こともあろうに消防士であったという事実を聞いて、驚いています。

 森林火災後の捜査により、この付近での森林火災での複数の火事の発端で、彼の車が目撃されており、嫌疑がかけられた結果、この37歳の消防士が犯行を自供したということです。彼は20年間も森林消防隊員として勤務していた人です。火を消すはずの人が火をつけていたのですから、もう呆然です。

 彼は犯行の動機を、消火活動を引き起こし、人々から賞賛されたかった(社会的認知を得たかった)・・、抑圧的な家庭環境から逃れ、火災から誘発されるアドレナリン欲しさ、つまり、火が燃えるのを見て、興奮を味わい現実逃避したかったためだったと話しています。

 彼の犯行には、多くの同僚が彼に対する嫌悪感と裏切りを感じていると話しています。それはあたりまえです。命の危険を冒して仕事しているのに、自分達の仲間だと思っていた人が犯人だったなんて・・。

 驚くことに彼は、今年は、短い期間に2回も放火しており、過去3年間に何度も放火したことを認めています。つまり、常習犯だったわけです。

 火が燃える光景は、時に人の心を癒すなどともいわれ、人間の本能にも通ずるところがあり、YouTubeなどでも、「よく眠れる夜通し焚き火」などの映像があったりしますし、キャンプファイヤーなど、みんなで火を囲んで集ったりすることもあります。

 しかし、普通は人に迷惑をかけない範囲内でのことで、ましてや彼の仕事は消防士。当然、火が燃えている場面を目にする仕事ですが、それを故意に起こすことなど決してあってはならないことです。

 フランスでは、デモや暴動などが起こって、何かあるとすぐにゴミ箱が燃やされたり、車が燃やされたり、時には銀行などが燃やされたりすることもあり、火をつける、放火行為はそれほど珍しいことではありません。

 しかし、彼の場合はその火を消すという仕事の消防士、自分で火をつけて、その火を消して賞賛を受けようとする自作自演?は、普通の放火とはまた、別格の問題、極めて悪質です。

 今回の事件は、消防士の採用方法への問題も投げかけています。消防士の採用にあたっては、身体的・精神的な健康診断があり、採用後も年1回の健康診断の受診も義務付けられています。

 彼のように、賞賛を得たいため、火を見て興奮したいために火をつけるという状態は、常軌を逸していますが、彼のような精神状態を健康診断で見抜くことは非常に困難なことです。普通、消防士にそのような欲望があったとしても検査にはそんな欲望は隠して検査に臨みますから・・。

 全国消防連盟は採用時にすべての犯罪記録の閲覧を求めているとしていますが、彼が放火を始めたとしているのは、消防士になって、10年以上経過してからのことです。

 検察庁は、彼の身柄を拘束し、「人を身体的危害にさらす可能性の高い状況で、他人の所有する森林、湿原、低木林または植林地を破壊した」ことについて司法調査を開始しました。

 これらの行為は、15年の禁固刑と15万ユーロの罰金に処せられます。



森林火災放火犯 消防士


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2022年7月30日土曜日

パリ8区の高級レストラン人種差別問題で大炎上

  


 パリ8区のアヴェニューモンテーニュ(高級ブティックが並ぶ有名な通り)にある高級レストランで3人の若い女性が、予約していたにもかかわらず入店を拒否され、人種差別であると訴えて、その模様をTikTokに投稿したことから、この映像は、あっという間に65万回再生され、大炎上し、ついには、出身、民族、国籍に基づく差別で検察庁の捜査が入る大騒動に発展しました。

 この騒動は、ペルーのカクテルと料理のレストランで、レストランの警備員とパリを訪れたモントリオールからの客3人が口論になったことに端を発しています。そのうちの1人がTikTokに投稿した動画には、レストランの入り口で警備員と口論している様子が映っています。

 警備員は、彼女らの服装が「ソワレに適さない」といって、中に入れるのを拒否しています。若い女性3人は、ハイヒールを履いています。彼女らによると、警備員が肌の色を理由に入店を阻んだと訴えていて、ビデオには、服装に関係なく問題なく施設に入ることができた他の白人も映っており、別の黒人カップルはカナダ人の友人3人と同じ理由で入店を拒否されています。

 これが現実だ・・と映像の中で彼女らの一人が叫び、「これが私の初めての人種差別の経験だ」と付け加えています。

 彼女らのSNSでの訴えが異常な拡がりを見せたため、このレストラングループはInstagramとFacebookで謝罪。「私たちは、すべての人に平等、尊敬、寛容、博愛を持って接しております。このようなことが起こったことには、私たちもまた、ショックを受け、この応対をしたサービス会社に雇われた警備員によるこの行為を逆に非難。

「私たちが彼に依頼したのは、泥酔者や薬物を摂取した人の入店を拒否することだけだった」と逆に凶弾し、この応対にあたった警備員を解雇したことを発表しました。

 しかし、この謝罪のコメントには、再び否定的なコメントが殺到し、結局、削除せざるを得ない状況に陥りました。また、解雇された警備員もまた、黙ってはおらず、テレビの取材に答える形で、「自分は上司から、グループの方針に従って、多くのアフリカ人、多くの北アフリカ人を入れてはいけない」と指示されたと語っています。

 これに対してレストラン側も「そのような事実に関する注意喚起が行われたことは一度もなく、情報伝達の不備があった可能性があることをお断りしておきます。」と反論していますが、どちらにしても、映像としての証拠が記録されていることから、誰の判断による入店拒否にせよ、差別が存在することは事実なのです。

 このような騒ぎはこれが初めてのことでもなく、以前に、同じくパリ8区のレストランで、「アラブ系の名前」や「中東から来る観光客(対象国はカタール、アラブ首長国連邦、バーレーン、サウジアラビア)」の予約を拒否し、「アラブとベールの女性」を排除した差別的システムを構築していた」ことが告発されたことがありました。

 その度に、同じような問答が繰り返され、レストラン側はとかげのしっぽ切りをして、言い訳をして、人権擁護団体などが騒ぎ出すのですが、残念ながら、フランスの人種差別問題は根深く、止むことはないのです。

 それが、高級レストランであればあるほど、その傾向は著しいような気もします。

 日本人(アジア人)とて、決して差別されないわけでもなく、入店拒否とまではいかないまでも、末席に配置されがちだという話などもよく聞く話です。

 めげずに、あっちの席にしてほしい・・とか、率直に言えば、解消されることも多々あるので、黙って我慢せずにしっかり意思を伝えるか、予約の際に席の場所を指定などして、できるだけ嫌な思いをしないようにすることもできます。

 いずれにせよ、黙って我慢するということは、フランスではやるべきではないのです。


パリ8区高級レストラン人種差別問題


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2022年7月29日金曜日

ひまわりオイルの次はマスタードがない! フランスのマスタード不足

  


 

 ウクライナでの戦争が始まって、そろそろ半年近くなります。物価がどんどん上昇したり、スーパーマーケットの棚からひまわりオイルに始まって、あらゆる食用オイルが消えたり、出てきたと思ったら、値段が急上昇しているにもかかわらず、飛ぶように売れたりと、今まで見たことのなかった現象が起こっています。

 ここ数ヶ月の間、スーパーマーケットに買い物に行くと、マスタードの棚がガラガラになっていることがあって、最初は、「え??出し忘れてる??」(フランスの場合、そういうこともあり得る)と思ったものの、しばらくすると、また、置いてあるけれど、今度はスカスカで・・、次に行くと「えっ??また、ないの?」ということが続いて、ようやく、今、フランスではマスタードが不足していることに気がついたら、「マスタード不足」という報道が始まって、これからさらに買い占めが始まるのでは・・と案じています。

 フランスで美味しい食べ物といえば、バターやチーズ、生クリームなどの乳製品やパンやお菓子などを思い浮かべる人が多いと思いますが、私がフランスに来て以来、目覚めた食品の一つは、マスタードでもあります。

 色々なマスタードを試してみると、マスタードというものは、それぞれに香りといい、味わいといい、なかなか奥深く、美味しいマスタードに出会うとちょっとテンションがあがります。

 とはいえ、私自身は、普段、家で食事をしている限り、和食あるいは、日本の食卓に近い食事に偏りがちなこともあり、それほどマスタードを使うわけではないのですが、フランス人の夫などは、かなりマスタードを消費します。

 とにかくステーキなどにはもちろんのこと、茹で野菜などにマヨネーズの代わり?と思うくらいにつけて食べ、食後もいじましく、マスタードを舐めたりするのに最初はびっくりしたくらいでした。(なぜか、彼はマヨネーズを身体に悪い食品として、目の敵のように思っているので、マヨネーズも好きな私としては、ちょっとムッとするくらいでした)

 しかし、やはり、食べつけてみると、マスタードというものは、なかなか味わい深いものでもあり、習慣化すると、欠かせない食品でもあります。

 おそらく、フランス人にとって、マスタードは日本人にとってのお味噌とかお醤油のような存在で、普通にそのまま何かにつけて食べる以外にもサラダのドレッシングに使ったり、フランス料理のソースにも結構、使ったりするので、一般のフランス人家庭は相当量のマスタードを消費していると思われます。

 スーパーマーケットに行っても、マスタードの棚は種類がいっぱいで、どれだけフランス人がマスタードを使用しているかが垣間みることができます。考えてみれば、スーパーマーケットにおける場所の割き方をみれば、日本に比べてどれだけ違う食品群に場所を割いているのかで、フランス人の食べ物の傾向がわかります。

 このマスタードもそうなのですが、バター、チーズ、ヨーグルトなどの乳製品の多さにも驚きますが、チョコレートの多さもまた、驚くほどです。

 今回のマスタード不足の原因は、マスタードシードの不足によるもので、フランスのマスタードはフレンチマスタードといいながら、マスタードシードの9割はウクライナとカナダからの輸入品なのだそうで、ウクライナからのものが入らないばかりでなく、カナダからのマスタードシード(フランスのマスタードの8割がカナダ産のマスタードシードを使用)も昨年のカナダでの干ばつの影響で輸入がストップしてしまったことによるものなのだそうです。

 パリ・マドレーヌにあるフランスを代表するマスタード「アモラ・マイユ社」のメゾン・マイユでは、数量限定販売が始まっており、「1家族につき1瓶のみの販売とさせていただきます」と書かれており、日替わり銘柄はすぐに完売状態。無いとなると買っておきたくなる消費者心理も後押ししているのかもしれません。

 フランス国内では圧倒的に生産量が多いブルゴーニュ地方では、近年停滞していたマスタードシードの生産農家はこの作物を放棄し、より収益性の高い作物への切り替えを余儀なくされていたものの、一転して、このマスタードシードが金を生む産物に代わり、増産体制に切り替えています。

 輸入に頼ることができなくなった小麦やひまわりや菜種などの生産を増加させたのと同時に、また、マスタードシードもフランス国内での生産を増加させる方向に切り替わっています。

 フランスは食料自給率がかなり高い国だと聞いていましたが、それでも、こうやって、食料不足の問題は起こってくるのです。

 パンデミックや戦争などが起こって、流通がままならなくなり、頼るは自国生産、自分たちの食べるものは自分たちで作るということになるのは、どこの国も同じです。本来ならば、気候や得意分野に応じて、世界で協力し合えることが望ましいのでしょうが、この不安定な情勢では、自国自衛は食糧においても同じなのです。


フランスのマスタード不足


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2022年7月28日木曜日

パリ13区にサル痘専門ワクチンセンターオープン

  


 コロナウィルスも収束しないうちに「サル痘」なるあまり聞きなれない病気が騒がれ出したのは、今年5月のことでした。なぜだか、コロナウィルス同様、またヨーロッパを中心に感染が拡大し始めたというニュースに、なんでまたヨーロッパ??と正直、うんざりしていました。

 その後、コロナウィルスの感染が再び急上昇し始め、第7波はいつピークを迎えるのか?などと言っている間に、「サル痘」の方も着実に拡大していたようで、WHO(世界保健機構)は先週末、サル痘に対する警戒体制を最高レベルに引き上げるという発表をしています。

 元来はアフリカ大陸で流行している「サル痘」が5月初旬から報告されている症例はヨーロッパに集中しているのです。

 国際保健規則によると、最高レベルの警戒体制とは「疾病が国際的に広がる可能性があるため、他の国に対する公衆衛生上のリスクを構成すると判断され、かつ国際的な協調行動を必要とする可能性のある異常事態」とされている。WHOがこの警告レベルを使用するのは、今回で7回目です。

 パンデミックの前段階認定のような感じなのかもしれません。

 「サル痘」は、5月以降、で74カ国で16,836人以上の人の感染が報告されています。

 そのうちフランスでは、現在約1,745人のサル痘患者が確認されており、決してヨーロッパ内でも感染者が少ない国ではありません。またフランスのサル痘感染者1,745人のうち、イル・ド・フランス(パリを中心とする地域)は、その約半分の患者がいる最も感染の多い地域です。

 そんな背景もあってのことなのか、欧州医薬品庁(EMA)が先週末に、サル痘の蔓延に対抗するため、ヒトの天然痘に対応するワクチンの使用を承認した直後、今週になって、パリ市役所が運営する最初のサル痘専門ワクチンセンターが、パリ13区にオープンしました。

 HAS(高等保険機関)によると、サル痘の場合は、皮膚や粘膜の接触で感染すると言われており、感染のリスクが高いのは、患者と接触する医療関係者、「男性と性的関係を持つ」男性、「売春をしている人」などが挙げられています。

 パリには、この天然痘対応のワクチン接種ができる公立病院は他にもありますが、予約が取りにくいことから、サル痘専門のワクチンセンターを作り、早急にワクチン接種を拡大する方向に舵をとりはじめたようです。

 サル痘ワクチンに関しては、公立病院は完全に飽和状態で、10月まで待たされるとかで、この新しく設立されたサル痘専門のワクチンセンターだと比較的、スムーズに予約がとれるようです。そもそも、コロナウィルスやバカンス問題でそうでなくとも公立病院の人出不足が深刻なところ、どんどん課題?が増えるのですから、何もかも公立病院で賄おうとするより、専門のワクチンセンターを作った方がきっと、事が進むのが早いのです。

 ワクチン接種に関する処方箋は不要とされており、事前の問診の後、すぐにワクチン接種が受けられるようになっており、またワクチンセンターで直接予約することも可能です。もちろん、Doctolib(ドクトリブ・医療関係の予約システムのサイト)などのネットでの予約も可能です。

 しかし、パリ市議会は、さらにサル痘予防接種のための投与量と人員を増やすため、国に対して「緊急措置」を求めており、先週末に保健省が発表した3万回分のワクチンでは「まったく足りない」と主張しています。

 パリ地域のリスクのある人すべてにワクチンを接種するには、実際には、その10倍は必要だと言われています。正直、このサル痘の感染に関してはコロナウィルスのような不特定多数の感染ではなく、ワクチン接種とはいえ、かなり限られた人々が必要なワクチンだと思っていただけに、このある程度、限定された人々が30万人以上もいるのか?とちょっと別の驚きを覚えたのでした。(まあ、そうかもしれないな・・とも思うけど・・)

 また、ワクチンといえば、「ワクチン反対キャンペーン」を唱える人々もまた、出現する中、パリ市長は、このワクチン接種が必要な人々全てが9月までにワクチン接種を受けられる体制をとらなければならないと 「もっと真剣で迅速な採用システム」を導入するよう政府に求めています。


・Le centre Edison(Centre Vaccination contre Variole du singe) 

   44 rue Charles Moureu 75013 Paris

 月〜金 9時〜18時、土 午前中のみ

  

パリ サル痘専門ワクチンセンター 


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2022年7月27日水曜日

久しぶりの市営プールは夏のバカンス期間でも休まなくなったらしい・・

 


 私にとって、一番、無理なくできる運動は、泳ぐことで、日本に住んでいた頃は、仕事が終わってから、毎日、ジムのプールで1㎞泳ぐのを日課にしていました。ジムで泳いでジャグジーに入ってさっぱりして、飲んで寝る・・という健康的なのか、不健康なのかわからない生活でしたが、それなりの健康を保っていました。

 泳ぐというのは、全身運動なので、どこが痛くなるということもなく、また1日中パソコンに向かっているために肩凝りでガチガチになりがちだったのも水泳のおかげで解消されていました。

 パリに来てすぐは、子供も小さかったので、子供の送り迎えのあるうちは、仕事帰りに泳ぎに行くなどという時間もありませんでしたが、子供の学校がお休みの日は、娘に水泳を教えるために、また、エネルギーに溢れている娘をなんとか疲れさせて夜スムーズに寝かせるために、お休みというと、頻繁にプールに連れて行きました。

 娘が大きくなって、送り迎えもいらなくなると、私の仕事も忙しくなって、どうにもヒートアップしている仕事モードを切り替えたくて、仕事場と家の中間点にあるスポーツジムに入って、仕事帰りに少し身体を動かして、仕上げにサウナかハマムに入って帰るという生活を続けていました。(しかし、それも実際には、時間がなくて、ほとんどサウナかハマムしか寄らないというほぼ、仕事帰りのお風呂屋さん状態でしたが・・)

 しかし、それも仕事を変わった時点で、ジムが通り道ではなくなったために、ジム通いはストップしてしまいました。

 その後、たまに家の近所の市民プールに行くことはあったのですが、夏の間はバカンスで休んでしまうというびっくりプールなうえに、しかも、ここ5年くらいは、ず〜っと工事中で、プールには行くことができませんでした。

 まあ、そうでなくとも、昨年までは、パンデミックのためにどこのプールも閉鎖でしたが、ロックダウンなどで、家にこもりがちの生活で、それを改めようと一念発起して、以前に通っていたスポーツジムに通いなおして、「今度こそちゃんと運動しよう!」と申込みに行ったところ、なんと、そのジムは潰れていて、断念。

 少々、お金はかかるのですが、清潔でワイン蔵をそのまま、うまく残して作ってあるプールなどが小洒落ていて、大変、快適な場所だったのに、パンデミックの煽りをうけて閉鎖になってしまったようなのです。

 残るは近所の市民プール・・でしたが、なかなか工事が終わらず、もう期待もしていなかったのですが、ついに最近、工事が終わり、新しいプールが完成しました!というお知らせが来たのです。

 しかし、最近、少し感染もおさまってきたかな?と思われるフランスの第7波ではありますが、やはり、プールに行くのは、少々怖くもあり、せめて2回目のブースター接種を受けてから・・とワクチン接種を受けて、1週間は待って、ようやく久しぶりのプールに行ってきました。

 あまりに長い工事期間で、結局、トータル何年間閉まっていたのか覚えていないほどですが、少なくとも5年以上は閉まっていたプールです。パリ市のプールがストライキを呼びかけているという話も聞いていて、少々心配していたのですが、このプールはしっかりやっていました。




 あまり期待はしていませんでしたが、さすがに5年以上も工事していたとあって、プールはすっかりきれいになっていました。




 これまで夏にバカンスで閉めていたプールはこの工事終了を機に夏でも閉めなくなったようです。ワクチンも打って、これは今年の夏はプールだ!と、10回分の割引になるパスを購入しようと思ったところ、「じゃぁ、あっちにある紙に記入して持ってきて・・」と言われて、記入して持っていくと、「IDカード、住居証明は?・・」などと言われてびっくり!また、その言い方が久しくお目にかかっていなかったフランス人のお役所に居がちな感じ悪さ・・。

 逆に考えてみれば、最近、こういう感じ悪い人もずいぶんいなくなったものだ・・と思いながら、こっちもムッとしていると、「じゃあ住居証明は今度持ってきてくれればいいから・・」と言われて、10回分パスを購入しました。(1回券 3.5ユーロ、10回パス28ユーロ)

 なにより、工事が終わったばかりとあって、清潔できれい・・更衣室もシャワーもきれいで、ピカピカ・・今日は、そんなに暑くないこともあってか、わりと空いていて、1コースを一人で使うことができて、悠々と泳ぐことができました。




 もう、あまりに長いこと泳いでいなかったので、恐る恐る泳ぎ始めましたが、私の身体は泳ぐことを忘れていませんでした。最初は少々、身体が重く感じ、少し泳ぐと、息切れがしましたが、「泳ぎに来たら、1㎞は泳ぐ」と、なんとなく、自分の中で思い込んでいることもあり、途中でやめるのもなんとなく、悔しいので結局、1㎞泳いで、帰ってきました。




 以前は1㎞20分ほどで泳げたのに、30分以上かかり、体力の衰えを感じましたが、久しぶりに全身を使っただるい疲れが心地よく、少なくとも週1回は、しばらく泳ぎに行こうと思っています。

 心地よい疲れとともに、久しぶりにわんぱくな感じの空腹感も味わいました。

 きれいに仕上がったプールですが、きれいに保つことができないフランスです。今のうちにせいぜい通っておこう・・と思うのです。


フランスの市営プール


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2022年7月26日火曜日

2024年パリオリンピック始動 シャンドマルスからヴェルサイユ宮殿まで!

  


 

 2024年パリオリンピック開催まで、あとちょうど2年となったことからなのか、オリンピックについて様々なことが発表され始めました。

 2020年の東京オリンピックが決定したあとに、2024年のパリオリンピックが決定して、これは、東京オリンピックもパリオリンピックも両方、行くぞ!となんだか勝手にワクワクしたのを覚えています。

 しかし、2020年の東京オリンピックは1年延期された上に、ぎりぎりまで本当にやるんだかやらないんだか・・挙句の果てに無観客開催で、しかも日本入国には、当時、入国後は強制隔離施設での隔離などまであって、オリンピックどころか、日本に行くことさえできませんでした。

 なんだか、東京→パリと続くオリンピックに立て続けに地元??で開催されるオリンピックということでテンションが上がっていたのですが、東京オリンピックがポシャって(私の中では)、なんだか、パリオリンピックに関してもちょっとテンションが下がってしまったような気がしていました。

 パリオリンピック組織委員会は、公式スローガン「Let's open the games wide」と発表し、同時に、各競技の開催場所や日程、チケットの価格などを発表しました。

 パリオリンピックではあっても狭いパリの中で全ての競技ができるわけではないのですが、パリをフルに使ったオリンピックになるようで、サン・ドニに設置される予定の選手村は現在建設中です。あまり治安がよくないところなのに、なぜなのだろう?スタジアムが近いからかな??などと勝手に思います。

 その他、サッカーはニース、マルセイユ、ボルドーなどのスタジアムで行われる他、サーフィンはなんとタヒチで行われるなど、パリからかなり離れた場所で行われる競技もありますが、シャンドマルス(エッフェル塔の前の広場)ではビーチバレー、コンコルド広場では、3x3バスケットボール、BMXフリースタイル、ブレイクダンス、スケートボードなど、グランパレでは、フェンシング、テコンドー、柔道、レスリング、アンヴァリッド(国立廃兵院)では、アーチェリー、そして、ヴェルサイユ宮殿までが使用され、宮殿では、乗馬、卓球、バレーボール、ウェイトリフティングなどが行われる予定です。

  


 販売されるパリオリンピックのチケットは1300万枚の予定で、価格は、100万枚以上のチケットを24ユーロ(約3,300円)で販売し、一般向けのチケットの半数を50ユーロ以下の価格で販売すると発表しています。チケット価格の上限は 950ユーロ(セレモニーを除く)としています。

 実際に買わなかったのでハッキリとはわかりませんが、東京オリンピックの際は、ちらっとチケットを買おうかとサイトを覗いてみて、高くてびっくりしたので、それに比べたら、わりとお値段は高くない気もします。

 2022年12月からパッケージ販売(チケットのセット)の抽選開始、2023年2月パッケージ販売開始、5月単発チケット販売が開始されます。いくつかのチケットをセットにするとお得になるらしいです。

 それでも一番、楽しみなのは、やはりセーヌ川を使ってパレードが行われるという開会式です。しかし、行きたいと思っても結局は、よく見えるのはテレビででもなければ、きっと全体を綺麗にみることはできないのかもしれません。

 しかし、それぞれの競技に関しては、それぞれの競技会場がもう存在だけで美しい観光名所のような場所のため、それらがパリオリンピックのためにどんなふうにセットアップされているのかをみるだけでもなかなか楽しそうです。

 フランスはオリンピックを機会に美しいパリのプロモーションにもしようとしている感じがこれらの競技場所のチョイスからも伺われます。

 一方、心配なことはいくらでもあり、ただでさえ、悪化を続けるパリの治安、ちょっと尋常ではない数のオリンピック関係者と観客を迎えたパリをどう警備するのか?セキュリティだけでも大変な問題、全く想像もつきません。

 また、ここ数年の異常な猛暑を考えると天候問題も気になります。オリンピック期間中につい先日のような40℃超えの猛暑に見舞われることも十分に考えられますし、そのうえ、猛暑の後は、たいてい、大雨と相場が決まっています。大雨でセーヌ川が氾濫ということだって少なくはないのです。

 しかし、私が心配するまでもなく、あらゆることを想定されて準備しているのでしょうから、問題はないと思われますが、私にとって、とりあえず、差し迫っている問題は、この夏の間、特に8月は、このオリンピックのための準備と思われるメトロの駅の改装工事のために、かなりの割合で駅やメトロの運行が閉鎖になったりしていることです。

 別にきれいなのに、いいじゃん・・もっと汚いところ、あるでしょ・・などとブーブー言っています。

 ここ数年、パンデミックをはじめとして、ちょっと前までは想像もつかなかった事態が起こり続けています。しかも、そうそう起こりそうもないことばかり・・。

 東京オリンピックの前までは、4年経つとあたりまえのように次のオリンピックがやってきていた感じがしていましたが、こう度々、予想外のことばかり起こると、無事に晴れやかに行われるパリオリンピックが見られるかどうか、2年後には、どうなっているのか?コロナは終息しているか?戦争は終わっているでしょうか?

 近未来が想像がつかなくなっていることを感じます。


2024年パリオリンピック


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2022年7月25日月曜日

パリ市内、今日から冷房中に扉を閉めないお店は罰金150ユーロ

   


 これまでお店の扉が開いているか閉まっているかということは、あまり意識していませんでしたが、あらためて思い直してみると、パリでは日本のようにお店の扉が自動扉ということが少なく、開店時には、扉が開いたままになっているお店が多かったように思います。

 こんなことをあらためて思い直してみるに至ったのは、今週からパリ市内では、エアコンの効いたお店の扉を開いたままにしておくと、150ユーロの罰金が課せられるという法令が発布されたからで、「パリにおける地球温暖化の影響と、現在の期間におけるエネルギー消費の削減が急務である」ことが理由に掲げられています。

 ただし、「定期的に認可された屋外テラスのあるレストランやパブ」には適用されないという例外もまた同時に認められています。



 地球温暖化は、昨今、夏の間に何回も40℃に迫る気温上昇に見舞われていることからも明らかで、そのうえ、ウクライナ戦争の影響もあり、電力供給が危ぶまれていることもあり、20日の段階で、フランス政府は国民向けにバカンスなど、長期で家を空ける場合には、「無線LANのプラグを抜くこと」や「エアコンの温度を少し下げること」「部屋を使わないときは電気を消すこと」などの具体例をあげて、節電の努力を呼びかけています。

 もともと、パリで、こんなに夏が暑くなったのは、せいぜいここ5年くらいのことで、それまでは、冷房も必要がなく、未だに一般家庭にはエアコンがない家の方が多く、少し前までは、レストランなどでも、わざわざ「冷房完備」などと張り紙がしてあるくらい、冷房は一般的なものではありませんでした。

 しかし、さすがにここ数年はあっという間に冷房のないお店はほとんどないほど冷房は普及していましたが、それでも、そこまで気温が上がる日というのも限られているため、レストランや一般商店は、冷房をつけていても、これまでどおり、なんとなく、これまでの習慣で扉は開いたままというお店が多くを占めていたように思います。

 そういえば、この間、生ハム屋さんに買い物に行った時、お店の扉が閉まっていたため、一瞬、「えっ??休み?」と思ってしまったし、扉の張り紙を見ると「開店中」と書いてあったので、お店に入ると、お店の人が「ボンジュール!」と機嫌よく挨拶してくれたすぐあとに、「扉、閉めといて!」というので、「あれ・・ずいぶんとキッチリしているな・・」「珍しいな・・」となんだか、ちょっと、いつもと違う感じがした気がしていました。

 多分、私も知らず知らずのうちに、お店の扉が開いていなければ、「え??閉まってるの?」と思ってしまい、扉が開けたままになっていることにも、何の抵抗もないことが習慣になってしまっているのです。

 パリには、夏の間は、特に室温の管理にうるさく、◯人以上はお店に入れない・・などというチョコレート屋さんがあり、人間よりもチョコレートが大事にされている・・と思ったこともありますが、これまでパリのお店は当たり前のように冷房が効いていても扉は開けたままというお店が多かったような気がします。

 お店の扉が開いていた方が客足が伸びるというのが、これまでの定説でしたが、これからは、それが罰金付きで禁止されることになります。

 しかし、普通に考えてみれば、自宅で冷房をつける時は、ドアどころか、窓も閉め切るのは、当然のことで、消費電力を考えれば当然のことです。

 これが罰金付きの禁止ということは、マスクの義務化の際同様、かなりきっちりと守られるであろう厳しい法令です。

 このパリ市の冷房に関する法令の発令に次いで、政府・エコロジー担当大臣は、この法令を恒久化し、全国レベルに拡大すること、冷房に限らず、冬の暖房に関しても適用し、同時に街の規模にかかわらず、午前1時から午前6時までの間、電飾広告(広告看板の夜間照明)を禁止することを発表しています。

 この広告看板の夜間照明禁止については、駅や空港(夜間に閉鎖されない特別な場所)を除き、罰金1,500ユーロに設定されるとのことです。

 戦争による電力供給の問題もありますが、この年々過酷になる猛暑に、地球環境問題は、もはや猶予のない問題であるとなると、やはり罰金付きの法令ということになるのが、フランスなのです。フランスでは、罰金のないルールはルールにならないのです。


冷房中閉扉義務 違反罰金150ユーロ


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「2021年冬からのテラス席の暖房を禁止するフランス」

「フランスの猛暑というより40℃超えの酷暑とシャトールーの水道水に大腸菌で水道一時停止」

「パリのカフェに見るフランス人の日常の楽しみ方」