今回の日本への一時帰国は、何かと忙しく過ごしましたが、その間、娘のフランス人モードが垣間見えるできごとがいくつかあって、あらためて、彼女がフランス人であることをちょっと、面白く、ちょっと頼もしいような気もして、また、明らかに同年代の日本の女の子とも違うことを再確認させられたのです。
フランス人といっても様々なので、一概に全てのフランス人に通ずるわけではありませんが、概して、フランス人は締まり屋で無駄なお金は使いません。DIYなど、家の中の手入れなども、自分たちの手でできることは自分でするのが、一般的です。
今回、長いこと日本へ行けなかったために、誰も住んでいなかった実家はあちこちに綻びが見え、エアコンからの水もれ、換気扇が動かなくなっていたり、雨漏り・・などなど大変なことになっており、さっそく、長年、両親が家の電気器具などをお願いしていた電気屋さんにきてもらうことになりました。
一度、下見に来てくれた時点で、エアコンの水漏れは、おそらく排気口がつまっているのかもしれないということで、後日、その掃除に来てくれることに、そして換気扇は「もうこれは、交換しないとダメだな・・」ということで、交換することになりました。
後日、工事に来てくれて、エアコンの方は、どうやらこれはエアコンよりも屋根の問題ではないか?ということになり、とりあえず換気扇の交換をしてもらい、料金をその場で支払う様子を娘は傍観していました。
私は思っていた金額よりも少し高いな・・と感じたものの、まあ工事費も含めてだからこんなものか・・と思っていたのですが、その後、娘はその換気扇の値段をネットで調べて、これは、かなりボラれていると言うのでビックリ!
両親の代からの長い付き合いの電気屋さん、ボラれているというよりは、工事費を含めて、この地域に通用しているそれなりのお値段ということなのでしょう。
しかし、娘は、工事もそれほど複雑なものではなく、あれくらいなら、自分でもできる!と主張。比較的、高齢者の多い一軒家の多い場所柄、電化製品等は、その設置や、その後のメンテナンスなどを考えて、地域の電気屋さんで買うと言う人が多い実家近辺は、その高い電気屋さんに何の疑問も持たずに頼んでいるらしいことは想像に難くないことです。
むしろ、長年の地域のネットワークを持つ地元の商店を頼りにしている向きがあり、これはこれで大切なことで、もしも私だけだったら、むしろ、こういうお店に頼るしかないかもしれません。
しかし、この高額な支払いに、何でも自分でやるフランスで育った娘は、納得がいかないらしく、他の家の修繕も知り合いを紹介してあげる・・とまずは自分で下見をしたりしてくれる電気屋さんが屋根にまで登ってくれるところに、自分も一緒に屋根に登って確認する・・という娘に電気屋さんも驚愕していました。
また、別日、今回の帰国でパソコンやタブレットを買って帰りたいと思っていた私は、娘とともに家電量販店へ。「ネットで買う方が安いんじゃないの?」と渋る娘をよそに、私としては、「高額の買い物・・現品を目の前にして、説明を聞きながら買いたい・・ポイントもつくし・・」などと言いながら、お店へ。
店員さんの説明を聞きながら、なんとなく、より高いものを買わせようとしている感じが伝わってきて、少々疑心暗鬼になり始めていたところ、娘は日本での販売価格の相場がわからない・・と言い始め、本来ならば、そこで自分のスマホを使って、他の値段のチェックをし始めるところが、まだ日本に着いてまもないことから、日本でネットを使える携帯を持っていなかった私たち。フリーWi-Fiもつながらず、店員さんに頼んで、展示してあるパソコンの中でネットの繋がるもので、「これでアマゾンでの値段を検索してもらえますか?」という大胆なお願いに・・。
結局、いくつかの候補の中からパソコン1台とタブレットを選んでお支払いの場へ。パソコンをまず買って、そのパソコンでゲットしたポイントを使ってタブレットを買うという計画に、まずパソコンの方のお支払いの段になって、店員さんから「ポイントは現金払いならば10%つきますが、カード払いだと8%になってしまいますが、よろしいでしょうか?」という断りが入ったのです。
それなりに高額のために、そもそも現金で支払うことなど考えていなかった私は当然、持ち合わせがなく、「え〜〜っ?」と思ったものの、持っていないものは持っていないから仕方がないか・・と思い始めていた私に、娘は、「なんで?お金、おろしてくればいいじゃない!なんなら、今、私がおろしてこようか?」と言い始めたのでした。
私たちがごちゃごちゃ揉めている様子に、店員さんが、「なにか?」と言うので、「現金が足りないので、今、お金をおろしに行こうかどうしようか? と考え中なのです」と言うと、まさか、そんなことで揉めているとは思いもよらなかった店員さんが、根負けして、「カードで10%で結構です」と・・。
・・なんだ・・ポイントってこんなに適当な感じなんだ・・と思いながらも、ちょっと拍子抜けしたとともに、なんだかちょっと得した感じで、実際に、ポイントでタブレットをもらってくるような形に大変、二人で満足して帰ってきたのでした。
これらの逸話はフランス人・・というだけでなく、彼女自身のキャラクターからくるものでもあるかもしれませんが、とりあえず、「あっさりとは受け入れない」明らかに一般的な日本人にはない部分を彼女が持ち合わせていることに、私も含めて周囲が呆気にとられている様子に、流暢に日本語を話すようになった娘も、その中身はフランス人であることをまざまざと見せつけられているような気分でした。
そこへ行くと、フランスでは、娘と同じような戦闘モードでいる私も、日本に帰国した際は、あっさり日本モードに移行しそうになるあたり、私は日本人だな・・とつくづく思うのです。
フランス人のキャラクター フランス人気質
<関連記事>
「バイリンガル教育は簡単じゃないけど、頑張れば、その子の一生の財産になる」