2022年2月13日日曜日

ロシア・ウクライナ問題 パンデミックの次は、本当の戦争の危機

  


 「我々は、戦争状態にある」とマクロン大統領がパンデミックの始めのロックダウンの際の演説を行ってから、そろそろ2年が経とうとしています。ウィルスという目に見えない敵相手の戦争状態は、この間のいくつかの波を超え、ワクチンという武器を持ち、一時のような緊張状態ではなくなりました。

 しかし、最初のロックダウンの際は、まだどのようなウィルスであるのかも、よくわからずに、外出もほとんどできずに、みるみる病床が埋まり、患者は病院の廊下に並べられ、ついには、野戦病院のようなテントまで建てられ、呼吸器やマスクなどの医療物資が足りずに、到着するマスクが警察の先導で運ばれる様子や、ひたすら家に閉じ込められ、外からは、救急車のサイレンが途切れることなく聞こえてくる中、まさにこれが「戦争状態」というものなのか?と思ったりもしました。

 私が子供の頃は、「戦争を知らない世代」などという言葉が使われていたりしましたが、人の一生のうちには、なんらかの戦争に匹敵するくらいの大変な惨事に見舞われることになっているのだろうか?などとも思いましたが、これは目に見えないウィルスとの戦争で、襲っていかかってくる相手が同じ人間である戦争は、ことさら恐ろしいことなのだろうと思っていました。

 しかし、現在のウクライナとロシアの緊張状態は、アメリカやヨーロッパを巻き込み、本当の戦争になる緊迫した状態が続いており、海外で生活する身としては、ことさら、他人事ではいられない恐ろしさを感じています。

 このロシア・ウクライナ問題に先日、マクロン大統領がクレムリンまで出向き、戦争回避のための話し合いに、プーチン大統領との会談に臨みましたが、5時間近い会談にもかかわらず、確かなことは、「その後も話し合いを続ける」ということだけで、決定的な解決には至りませんでした。

 そもそもこの会談、プーチン大統領とマクロン大統領の会談の広い横長のテーブルの端と端に座る極端に離れた距離が話題を呼び、この距離は、後に、マクロン大統領がPCR検査をDNA情報を渡すことを恐れて拒否した結果と言われていますが、感染対策ならば、これだけの距離を取らずとも、いくらでも、方法はあったであろうに、あまりに不自然な距離。

 ロシア側は、わざわざ出向いているマクロン大統領との会談を少しでも遠ざけ、相手のペースを乱そうとしていることの表れでもあります。

 この会談の後、マクロン大統領は、帰国の際の大統領選用機での記者団の取材に応じ、「この危機に関わるすべての国家に対して「具体的な安全保障の構築」を提案した」「状況の悪化やエスカレートがないことを確認した」と述べているものの、「プーチン大統領は自分の曖昧さの一つ一つを利用している」と語っています。言わば、ロシアは、明快な解決策を見出すことを避けているということです。

 アメリカもヨーロッパも、ロシアがウクライナに新たに攻撃を仕掛ければ、クレムリンに壊滅的な制裁を採用することになり、恐ろしい結果になると警告してます。特にアメリカとドイツは、ロシアが攻撃した場合に課すべき制裁について「絶対的に一致」しており、両国は「同じ措置」を取るとしています。

 マクロン大統領は、フランスは欧米の同盟国と「協調」していると主張し、ウクライナへの扉を閉ざすことになるNATOの拡大政策の終了を求めるクレムリンの要求を拒否していますが、マクロン大統領は、ウクライナ人抜きでウクライナ問題を解決することは考えられないと主張しています。

 昨日、プーチン大統領とマクロン大統領は再び2時間にもわたる電話会談を行なっていますが、平行線のままの模様。口が達者で論破が得意なマクロン大統領もEU議長国の長として、必死に対応しようとしていますが、現在のところ、肩透かしを食っている感じです。

 アメリカやヨーロッパの警告をよそに、ロシアが振り上げた手を下ろすことがなければ、本当の戦争が始まってしまいます。

 パンデミックというウィルスとの戦争が終わらないままに、本当の戦争が起こるかもしれない状況に、海外で生活している状態の者にとっては、外国人であるという立場は余計に不安が募ります。

 パンデミックという戦争状態で、多くの犠牲者を出し続けているにもかかわらず、人と人が争い、さらに多くの犠牲者を出すことが確実な戦争がおこるかもしれないことは悲しいことです。

 おりしも、フランスは現在、カナダから触発されたデモで街中には戦車まで登場する殺伐とした状況、平和を叫びながら戦争を起こそうとする人間の罪深さはウィルス以上かもしれません。


ロシア・ウクライナ問題 戦争


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2022年2月12日土曜日

自由の輸送団(Convoi de la liberté)への政府の大規模な警戒

   


 かねてから、カナダでの同タイトルのデモに触発されてフランスでも起こっている「自由の輸送団(Convoi de la liberté)」のデモがフランス全土から一旦、パリに集結し、ベルギー・ブリュッセルに向かう動きに、パリ市内には、普段は目にすることのない戦車までが出動する物々しい警戒ぶりになっています。

  


 警視庁は、このデモのバリケードのために、特殊機械、クレーン車、バリケード対策用トラクター、レッカー車、投水機を用いて、デモによる都市封鎖を防ぎ、違反者を罰金や逮捕すると発表しています。


 フランスでのデモは日常的なことでありながら、日常のデモは地域ごとにデモを行うのが通常でありながら、今回は、フランス全土からパリに集結してデモを行い、また、カナダの例を真似ていることから、先日すでにカナダの首都オタワで起こったデモ隊によるトラックなどによる都市封鎖が懸念され、一度、パリで集結してから、ベルギーに向かうという呼びかけがFacebookを通じてなされており、金曜日の早朝には、大小様々な約3,300台の車がパリに向けて出発したと見られています。

 このデモのもともとの抗議の主軸は、「ワクチンパスポート反対」ではあるものの、燃料費をはじめとする物価の上昇などの社会的な状況への抗議から、さらには、マクロン政権への避難にまでも繋がっている大きなムーブメントになっています。

 政府は、パリの都市封鎖を防ぐためのバリケードを張るだけでなく、数日前には、政府報道官が「ワクチンパスポートは、3月末から4月には解除できる可能性がある」と発表した上、昨日は、「ワクチンパスポートが必要な場所(公共交通機関などは除く)では、2月28日からマスク義務化を解除する」と発表。

 感染対策のための制限をギリギリまで緩和することで、なんとか今回のデモを沈静化しようとしています。

 しかし、この政府の感染対策の緩和の発表をよそに、このデモ隊がアクションを止めようとしないのは、もはや、「ワクチンパス反対」の抗議に留まってはおらず、その他の社会不安に対する抗議に移行しつつあるということです。

 この騒ぎを沈静化しておかなければ、この反政府への勢いが増長し、火に油を注ぐ状態となり、「黄色いベスト運動」のような大きな動きに取って代わる可能性があります。

 大統領選挙を目の前にして、マクロン大統領は、いかにしてもこの騒動は鎮圧する必要があるのです。

 それにしても、デモの防御のために、デモ前日から、集結場所とされているパリ市内には、戦車やクレーンやトラクターなどの特殊車両がパリを覆い、警察官、憲兵隊など7,200人が警戒体制を取る一種の戦争のような状況になっています。

 燃料費の高騰を訴えるために高いガソリン代を使って地方から車でパリに集結することには、いささか疑問に感じるところもありますが、この抗議に対する防御を国力である戦車まで使わなければならないことにもフランスの怖さを感じます。

 それでも、このデモの警戒はやり過ぎ、「デモの自由を侵害するものだ」とまた別の抗議をする人々もいますが、フランスには、とにかく反発することに情熱を感じ、デモといえば、ここぞとばかりに馳せ参じる一定数の国民がおり、それが決して侮れないものであることも事実です。

 デモに集結しながらも、怒りだけではなく、ダンスをしたり、歌を歌ったり、どこか水を得た魚のように生き生きしている彼らの姿に心底、このようなデモがフランスの文化の一つであることを感じずにはいられないのです。

 これらの人々がパンデミックで鬱屈していたものを一気に発散させるのと同じタイミングで大統領選挙戦が始まっていることもこの異様な警戒ぶりにも繋がっています。


フランス自由の輸送団 Convoi de la liberté France


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2022年2月11日金曜日

バレンタイン前のメゾン・ド・ショコラでバラ売りのチョコレートに挑戦

 

バレンタイン仕様になっているメゾンドショコラの店頭


 フランスに来て以来、圧倒的に食べることが増えたものの一つはチョコレートです。

 日頃は、パリにいても、家ではかなり、和食あるいは、日本の食卓に近い食事に傾きがちで、手に入りにくい日本食材やそれに近い食材を見つけては、やっぱり日本のものは美味しい!・・となっている私でも、チョコレートは、やはりフランスのものが美味しい!と力を込めて言うことができます。

 今では、家にはいつもチョコレートの買い置きがあるようになりました。

 スーパーマーケットにずらりと並ぶようなチョコレートから、折に触れて、何か口実をつけて、時々購入する贅沢なチョコレートまで、日本にいた頃は、甘いものはあまり好きではなかった私が辛党ではなく、甘辛両党になったのも、フランスのチョコレートが入口だったかもしれません。

 パトリック・ロジェやジャン・ポール・エヴァンなど、ひととおりのフランスのチョコレートの有名店を一周して、安定して通うようになったのは、メゾン・ド・ショコラのお店です。

 たいていは、色々な種類が詰め合わせになったチョコレートを購入するのですが、その一粒、一粒、どれも美味しいものの、やはり好みはあり、自分の好みのものだけを選りすぐってみたくなって、前回、箱詰めのものを購入した際に、一粒一粒をチェックしながら、カタログと照らし合わせながら、次回こそは、バラ売りのチョコレートを自分で選んで買おうと決めていたのです。

 バレンタインも近づき、誰かにあげるわけではなく、自分へのご褒美(バレンタインという言い訳)、一粒 1.3ユーロという高級チョコレートを20種類以上あるものの中から選ぶのは、ちょっと贅沢な楽しみでもあります。

 とはいえ、なかなかセコくもあり、自分で箱詰め用の箱にいっぱいにした場合とどちらがお得なのかなどということも、わざわざお店の人に尋ねた結果、お店でオリジナルに箱いっぱいにしてもらうと、約1粒分お得になるらしいことも確認。

 さりとて、そこまで、たくさん、自分で選んでいたチョコレートがあったわけではなく、それでも、大事なチョコレートがプラスチックの袋に入れられ、崩れてしまうかもしれないことも悲しくて、前に買った際の空き箱(メゾンドショコラのもの)持参で、その箱に詰めてもらうというイレギュラーな買い方をしてきました。

  


 店内は、バレンタイン用のコフレが中央に綺麗に飾られている中、このような身勝手なお客に対しても店員さんは、「これってとってもエコね!」と快く受け入れて下さり、私が持参した箱に、「賞味期限のシールだけ貼り替えるわね!」と言って、私の選んだチョコレートを詰めてくれました。

 私がメゾンドショコラがお気に入りなのは、チョコレートの味はもちろんのこと、高級店にもかかわらず、店員さんが気取り過ぎておらずに、暖かく対応してくれるところや、必ず、味見用にと食べさせてくれる(今は、購入時にいくつかの中から選んで一つおまけに入れてくれます)ような、ちょっとほっこりさせてくれる部分があるところでもあります。

 ちなみに私が今回、選んだのは、ダークチョコレートが中心で・・

  QUITO(なめらかなダークチョコレートガナッシュをダークチョコレートのシェルでコーティング)

 AKOSOMBO(ガーナ産カカオのスパイシーな香り)

 SALVADOR(ラズベリー果肉入りダークチョコレートガナッシュ)

 ANDALOUSIE(レモンピール入りダークチョコレートガナッシュ)

 ANASTASIA(アーモンドとヘーゼルナッツのプラリネ)

 ABYSSINIE(エチオピア産コーヒーの香りのガナッシュ)

  EXTREME CHOCOLAT(100%ダークチョコレートガナッシュ)

 の7種類でした。

 甘くても後味がさっぱりしていて、チョコレートを食べた時に口から鼻に抜ける香りが至福のひとときを与えてくれます。

 量は食べずとも、ちょっとでとっても満足できるチョコレートで、しばらくの間、私は、幸せな瞬間を過ごすことができそうです。


メゾンドショコラ バレンタイン


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2022年2月10日木曜日

「フランスのワクチンパスポートは3月末から4月には解除できる」と政府が発表した理由

   


 フランス政府報道官ガブリエル・アタルは、「ワクチンパスは、おそらく3月末から4月には、解除できるであろう」また、「学校での感染対策も緩和する方向で検討している」と発表しました。

 先日、テレビのニュース番組にオリヴィエ・ヴェラン保健相が出演した際に、視聴者の質問に回答する形で、ワクチンパスは、7月末頃には、解除できるかもしれない」と話していましたが、今回のスポークスマンの発言では、それよりさらに前倒しの3月末から4月に解除という話になっています。

 まあ、3月末にしても、7月末にしても、どちらにしても決定事項ではなく、あくまでも、その時点で、感染者数や感染率、病床の占拠状態の改善などが見られた場合の希望的観測によるものであることに変わりはありませんが、今回のスポークスマンの発言には、カナダで起こっている「ワクチン接種義務化に反対する大規模なデモ「自由の車列(Freedom Convoy)」が影響しています。

 カナダでは、国民の多くはこのデモには不支持であるにもかかわらず、首都オタワの中心部で、トラックやテントが通行を妨げ、都市機能が麻痺しています。このカナダでの抗議活動がフランスでのデモ隊を触発し、すでに同じスローガン「Convoi de la Liverté」をかかげ、Facebookを利用して、デモ隊の規模を広げて結集する動きが警戒されています。

 フランスでは、デモ隊が独自のスケジュールを作成しており、彼らは、2月11日(金)の夜にパリに集合し、翌日首都で反ワクチンパスのデモに参加し、翌月曜日にはブリュッセルで他の参加者と合流する予定になっています。

 しかし、この国境を越えたデモは、健康対策への抗議という単純な枠組みを超えており、フランス支部?のメンバーは、完全な熱気の中で、物価、特に燃料価格の上昇に対する抗議も併せて訴えています。

 このデモの動きには、2018年に起こった「黄色いベスト運動」の活動を復活させようとしている人々がインターネットを通じて、今回のカナダを起源とする「Convoi de la liberté」に便乗して煽っています。

 2018年に燃料税の高騰をきっかけに始まり、長い間、フランスで続いていた「黄色いベスト運動」は、パンデミックの始まりとともに、抑えられ、また、感染が減少傾向に向かうと再び燃料費の高騰とともにぶり返しそうになっている皮肉な結果を生もうとしています。

 黄色いベスト運動の時のデモ隊の暴れぶりを思い起こすに、フランスの場合は、トラックでパリを都市封鎖ということは、あまり現実的ではありませんが、より過激になることも予想され、彼らが今回、予定しているベルギーという一応、国を跨ぐ遠征に発展しようとしていることは、今後、ワクチンパス反対から、燃料価格の上昇だけにとどまらず、問題をさらに拡大させていく危険性を孕んでいるのです。

 政府が、慌てて「ワクチンパスポートは3月末から4月には解除できる」と発表したのは、このデモ隊を沈静化するためと思われます。

 しかし、ワクチンパスポートが施行されたことで、ワクチン接種、ブースター接種が進みつつあったのに、まだ施行されて1ヶ月もたっていないうちに、あと2ヶ月ほどで解除するという発表とは・・「3月末まで、あともう少しでワクチンパスが解除されるなら、それまで粘ろう」と思い始める人も無きにしも非ずで、さすがにこの発表は時期尚早な気がします。

 それにしても、感染を抑えるために「ワクチンパスポート」を施行したのに、今度はデモを抑えるために、それを早々に解除する発表(実際にこの時期に解除できるかどうかは別として)をしなければならないとは、大統領選挙を前にして、混乱状態はできる限り避けたいというところはあるにせよ、想像以上にこのデモを政府が恐れていることが垣間見えるような、ちょっと不思議な発表でもありました。


ワクチンパスポート解除 ワクチンパス反対デモ


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2022年2月9日水曜日

フランスの記録的な貿易赤字と日本の鎖国

   

 

 フランスの税関当局は、2021年、史上最悪の847億ユーロの貿易赤字を記録したことを発表しました。これまでフランスの最大の貿易赤字は2011年に記録した750億でしたが、この記録を更新するものとなりました。

 このことについて、フランク・リースター外国貿易担当大臣は、フランス経済が昨年7%の成長を記録し、「海外で生産された消費財や産業用工具の輸入に影響を与えたことから、輸出よりも輸入の著しい回復によって起こった現象のうえ、航空関係の輸出などの強力な輸出部門がまだ2019年の水準を下回っていることによるものであるとし、今回の赤字は回復の強さによるものと説明することができる」としています。

 また、大臣は記者会見で、「我々の貿易活動の全体像を見ることが重要だ」と述べ、特に「サービス分野で362億ユーロの黒字を記録した」ことを指摘しました。結果的な収支に関しては、基本的に179億ユーロのエネルギー代の増加が悪化の原因である」と述べています。

 このニュースを聞いて、「まぁ〜なんと、フランス人は、口が達者だ・・でもまあ、これは、あながち、全く間違いでもないかもしれない・・」と感じたと同時に、日本は大丈夫なんだろうか?と思いました。

 これまで、感染を抑えてきた日本にとっては、記録的な感染者を出し、閉鎖的になるのもわからないではありませんが、私は、今の日本の鎖国状態がどうしても理解ができないのです。

 日本のニュースを網羅して見ているわけではありませんが、鎖国に関しての危機感の声があがっているというようなニュースをほとんど見かけないのも不思議です。

 鎖国をしているからといって、日本の貿易が全く止まっているとは思いませんが、外国人を締め出している以上、貿易とて、安易ではない状況であることは明らかです。

 だいたい、パンデミック以前から、例えば、こちらの電化製品の店舗などに行っても、以前のように日本製品がズラ〜っと並んでいる光景は、見かけなくなっています。全く消えたわけではありませんが、以前、堂々と並ぶ日本製品を目にして、なんとなく誇らしく思えていた時代ではなくなりました。

 ただでさえ、停滞気味の日本の貿易に拍車をかける「鎖国」を続けていることは、今後、長期にわたり、影響を及ぼします。

 多くの国々がなんとか、ワクチンパスポートなどを起用しながら、日常生活を保とうとしているのは、経済的な問題があるからです。鎖国を続け、生活を締めつけ続ける日本がこの先、どうしてやっていけるのか?心配でなりません。

 以前の日本は「平和ボケ」などと言われた時代もありましたが、現在は、平和でもなく、パンデミックの中を生きていかなければならないのです。

 フランスは、日本よりも感染者も桁違いに多く、犠牲者も多く出し、問題も多く、実際に今回のように記録的な貿易赤字などと発表されていますが、経済は動いています。

 日本人が鎖国のような問題に危機感があまりないのは、私は、日本のマスコミにも問題があると思っています。問題であることを問題として取り上げず、国民に伝えないのは、マスコミの機能を果たしていないと思うのです。


フランス貿易赤字 日本の鎖国


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2022年2月8日火曜日

パリのワンコインショップ 全商品2ユーロ C'est duex euros(セ・ドゥユーロ)

   


 日本に一時帰国した際に、必ず覗いてみる100均ショップ。長いこと日本には行けていないので、最近の日本の100均ショップの様子はわかりませんが、まあその商品の種類や数の多さに、最初はビックリして、一緒に付き合ってもらった友人に、「100均でこんなに買い物する人、見たことない!」とあきれられたこともあります。

 うわっ!すごい!これが100円、こんなのも100円・・と、手当たり次第にカゴに入れていくと結構な量になってしまい、後になってから、結局、あんまり使っていないものもあれば、100円だったのに、ず〜っと使っているものも、今のパリの家にもたくさんあります。

 なにせ、パリには、100均などというものはないので、日本の100均では、一つたった100円なのに、文房具類や、これは便利!と思うものがたくさんあって、今、買っておかなければ、次には、いつ来れるかわからない・・と思うと日本の100均では、ついつい散財してしまうことになるのです。

 しかし、ついにパリにもワンコインショップができたと聞いて(ワンコインとはいえ、2ユーロ(約260円))これは、パリも進化した!と感激して、さっそく行ってみたのです。

 現在、フランス全土には44店舗あるというのに、まだパリには1軒だけだそうで、選択の余地はなく、その一軒に行ってみました。それはシャトレ(Chatelet)の駅から歩いて5分ほどの場所にあります。

 「やった!あった!ここだ!」と勇んで店内に足を踏み入れた私は、正直、第一印象は、ガッカリ・・」日本の100均をイメージしていた私には、ちょっと肩透かしを食らった感じがしました。

 しかし、せっかく来たのだから、何かないかな?と少しずつ商品を見ていくと、意外と面白いものがあって、いつの間にかスイッチが入り、あっという間に入り口にカゴを取りにいくハメになりました。


 
ちょっとお洒落な鍋つかみや、開けたプラスチックの袋を止めるピン




 食料品などは、簡単なお菓子が少しあるだけですが、装飾品、インテリア雑貨、キッチン用品、文房具、香水や簡単な化粧品からおもちゃ、パーティーグッズ、折り畳みの傘や収納のためのグッズやDIY用品などなど、ちょっと洒落た置物や気の利いた食器やワイングラスなどもあるところは、フランスらしいところです。


   レモンの形をしたエコバッグやさまざまな香りのペースト・パウダー状の石鹸


 子供が小さい頃だったら、子供のお誕生日会のプレゼントは、ここで充分、楽しいものがあったのに・・と思いました。

 


  

             カーテンを止めるピンとつっかえ棒


絵を描くための画板

フランス語のマグネット

 日本の100均と比べたら、圧倒的に商品の数は少ないものの、充分に楽しめる内容です。

 一歩、足を踏み入れて、一瞬、ガッカリした私も、日本の100均とは、コンセプトが違うのかも・・と思いなおし、けっこうな時間を楽しみ、結局、10点も購入してしまいました。

 若い女性の店員さんもとても親切で、「何か聞きたいことがあったら、遠慮なく言ってね!」と声をかけて下さり、お言葉に甘えて色々質問する私に嫌な顔ひとつせず、最後に会計の際には、梱包に気遣って、割れないようにと、奥から箱を探してきてくれて(日本なら当然かもしれないけど・・)、丁寧に梱包してくれたのでした。

 2ユーロと言いながら、2ユーロではない商品もあるのでは・・と疑っていた私ですが、2つで2ユーロという商品はあったものの、見事に全商品、2ユーロでした。

 毎週、新商品を入荷するということだったので、まだまだ今後が期待できます。

 まだまだ始まったばかりのパリのワンコインショップですが、これが流行れば、もっと、たくさんの商品で埋め尽くされていくのでは・・と期待しています。

 お近くにお寄りの際は、ちょっとこんなお店を覗いてみるのも楽しいかもしれません。


⭐️C'est duex euros(セ・ドゥユーロ)

    40 Blvd. de Sébastopol 75004 Paris, 月〜土10:00~20:00, 日11:00~20:00

 



パリのワンコインショップ 2ユーロ

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2022年2月7日月曜日

パリのマルシェでの買い物 お花屋さんにも行列ができる

  

マルシェに並ぶ季節の花 これが飛ぶように売れているのにビックリ


 我が家のごくごく近所には、残念ながら、マルシェ(市場)がありません。少し離れたところにはあるのですが、わざわざ、少し遠いマルシェにはあまり行くことはありませんでした。

 たいていのマルシェは、 曜日も時間も限られており(たいていは、午前中だけの営業)、子供が小さい頃などは、特に、仕事をしていれば、買い物は休みの日にまとめてするのが普通で、休みの日には、家事や雑用に加えて、子供のお稽古事の送り迎えなどに奔走しなければならず、買い物といえば、どうしても、日用品なども含めて一度に一ヶ所で買い物が済んでしまうスーパーマーケットが断然、効率的で、あまり、マルシェに行くことはなかったのです。

 しかし、考えてみれば、今の時代にマルシェのような文化が続いているところは、パリ(フランス)らしいところでもあり、いちいち人手を介して、人とふれあいながら、買い物をするマルシェという文化も、いかにもフランス人らしいところであるとも思うのです。

 場所により、曜日は異なりますが、週のうち、せいぜい2〜3日(常設のマルシェもあるにはありますが・・)屋台のようなお店が軒を連ね、肉や魚、野菜などの生鮮食料品を中心にチーズやソーセージ、ハム、パテ、ジャム、キッシュ、お菓子、パンなどの加工食品、生花など、加えて衣料品、雑貨などを扱っているところもあります。

  

マルシェでちょっと気になったゴルゴンゾーラ

 先日、天気もよく、新鮮なお魚が欲しくなって(以前、カーフールでお魚を買って、生で食べても大丈夫?と確認して買ったにもかかわらず、酷い目にあったことがあって以来、お刺身にして食べたい魚を買いたい時には、マルシェに行くようにしています)、ここのマルシェのお魚は、おススメ!と聞いていたマルシェに思い立って、出かけてきました。

 メトロの駅を上がってすぐの場所にあるマルシェに入っていくと、いかにもマルシェといった感じの並べ方をした野菜や果物のお店、ちょっとグロい場合もあるお肉やさんなどなど、スタンダードなマルシェのお店が軒を連ねていて、そこそこの人出です。

 そういえば、パンデミック以来、マルシェにくるのは、初めてのこと、全てのお店ではありませんが、プラスチックのバリアがつけられているお店もちらほら・・。行列ができて、やけに賑わっているお店もあれば、人が寄り付かないお店もあるのは、マルシェの残酷なところです。

 食料品の場合、産地やお料理の仕方などを直に聞くこともできて、また季節のものを確認して買うことができるのは、安心なこと、しかし、お客さんが皆、いちいち、そうやって一通り話しながら買い物をするので、時間はかかります。

 私は目当てのお魚屋さんに行って、生で食べられるお魚をゲット。そのお店は、ブルターニュから直送しているお魚をメインに扱っており、そうでない場合にも正直にこれは、スペインから・・とか、これは、養殖もの・・などと、教えてくれます。

 そのお店の人曰く、「フランス産」などのマークがつけられていても、それは嘘である場合も少なくないそうで、(実際にコントロール(チェック)がきちんとなされていないため、産地偽装?は、けっこう多いのだとか・・」「うちは、間違いなく、正確に記載しているからね!」とのこと。  


 私は、お刺身にできるイカとイワシ、鱸(スズキ)は鱗と内蔵だけとって、中の卵は残してもらって買ってきました。これでお刺身とイワシのつみれ汁や鱸の半身は中の魚卵と一緒に煮物を作り、久々のお魚を堪能しました。

 お魚については、いつも思います。マルシェが近くにあったらいいのに・・と。

 そして、何よりも意外だったのは、ミモザやチューリップなど、春先らしいお花や淡い色合いのバラなどで美しいお花屋さんにも結構、行列ができていたことで、花より団子の私は、ビックリ!「うわっ!フランス人は、こんなにお花を買う人がいるんだ・・」ということでした。 


 

 日曜日には、閉まってしまうお店が多い中、「パン屋さんとお花屋さんは開いている」と言われているフランスですが、やはり、不景気だインフレだと言いながら、お花屋さんが繁盛しているのもフランスらしいところなのかな?とも思います。

 しかし、考えてみれば、マルシェというのは、決して安いわけでもなく、ある程度のこだわりを持って、時間的にも経済的にも比較的余裕がある人が集まっているところでもあるので、全てのフランス人の家庭がお花に彩られているとは、考えづらいような気もします。

 しかし、久しぶりのマルシェは、なんだか楽しくて、また、気が向いたら、マルシェ巡りをしてみるのも楽しいかも・・と思ったのでした。

 これを書くのにあたって、「マルシェ」って日本語で何と言えばいいのかな?と調べたら、「フランス語で市場を指す言葉・・の次に、「ハウス食品で販売している「カレーマルシェ」の商品名」と出てきてビックリしました。


パリのマルシェ


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