2024年2月18日日曜日

想像以上だったSNCF(フランス国鉄)のストライキに対する国民の怒り

  


 日頃から、普段は感情を激しやすいフランス人がストライキに関しては、比較的寛容だという印象が私にはありました。

 ストライキやデモなどは、本当にいつもどこかがやっているイメージですが、日本で生まれ育った私にとっては、フランスに来たばかりの頃などは、ちょっと信じがたい気持ちで、怒りまくっていて、「まったく、信じられない国だな・・」と呆れていました。

 しかし、そのたびに怒り狂ってばかりもいられず、怒るのにもエネルギーがいるため、このストライキをどうしたら、回避できるのか?を工夫するようになりました。

 一番困ったのは、娘の学校のストライキで、そのたびに預かってもらえる場所を探し回らなくても済むように、ストライキのない私立の学校に入れ、私だけでなく、娘自身も安定した(というかストライキをやらないというふつうのことなのですが・・)学習環境が保てたことは、本当によかったと思っています。

 バカンス時の長距離移動に関しては、時間短縮の意味もあって、たいてい飛行機で移動することが多かったので、これまでSNCF(フランス国鉄)のストライキの被害にあったことはありません。

 それでも、バカンス時に定期的に行っていたのは、日本ですが、やはり一番、ストライキの被害に遭う確率が高いのはエアフランスで、ストライキのために勝手に帰国便を直行便から経由便に変更されたり、また、空港に着いたら、交通機関全て(電車もバスもタクシーもない)がストライキで身動きがとれなくて、途方に暮れ、いつもお願いしている運転手さんに慌てて電話して、会社の車が出払ってしまっているなか、奥さんの車で迎えに来てくれた・・なんてこともありました。

 というわけで、それ以来、飛行機を予約する際は、私は、できるだけエアフランスは避けるようにしています。

 今回のSNCFのストライキでは15万人に被害が及んだということで、多くの人は、長距離、長時間がかかる長距離バスサービスに流れたようです。

 なかでも、今回はパリ⇔ボルドー間に最も影響が及んだということで、予定されていた便の3分の2がキャンセルになったとのこと、一時、娘がボルドーにいたこともあり、娘は、このパリ⇔ボルドー間のTGVを頻繁に利用していたこともあり、他人事とは思えない気持ちでした。

 しかも、乗客が怒っているのは、そのキャンセル手続きが厄介なこと(自動的に返金されない)や、それでもまだ、返金されるのは、良い方で、返金されるのは一部だけだったり、次回の購入時の割引券で済まされたり、あるいは、まったく返ってこない・・なんていうのもあるらしく、そりゃあ、怒るのも当然のことです。

 この次回購入時の・・という返金の仕方は、パンデミックの際にキャンセルになったパリ⇔ロンドン間のユーロスターでやられたことがあり(娘がこの時期、ロンドンに留学予定だったのが、出入国禁止になったためにキャンセルになった)、その時は、次回のチケット購入時のクーポンという形での返金?でしたが、いつ次に行く機会ができるかもわからないのに、そのクーポンは使用期限付きで、「これじゃ、返金しませんってことじゃない!」と大いに憤慨した記憶があります。

 楽しいはずのバカンスが楽しいどころか、その往復のすったもんだだけで疲れ果ててしまうのですから、もうSNCFはできるだけ使わないようにしよう!と思うのは、当然のことです。

 政府は、環境問題を考慮して、移動はできるだけ飛行機や車は使わず、電車に切り替えよう!などと言っているけれど、その電車でこんな思いをさせられるのは、ゴメンだ!と思うのは、当然です。

 フランスは、ストライキやデモをする権利というものをとても尊重していますが、これはちょっとどうにかしてもらわないと困ります。

 子供が小さい頃は、子供の学校のバカンスにあわせて、バカンスに行かざるを得ず、当然、その期間は、ハイシーズンになるため、移動のためのチケットも、宿泊施設も高くなり、おまけにストライキに遭遇する確率も高いわけで、その全てのリスク?デメリットを受け入れざるを得なかったのですが、今は子供の学校のバカンス期間は避けるようにしています。


ストライキ


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2024年2月17日土曜日

人の味覚はそれぞれなので、自分の好みに合うものを見つけるのは簡単ではない

 


 私が日本に行く時は、半分くらい(もしかしたら、それ以上かもしれない)は、食べることが目的なので、当然、もの凄い勢いで食べまくるのですが、前回の一時帰国の際は、我ながら、これまで以上の興奮ぶりで、もう満腹中枢が壊れたかと思うくらい、食べまくりました。

 日頃から、YouTubeやInstagramなどで、「これ最高!」などと紹介されているものをチェックしていて、「日本に行ったら食べたいものリスト」に書き足しています。

 日本に到着するやいなや、日本の場合は、すでに慣れ親しんでいるお店やすでに知っているもので、どうしても食べたいものが、すでにたくさんある中、その新しく食べてみたいものリストから漏れずに食べて帰ろうとするために、色々と買い物に走ったり、お店に食べに行ったりします。

 今回、多分、何かのYouTubeで、「成城石井の焼売がすごく美味しい!」と言っているのを見て、娘に話したら、「成城石井なら、会社の入っているビルに入ってるから買ってきてあげるよ!」と言ってくれたので、ものすごく期待して食べると、「うん、美味しいけど、べつに・・」という感じで、ちょっとがっかりしたという話を隣に住んでいる従姉妹に話したら、「うん、成城石井の焼売は特別感はない、焼売だったら、小洞天のが美味しいよ!」と買ってきてくれました。なるほど、さすがに、長い付き合いだけあって、好みが一緒で、この焼売には大感激でした。

 すると、今度は、肉まんの話になり、肉まんなら「維新號」の肉まんが美味しい!という情報を得て、「維新號」の肉まんを探して歩くことになり、それまでの間に会った友人や叔母たちに聞いても、たしかに「肉まんなら維新號!」と口を揃えて言うので、何が何でもそのみんなが絶賛する肉まんを食べたくなり、さんざん探してようやく渋谷でゲット。

 大変、満足でした。

 フランスに戻って、しばらくは、日本から持ち帰ったもので満足して、フランスの食品が色褪せて見えていたのですが、結局、ないものねだりをしても仕方ないので、また、フランスでも、美味しいものを探して歩くことを再開しています。

 しかし、フランスでは、日本ほどは、感激できるドンピシャのものを見つけるのは簡単ではなく、X(旧Twitter)やYouTube、Instagramなどで紹介されているお店に食べに行ってみたり、持ち帰れるものは買ってきたりしているのですが、どうにもハズレが多く、あんなに絶賛している感じだったのに、全然、大したことなかった・・とガッカリすることもしばしばです。

 そんなお店に行ってみると、フランス人のユーチューバーらしき人々が撮影している場面に遭遇したりすることもあるのですが、「まあ、悪くはないけど、フランス人の好みなのかな?」、まあ、人の味覚はそれぞれなので、必ずしも私の口には合わず、「まあ、美味しいけど、また来るか?って言ったら、そうでもないかな・・」というところが多く、やっぱり自分の好みのものは、自分で探さなければ・・とそのたびに思うのです。

 特にフランス人のインスタなどだと、ノリも良くて、ついついその気になってしまうのですが、なかなかハズレも少なくありません。

 彼らがウソをついているわけではなく、単に好みが合わないだけの話、私も時々、ブログでパリにある私が美味しいと思ったお店や食べ物を紹介していますが、必ずしも万人向けかどうかはわかりません。

 必ずしも有名なお店だったら美味しいというわけでもなく、パリの場合は、特に外食は、決して安くもないし、お店の雰囲気やサービス、そして提供される食べ物が総合的に値段相応のものであるかどうか?そんな感じで私は、美味しいものを探し歩いています。

 それにしても美味しいものを探すのは日本でもパリでも楽しいのです。


おいしいもの探し 味覚


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2024年2月16日金曜日

SNCF(フランス国鉄)大規模ストライキ 50%のTGVがキャンセル

  


 ここのところ、毎日のようにSNCF(フランス国鉄)のストライキはどうなるのか?というニュースをやっていますが、週末に入り、やはりストライキはかなりの規模で決行されるようです。

 今年の子供の学校の冬休みは、先週末から地域によって1週間ずつズレる形で(それぞれ2週間ずつ)3月まで続きますが、このストライキは2週目の週末から突入する模様です。

 このストライキという脅しを受けて、SNCF経営陣は、2022年末の合意では、2023年にコントローラー200人を追加雇用する規定であったものに加えて、乗務員の特別賞与を年間600ユーロから720ユーロに増額、コントローラー200人を含む無期契約の鉄道労働者1,100人を追加採用することを発表しています。

 これらの提案に加え、SNCFは、不動産市場が高騰している地域に住む鉄道労働者向けの住居手当も提案しています。

 そもそもSNCFやRATPなど鉄道関係の仕事は給与はともかく(決して少なくもない)、福利厚生が一般の企業に比べると格段に条件がよく、このうえ、なにか気に入らなければ、できるだけ多くの人が迷惑を被る機会を狙ってストライキをすれば、どんどん要求が通っていくことには、常々、憤りを感じるところです。

 今回は、このバカンス期間を目掛けて、TGVの約半分の便がキャンセルされると言われており、足止めを食う人々は大わらわです。

 特に冬休みというのは、スキーに出かける人々、しかも子供だけで田舎のパピーやマミー(おじいさんやおばあさん)の家に行かせたりする予定にしている人も少なくなく、その交通手段が絶たれてしまうわけですから、大変なことです。

 だいたい、子供の学校のバカンスが多すぎるフランスでは、たとえ、自分のバカンスが1ヶ月近くとれたとしても、それで子供の学校のバカンス期間をカバーできるはずもなく、私も1年の子供のバカンス期間をどう調整をつけるかには、本当に苦労していました。

 思い起こせば、冬休みのバカンス期間は、娘はたいてい、スキーのコロニー(合宿のようなもの)に行かせていたので、それは、長距離バスであったために、その発着場所であったポルトドヴェルサイユか、ベルシーなどに送って行って、2週間後に迎えに行くというのが恒例であったため、SNCFのストライキに左右されることはありませんでした。

 SNCFは、このストライキのためにキャンセルになったチケットに関しては、無料で変更するか、全額返金すると言っていますが、このバカンス期間の予定を滅茶苦茶にされた場合は、たいてい、チケット以上のお金がかかることは必須。なんなら、そのために余計にかかった費用も負担してもらいたいところです。

 最近では、私も、時には抗議運動やストライキも必要だとも思うようにもなったのですが、このSNCFやRATPのストライキに関しては、どう考えても、ストライキなしに交渉、解決していく道を考えてもらいたいと思うのです。

 だって、当然、得られるはずの利益を返金しなければならないのですから、大損害のうえに、結局、要求はのむことになるのですから、だったら、その前になんとかした方がいいのに・・と単純に思ってしまうのですが、甘いのでしょうか?


SNCFストライキ


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2024年2月15日木曜日

運転免許証がスマホに取り込めるようになった・・

  


 もう、どんどん時代は進化して、スマホなしには生活できないようになってきていますが、逆に「スマホ一つさえあれば、なんでもできるようになってきた・・」という方が前向きな捉え方かもしれません。

 今や、スマホで支払いもできるようになったため、現金を持つ必要がなくなり、Navigo(メトロやバスのチケット(定期券)も身分証明書もスマホに読み込めるようになり、ついに運転免許証もスマホに読み込むことが可能になりました。

 今まで、お財布の中に入れていた様々なカードはお財布ごと必用なくなりつつあり、スマホさえ持てば、済むようになりつつあります。

 私は個人的には、どちらかといえば、アナログ人間で、このスマホの操作は億劫で苦手で、いつも娘にバカにされながら、教わりながら、少しずつ取り入れざるを得なくなってきています。

 フランスでの、この証明書類のデジタル化が想像以上に進んでいることを一番、目に見えて感じたのは、コロナウィルスがまだまだ蔓延しつつ、ロックダウンが解除されていく過程で、ワクチンパスポートがないと、出かけられなかったり、レストランに入れなかったりするようになった頃のことで、かなり高齢の人々でさえもスマホにワクチンパスポートを読み込んで提示していた時に、こんなおじいちゃんたちもスマホをちゃんと使えるんだな・・と驚いたのです。

 このようなシステムは、使用方法が簡単であり、且つセキュリティーがしっかりしていることが最低必須条件ではありますが、今回の運転免許証は、これまでに、すでに存在していたfrance-identite.gouv.fr/の中に、運転免許証を追加できるようになったという感じです。

 この証明書関係を読み込むためのアプリをインストールして、そこから簡単に読み込むことができます。フランスの古い運転免許証は、ピンクの紙でできた、それこそ、なんで?こんな大きいの?というようなものでしたが、最近発行されている運転免許証は、ICチップ入りの銀行カードサイズのものに移行しています。

 現段階で最も簡単にスマホに読み込めるのは、このICチップ付の運転免許証ですが、近々、この古いピンクの免許証も電子ID(身分証明書)を取得済であれば、読み込み可能になります。

 この運転免許証のデジタル化、スマホ読み込みが急がれたのは、検問の際の免許不携帯があまりに多いこと、そして、罰金の未回収があまりに多いために、その場で罰金支払い請求が行われるようになって、その場で罰金切符を発行し、その後の追跡がしやすくなることも大きな目的の一つであると思われます。

 しかし、逆に悪い方向で考えれば、スマホを失くしたり、盗られたりしたときには、大変なことになるわけで、この治安の悪いパリでは、スマホを盗られたりすることも珍しくはないわけで、やっぱり、二の足を踏んでしまうところはあります。

 ペーパーレスの次は、カードレス・・時代はどんどん進化していき、アナログ人間はついていくのが大変です。


デジタル運転免許証フランス


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2024年2月14日水曜日

日本の治安が悪化している・・とフランスでは報道しているけど・・

  


 「日本で驚くべき犯罪件数の増加!」というフランスの記事をみつけて、正直、半分は「おまえが言うな・・」という気持ちもあったのですが、反面では、ちょっとショックでもありました。

 なぜなら、これまで日本はとにかく「治安がよい」ことで有名な国であって、このような犯罪件数の増加を海外から取り上げられるなど、およそ、「らしくない」ことであったからです。

 「2023 年に日本で発生した犯罪および犯罪は 70 万件を超え、前年比 17% 増加」、これを精査すると状況の悪化がさらに明確に現れ、窃盗20%増、殺人と性的暴行は30%増、誘拐と人身売買40%増となっています。

 「この事実には、日本国民自身も、日本が安全な国であると考えている人の割合が10~20年前には80~90%であったものが、64%にまで減少していることからもわかります」とあります。

 また、「今年に入ってから1,500回以上の地震で壊滅的な被害を受けた能登半島で被害を受けた家屋への略奪が相次いだことにも垣間見える」としています。

 そして、この記事では、この日本の治安の悪化の原因の一つには、困難な経済状況にあると説明しています。「物価の高騰にもかかわらず賃金が上がっていない」、この物価と賃金の差による貧困化が、強盗や万引きの増加につながっており、この困難な経済状況は、カップルや家族内の関係にも緊張をもたらします。 これは家庭内暴力や児童虐待の増加によって証明されているとしています。

 多くの不安定な労働者が職を失っていますが、日本では非正規の雇用契約では、解雇後に失業手当を受け取る権利がありません。 警察によると、職を失った不安定な労働者のうち一定数が、「闇バイト」に走っているとも言っています。

 専門家によると、長年にわたる社会的距離の維持が精神的健康に悪影響を及ぼしており、死を決意するほど落ち込んでいるのに自殺できない日本人は数え切れないほどいます。 そして、一部の人は「無差別」または「無差別」殺人を行うことを選択します。 

 「つまり、彼らは知らない人を攻撃します。建物に放火したり、路上や電車内で人を刺したり、手製の爆弾を作って犯罪を犯したりします。その結果、それらの犯罪者は確実に死にます。日本では大量殺人の加害者は死刑を宣告されるのです。」と記事を括っています。

 私自身は、もう長い間、日本には住んでおらず、せいぜい年に1~2回くらいしか日本に行っていないので、日本の治安の悪さを実感することはありませんが、(むしろ、フランスの治安と比べてみてしまうので、なんて平和なんだとさえ思う・・)この記事の「なぜ?」という原因の部分を見ると、なるほどね・・と思うくらいです。

 たしかに、数年前までは日本での犯罪件数は減少し続けていたということを考えれば、増加に転じただけでも、大きな転換期でもあり得るのかもしれません。

 しかし、フランスでは、おそらく桁違いの犯罪が発生していて、犯罪もよりダイナミックで暴力的、また、簡単な犯罪はカウントさえ、されていないことは間違いありません。

 日本で「高齢の男性がおにぎり1個の窃盗で逮捕された」などという話を目にしたことがありますが、まあ窃盗といえば、窃盗で、犯罪ではあるのでしょうが、おそらく、これはフランスだったら、その場でお金を払うことを促されて、帰されるくらいで、よほどの常習者でもない限り、記録にも残っていないと思います。

 実際に、スーパーマーケットで万引きをして捕まっていたお客さんが、そのままレジに戻されて、お金を払うように促され、そのまま帰されているのを目撃したことがあります。

 スリやひったくりに至っては、あまりに危険な機会が多すぎて、被害に遭っても、注意が足りなかった・・と思わず被害者側が反省してしまいそうになるくらいです。

 破壊行為、暴動のたびに起こる放火なども、これもあまりに多すぎて、これらの犯罪を全て警察が追跡しきれているとも思えません。

 なので、フランスが日本の治安悪化を語るのは、お門違いというか、おまえが言うな!といった感じもするのですが、なんとなく、日本とフランスでは犯罪傾向が少々、異なるような気もしていて、日本の犯罪にはどこか陰湿さを感じるところもあります。

 そもそも、今、日本で大問題になっている政治家の不正な金銭問題。日本のトップのこの金銭問題の方が日本では、治安の悪化・・よりも重大問題、横領、脱税、政治資金規正法違反も立派な犯罪。

 なんなら、いっそのことフランスでもこっちの問題の方を取り上げてくれないかな?と思ってしまいます。


日本の治安悪化


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2024年2月13日火曜日

未成年の少女2人に売春を強要した3人が逮捕

  


 日本から、パパ活とか、立ちんぼとかいう話を漏れ聞くことがあり、驚いていましたが、フランスでも、未成年者の売春行為は社会問題になりつつあり、なかでも未成年者に対する売春強制行為の件数は過去 4 年間で 6 倍に増加していると言われています。

 この売春行為には、様々なケースがあるようで、今回のケースは、未成年の少女たちを誘拐してアパートに監禁し、売春行為を強要していたという残酷なものでした。

 被害に遭ったのは、15歳と17歳の少女で、パリ19区のアパート内に監禁され、売春を強要されていました。この少女たちは、家出していたそうですが、1月半ば過ぎに父親に「自分は今、誘拐され、監禁されている」と助けを求める電話をしており、この娘の携帯電話の位置情報から、居場所を突き止めることに成功し、パリ19区の警察官とパリ警察本部の未成年者保護旅団がアパートに突入しました。

 アパート突入時は、容疑者3人は酩酊状態で、ナイフを持って暴れて抵抗した模様ですが、警察がスタンガンで応戦し、3人の身柄の拘束に至ったと言われています。

 容疑者は、25歳と30歳の男性2人と22歳の女性の3人だそうで、女性が混ざっていることがさらに恐ろしいことです。

 しかし、売春行為はもちろんのこと、このような未成年を誘拐して、売春を強要するという事件は、珍しくはないようで、過去の事件を遡るとけっこうあることにさらに驚かされます。

 昨年の8月には、17歳の少年2人が14歳と20歳の女性を監禁したうえで、脅して売春を強要するという事件があり、1日に6人から10人の客が来ていたと言います。しかし、彼女たちには、報酬はなく、この17歳の少年でさえも別の人物に雇われて警備のような仕事をしていたにすぎず、この誘拐、売春強要は、組織的なものであったことがわかっています。

 調べてみると、14~15歳の売春強要事件は次々と出てきます。多くのケースにおいて、この少女たちは家出少女であることが多く、最初は金品のために、甘い言葉に誘われて、むしろ、お姫様気分にさえ陥っている場合もあるのですが、現実には、暴力、殴打、強姦、侮辱、唾吐きが待っており、暴力と脅迫により、完全に支配される力関係になっていきます。

 そもそも、常識的に考えてみれば、14~15歳の女の子がたとえ、一晩でさえも家に戻ってこなければ大騒ぎになるのが普通で、それが数日間、数週間、時には数ヶ月にわたり行方不明となれば、売春行為云々以前に大変なことです。

 それが売春を強制されて初めて親に連絡してきたり、警察に駆け込んで助けを求めるまで見つからないなどというのは、異常な話でもあります。

 しかし、こんな話で不謹慎ではありますが、売春も、需要と供給があって成立する話でもあり、それだけの客がいるということも見逃してはならない現実でもあります。

 1月初旬には、オー・ド・フランスで14歳の少女と親密な関係を持った疑いで13人の男が逮捕されています。

 まったく、家出少女、売春をする者、それを強制する者、そして、その客・・とどこから手をつければよいのか? どうしたら、こんなことになるのでしょうか?


未成年少女を売春強制


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2024年2月12日月曜日

小さな子供に生乳チーズを食べさせてはいけない

  


 ローヌ地方(フランス南東部)でモルビエ(生乳チーズ)を食べた2人の少女(1人は7歳、もう1人は生後18ヶ月)が大腸菌による感染症を引き起こし重篤な状態に陥っていることがわかりました。

 この感染症は成人にとっては重篤になることはほとんどありませんが、小児では重篤な症状を引き起こし、死に至る可能性もあると言われています。

 この事件を受けて、当局は子供の食事に関して予防策を講じることを推奨しています。

 この細菌は反芻動物の消化管に存在し、その肉や牛乳を汚染する可能性があり、溶結性尿毒症症候群(HUS)を引き起こす可能性があります。

 溶血性尿毒症症候群(HUS)は、成人にとってはそれほど危険ではありませんが、虚弱体質の人、特に高齢者や5歳未満の子供にとっては危険であり、場合によっては死に至る可能性があります。 フランスでは年間約160件の症例が記録されており、主に不十分に調理された肉や低温殺菌されていない乳製品が原因となっています。

 これを聞いて、チーズにそんな危険があったことに、今さらながら、身が震え上がる思いがしたのです。

 というのも、フランス人の夫は、大のチーズ好きで、「フランスには、何百、何千種類のチーズがあるんだ!この素晴らしい食文化をどうしても子供には教えなければならない!」と娘が小さい頃には定期的に違うチーズを何種類か買ってきては、娘に食べさせていました。

 残念ながら?娘はチーズが嫌いで、むしろ、小さい頃に様々なクセのあるチーズを無理矢理食べさせられたために、余計に嫌いになったきらいがあります。「嫌いかどうかは食べてみなければわからない!」と夫はひとくちでも食べてみろと娘に食べさせていました。その中に、モルビエも入っていたことは間違いありません。

 そのたびに、娘はひとくち食べるだけで、「ノン、ノン、ジェムパ・・」(嫌い)と言って、結局は、ほとんどは夫が食べていたので、そのうち私たちは、「チーズを食べたいパパが口実をつけて、チーズを買ってきているだけじゃん!」などと、冷たくあしらっていたために、しばらくして、夫はそんな娘へのチーズ教育をやめてしまいましたが、それでも、娘が小さい頃に食べたフランスのチーズの種類は相当数に及ぶと思います。

 しかし、結果的に、それでわかったことは、娘がチーズはあまり好きではないということで、今でも、娘が食べるチーズは、ほんの限られた種類のみです。

 今回のモルビエ事件を受けて、パリのトルソー病院(小児病院)の医長は、子供に食べさせてはいけない食品を説明しています。

 生乳から作られているルブロション、サレール、ブリー、ピコドン、ぺラドン、特定のカマンベール、モルビエ、モンドゴールドなどはNG。

 子供に食べさせてよいのは、エメンタール、コンテ、アボンダンス、グリュイエールなどの調理済みのプレスチーズ、スプレッド加工されたプロセスチーズ」や低温殺菌牛乳から作られたチーズであると例示しています。

 肉、特に牛ひき肉はよく火を通しておかなければならず、生乳、生乳から作られたチーズなどの乳製品は5歳未満の子供にたべさせてはいけないと説明しています。

 また、子供たちには、ピザ、ケーキ、パイ生地などの小麦粉を使った調理品を生または調理が不十分なものを与えないように勧告しています。

 そういえば、何年か前にブイトーニの冷凍ピザで食中毒事件があり、子供が数名死亡したことがありました。あの時も溶血性尿毒症症候群(HUS)と毒素産生性大腸菌(STEC)の感染症が原因でした。

 しかし、あの時は、むしろ、あの冷凍ピザ工場の衛生状態のあまりの酷さがクローズアップされていたのですが、考えてみれば、ピザ生地の調理具合は問題にはされていませんでした。

 いずれにしても、子供の食事には気をつけなければいけないことが多々あったにもかかわらず、私には、一応、常識的な、なんとなくの感覚があったのみで、詳しい知識はなく、大病をすることもなく娘が無事に育ったのは奇跡的なことだった・・と今さらながら、胸をなでおろす気持ちです。


生乳チーズ モルビエ食中毒


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