2023年4月14日金曜日

パリでお花見 緑の芝生の中にあるソー公園の八重桜(Le parc de Sceaux)

  


 パリ(正確にはパリ近郊)でお花見といえば、ソー公園(Le parc de Sceaux)が有名だという話はよく聞いていましたが、この時期、日本人をはじめ、アジア人がおしかけるというので、あまりの人混みを思い浮かべていて、これまで20年以上もパリに住んでいるのにソー公園のお花見には行ったことがありませんでした。

 昨年のお花見の季節は久しぶりに日本にいたので、日本の桜を楽しむことができたのですが、日本の場合はこんなに街の中に桜ってあったかしら?と思うほど、特にお花見のために公園などに出かけなくとも、桜の木は東京の街の中、あちこちに存在し、また、ほんの短い桜の季節の桜の花が組み込まれることを計算にいれてデザインされているかのごとく作られている東京の街に、やっぱり街に溶け込んでいる桜は美しい・・日本の桜はいいな・・と感じ入ってきたのでした。

 パリはお花の多い街ではありますが、日本のような桜は少なく、あまり街中では桜を楽しむという感じではありません。

 これまで公園のお花見というと、どうも日本の「桜の木の下で宴会」というイメージがあったのも、これまでソー公園のお花見に行かなかった理由の一つでもありました。

 しかし、昨日はパリの街中はまたデモで、どこで足止めを食うかもわからない感じで街中には出たくないと思っていたところ、たまたま Instagramでソー公園の桜を見かけて、「今が桜の時期なんだ!今日はソー公園に行こう!」と出かけたのでした。



 ソー公園は181haもあるけっこう広い公園で、中にお城まである壮大な公園で、樹木なども美しく剪定されている見事な公園です。公園内(西部)には100本以上の八重桜の木が植えられており、この時期、公園入口には「hanami」の看板が立っています。






 緑の芝生の中に咲く桜の花というのも、また別の趣がありますが、それに加えて、日本をイメージしているのか?八重桜が固まって咲いている場所の入口には鳥居がたっており、ちょうちんがかかっています。



 また、日本の桜について、説明しているパネルがいくつか立っており、日本人から見たら、こんなことを紹介するんだ(100円玉に桜の花が刻印されている・・とか、なぜか昨年の日本の桜予報など)と思うような日本における桜の位置づけなどについて、説明しています。


 また、見ている方も「ウ~ラ!セ・マニフィック!モン・フジ!」(ワォ!素晴らしい!富士山!)などと感激して写真を眺めているので、「ん??富士山のカタチとちょっと違うような・・」と思って、写真を覗くと、桜島だったりしましたが、別にいきってそれを訂正する必要もなく、そのくらい緩い感じで日本の桜を楽しんでくれているのは悪くないかな・・と思ったりもしたのです。

 平日にもかかわらず、けっこうな盛況ぶりで、日本人は全くみかけませんでしたが、けっこう観光客も来ているようでした。年金改革問題で荒れている現在のフランスとは思えない、平和で美しい風景でした。





 サンドイッチなどを持ってきて、ピクニックをしている人もいましたが、宴会のような雰囲気ではありません。また、公園は朝7時からで夜20時30分には閉まってしまうため、夜桜見物はできません。



 犬の散歩に来ている人も多いし、この一画以外は、ヨーロッパの公園の風景であることも面白いし、何よりも、ただ日本の桜を植えてあるだけでなく、ちょっと見当違いの鳥居や個人的にはない方がいいかも?と思われるちょうちんを飾ったり、日本の桜を紹介するパネルを立ててくれていたり、なんだか日本文化に対する尊敬の気持ちが見えるようでうれしい気がしたのでした。

 駐車場もあり、車で行くのが楽だとは思いますが、電車(RER B線)でも、パリからそんなに時間がかからずに行けるので、この時期にパリを訪れることがあれば、ちょっとお花見を楽しむのもいいかもしれません。

 なお、電車(RER B線)で行く場合は、Parc de Sceaux駅よりも、La Croix de Berny駅の方が八重桜の一画に近いです。


hanami  ソー公園のお花見 八重桜 Le parc de Sceaux


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2023年4月13日木曜日

噂話好きな知人にうんざりしている・・

 


 1ヶ月くらい前に、買い物に行った際に偶然、昔の同僚二人にばったり会いました。彼女たちは、私よりも一回り以上?年齢が上で、ちょっと世代も違う感じで特に親しくしていたわけではありませんでしたが、職場で顔を合わせれば、普通に話はするくらいの感じで、私がその会社に在職していた間に彼女たちは同時にではありませんでしたが、それぞれ、時間差で定年退職していきました。

 とはいえ、こちらの学校のこととか、子供の教育のことなど、すでに子育てがほぼ終わっていた彼女たちには、色々と教えてもらったりもしましたし、彼女たちにとっては、娘は、孫のような存在で、会社に娘を連れて行ったりすると、娘を散歩に連れ出して遊んでくれたり、これ〇〇ちゃんにあげて・・などとプレゼントをいただいたり、娘のことを心にかけてくださったり、お世話にもなったし、なにせ、けっこう長いつきあいではあったので、それなりに懐かしくはあったのです。

 私の方は、まったく誰かに会うなどとは思っておらず、声をかけられてびっくりしましたが、「あっちに彼女もいるのよ・・」と言われて、二人とは、かれこれ7~8年ぶり、いや10年ぶりくらいの再会でした。

 私に声をかけてくれた彼女はそんなに変わってはいなかったのですが、もう一人は明らかに変わっていて、びっくりするほど痩せていました。「うわぁ~久しぶり!あれっ?なんかすごく痩せたね・・」と言ったら、「うん、ちょっと体調崩してね・・」と、痩せた原因についてはあまり話したくなさそうだったので、それ以上、聞くこともなく、「相変わらず、一緒につるんでるんだね・・」と言って、少しだけ話をして、そのまま別れました。

 それから数日後、今度はまた、別の元同僚の一人からメールが来て、「あの2人に偶然、会ったそうですね・・」と書いてあって、彼女たちや、その他の元同僚などの近況がつづられていたのですが、主な内容は、すごく痩せてしまっていた彼女の病状について、事細かに詳しく書いてありました。

 メールをくれた彼女は、以前からとかく噂話好きな人で、私としては、ちょっと苦手なタイプの人でした。夫が倒れた時なども、かなり深刻な病状をあまり会社の人には話をしたくなかったのですが、たまたま彼女が家に電話をくれたりしたので、うっかり少し話をしてしまって、「騒ぎにしたくないから、他の人には黙っておいてね・・」と念を押したにもかかわらず、彼女の取り巻きだけには、「ここだけの話なんだけど・・」と彼女が吹聴してしまったことで、他の人からは、「なぜ?私には知らせてくれなかったの?」などと責められたりして、面倒な思いをしたこともありました。

 今回の彼女の病気についても、結構、深刻な病状のようなのですが、なにせ、本人はあまり話したくない様子だったのを知っているだけに、またそれを吹聴するようなメールを受け取って、ウンザリした思いでした。

 なんか、嫌なメールだな・・と思って、返信するのを躊躇っていたら、数日後に再び、「先日、メールを送ったのですが、届いていますか?」と確認するようなメールが再び届いて、ますますウンザリして、そのまま放置していたのでした。

 たまたま、別の用事で、共通の知り合いの結構、仲良くさせていただいている友人が別の用事で電話をくれた時に、そういえば、「彼女から電話があって、彼女があなたに連絡をとろうとしているけど、メールの返事もないし、家の電話も繋がらないって言ってたよ・・」と。

 そうそう、私は、もう1年くらい家の固定電話を切ってしまったので、携帯電話の番号を知らない彼女は家に電話をかけ続けていたようなのです。

 「なんで、そこまでして・・?」とその執拗さにますます、ウンザリしていると、また別の友人から電話で、「うちにも、あなたに連絡が取れないって電話があった・・」と。

 付き合いの途絶えている人間の近況を仕入れて、また噂話の種にするのは、見え見えで、また、彼女が話す噂話に付き合うのも苦痛です。

 彼女の今の最大のトピックは、彼女の仲良くしているはずの友人の病状なのには違いないのですが、本人が話したくないことを日常の付き合いのない人間にまで吹聴して歩くのは、悪趣味以外のなにものでもありません。また、それに乗じて、また噂話のネタを仕入れようとしていることも見え見えで、今は本当に固定電話を切っておいてよかった・・と思っているのです。


噂話


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2023年4月12日水曜日

自分はやっぱり日本人だなぁと思うこと・・

  


 妙なもので、自分が日本に住んでいる時には、自分が日本人だと意識することはほとんどありませんでした。しかし、おかしなもので、海外に住んでいれば、あらためて自分は日本人なんだなぁ・・と感じることは少なくありません。

 海外にいると、一般的にアジア人はわりと一括りにされる感じもあり、日本と中国の区別があいまいな人もいるし、圧倒的に中国人が多いせいかもしれませんが、マルシェなどのお兄さんなどには、「ニイハオ!」などと声をかけられて(相手にしてみれば、決して悪気はないとは思うのですが・・)、思わずムッとして、「私、日本人です!」などと、わざわざ訂正してしまったりすることもあります。

 やはり、とりわけ、食事などは、私が一番、自分が日本人だと感じる部分で、パリの街を食べ歩きしたりするのも楽しいし、とても美味しいのですが、しばらく続くと、どんなに美味しいものを食べていても、次第にゲッソリしてきてしまいます。

 高価な星付きレストランが美味しいのはあたりまえだし、肩が凝るし、予算オーバーになるので、私は、手ごろな値段で美味しいレストランを食べ歩くのが好きで(おまけに雰囲気が良ければ言うことないのですが)、これは!と思ったレストランにはできるだけ行ってみるようにしているのですが、しばらくこれを続けていると、結局、家で食事がしたくなって、「もう、本当に簡単にごはんとお味噌汁とお漬物にふりかけだけでもいい・・どんな外食よりも、本当はこれが一番美味しいんだな・・」などとしみじみしてしまうのです。

 最近、よく食べ歩きをするようになったのは、一時、ロックダウンなどで、ほとんど外食できなかったりした反動もあり、また、この間にお店もずいぶん、入れ替わったりもしているので、それも楽しかったりもするのです。

 しかし、結局は家で食べる白いご飯とお漬物・・みたいなものが私にとっての最高のごちそうであるのです。

 長年、海外生活を続けているうちに、こちらで手に入る食材を工夫して作る和食っぽい食事に彩りを添えるために、最低限の薬味のような野菜、紫蘇や三つ葉、小葱、山椒などはベランダで育てるようになり、また、これらは、前年にこぼれた種が春になると芽が出て育ってくれるようになっているのは大変うれしいことです。

 今は山椒の新しい芽が出てきている時で、ちょっと触ってみたら、それはそれは強烈な香りで、思わず鰻が食べたくなりました。しかし、家には鰻はなし・・。しかし、摘んでも摘んでも出てくる春の香り、これはもったいないと、急な思いつきで、自己流でおいなりさんの酢飯に山椒の新芽を混ぜてみたりして、今日は、それはそれは満足したランチになりました。

 こんなささやかなことですごく満足するあたり、私はやっぱり日本人だなと思う瞬間です。

 また、最近、日本食ブームのフランスで、冷凍食品や日本食などがスーパーでも見られるようになり、それなりにアレンジされて作られて、パッケージの写真には、その食品にお箸が添えられていたりするのですが、かっこつけているつもりか、丼の上に置かれたお箸は交差しておかれていたりします。

 


 そんなお箸の置き方が妙に気になって仕方がなかったり、どことなくおさまり悪い気持ちが拭えなかったりするのにも、日本人だな・・と思う瞬間です。

 おまけに上に添付した怪しげな Udon(うどん)なるものも、極めつけには、「中国の味・・」などとご丁寧に書かれており、中国と日本がごちゃ混ぜにされているのをここでも感じます。

 とはいえ、そこそこの外食を楽しみつつも、やっぱり家で作るごはんが一番いいと思ってしまいがちな私は、つい先日、天気の良い日に、ワクワクした気持ちで春菊、水菜、コカブ、ニラなどの種まきをしたのでした。


日本人の実感


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2023年4月11日火曜日

マルセイユでの大規模な爆発事故 夜中にこんなことあり得る?

 


 土曜日から日曜日の夜の午前 12 時 46 分、マルセイユ市内中心部で激しい爆発事故が起こり、この爆発のあった建物1棟は完全に崩壊したとともに、がれきの下で火災が発生し、その両隣にあった建物が午前7時頃になって、引きずり倒されるようにして倒壊するという大惨事が起こっています。

 爆撃でも受けたのかと思うほどのちょっと目を疑うくらいの惨事です。

 近隣住民の証言によると、爆発当時から朝にかけて、強いガスの臭いがしたという声が多数あがっており、少なからずガスが起因しているとは考えられているものの、爆発の具体的な原因については、現段階では不明と発表されています。

 この事故がおこった地域は、旧市街で、建物自体も老朽化の監視対象になっていた建物ではなく、一体、なぜ、こんなに悲惨な事故が起こったのか疑問でもあります。

 今回の事故では、消防隊、救急隊が非常に迅速に駆けつけて、救助作業にあたり、それからは昼夜たがわずに救出作業が継続されていますが、少なくとも、おおもとの爆発が起こった建物は、映像を見るにつけても、もうほとんど粉々の状態で、がれきをさらに崩さないように、警察犬を使いながら、下に人がいないかどうか確認してからの作業になっているとのことで、非常に時間がかかっているということです。

 この事故が起こった時間帯(午前1時近く)からしても、爆発から建物が倒壊するまでの時間がどの程度あったかわかりませんが、いずれにしても、寝ていた人も多いであろうし、迅速に避難することが可能であったとは思えません。

 月曜日の夜の段階までで、遺体は6体発見されていると報告されてはいますが、この惨状を見ても犠牲者が6人で済んでいるとは、とても思えないほどの倒壊ぶりです。

 しかし、実際の爆発から、朝になって隣の建物が倒壊するという長時間にわたる事故は、考えるだけでも恐ろしく、近隣の200人が学校や体育館などに避難している状況です。

 結局、爆発のあった建物と両隣の建物がほぼ、全壊しているわけで、パック(イースター)の祝日のまっさ中のこの悲惨な事故はマルセイユ市民を震え上がらせています。

 このような救出作業は1時間遅れるごとに、生存者を発見する可能性が低下するといわれていますが、2日経った現在は、どうやら犠牲者を探す段階に入っているようです。

 遺体の身元確認も簡単なことではなく、どうにか命からがら避難した人でさえも、自分を証明するIDカードも何もない状態で、生きていても、自分の証明ができないとパニック状態に陥っている人もいます。

 また、倒壊した建物の中には、Airbnbとして貸し出されていた部屋もあったと言われており、犠牲者が外国人の場合は、その身元確認は一層、困難になると言われています。

 この手の災害になると、必ず引き合いに出されるのが日本の災害に対する対応で、このような事故は、長いことトラウマを引きずることになり得る、日本の災害対応に学ぶことがたくさんあるなどと述べているジャーナリストもいます。

 また、悲惨な現場の状況や救出作業、避難状況などが多く伝えられているものの、その原因については、深く掘り下げられてはいませんが、この皆が寝静まっている時間帯になぜこんな爆発事故が起こるのかは、とても疑問であり、この事故がテロのような、故意におこされたものであったのか、全く不慮の事故であったのかどうかの検証には至っていませんが、一応、検察は「故意ではない傷害事件」として捜査を開始しているようです。



 先週は、麻薬密売がらみの銃撃事件で3名死亡という事件が起こったばかりのマルセイユには、どうにも穏やかではない事件続きです。マルセイユの教会の追悼ミサには300名が集まり、犠牲者に祈りを捧げ、マルセイユ市庁舎には、3日間、半旗が掲げられています。

 私自身も地震のない国に住むようになって、避難する場合は・・などと考えることがなくなっていたのですが、いざと言うときに避難する際に持ちだすものを用意しておかなければ・・などと思ったのでした。


マルセイユ爆発事故


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2023年4月10日月曜日

12歳の少女を襲ったパリのメトロの痴漢は、あっさり釈放

  


 もうずいぶん前の話になりますが、日本の電車では、痴漢に遭ったことがありました。日本で通勤していた頃の話で、あの日本のギューギュー詰めの満員電車の中では、身をかわすのも大変で非常に嫌な思いをした覚えがあります。

 それに比べれば、パリのメトロで日本ほどの満員電車というのは、非常時(ストライキで間引き運転になったりしている時など)を除いて、経験したことがなく、きっとパリのメトロには、そんなに痴漢行為に及ぶ人はいないんじゃないかな?と勝手に思っていました。

 それほどギューギュー詰めに混んでいるわけでもなかったら、周知される可能性も高く、痴漢行為に及ぶ側もハードルが高いわけで、また、こちらの女性は、黙って我慢しているとも思えないし、周囲の人々も気付いたら、黙っていなさそうです。

 それでもなお、痴漢行為に及ぶ場合は、もっと暴力的になってしまうのではないかという気がして、さらに恐ろしい気もしていました。

 それが、最近、たまに耳にする痴漢の被害者は未成年、しかも12歳~13歳とかの少女に対しての痴漢行為で、つい最近も被害者の母親の訴えにより、犯人が捕まったと聞いて、また、さらに、その逮捕後の措置などを聞いて驚いているところです。

 パリの地下鉄内で太もも、臀部、胸を触られたという被害者の母親の訴えにより、容疑者(55歳男性)がパリ北駅で逮捕されたのまでは、よかったのですが、一度、容疑者は警察に拘留されたものの、その後、精神状態に障害がある(状況の認識ができない)として、病院に収容され、数日間の入院後、容疑者の精神状態を考慮して、パリ検察庁はそれ以上の措置を講じることなく事件を終結させたと伝えられています。

 つまり、あっさり釈放です。

 ところが、この容疑者、数日の間に再犯を繰り返していたようで、彼が逮捕されたのは、少なくとも3回目の犯行だったようです。

 にもかかわらず、精神障害のために、再び彼は罪を逃れ、野に放たれてしまっているわけです。性犯罪者というものは、とかく再犯率が高いと言われていますが、特に彼のような場合、再び、犯行に及ぶであろうことは、ほぼ確実で、なぜ捕まえてくれないのか?と思います。

 大人の女性ではなく、12歳の少女であったからこそ、その場で声をあげられなかったということも十分に考えられることで、彼女にとっては、恐ろしいトラウマになってしまった可能性も考えられます。

 以前、買い物中に万引き集団の逮捕劇に遭遇したことがあり、抵抗する容疑者たちとのけっこうな捕り物長の末、警察は仰々しく、後ろ手に手錠をかけたりして、逮捕していたのですが、「この人たち、どうなるの?」と警察官に聞いたら、「調書をとったら、家に帰す・・」と言われて、目を丸くしたら、「それ以上、どうしてほしいの?」と聞かれて逆にもっと驚いたことがありました。

 痴漢行為が軽犯罪かどうかはわかりませんが、とかく軽犯罪に関しては、一旦、逮捕するとはいえ、意外と簡単に釈放してしまうフランス。再犯確実な容疑者たちが街に容易に戻されている事実がパリの犯罪の多さに加担していることもあるかもしれません。

 犯罪が多すぎて、犯罪者の面倒を見きれない・・のかもしれませんが、みすみす再犯が確実視される相手をなんだかんだと理由をつけては野放しにしてしまうのには、勘弁してもらいたいなと思うのです。

 しかし、この男の55歳という年齢と相手が12歳の少女という気味悪さ・・そういえば、つい最近、「12歳の娘を70歳の老人に売る親」の話が話題になったばかり、変質者のターゲットは、低年齢化しているのでしょうか?


12歳を襲うパリのメトロの痴漢


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2023年4月9日日曜日

フリマサイトVinted(ヴィンテッド)(フランス版メルカリ)でコカインの転売をしていた男逮捕

  


 インフレが続く中、フランスでは、ディスカウントショップが急成長し、ともに業績を伸ばしているのは、Vinted(ヴィンテッド)というフリマサイト(日本でいうメルカリのようなサイト)で、ここ数年、フランス国内だけでなく、利用者はベルギー、スペイン、イタリアなどの国の人々とも取引ができるようになり、ますます業績を伸ばしています。

 例にもれず、私もこのサイトをもう数年にわたって、利用しており(私の場合、もっぱら家の不用品を売るだけで買いませんが・・)、以前は提携店に荷物を届けに行っていたものが、多くの場合は、人を介することなく、指定のロッカーで、バーコードを読み込んで、荷物を置いてくるだけで済むようになり、より簡単で便利になりました。

 私にしてみれば、断捨離の一環で、それを写真に撮って、載せておくだけで、売れたと通知が来れば、梱包して送るだけで、ちょっとしたお小遣い稼ぎになるので、大変、喜ばしいサービスで、日本のメルカリのように手数料なども取られないので、メルカリよりも割が良い気がしています。

 もともと、中古品に対してあまり抵抗がなく、倹約家(ケチともいう)でもあるフランス人の間では、このようなサービスにはもともとポテンシャルがあり、ルボンカンというサイトも有名ですが、最近は、ヴィンテッドのサイトの方がサイト自体が簡潔で便利にできているので、こちらの方が圧倒的に人気になってきている気がしていました。

 このように、時代の潮流にのって、利用者が拡大していけば、必ずよからぬことに利用する人が出てくるものですが、案の定、このヴィンテッドのサイトを利用して、コカインを販売していた男が逮捕されたというニュースを聞いて、なるほど・・と思ってしまいました。

 たしかに直接、人と会って荷物を渡すわけでもなく、しかも広範囲の人に物が売れ、料金は、自動的に自分の口座に振り込まれるのですから、他のものとセットにして転売すれば、かなり発見されるリスクは少ないわけです。

 どのようにして、この男の犯行に目がつけられたのかはわかりませんが、逮捕後の家宅捜索では、様々な薬物(コカイン300g、大麻樹脂315gなど)が押収されたほか、4,300ユーロの現金、拳銃、ライフル、12個のカートリッジが押収されたと言われています。

 この男は、1年半にわたってVinted(ヴィンテッド)でコカインの転売を行っていたと自供しているようですが、自宅で発見された薬物に加えて、普通、家に置いておくにしては、高額の現金や拳銃やライフルなどの武器まで発見されたということは、Vintedでの販売は彼の商売の一端に過ぎなかったような気もしています。

 それにしても、薬物と武器は、ここでもセットで、薬物の密売には武器が不可欠なものとなっていることを認めざるを得ないような気がしています。

 当然、現在、彼のサイトはすでにクローズされていますが、他のものに紛れて、コカインの販売を行っていたことは間違いなく、現段階では、サイト上で彼と取引のあった10人が尋問を受けたと言われています。

 1年半にわたる販売履歴はサイトでは確認できるものの、そのどれにコカインが含まれていたのかを特定するのには、かなり時間がかかることになりそうです。

 Vintedには、一応、取引の際に相互に評価をつけるシステムになっていて、自分が取引する相手が信用に足る人であるかどうかの判断基準の参考にできるようにはなっていますが、顧客側とて、まさかこの評価にコカインのことを明記するはずもなく、たとえ他のものを買ったとしても、他にヤバいものを売っている人だった場合は、大変なことになってしまうこともあり得るということです。

 まあ、特別なケースだとは思いますが、買い物をする場合は、注意しなければならないかもしれません。

 便利になると、何かそれを利用して悪事を働く人がでてくるのは、これに限ったことではありませんが、私としては、けっこう身近に利用しているサービスなだけに、(今日もいらないTシャツが売れてロッカーに置きに行ったばかり)なんだか、ざわざわする感じがしたのです。


Vinted(ヴィンテッド)コカイン販売


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2023年4月8日土曜日

マクロン大統領とボルヌ首相の不協和音

  


 年金改革問題は一向にけりがつかないどころか、迷走状態のまま、反発がやまない状態の中、マクロン大統領は、中国を訪問するため、3日間フランスを離れていました。出発前に、彼はマスコミの取材の前に側近を通じて「フランスの民主主義の危機」を否定し、年金改革には、明確な権限があることを強調し、止まない暴力行為に懸念の意を表していました。

 引き続き、高圧的な態度を全く崩さないうえに、相対する国民の暴力を非難するという最悪のシナリオです。

 もはや、彼の発する言葉にいちいち腹を立てるというよりは、もうすでに怒りは頂点に達している感じで、彼の発する一言一句に怒らないまでも、どうにも彼の発言はいちいち神経を逆なでするようなことばかりで、あれだけ「口が上手い」というか、お話が上手だった以前の彼からしたら、最近の彼から出る発言は、まるでシナリオライターが変わったのではないか?と思ってしまうほどです。

 それに対して、マクロン大統領の留守を守るボルヌ首相は、ここにきて、「物事を急がないように細心の注意を払う必要があり、物事を休ませる必要があり、組合の面目を潰すべきではなく、 国は宥和する姿勢を必要としています・・」と、語り始めました。

 とかく、今回の問題では、損な役割を被って、矢面に立たされてきたボルヌ首相ですが、このマクロン大統領とは全く異なったトーンの発言に、二人(大統領と首相)の間に不協和音が流れ始めたのではないかという噂まで流れ出しました。

 首相の軟化した発言に対して、組合側は、「彼女はおそらく、この国で何かが起こっていること、社会的危機があること、それが市民の感情であるということを認識している・・」、そして、現在は、宥和の言葉を言う方が良いことを認識している・・」と彼女の言葉を歓迎し、同時に、「国民感情を全く理解せずに高圧的な言葉を浴びせ、国民を非難する言葉を浴びせる大統領とは大違い!」と付け加えました。

 首相に対して「過半数を拡大し、国民議会でのテキストを前進させ続けるよう指示して    中国に出かけたマクロン大統領とは、溝を感じるところですが、彼女は「大統領とは頻繁に話をしており、マクロン大統領とは完全に意見が一致している」と強調しています。

 しかし、訪中先での報道陣の問いに答えたマクロン大統領は、「もしも人々が60歳で引退したいのなら、大統領に選出されるべきなのは私ではなかった・・」などと、述べており、大統領を辞めるつもりはなかろうに、自分に投票したかぎりは、自分のやり方に」従え!とでも言いたいのか?、ちょっと理解に苦しむような言葉を発しており、苦しい状況ゆえ、発言に余裕がなくなることはわからないではありませんが、最近は、ことごとく、言うべきことを言わず、言わない方が良いことしか言わない最近のマクロン大統領。

 訪問先の中国では、中国の外交問題について、「対立よりも協力を進める考えを強調」していたそうですが、フランス国内の問題に関しても、同じように考えてはもらえないだろうか?と思ったのでした。


マクロン大統領とボルヌ首相


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