2023年3月17日金曜日

年金改革法案に49条3項発令で法案改変を強行する発表にコンコルド広場が大変なことになった!

  


 大多数の国民が猛反対している「年金改革問題」(62歳から64歳へ定年2年延長など)には、政府首脳が国民を説得できないままに、各方面、ずっとストライキやデモが続けられてきました。

 まるで、両者(政府と国民)の歩み寄りが見えないまま、ストライキはどんどん広範囲の業種にわたり、現在はゴミ収集業者のストライキのため、パリの街は、今日、現在の発表では8000トン以上のゴミが至るところに山積みにされ、ゴミが異臭を放ち始め、まさに、美しい街並みを台無しにしています。

 衛生問題にも発展し、政府はパリ市に対してゴミ収集業者のストライキをやめさせ、職務に戻るように働きかけるように要請しましたが、パリ市長は「市長にはストライキを止める権利はない」とこれを拒否。

 ついには、国が強制的にゴミ収集業者に職務に戻らない場合は罰則を設けることを提案し始めたりで、「フランスでそれやって大丈夫?」と思うような手段を取り始めていたところでした。

 しかし、そんな政府の高圧的な態度をさらに決定的にしたかのごとく、かねてから政府がちらつかせていた通称「49.3」49条3項(議会で採決をとらずに法案を採択する)を発令したのですから、それは大変な騒ぎです。

 49.3条が発令されるやいなや、みるみる人が集結しはじめ、夕方にはパリ・コンコルド広場は大変な騒ぎになり、近辺のメトロの駅も閉鎖され、炎と煙が立ち上るなか、群衆と警察の対決が始まりました。

 これまで数々の問題が起こるたびにフランスでは政治家がテレビなどに数多く登場し、国民との討論番組などに積極的に参加して国民を説得しようとしている姿勢は見事なものだと思ってきましたが、どうにも今回の年金改革問題に関しては、討論番組などが行われても、政府側はどうにも劣勢な感が拭えない感じで、引き続くデモやストライキに両者の根気比べになるのかな? 一体、どのタイミングでどうやって収集をつけるのかと思っていました。

 今回、政府が49条3項を発令するのは、採決をとれば負ける可能性があるために他ならないわけで、だからといって、そのような高圧的な強行は、国民の怒りに火をつけないはずはなく、今後の国民の騒ぎは生半可なものでは済まない予感がしています。


 よく、デモが暴徒化したりすると、ゴミ箱などに火がつけられるのは珍しいことではありませんが、なんと、現在のパリには火がつけられるゴミがいたるところに山積みになっているのは、一層、恐ろしいことです。

 この騒ぎが始まってから、フランスのツイッターのトレンドは1位、ハッシュタグRevolution(革命)、2位、マクロン、3位、年金改革と、この問題が上位を独占しました。

 年金改革についてのこれまでのデモに比べて、一瞬で、一段と過激な感じになったのは、この集結したデモ隊の行動にあらわれています。

 

 フランス政府はフランス国民のキャラクターを理解しているはずなのに、このやり方は彼らの怒りを爆発させるとは考えなかったのでしょうか? 等身大のマクロンの人形が燃やされています。

 政府は49.3条発令で完全に地雷を踏んでしまった感があります。

 その日、コンコルド広場に集まった人々は解散させられ、パリの街に散らばり、結果、あちこちのゴミの山に火がつけられ、あちこちで炎が立ち上るパリはカオス状態に陥りました。

 それにしても、この時期、パリに観光に来ている人々には、まことにお気の毒な感じです。


49.3法案改変強行 パリ破滅的抗議デモ


<関連記事>

「年金改革問題 ストライキ続行で街中にゴミが溢れるパリ」

「年金改革問題デモはルーブル美術館の中までも・・」

「ストライキの被害を被りぐったりした1日」

「フランス人のディベートの凄まじさ」

「フランス全土で112万人動員!想像以上に長引きそうな年金改革のデモとストライキ」



 

2023年3月16日木曜日

いつの間にか、コロナウィルスのPCR検査が有料になっていた・・

  


 パンデミックが始まって、コロナウィルスのPCR検査が登場し始めて以来、フランスでは、検査はずっと無料でした。ワクチン接種が始まってからは、これには、ただし書きがついて、ワクチン接種の証明書を提示すれば無料とされてきました。

 これには、私もとても助けられてきて、昨年の年始頃などは、爆発的に感染者が多くて、ちょっと出歩いただけで、感染者追跡アプリには、「あなたは感染者と接触しています。すぐに検査を受けてください!」というメッセージが入っていたので、そのたびにウンザリしながらも、隣の薬局に検査を受けに行っていましたし、熱っぽかったり、風邪っぽかったりした時でも、「もしかしたらコロナ??」とまずコロナウィルス感染を疑い、すぐに検査を受けに行っていました。

 昨年、日本に一時帰国した時にも日本入国には陰性証明書が必要だったので検査を受けに行きましたが、それも無料だったし、証明書の発行も無料でやってくれました。

 結局、これまでに数十回は検査を受けてきたので、それが全て無料であったことは、大変たすかりました。幸いにもこれまで一度も陽性になったことはありません。

 そもそも、無料でなければ、隔離義務を強いる検査などフランス人が受けるわけもなく、結果、被害はもっと甚大になっていたと思います。

 現在は、マスクの義務化が撤廃されてから、かなり時間も経ち、にもかかわらず、感染者数はさほど増加しなくなり、1日の新規感染者数も多い日でもせいぜい5,000人程度にまで減少し、病院のひっ迫状態も改善され、ほぼコロナ前の生活に戻りました。

 そんな世界の中にいると、私自身は、今は花粉症もありマスクを持ち歩いて、場所に応じてまだマスクをすることもあるのですが、実際にちょっと熱っぽかったり、風邪っぽかったりしても、いつのまにか、「もしかして、コロナ感染??」とは思わなくなっていました。

 なので、検査に行こうとも考えなくなっていたのですが、3月1日から、検査費用の全面国民健康負担はなくなっており、医師または薬剤師が検査を行う場合は検査費用の 30%、看護師または理学療法士が検査を行う場合は 40% が自己負担になっていました。

 しかし、これもフランス人の多くが入っているミューチュエル保険(国民健康保険をカバーする保険)に入っていれば、カバーされるので、自己負担分はカバーされます。

 また、これには例外として、引き続き検査が無料とされる人々について、長期疾患(ALD)にかかっている人、65 歳以上の人、未成年者、医療専門家、医療施設または医療社会的サービス(高齢者施設や障がい者施設等)で働く人、免疫不全の人などが認められています。

 そもそも、私自身もちょっと具合が悪くても、コロナ感染を疑う気持ちが失せているほど、普通の日常に戻っている状態であるうえに、陽性者の場合でも、もう国は隔離義務を課してはいないので、国の保険体制も変更していくのは当然の話です。

 しかし、まだ、完全にコロナウィルスが消滅したわけではないので、心配でないことはありませんが、パンデミック以前のことを考えれば、すでにそれに対処する術は心得ているし、また、事態が深刻な状態になった場合は、元に戻せばいいだけの話で、余計な支出は省いて他の問題にも対応していかなければならないのでしょう。

 とりあえず、いつまた、大変な事態になるかもしれませんが、検査が有料になっても誰も文句を言わずにいるほどになったのですから、今度こそ、本当にパンデミックの終わりが見えてきたのかもしれません。


コロナウィルスPCR検査一部自己負担


<関連記事>

「2月1日からコロナウィルス感染対策緩和へ」

「日本からパリに来てくれた友人のコロナカルチャーショック」

「ネット上で広まる偽のワクチン接種証明書・QRコード販売に、パリの病院の看護師が加担していた!」

「コロナウィルス セルフ検査キット発売開始」

「フランスのPCR検査 感染者を責めないフランス人のラテン気質」



2023年3月15日水曜日

スーパーマーケットのレシート 自動印刷廃止

  



 私には、なぜ、レシートをそこまで目の敵にするのかわからない気もするのですが、フランスでは、スーパーマーケットなどで買い物した際のレシートが自動的に出てこなくなりました。

 最近、スーパーマーケットで買い物する際は、ほぼセルフレジしか使わないので、ボーッとしていると、レシートを受け取ることはできません。会計をするときに、レシートが必要のところにチェックしておかないとレシートは出てこないのです。人のいるレジだと、会計後に必ず、レシートいりますか?と尋ねられます。

 もちろん、今までレシートなど、その場で捨ててしまっていた人も多いので、必要ないケースも少なからずあったと思うので、必要な人にだけレシートを渡すという方法は無駄を省くという意味ではよいことかもしれません。

 これは有害物質を含むレシートが年間3億枚も印刷されているとかで、本来ならば今年の1月1日からレシートの自動印刷は廃止されることになっていましたが、予定どおりに事が運ばないのか、その後4月1日からということになったようで、現在は移行期間のようです。

 ただし、このレシート廃止は、家電製品、コンピュータ機器、電話機など、いわゆる「耐久消費」の領収書には適用されません。

 私は、どこで買い物をするにしても、トラブルの際の証明になるので、変わらずレシートはもらうようにしています。

 ここは、いつも戦闘態勢でいるフランス生活の悲しいところで、万引きのチェックに遭遇したり、また、レジで金額を間違えられたり、また返品、返金をしてもらうために、レシートは不可欠だからです。

 しかし、今後4月1日以降も頼めばレシートをもらえる状態が続くのかどうかはわかりませんが、これに代わるものとしてe-チケットが登場するようです。

 これは、SNSによりQRコードでレシートを受け取れたり、銀行のクレジットカードで決済すると、webページからレシート(e-チケット)がアプリに自動的に送信されるようになるそうです。

 一方では、このレシートの自動送信に関しては、個人情報にも関わるために、一般データ保護規則(GDPR)に従い、購入者からのデータ収集は、購入者の明示的な同意に基づかなければならないとされているので、必ずしも、すんなりいく話でもないかもしれません。

 しかし、店舗側もこんなことにめげているわけにもいかず、大手スーパーマーケットチェーンなどは、これまで消費者が利用していた各スーパーマーケットのポイントカードを利用し、そのカードの持つアカウントでレシートを受け取ることができるようにすると発表しています。

 なんだか便利になるんだか不便になるんだかわからない気もしますし、日本だったら、「年寄りにe-チケットなどというわけのわからないものをどうやって使えというんだ!」などという声が上がりそうな気もするのですが、フランスでは不思議とIT化に対する反発の声はあまり上がらないような気がします。

 保守的なところも大いにあるフランス人ですが、意外と新しいものもすんなり受け入れてしまうところもある不思議な国民です。


レシート自動印刷廃止


<関連記事>

「大手スーパーマーケットチェーン「カーフール」が提案する「アンチインフレバスケット」」

「子供の「はじめてのおつかい」も時代が変わったことにしみじみする」

「フランスでよくある「2個買うと2個目半額」の罠」

「フランスのスーパーマーケットからレシートが消える」

「フランスのCMと日本のCM・テレビコマーシャル」



2023年3月14日火曜日

10年間で2倍に増加した子供への向精神薬の投与 

 


 家族、子供、年齢に関する高等評議会 (HCFEA) は、子供や青年向け(6歳~17歳)の向精神薬の処方が劇的に増加しており、何万人もの子供が危険に晒されていることを報告しています。

 報告書は、子どもたちの向精神薬の消費が10年間で2倍になったことを強調しており、HCFEAが収集したデータによると、子供と青年の向精神薬の消費は、2014年から2021年の間に抗精神病薬で49%、抗うつ薬で63%、催眠薬と鎮静薬で155%増加していることが明らかにされており、政府はこの問題への対応策をとるべきであることを警告しています。

 2021 年だけでも、抗不安薬で +16%、催眠薬で +224%、抗うつ薬で +23% の増加です。この過剰投薬の現象は、特別なケースではなく、何万人もの子供に関係しているのです。また、これらのレベルの増加率は、一般人口レベルに見られる増加率とは明らかに不釣り合いで、成人人口に比べても明らかに高い数値であるようです。

 HCFEAによると、パンデミック、戦争、生活環境への不安が続く状態の中、小児科、児童精神科の需要が増加しているにもかかわらず、児童精神科および医療社会的サービスが不足、衰退しており、受診しようにも半年から1年待ちになることが多く、この状況は、「子どもの健康状態の悪化」、「子どもや若者の緊急入院、自殺行為、自殺の増加」につながりかねないために、一般開業医にかかり、とりあえず、最悪の事態を回避するために向精神薬を投与することが一般的になりつつあるということなのです。

 私がフランスに来て驚いたことの一つに医者が比較的簡単に向精神薬を処方してくれることで、日本にいた頃は若かったこともあり、あまり医者にもかからなかったし、ましてや医者に抗うつ剤や睡眠薬を処方してもらうということを考えもしませんでした。

 フランスに来てからは、ずっと近所のかかりつけのお医者さんに親子共々かかっていましたが、私が最初に抗うつ剤や睡眠薬を処方してもらったのは、夫が亡くなった直後で、今から思うに、あの時期は、かなり強い抗うつ剤を日中に服用し、夜には睡眠薬を飲んでいました。

 まあ事情が事情だったので、そんなに不自然な処方でもなかったかもしれないのですが、精神状態と向精神薬(抗うつ剤や精神安定剤など)いうものは、恐ろしいもので、今なら、一瞬で気を失いそうな薬を飲んでいたにもかかわらず、正気?を保って仕事をしていたのですから、すごいことです。

 しかし、時間が経って、少しずつ落ち着き始めた頃から、この薬を飲み続けてはいけないだろう・・という不安があり、日中の抗うつ剤は減らしていったものの、夜の睡眠薬は眠れなくて翌日働けないのが怖くてなかなかやめられずに、お医者さんに相談したことがありましたが、「絶対に無理はしないで・・慌てなくて大丈夫だから・・無理してやめなくていい・・」と睡眠薬を処方し続けることにためらいはありませんでした。

 そんなお医者さんの対応には、むしろ私の方が驚いたくらいでしたが、結局、私はとりあえずは、今でも、いつも処方してもらう薬の中に向精神薬や睡眠薬が含まれています。一応、他の薬に関しては3ヶ月分まとめて出してもらうことができますが、オーバードーズを防ぐために、1ヶ月分ずつしか出してはもらえないことになっています。

 私のような大人に対してでも、えっ??と思っていたことが、子供に対しても起こっているということは、やはりちょっと心配です。私が子育てをしていた頃と今とでは、考えてみれば、ほんの数年で世界の情勢はかなり変わってきてしまっているので、一概には言えませんが、子供を健全に育てるのは、スポーツなど身体を動かすことをさせることが一番なのではないか?と思っています。

 一時、ロックダウンやマスクの義務化などで、それもなかなか難しい期間がありましたが、身体を動かすことが、精神的にも健全で、夜もしっかり眠れるようになる最良の薬なような気がしています。


子供への向精神薬の投与激増


<関連記事>

「25歳以下の女性への避妊ピルの無料化に踏み切るフランスの事情」

「フランスの医者の大盤振る舞いな薬の処方」

「ドクターストップの制度にメスが入る リモート診療でズル休みが増えた」

「ヨウ素剤の服用法が話題にあがり始めている物騒な世の中」

「フランスでの子供の歯科矯正」







2023年3月13日月曜日

フランスの出生率低下にフランス人が提言する言葉 人生は美しい「la vie est belle」

  


 「フランスでは、日本やアルゼンチンと同様、出生率の低下が懸念されています」

 フランスの大手新聞社のそんなタイトルの記事を見つけて、やはり出生率の低下といえば、真っ先に例えにあげられるのは、日本なんだな・・と思いながら、興味深く記事を読み進めました。

 ここで挙げられていたのは、日本とアルゼンチンとフランスの出生率を比較しながら、出生率の低下について、いかにフランス政府の対応が充分ではないかを語っています。

 2022 年、アルゼンチンは 4,640万人の住民に対して 818,000 人の出生を記録しており、これは、1,000 人の住民あたり 17.64 人の出生、つまり100 万人のアルゼンチン人につき 17,640 人の赤ちゃんが生まれたことを意味していて、世代の更新が保証されている状態であると述べています。

 一方、「1 億 2,500 万人の人口に対して 80 万人の出生率を誇る?日本には、同じことは言えません。1,000 人あたり 6.40 人の出生率は、このままだと日本人数の減少と劇的な高齢化につながります」

 「日本は、その小さなサイズにもかかわらず、経済的および文化的に非常に重要な役割を果たしてきました。 私たちは、日本人が団結することに期待したいと思います!」と事実だけを客観的に述べて、大変危機的な状況を説明しながらも、日本を腐すことなく、頑張れと比較的ソフトにしめています。

 そして、1000 人あたりの出生数が 10.43人 のフランスは、日本とアルゼンチンの間にあります。

 フランスでは、2022年、687,000人の赤ちゃんが誕生しましたが、年間70万人の出生数のしきい値を下回っており、これは出生率1.76に相当します。

 第一次世界大戦はフランスで記録的な出生率の低下を引き起こし、1915 年には 1.52 にまで低下しましたが、この歴史的な低さは、戦闘と一般動員の激しさによる非常に特殊な状況に起因しています。 

 現在のフランスの出生率の低下は、私たちの指導者によって解読されるべき警告信号であるにもかかわらず、彼らは、十分な数の子供がいなければ、国の将来を確保することは困難であることを忘れている・・と述べています。

 私は日本と比較してしまうので、フランスの少子化対策はなかなか大したものだと思うのですが、この記事では、まだまだそれが充分なものでないことを指摘しているのです。

 .現在、大家族を持つことは、生活水準が仕事から同じ収入を持つ人々が達成する平均よりも低くなることを見て、かなり質素に生活することを意味しており、 家族手当は、ある程度の規模で存在するものの、生活水準の低下を補うにはほど遠く、養うべき人数が増加し、両親のフルタイムの仕事が困難または不可能になる場合もあり、国の手当は、子供の数が増えても相対的な貧困に陥らないようにするために必要なレベルにはほど遠いものであると指摘しています。

 日本の現状などからすれば、まさに異次元の問題提起です。

 そして、現在の状況の主な原因は、子供たちを世に送り出し、可能な限り育てることが、特に公的機関によって、不可欠な責務として感じられていないという事実によるものであると述べています。

 年金の権利を分配する際に、子供の誕生と教育のために投資せずに、彼らに効果的な年金基金に支払われる拠出金に比例して退職者を維持するための投資として扱っており、立法レベルにまで引き上げられたこのような知的混乱に直面している私たちは、愚かで不当な法律を取り除くことができる制度改革の到来を願うしかないと言っているのです。

 しかし、この政府に対する指摘とともに、これからの世代を担っていく若者たちによびかけている言葉があまりにフランスらしくて、私は感動したのです。

 「あらゆる困難にもかかわらず、人生は美しいものです。楽観的に生きましょう!」「la vie est belle(ラ・ヴィ・エ・ベル)」で、結局、そこ???とフランス人らしいな・・とクスッと笑ってしまいました。

 しかし、結局のところ、色々な困難があっても人生は美しい・・楽しい・・と思って、自分の家族を作って生きようと思うことが、シンプルな少子化対策なのかもしれない・・とも思うのです。

 私の場合、海外で生活することになったり、途中、若くして夫に先立たれたり、トラブル満載でしたが、どうにか生き延びてこられました。これという仕事を成し遂げたわけでもなく、大したこともしてこなかった人生でしたが、一応、子供を一人育てたということは、何より私にとっての喜びで、楽しかったです。子育てをしたことで、何もしてこなかった私でも、ちょっとは生まれてきた意味があったかな・・と思うのです。


フランス出生率低下 少子化対策 la vie est belle


<関連記事>

「離婚率も高いが再婚率も高いフランス 子育て期間も長くなる」

「恐怖の家 子供の児童手当を食い物にして子供に虐待を続けてきた親 逮捕」

「日本の未来はもう心配という段階ではなく、絶望的」

「イクメンと家族サービス」

「父親の育児休暇28日間に延長 ヨーロッパの中でも最長レベル」


 




2023年3月12日日曜日

年金改革問題 ストライキ続行で街中にゴミが溢れるパリ

  


 先週、2日続けて別の場所に出かける際に2日連続でストライキに見舞われて、メトロに乗れなかったり、バスに乗れなかったりして、えらい目に遭って、その翌日には、どうにかバスもメトロもトラムもほぼ通常運転になっていて、ちょっとホッとしているところでした。

 しかし、これさえも、いつまたストライキが復活するやもしれないような危うい気配もあり、ホッとしきれない感じではあります。

 そうこうしているうちに、今度は、ゴミ収集業者のストライキが先週の火曜日からずっと続いているらしく、ストライキのために溜まりに溜まったパリ市内の路上のゴミは4500トンにも及んでいるようで、今度は衛生問題に発展しかねない事態に陥っています。

 そもそも、あまり衛生的に管理されているともいえないパリのゴミは、常にネズミとセットで、昔、会社で大きなゴミ箱の近くをネズミが走り去ったのを見て、悲鳴をあげた私に、ゴミ収集業者のおじさんに「君、どこにいると思っているの?ここはパリなんだよ!」と笑われたことが忘れられません。

 これは、通常の状態でのゴミ出しの時の話なので、今回のように大量のゴミが街にあふれている状態ならば、ネズミも住処が拡大されて、さぞかしネズミたちは忙しく活躍しているのかと思うといつ街中でネズミに遭遇するかと思うと恐ろしいばかりです。

 だいたい、生ごみも含む一般のゴミは、数日外に放置されていれば、腐敗もし、臭いを放ち始め、特に生鮮食料品を扱うお店(魚屋、肉屋、八百屋、レストランなど)は、近隣住民からの苦情を受けて困っているようですが、これらのお店もゴミを収納する冷蔵庫の余裕はなく、対処のしようのない大問題です。

 ようやくコロナウィルスが下火になってきたと思ったのに、この山積みのゴミで妙な病気でも蔓延しようもんなら、たまったものではありません。

 しかし、この山積みのゴミ、どうやら、同じパリ市内でも地域差があるようで、ストライキなしに通常運転が続いている場所もあるそうで、ゴミ収集が行われているのは、パリ2,5,6,8,9,12,14,16,17,20区で、それ以外の区ではゴミ収集は通常運転とのこと。

 なぜ、このような不均衡がおこるのかといえば、それは、それぞれの区の自治体(市役所職員)がゴミ収集を行っている区と民間企業に委託している区の違いなのだそうです。つまり、民間企業のゴミ収集業社はストライキをしていないということです。

 民間企業だからといって、ストライキを絶対しないというわけではないのでしょうが、よりシビアなのでしょう・・というより、パリ市職員ということは公務員、ストライキの公務員率はやはり高いのだと思われます。

 こんなことなら、どこの区も民間に委託してくれればいいのに・・と思ってしまいます。

 パリを訪れている観光客も「パリはたしかに美しい・・けど、このゴミの山には、とってもガッカリした・・しかも、臭い・・」などと、嘆いていますし、場所によっては、ゴミ箱が連なる通りのカフェなどは、そのゴミの山と臭いのためにあんなにテラス席好きのフランス人もさすがにテラスを避けて、人が埋まらなかったりと、大変な営業妨害にもなっています。

 また、今回のパリのゴミ問題、どうやらゴミ収集業者だけではなく、ゴミ焼却炉もブロックしているらしく、収集業者が来ている区のゴミの行き先も他に変更したりしている模様です。

 パリ市は、ストライキを止められない現状においては、限られたゴミ収集業者を食品市場などを優先しているため、一般のゴミは今後もさらに山積み状態が継続するリスクを抱えています。

 こうして、ストライキで、いつもはあたりまえの社会の機能が停止することで、逆にいつもの日常が維持されていくことは大変なことなのだと思ったりもします。

 しかし、今回は、あとどんなストライキが起こるのかは未知ですが、全ての国民に共通する年金改革問題だけに、どんなところにおいてもストライキがおこる可能性があり、また、いつまで続くのかもわかりません。

 今回のゴミ収集のストライキに関しては、「健康上のリスク」にも及びかねないため、多方面から非難の声があがっているものの、「合法的で正当なストライキの権利」を侵害することはできない・・というのが、フランスの大原則なのです。


ゴミ収集業者ストライキ 



<関連記事>

「枯れ葉舞うパリのゴミ」

「フランスのシェアハウスでいつの間にか寮長のようになっていた娘」

「フランスのシェアハウスで二年目を迎えた娘は、今年も寮長を続けているのか?」

「ゴミの捨て方に見るフランス人のモラル フランス人には、箱を潰して捨てようとか、そういう観念はない」

「フランスのゴミの収集 フランス人の衛生観念」

「自分の落としたゴミを拾ったら、びっくりされて、すごく感謝された!」


 

2023年3月11日土曜日

フランス人とフライドチキンとプーレ・ロティ

 


 昨晩、ユーチューブの動画を見ていて、いわゆる「飯テロ」に遭ってしまいました。旅行系の動画だったのですが、アメリカを旅行中に美味しいフライドチキンに出会った!という動画で、久しくフライドチキンというものを食べていなかった私は、夜中に「フライドチキン食べたい!どうしても食べたい!」と、もう私の頭の中はフライドチキンでいっぱいになってしまったのです。

 フランスにもKFC(ケンタッキーフライドチキン)はありますが、フランスのケンタッキーは、いつの頃からか、なぜだか、いわゆる日本のケンタッキーにある独特なフレーバーをまとった骨付きのフライドチキンというものが姿を消して、なぜだか、衣ばかりが多い、テンダーという骨なしチキンかウィングとよばれる手羽先部分だけになり、メインはバーガーになってしまいました。

 返す返すも本当に残念なことです。

 日本には、から揚げや焼き鳥など、比較的、ポピュラーに出回っている鶏肉料理がありますが、フライドチキンはから揚げとはまた別枠なのでしょうか? コンビニなどにホットスナックとして売っている「ななチキ」とか、「ファミチキ」などは、フライドチキン枠に入るのでしょうか? 

 わかりませんが、いずれにしても、どう考えても日本はバラエティに富んだ食生活が送れて、いいな・・と外から見ると思います。

 フランスでは、鶏肉料理の王道を行くものは、多分、「プーレ・ロティ」と呼ばれるローストチキンで、おそらく最もフランス人の食卓にあがる鶏肉料理だと思われます。

 いわゆる鶏の丸焼きなのですが、これは、どこのスーパーマーケットにでも売っているし、お肉屋さんには、たいていいくつもの丸鶏が串刺しになってグルグル回っているのを見かけるほど、やっぱりポピュラーなものです。

 家庭でも、簡単に塩コショウして、ハーブやオイルなどでマリネしてオーブンに入れておけばよいこの料理は、かなりポピュラーなお料理だと思います。

 以前、娘があるスタージュで一緒だった男の子が、けっこう育ちがよく、お金持ちをひけらかすいけ好かない奴がいて、その子がお母さんは料理が得意でママのプーレ・ロティが絶品だと自慢していたと呆れていたことがあって、(「そんなこと自慢すること?そんなもん、料理のうちに入るかよ・・」と娘なりの見解でした・・)なるほど、プーレ・ロティはフランス人のソウルフードのようなものでもあるんだな・・と思った覚えがあります。

 フランスにもフライドチキンもないわけではありませんが、圧倒的に存在感は薄く、せいぜいファストフードなどにあるチキンナゲットが冷凍食品などにも進出してきて、学校のキャンティーンなどには登場するようになったくらいです。それとて、ナゲットはナゲット・・フライドチキンではありません。

 揚げ物でないだけ、鶏の丸焼きの方が健康的ではありますが、フライドチキンがなぜ、フランスにあんまり浸透しないかは不思議でもあります。しかし、私が思うにこのプーレ・ロティのおかげで、フランスには今一つ、フライドチキンが浸透しないような気もしています。

 たとえ、フライドチキンが外国から入ってきたものであっても、同じように外国から入ってきた日本の「SUSHI」は、今やどこのスーパーマーケットにもSUSHIコーナーがあるほど浸透したのに、フライドチキンは、あまり目にすることはありません。

 話は逸れましたが、これは、どうにかしてフライドチキンを食べたい!と居てもたってもいられなくなり、ネットで探して、KFCではないフライドチキンのお店を見つけて、あんまり期待はせずにフライドチキンを買いにでかけました。

 これが結構、たっぷりしていて、外はサクサク、中はしっとりの大ぶりのフライドチキンで、「探せばあるじゃん!」と大変、満足した次第です。

 機会があれば、しばらくしたら、また、美味しいフライドチキンのお店を探してみたいなぁ・・と新しい課題を見つけた気がしています。

 とりあえず、今回、発見したフライドチキンのお店、「へっ??」と思うような小さなお店でしたが、結構、美味しかったので、興味のある方はお試しください。


☆Golden Fried Chiken  

   2 Rue de Patay 75013 Paris 


パリ フライドチキン

<関連記事>

「最近のフランスのケンタッキーフライドチキンはちょっと残念」

「2023年1月1日からファストフードの使い捨て容器廃止へ」

「ファラフェル激戦区 パリ・マレ地区の美味しいファラフェルのレストラン2選」

「フレンチパラドックス 先進国で意外と肥満の少ないフランス」

「フランスの貧乏大学生の質素な生活」