パリ市内及びパリ近郊にあるフランス大手石油・ガス供給会社トータルエナジーズ(TotalEnagies)のガソリンスタンド40店舗中、17店舗でディーゼルやガソリンのストック切れのため、販売ができなくなり、一部が休業しなければならない事態に陥り、少々、混乱状態にあります。
よもや、ガソリン不足?とパニックに陥りかけている消費者に向けて、同グループ広報は「トタルエナジーズは在庫を積み上げ、現在定期的に輸入しているため、燃料不足はない」と断言しています。
トータルエナジーズは、9月の新年度開始以来、1リットルあたり20セントの値下げを導入したため、(政府が導入している1リットルあたりの値下げを併せると1リットルあたり50セントの恩恵を受けることができる)消費者が30%増加したと発表しています。
しかし、消費量が30%増加することで、供給が途絶えてしまうことなど、ちょっと通常では考えられない事態であることに変わりありません。
これには、同グループ製油所で行われているストライキ(従業員は10%の賃上げを要求)も影響していると言われていますが、それにしてもストライキなどフランスでは珍しい話でもなく、ガソリンスタンドにガソリンがない・・供給が途絶えるなどという話はこれまで聞いたことがありません。
運送会社や、通勤などに車が不可欠な人々にとっては値上がりだけでなく、ガソリンがない・・という事態は、深刻な事態に違いありません。
燃料価格高騰は、インフレの大きな原因の一つにもなっていますが、同社は、原油価格の高騰で過去最高の利益を記録したばかりです。この不況の中、少しでも安いガソリンを求める消費者が集まったことで、トータルエナジーズは成功をおさめているのです。
何かのトラブルに加えて、ストライキによる影響が加わることは、フランスではよくあることで、今年の夏のバカンスの初めに、CDG空港での空港職員のストライキに加えて、荷物積載のシステムダウンが重なったことで、ロストバゲージが2万個以上発生して、数ヶ月間空港に置き去りにされるという問題が起こりました。
そもそも、インフレのための賃上げ要求や労働条件改善などを求めてのストライキではありますが、このストライキがさらに問題を大きくしているところがあります。
その中で、確実に利益を上げている人々もいるのは見過ごされがちなところではあるのですが、今回のトータルエナジーズのガス欠は、そんな一面を露呈した出来事だったかもしれません。
パリ・パリ近郊のガソリンスタンド品切れは、40店舗中、17店舗のみですが、TF1によると、フランス国内にあるトタルエナジーの3,500店舗のうち、先週末までに100店舗近くがこの燃料不足の影響を受けたと言われています。
しかし、どうやら、このパニックは、他社のガソリンスタンドにも影響を及ぼし、他でもガソリンを入れるのは長蛇の列ができ始めている模様。そもそもやはり、絶体的なガソリン不足は、否めないのかもしれません。
ガソリン不足 トータルエナジーズ
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