1月初旬に大規模リコールとなって世間を騒がせたネスレ、ラクタリス、ダノン等の粉ミルクにセレウリドが含まれていた事件は、その問題の成分の検出からリコールまでの対応があらわになったことで、再びスキャンダルとなっています。
ル・モンド紙によれば、問題の粉ミルクを販売していたネスレが 11月末には、既に該当粉ミルクにセレウリド毒素が含まれていることを認識していたことを認めたようで、つまりは、セレウリドの存在が明らかになっていたにもかかわらず、ネスレは最初のリコールが行われるまでの間、粉ミルクを販売し続けていた・・という恐ろしい話です。
下痢や嘔吐を引き起こす可能性のある毒素であるセレウリドが検出された最初の粉ミルクが製造されたのはオランダの工場でした。工場出荷後、これらの製品は2025年11月下旬にネスレによって自己検査を受けました。この検査で「セレウリドの存在明らかになった」とネスレは証言しています。
しかし、この毒素入りの粉ミルクはフランスだけでなく、イタリアを含む複数の国に既に出荷されており、これほど早期に実施されていた自社検査結果を当局に報告したのはイタリア当局でした。
12月初旬にさらなる分析が行われ、検査の確認が行われましたが、この最初の問題となった粉ミルクを製造していた工場を管轄するオランダ当局に知らされたのは12月9日のことでした。
また、欧州当局と他の輸入国(フランスを含む)の当局には12月10日、最初のリコールが実施されるまで通知されていませんでした。
本来ならば、乳幼児にとっては、死亡事故にでも繋がりかねない問題の製品が既に出荷しているのですから、この危険性を通知し、製品回収を行わなければならないところ、検査を重ねることで回収の時期を遅らせてしまったことは、危機管理に大きな問題があると言わざるを得ません。
ル・モンド紙は、11月末に最初にセレウリドが検出された際に、さらなる詳しい検査を行うのはネスレの役割だったのか? 当局に通知されていたならば、当局が分析を行いながら、予防的なリコールを実施できたはずで、検査結果が良好であれば、製品を市場に戻すことができたであろうと主張しています。
しかし、今回のケースではセレウリドは微量であっても深刻な症状を引き起こす可能性があります。
ネスレグループは少なくとも12月初旬からこの問題を認識していました。ネスレが乳幼児向け粉ミルクのリコールを遅らせ、細菌汚染を認識してからほぼ一ヶ月も経ってから断片的に情報を公開したのは不可解です。
ネスレは約10の工場で分析を行う必要があり、2026年1月に全ての工場から分析結果が届き次第、リコールを開始したと説明していますが、なにも一括してリコールする必要は全然なく、その間にも出荷されている粉ミルクが乳幼児を危険に晒しているわけで、まるで理解ができません。
大きな会社ゆえ、扱っている製品の数も多いので、問題が浮上して来る機会も多いのかもしれませんが、これまでも数々あったネスレグループのスキャンダル。
しかし、スキャンダルが起こった時の対応が、どれもヤバいな・・と思います。
現在、フランス当局は、12月にアンジェで、1月にボルドーでそれぞれ乳幼児が死亡したことを受けて、それぞれ別々に捜査を続けています。
ネスレ粉ミルク セレウリド毒素
<関連記事>
「乳児用粉ミルクにセレウリド毒素混入で赤ちゃん死亡事故 またネスレ・・」
「違法精製の問題にはとどまらないネスレグループのミネラルウォーターの安全性」
「ネスレグループのミネラルウォーターは、違法精製水を販売していたという大スキャンダル」

0 コメント:
コメントを投稿