日本の外務省の発表によると、衆議院選挙の比例代表で在外投票をした在外邦人の数は2024年の前回選と比べて67%増の2万9,089人でした。海外に住む日本人の間で今回の選挙は非常に関心が高く、1998年の制度(在外選挙制度)導入後、参議院選挙も含めて過去最多だったと言われています。
私自身、今回の解散・総選挙の知らせを聞いて、「これはいけない!今回は是が非でも行かなくちゃ!」と強く思いましたが、実際には、周知期間が短く、日程的にあまりに急な話で、「これでは、投票に来れない人が多いだろうから、投票率は低くなるのではないか?」(投票はパリにある日本大使館で行われるため、誰もが早々急に簡単に投票に来れるわけではないため)と思っていました。
しかし、実際に投票に行ってみると、見たこともない、いつも以上の人出で在外邦人が今回の選挙に対して、非常に危機感を感じていることを目の当たりにした気持ちでした。
では、なぜ?海外で生活している日本人がこれほど現在の日本の政治に危機感を感じているのか?を考えてみました。
まず、海外在住者はそれぞれが居住している国、世界情勢から、日本の状況を比較しやすいため、世界、日本での変化を感じとりやすいためではないかと思います。
また、日本を国際政治の中の一プレーヤーとして客観的に見ているところもあります。
私は海外在住者代表ではありませんので、皆がそのように感じているのかどうかはわかりませんが、少なくとも私が危機感を感じているのは、政府の方向性、特に安全保障・外交への懸念(集団的自衛権の扱いや憲法改正論議など、憲法9条改正の是非、緊急事態条項の導入)や権力集中の危険性(政府の権限がどこまで拡大してしまうか?)、民主主義の揺るぎ、歯止めが外れることへの不安、崩壊の危険性など、国家の進路そのものを心配しています。
また、移民問題に関しても、自分たち自身が外国人として生活しているため、その危険性についても、それぞれの国でも問題となっていることを肌身で感じつつも(例えばフランスでの移民問題は日本の比ではない)偏った政策については、実感として思うところが日本に住む日本人よりも多いと思われます。
そして、選挙戦だけでなく、日本でのマスコミの位置づけ・役割についても大きく疑問に感じていることもあります。少なくとも既に報道規制がなされているような報道機関の仕事は大いに疑問、危機感を感じています。
現在の不安定な世界情勢も日本での報道以上にダイレクトに悲惨な映像の報道も海外ではなされているため、戦争などに対する危機感も自ずと高くなるのも当然のことで、それだけマスコミの役割は非常に高いことを感じています。
そもそも、少々、極端な言い方をすれば、自己主張をしなければ生きていけない外国で生活していて、それでも「日本人は黙って我慢するからダメなんだ・・」と言われながら、日本の政治に関しては、唯一、声をあげられる「在外投票」という機会。
やっぱり、黙ってはいられなかった在外邦人が多かったのは大きく頷けるところなのです。
日本は今までのように「あたりまえに平和な国」ではなくなるかもしれません。
在外投票率 過去最高を記録
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