毎年、この季節に行われるパリ国際農業見本市(サロン・ド・アグリカルチャー)が今年も待った始まったところです。
パリで行われるこの国際農業見本市は、ここ数年は特に、メルコスール問題をはじめ、様々な農業規制などへの反発が一向におさまらない農民たちの抗議運動等のため、スムーズに行われたためしがないくらい、毎年、波乱を呼ぶ催し物になっています。
今年もここ数年の動向の中での例外ではなく、政府の農業危機への対応への反対を表明するために、農民連盟は恒例の大統領との朝食会をボイコット。
世界第3位の農業組合であるコンフェデレーション・ペイザンヌも、同見本市にブースを出展していますが、大統領主催のあらゆる会合へのボイコットを表明しています。
毎度、毎度、このようなボイコットにあおうとも、全くめげないマクロン大統領のハートは強いもんだ・・と妙な感心をしています。
この反応を受け、この場では為す術のないマクロン大統領は、エリゼ宮で農業会議所、労働組合、そして多種連携組織を結集した会合を開くことを約束しています。
この見本市開催の数日前には、政府は現在、検討中の貯水池プロジェクトの3分の1を公開すると発表。政府の優先交渉相手としての地位を確立している主要農業組合FNSEAに向けた措置とみられていましたが、この交渉はエリゼ後日、エリゼ宮に持ち込まれるようです。
これに加えて、今年はここ数ヶ月、畜産農家に深刻な影響を与えている結節性皮膚炎の流行を受け、畜産団体の意向により、牛の出展は行われません。鳥インフルエンザの影響を受けで飼育が制限されている家禽(かきん)も同様です。これはパリ国際農業見本市史上初のことです。
また、さらなる混乱は、この場が2027年の大統領選に向けた政治家たちのアピールの場としてエキサイトしている点で、政治家たちが自分たちの人気獲得のため、またソーシャルメディアに載せる動画・映像を撮影するためにいつも以上に集まっています。
この催し物は大統領候補にとって、フランス全土から来る人々と触れ合い、自分をアピールできる絶好の場となります。
しかし、大統領選に登場するほどの有名政治家がこぞって現れるとなると、現場のセキュリティ強化は大変なもので、このために、一般入場者が自由に見本市を見て廻ることができないような事態にも発展してしまっているようです。
本来の趣旨とはずれたところで盛り上がってしまっている今年の国際農業見本市。
これを報道するマスコミも、ここのところカンタン・デランク氏(政治的活動家)の死をめぐる緊迫した政治情勢、そして、欧州連合(EU)とメルコスール諸国間の自由貿易協定の採択をめぐる不安定な農業政策の状況が緊迫すればするほど、報道が盛り上がる絶好の機会とばかりに騒いでいます。
なんだか、これはなんのための見本市なのか?逆にさめざめとしてきてしまいます。
2026年パリ国際農業見本市
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