2022年2月18日金曜日

2024年に延期されたパリ中心部の自動車交通規制 

   


 2022年半ばまでに、パリ中心部に「交通規制区域」を導入するとパリ市長アンヌ・イダルゴが発表したのは、2021年5月のことでした。この計画で、パリの中心地(1~4区とサンジェルマン大通りとセーヌ川の間に位置する5、6、7区の一部)において、現在の交通量の50%を占める通過交通を禁止することにより、車の交通量を劇的に減らすことを目標にしていました。

 しかし、この計画は、ある一定の人々には、熱狂的に支持されたものの、彼女が想像していた以上に困難が立ちはだかり、パリ市は交通規制区域設定前に、警察と、一般市民に加え、交通機関、小売店、デパートなどが参加公開質問に準じた影響調査を実施しなければならず、この計画を2024年のパリオリンピックの前の2024年初頭までに延長することを発表しました。

 パリ市は、この「交通規制区域」を「静穏化ゾーン」と改名し、あらためて、パリ1〜4区と5、6、7区の一部を対象とするこのゾーンでは、通過交通(停車せずに通過する車両)をなくすことを発表しています。

  



 パリ市は、この区域を住民、商店主、移動に不自由のある人、この地域で働く従業員、緊急車両、バス、自転車、タクシー、VTC、カーシェアリング車両など通行できる特定のカテゴリーを設定し、ランダムチェックを実施する予定の他、カメラで住民のナンバープレートを読み取るなど、自動チェックも可能なシステムを検討しています。

 だいたい狭いパリの街のさらに限られた中心地域、車で出かけようものなら、駐車スペースを確保するのも、駐車料金を考えるのも、さらには、駐車した車が破壊されたり、盗難にあったりするリスクが高いことを考えれば、メトロやバスの交通網が網羅したこの地域へ車で出かけること自体が私には、考えられないことですが、かといって、車に慣れ切った人から上がる反対の声を鎮める具体的な調査とその結果を提示することが想像以上に時間がかかる模様です。

 もともと、このパリ中心部の自動車交通規制は、パリ市長選挙における大きな目玉施策の一つでもありました。このプロジェクトは自動車に対する行動の象徴的なものでもあり、特に右派からは批判が多く、専門家の中には、規制区域の外側に大量の交通量が移動し、そのために新たな交通渋滞が発生したり、公害が移動したりすることや経済に影響を及ぼす危惧も指摘されています。

 いずれにせよ、2024年のパリオリンピックは、様々な面での一区切りになっており、パリは、このオリンピックという一大イベント前までに、生活の質を向上させるためのイノベーションを起こしています。

 しかし、このようなイノベーションを起こそうとするたびに、「私たちには、運転する権利がある!交通手段を選ぶ権利がある!友人に会う権利がある!人と語り合う権利がある!」などなど、権利を主張する人がたちまち溢れかえるのもフランスです。

 フランス人が何かに一致団結した時のチカラには凄まじいものがありますが、果たしてパリオリンピックがこれを推進するためのきっかけになるかどうか、どうやって、このプロジェクトを推進させていくのかは、興味深く見守りたいことでもあります。


2024年パリ中心部自動車交通規制


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2022年2月17日木曜日

マリアンヌの切手の買い置きとパリでの戦闘体制の日々

   


 私は、かつて、常に切手の買い置きをしていました。それほど、切手を使う機会が多かったのです。フランス国内の郵便で20g以内のものは、たいてい金額が記載されていない「マリアンヌ」の切手で済むので、そのカルネ(切手が12枚セットのシールになっているもの)を常に買い置きをして、いつも、手帳かお財布の中に入れていました。

 マリアンヌの切手は、金額が切手に記載されていないために、たとえ、その後に郵便料金が値上げしても、そのまま同じものを使うことができる利点もあります。

 フランスに来たばかりの頃(20年前)には、私は、フランスでの自動引き落としというものを信用できず(桁を間違えられて引き落とされた経験あり、その後、返金してもらうまでに大変だった・・)、電気料金から、家賃、娘の学費などの支払いなどを小切手を使って支払っていたこともあり(小切手は自分で金額を確認して記入できるうえに、ナンバーと支払い先、金額などを記録できて、払った払っていないなどの問題に小切手の控えで対応できるためです)、それらの支払いの度に小切手を郵送することが多かったのです。

 なので、それらの支払いの度に切手が必要で、常にマリアンヌの切手のカルネは常備していました。

 おまけに、様々なお役所の手続きなどは、一度、送ったはず(下手をすると手渡したはず)の書類を失くされて、何度も同じ書類を送るハメになったり、切手は生活必需品のひとつでもあったのです。

 考えてみれば、いつでもトラブルにあった時のために、自分がやったこと(特に支払い)に関しては、それを証明できるためのものを用意しておかなければならず、常にそれを携えて苦情を申し出る戦闘体制でした。

 書類を送る時には、失くされることを前提に必ずコピーを保管しておくのがフランス生活の常識。常に信用しないこと前提の生活を送ってきたことを今さらのように思うのです。

 しかし、いつの間にか、それらの支払いも自分でネットで振り込むことができるようになり、たま〜に送らなければならない書類は、重さを郵便局で計ってその分だけの料金の切手を買って送るようになっていたため、久しくマリアンヌの切手のお世話にならない生活になっていました。

 先日、あるお役所の手続きに、書類を郵送しなければならない用事ができて、大した重さでもないようなので、これはマリアンヌで行ける!と思い、買い置きしてあったはずの切手を探したのですが、どこにしまい込んだか見つからず、そういえば、長いことマリアンヌのお世話にならなくなっていることに気がついたのです。

 自分でネットで振込ができるようになっただけでも、人の手を介すことが減り、それだけミスも少なくなり、おまけにネット上で振込の記録が残るので、小切手を使うこともほとんどなくなりました。

 お役所関係の書類に関しても、ずいぶんネットで書類を送ったりすることもできるようになりましたが、依然として、書類を印刷して、記入して、郵送して・・ということが、時々、勃発します。その最たるものは、10年に1回のビザ(滞在許可証)の申請です。フランスのお役所の手続きの中で、あれほど嫌なものはありません。

 人が関われば関わるほど、ミスは増え、先方にミスがあっても決して謝られることはなく、ミスをミスとして認めないところは、以前とあまり変わりません。謝らないということは、反省もなく、その手の手続きのシステムは一向に改善されないということでもあります。

 変わったのは、私の方で、書類を送って、返答がないと「失くされたかな?」と普通に考えるようになり、以前ほどは怒りまくらなくなったことです。失くされた場合も、連絡を再度取って確認し、淡々と、コピーしていた書類を探し出して、「しょうがないな・・」と思いながら、再び送るようになりました。

 久しくお世話にならなかったマリアンヌの切手を家中探し回っても見つからず、「たしか、まだあったはずなのに・・」などと思いながらも、自分の記憶にも自信が持てなくなってきて、探しているうちに、思わぬ写真が出てきたり、なぜだか、しまい込んでいた50ユーロをみつけたりしながら、あたふたして、汗だくになり、がっくりしたところで、なぜか、お財布の中では??と思って引っ張り出してきたお財布を、気がつけば冷蔵庫にしまおうとしている自分に呆然。もはや自分すら信用できなくなってきました。

 マリアンヌの切手は、今、いくらになっているのだろうか?とサイトを見ると、切手はサイトで買えるようになっていましたが、どうやって受け取るのかと思いきや、「配送無料」の記載が・・どうやら、ネットで買った切手は郵便で配達してくれるようです。(自分で印刷することもできるらしいけど)

 配送無料でも、この郵便そのものも信用できず、一体、いつ届くのか?下手をすると無事に受け取れるかどうかも不安で、結局、翌日、郵便局に行くことにしました。

 結局のところ、依然として、あらゆるところに信用できないことが待ち受けており、私のフランスでの戦闘体制の生活は、マリアンヌの切手の使用頻度ほどに、以前よりは、楽になったものの、結局のところは、信用しないことが前提で、そのトラブルをいかに回避し、戦うかが根底にあり続けるのです。


マリアンヌの切手


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2022年2月16日水曜日

次のステップに進むフランスの感染対策規制緩和 ディスコ・ナイトクラブ再開

   


 フランスでワクチンパスがスタートしたのは、1月末のことで、ワクチンパススタートの発表時には、同時にその後の段階的な感染対策緩和のスケジュールが発表されていました。

 それまでも、フランスでは、すでにヘルスパスによる制限が定着していたこともあり、その後の感染対策緩和の方に注目が集まっていました。

 その時の予定どおり、フランスは、ワクチンパスの施行の1週間後には、屋外でのマスク義務化やリモートワークの義務化を撤廃しています。

 1月末の段階では、1日の感染者が40万人前後もいた状態で、その後の感染対策の緩和については、正直、「本当に大丈夫なんだろうか?」と不安で、特にさらにその2週間後の「ディスコ、カフェやバーでの立ち飲み、スタンディングコンサートを解禁」という予定には、その時点では、私は、「とんでもない!」と思っていました。

 しかし、2月に入って少し経つと、フランスの1日の新規感染者数は、急激に減少し始め、いつの間にか、薬局での検査のために、あんなに行列していた人々も消え(セルフテストの拡大もある)、今週に入ってからは、なんとか、1日の新規感染者数も10万人前後にまで下がっています。もともとが酷すぎたこともありますが、この感染の急降下には、ちょっとびっくりしています。

 政府報道官ガブリエル・アタルは、15日、現在の状況を「ようやく光が見えてきたようだ・・」と表現し、「最後の制限を解除し、かねてよりの予定どおり感染対策制限を緩和することができる」と発表しました。

 2月16日からは、ディスコ・ナイトクラブが再開され、カフェやバーでの立ち飲みが許可され、スタジアム、映画館、公共交通機関での飲食が可能になります。

 そして、2月28日からは、交通機関を除くワクチンパス対象のすべての閉鎖空間でのマスク着用の義務化が撤廃されます。

 しかし、彼の発表は、感染対策規制の緩和に終始することはなく、現在の状況は、決して安心できる状態ではなく、「規制の緩和・撤廃は、警戒・注意の終了を意味するものではない」と述べています。

 実際に新規感染者数は減少しているものの、コロナウィルスによる入院患者数は、31,500人以上、病床を圧迫し続けていることに変わりはありません。新規感染者の減少は、今のところ病院の状態改善までには影響を及ぼしてはいないのです。

 予定どおりなのは、感染対策の緩和だけではなく、2月15日からは、2回目のワクチン接種から4ヶ月後にブースター接種をしない場合は、ワクチンパスが無効になるというルールもスタート。現段階では、400万人のワクチンパスポートが無効になってしまったと言われています。

 ここまでフランスの感染者数が減少してきたのは、ワクチン接種、ブースター接種の効果が大きいことは言うまでもなく、現在では、フランスのブースター接種率は、55%まで上昇しています。

 ところが、ここに来て、先日のカナダのワクチン接種義務化に反対する大規模なデモ「自由の車列(Freedom Convoy)」に触発されたフランス版ワクチンパス反対+もろもろの抗議デモ「Convoi de la Liverté」を警戒した政府が「ワクチンパスポートは3月末から4月には解除できる可能性がある」と発言したことから、もう少しだけ我慢すれば、ワクチン接種は必要なくなる・・とワクチン接種をしない方向に傾き始める人も出始め、ワクチン接種・ブースター接種率の上昇はスピードが低下しています。

 戦車までが登場する異様とも言える警戒体制のため、このフランス版の自由の車列デモは、大事には至りませんでしたが、思わぬところで、違う影響が出ています。

 引き続き、フランス政府は、ワクチン接種の拡大に努め、「偽のワクチンパスポートを所持しながらも、ワクチン接種を希望する人は、起訴されるリスクなしにワクチン接種を受けることができる」と、(悔い改めようとする人には鷹揚な対応)思わず唸ってしまうようなルールまで提示しています。

 いずれにせよ、未だ綱渡りの状況が続きますが、先日発表された「3月末か4月初めに解除される可能性がある」ワクチンパスポートも現段階では、考えられず、「この最終的な措置は、病院の状況が十分に緩和され、正常化された時点で緩和する予定」としています。

 この件(ワクチンパスポート解除)に関してインタビューを受けたカステックス首相も「科学的な見解を得ることが必要である」と答えています。

 暦は立春を過ぎ、春はそこまで来ていますが、パンデミックの終わる本当の春が来るのは、まだまだ先かもしれません。


フランス感染対策規制緩和 ディスコ・ナイトクラブ再開


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2022年2月15日火曜日

フランス入国規制措置緩和 日本からのワクチン接種済みの旅行者は検査なし


 フランス政府は、世界の多くの国々でオミクロン変異種が優勢であることやワクチン接種のレベルが上昇した上でのパンデミックの新しい局面を考慮し、入国管理システムを緩和することを発表しました。

 政府は、この決定を「パンデミックが始まって以来、国境における入国管理システムは、私たちの健康を守り、心配な特性を持つウィルスが国内に侵入するのを遅らせることを可能にしてきました。このシステムは、毎週約6,000人の市民警備隊員を動員して検査を実施し、国境警備隊は旅行者の感染対策関連の書類をチェックし、国内治安部隊は地域が決定した隔離・検疫措置を監視し、感染状況の変化や地域ごとの規則に合わせて定期的に調整されてきました」と説明の始めています。

 どんな時にも「俺たちはよくやってきた」という自画自賛を忘れない説明もフランスらしいところです。

 今回の政府の決定により、世界の国々を緑(懸念される新興の亜種が存在せず、ウイルス流通がごくわずかまたは中程度の国または地域)とオレンジ(ウイルスの循環が活発で、懸念される新興の変異型がなく、ワクチンや免疫の逃避先がない国または地域)に色分けしています。

 緑の国からの入国に関しては、ワクチン接種済みの旅行者は、フランス入国の際にワクチン接種証明書(ヨーロッパの規定するワクチン)の提示があれば、検査の陰性証明書の提示は必要がなくなりました。

 ワクチン未接種の旅行者については、引き続き、陰性証明書の提示は必要ですが、到着時の措置(検査・隔離)は、解除されます。日本は緑の国に分類されています。

 欧州の規制に従ってワクチン接種を受けた旅行者は、フランス出国時に検査は必要ありません。(受け入れ国に関しての規制は別として、とりあえず出国の際)

 ワクチン未接種の旅行者については、フランスへの入国時に陰性結果を提示する義務は残りますが、ウイルスの循環が穏やかな「グリーン」リストの国から渡航する場合は、到着時の措置(検査、隔離)が解除されます。

 緑に指定されているのは、欧州連合加盟国、アンドラ、アイスランド、リヒテンシュタイン、モナコ、ノルウェー、サンマリノ、スイス、バチカンです。バーレーン、ホンジュラス、香港、インドネシア、日本、クウェート、ニュージーランド、カタール、ルワンダ、サウジアラビア、セネガル、韓国、台湾、アラブ首長国連邦です。

 また、オレンジに指定されている国からの入国に関しては、フランスに入国する必要性を正当化する説得力のある理由を提示する必要があり、ワクチン接種済の旅行者は症状がないこと、及び14日以内に感染者と接触していないこと、ワクチン未接種者は、到着時検査を承諾することなどに関する承諾書が必要で、到着時にランダム検査を受ける可能性があります。陽性と判定された旅行者は、隔離されることになります。

 日本は緑の国に指定されており、大々的に入国措置が緩和されるような印象もありますが、上に添付した世界地図からもわかるとおり、緑の国は一部であり、大部分の国からの入国は、依然として警戒している状態ではあります。

 とはいえ、入国措置が緩和されていく方向であることには、違いはありません。

  



 一時、あまりに酷すぎたこともありますが、ここのところ、フランスの感染状況は、急降下といえるほどに減少しつつあります。

 この感染減少の現状からも、フランス人の日常の生活ぶりからも、政府の今回の判断は、妥当なものである気がしています。依然として、すっかり解放してしまわないのも理解できますし、かといって、あまりに普通の日常を送っているフランス人の様子をみても、必要以上の水際対策は、バランスが取れない感じです。

 しかし、再び感染力の強い免疫不全のリスクを高める可能性のある変異種が出現した場合には、緊急停止措置が発令されることになっています。現在の色分けの分類は、一時的なものであり、定期的に見直され、随時、状況に応じて変更されるということです。

 いずれにせよ、ウィルスの性質もどんどん変化していく状況で、その状況に応じて迅速に入国管理対策を変更するという姿勢は、フランスだけでなく、どの国にも求められている必要な措置なのではないかと思います。

 逆に言えば、またいつ新しい強力な変異種が出現するかもしれない状況、緩和できる時には、少しでも緩和しておかなければ、いつまた国際間の流れがストップしてしまうかもしれないのです。


フランス入国規制措置緩和


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2022年2月14日月曜日

メイク用品・スキンケア・ヘアケア・日用品・お菓子・日用品がびっくりするほど低価格なお店「NORMAL(ノーマル)」

 


 ちょっと、パリっぽくはなく、しかし、ちょっと人目を引く派手なライトブルーと黒、ピンクを使ったイメージカラーの外観と何やら細かい楽しそうなものがたくさんある店内についつい覗いてみたくなるような、「Normal(ノーマル)」というお店を最近、パリで頻繁に見かけるようになりました。  


 このお店の商品は、メイク用品、スキンケア、ヘアケア、日用品などを中心とした商品構成にお菓子や調味料、香辛料や食料品など広範囲にわたり、しかも低価格のものばかりなので、見ているだけでも楽しいと思いながら、うっかりついつい買い物をしてしまう・・そんなお店です。

 

 このお店は、「トップブランドを驚くほど低価格で提供します」とうたっていますが、トップブラントとはいえ、シャネルやディオールなどの超高級ブランドではなく、フランスでは一般的に名の通った大きなメーカーのものを低価格で!という意味なので、本当に気軽に手を伸ばしてしまう・・そんなお店です。

 食料品、特にお菓子類などは、どちらかというと、フランスのものではない輸入品と思われるラインナップで、なんとなくパッケージの色合いなども普通のフランスのものとは違う感じなところも、なんとなく楽しくなってしまう理由かもしれません。


  

 基本的に日常生活に必要なもの、あるいは、あったら、使ってみたい、試してみたい・・と思うものが目白押し、しかも、一つ一つが低価格なので、あっという間に商品を手にとっています。

 特に、メイク用品、スキンケア用品に関しては、種類が多いので、なんとなく楽しそうな日用品につられて店内に入っても、ついつい、メイク用品・スキンケア用品などにも、「こんなのあるんだ・・」、「こんなに安いの!」とちょっと、百均に近い感覚になります。

 今回、私が気になったのは、顔全体のパックに加えて、部分パックにハンド用パック・・


  

 そして、メイク用品、メイク用の筆なども安いこと安いこと・・

 


 世情を反映しているのか、この「NORMAL(ノーマル)」という店舗はチェーン展開で、パリ市内にも5軒ありますが、この手のお店が最近、増えたなぁと思います。

 そんなお店の中でもこの店舗は、ヨーロッパ(デンマーク、ノルウェー、スウェーデン、オランダ、フィンランド、フランス)を中心に300店舗以上を展開する大きなチェーン店舗で、扱っている商品も安定しており、超高級ブランドではないにせよ、名の知られているメーカーのものが並んでいるので、なんとなく安心感もあります。

 パリに来られた際には、ばら撒き用のおみやげにはちょうどよさそうなものがいっぱいあります。

 雑貨屋さんや、百均を始め、ワンコインショップなど、つくづくこの手のお店が好きな私ですが、もはや高級ブランドよりもこんなお店が楽しくなっているのは、私だけではない気がしています。だって、何より、こういうお店が増えているのですから・・。


⭐️NORMAL PARIS(ノーマル)NORMAL

 5 Boulevard Saint-Michel, 75005 Paris

 17 Boulevard de Vaugirard, 75015 Paris

 30 Avenue d'Italie, 75013 Paris

 109, Rue Saint-Lazare, 75009 Paris

 36 Boulevard Marguerite-de-Rochechouart, 75018 Paris


パリ低価格化粧品、スキンケア用品、日用品、雑貨


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2022年2月13日日曜日

ロシア・ウクライナ問題 パンデミックの次は、本当の戦争の危機

  


 「我々は、戦争状態にある」とマクロン大統領がパンデミックの始めのロックダウンの際の演説を行ってから、そろそろ2年が経とうとしています。ウィルスという目に見えない敵相手の戦争状態は、この間のいくつかの波を超え、ワクチンという武器を持ち、一時のような緊張状態ではなくなりました。

 しかし、最初のロックダウンの際は、まだどのようなウィルスであるのかも、よくわからずに、外出もほとんどできずに、みるみる病床が埋まり、患者は病院の廊下に並べられ、ついには、野戦病院のようなテントまで建てられ、呼吸器やマスクなどの医療物資が足りずに、到着するマスクが警察の先導で運ばれる様子や、ひたすら家に閉じ込められ、外からは、救急車のサイレンが途切れることなく聞こえてくる中、まさにこれが「戦争状態」というものなのか?と思ったりもしました。

 私が子供の頃は、「戦争を知らない世代」などという言葉が使われていたりしましたが、人の一生のうちには、なんらかの戦争に匹敵するくらいの大変な惨事に見舞われることになっているのだろうか?などとも思いましたが、これは目に見えないウィルスとの戦争で、襲っていかかってくる相手が同じ人間である戦争は、ことさら恐ろしいことなのだろうと思っていました。

 しかし、現在のウクライナとロシアの緊張状態は、アメリカやヨーロッパを巻き込み、本当の戦争になる緊迫した状態が続いており、海外で生活する身としては、ことさら、他人事ではいられない恐ろしさを感じています。

 このロシア・ウクライナ問題に先日、マクロン大統領がクレムリンまで出向き、戦争回避のための話し合いに、プーチン大統領との会談に臨みましたが、5時間近い会談にもかかわらず、確かなことは、「その後も話し合いを続ける」ということだけで、決定的な解決には至りませんでした。

 そもそもこの会談、プーチン大統領とマクロン大統領の会談の広い横長のテーブルの端と端に座る極端に離れた距離が話題を呼び、この距離は、後に、マクロン大統領がPCR検査をDNA情報を渡すことを恐れて拒否した結果と言われていますが、感染対策ならば、これだけの距離を取らずとも、いくらでも、方法はあったであろうに、あまりに不自然な距離。

 ロシア側は、わざわざ出向いているマクロン大統領との会談を少しでも遠ざけ、相手のペースを乱そうとしていることの表れでもあります。

 この会談の後、マクロン大統領は、帰国の際の大統領選用機での記者団の取材に応じ、「この危機に関わるすべての国家に対して「具体的な安全保障の構築」を提案した」「状況の悪化やエスカレートがないことを確認した」と述べているものの、「プーチン大統領は自分の曖昧さの一つ一つを利用している」と語っています。言わば、ロシアは、明快な解決策を見出すことを避けているということです。

 アメリカもヨーロッパも、ロシアがウクライナに新たに攻撃を仕掛ければ、クレムリンに壊滅的な制裁を採用することになり、恐ろしい結果になると警告してます。特にアメリカとドイツは、ロシアが攻撃した場合に課すべき制裁について「絶対的に一致」しており、両国は「同じ措置」を取るとしています。

 マクロン大統領は、フランスは欧米の同盟国と「協調」していると主張し、ウクライナへの扉を閉ざすことになるNATOの拡大政策の終了を求めるクレムリンの要求を拒否していますが、マクロン大統領は、ウクライナ人抜きでウクライナ問題を解決することは考えられないと主張しています。

 昨日、プーチン大統領とマクロン大統領は再び2時間にもわたる電話会談を行なっていますが、平行線のままの模様。口が達者で論破が得意なマクロン大統領もEU議長国の長として、必死に対応しようとしていますが、現在のところ、肩透かしを食っている感じです。

 アメリカやヨーロッパの警告をよそに、ロシアが振り上げた手を下ろすことがなければ、本当の戦争が始まってしまいます。

 パンデミックというウィルスとの戦争が終わらないままに、本当の戦争が起こるかもしれない状況に、海外で生活している状態の者にとっては、外国人であるという立場は余計に不安が募ります。

 パンデミックという戦争状態で、多くの犠牲者を出し続けているにもかかわらず、人と人が争い、さらに多くの犠牲者を出すことが確実な戦争がおこるかもしれないことは悲しいことです。

 おりしも、フランスは現在、カナダから触発されたデモで街中には戦車まで登場する殺伐とした状況、平和を叫びながら戦争を起こそうとする人間の罪深さはウィルス以上かもしれません。


ロシア・ウクライナ問題 戦争


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2022年2月12日土曜日

自由の輸送団(Convoi de la liberté)への政府の大規模な警戒

   


 かねてから、カナダでの同タイトルのデモに触発されてフランスでも起こっている「自由の輸送団(Convoi de la liberté)」のデモがフランス全土から一旦、パリに集結し、ベルギー・ブリュッセルに向かう動きに、パリ市内には、普段は目にすることのない戦車までが出動する物々しい警戒ぶりになっています。

  


 警視庁は、このデモのバリケードのために、特殊機械、クレーン車、バリケード対策用トラクター、レッカー車、投水機を用いて、デモによる都市封鎖を防ぎ、違反者を罰金や逮捕すると発表しています。


 フランスでのデモは日常的なことでありながら、日常のデモは地域ごとにデモを行うのが通常でありながら、今回は、フランス全土からパリに集結してデモを行い、また、カナダの例を真似ていることから、先日すでにカナダの首都オタワで起こったデモ隊によるトラックなどによる都市封鎖が懸念され、一度、パリで集結してから、ベルギーに向かうという呼びかけがFacebookを通じてなされており、金曜日の早朝には、大小様々な約3,300台の車がパリに向けて出発したと見られています。

 このデモのもともとの抗議の主軸は、「ワクチンパスポート反対」ではあるものの、燃料費をはじめとする物価の上昇などの社会的な状況への抗議から、さらには、マクロン政権への避難にまでも繋がっている大きなムーブメントになっています。

 政府は、パリの都市封鎖を防ぐためのバリケードを張るだけでなく、数日前には、政府報道官が「ワクチンパスポートは、3月末から4月には解除できる可能性がある」と発表した上、昨日は、「ワクチンパスポートが必要な場所(公共交通機関などは除く)では、2月28日からマスク義務化を解除する」と発表。

 感染対策のための制限をギリギリまで緩和することで、なんとか今回のデモを沈静化しようとしています。

 しかし、この政府の感染対策の緩和の発表をよそに、このデモ隊がアクションを止めようとしないのは、もはや、「ワクチンパス反対」の抗議に留まってはおらず、その他の社会不安に対する抗議に移行しつつあるということです。

 この騒ぎを沈静化しておかなければ、この反政府への勢いが増長し、火に油を注ぐ状態となり、「黄色いベスト運動」のような大きな動きに取って代わる可能性があります。

 大統領選挙を目の前にして、マクロン大統領は、いかにしてもこの騒動は鎮圧する必要があるのです。

 それにしても、デモの防御のために、デモ前日から、集結場所とされているパリ市内には、戦車やクレーンやトラクターなどの特殊車両がパリを覆い、警察官、憲兵隊など7,200人が警戒体制を取る一種の戦争のような状況になっています。

 燃料費の高騰を訴えるために高いガソリン代を使って地方から車でパリに集結することには、いささか疑問に感じるところもありますが、この抗議に対する防御を国力である戦車まで使わなければならないことにもフランスの怖さを感じます。

 それでも、このデモの警戒はやり過ぎ、「デモの自由を侵害するものだ」とまた別の抗議をする人々もいますが、フランスには、とにかく反発することに情熱を感じ、デモといえば、ここぞとばかりに馳せ参じる一定数の国民がおり、それが決して侮れないものであることも事実です。

 デモに集結しながらも、怒りだけではなく、ダンスをしたり、歌を歌ったり、どこか水を得た魚のように生き生きしている彼らの姿に心底、このようなデモがフランスの文化の一つであることを感じずにはいられないのです。

 これらの人々がパンデミックで鬱屈していたものを一気に発散させるのと同じタイミングで大統領選挙戦が始まっていることもこの異様な警戒ぶりにも繋がっています。


フランス自由の輸送団 Convoi de la liberté France


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