2024年1月26日金曜日

今さらだけど、とっても大切な挨拶とありがとう ボンジュールとメルシー

  


 私が子供の頃は、誰かの家を訪れたりすると、母親に必ず、「ちゃんとご挨拶した?」と念を押されるのがとっても嫌でした。私は、子供の頃はとても内気で、人見知りで、あまり、知らない人に会ったり、人に溶け込むことが苦手でした。

 それでも、誰かのお宅にお邪魔したりした時には、「ちゃんとご挨拶しなさい・・」という母親の言いつけはちゃんと守っていて、言われたとおりにしているのに、そのたびに、これ見よがしに「ちゃんとご挨拶した?」と言われることに、いつまでも挨拶ができない子供のように扱われていることがとても嫌で、母としたら、あたりまえのことを言っていて、悪気はなかったとは思うのですが、そんな風に、毎度毎度、確認されるために、なおさら、他人の家を訪れたりすることが、ますます嫌いになったのです。

 どんな親でも、しっかり挨拶をすることや、「ありがとう」、「ごめんなさい」を言うことは、一番に子供に教えることだと思うのですが、これが、大人になると、意外とおろそかになりがちなところもあるけど、シンプルだけど、とっても大切なことなんだな・・と最近、あらためて、思うのです。

 特にフランスにいると、挨拶は、ほんとに大事だな・・と思うことも多く、また、その機会も多く、まあ、簡単に言えば、「ボンジュール」の一言なのですが、例えば、見知らぬお店に入ったりしても、お店側はもちろん、「ボンジュール」と言ってくれますが、お客さんの側も「ボンジュール」と挨拶するし、この「ボンジュール」を言わないのは、微妙な感じに受け取られるような気がします。

 見知らぬ人と目が合っても、さすがにボンジュールとは言わなくても、ニッコリ微笑みがえしてくれるのは、感じのよいものです。

 ごくごく親しい人に対しては、「サリュー!」とか、「サヴァ?」とか、気安く声をかけることもありますが、「ボンジュール○○(相手の名前)!」、それほど親しくない場合は、「ボンジュール マダム」とか「ボンジュール ムッシュー」と挨拶します。

 このボンジュールにマダム・・とか、ムッシューをつけるのは、娘が小学校の面接試験のときに、「ボンジュール!」と元気よく挨拶した娘に、大変、厳しそうな女性のディレクトリス(校長先生)に、「「ボンジュール」ではなく、「ボンジュール マダム」と言うのですよ・・。」と静かに諭されたという話を聞いて以来、お行儀よく、丁寧にあいさつする場合は、きちんとマダムあるいは、ムッシューをつけて挨拶しなければならないんだな・・と親の私があらためて肝に銘じて学んだことでした。

 私は、バスを利用することが多いのですが、バスに乗るときに運転手さんに「ボンジュール」と挨拶をする人も多く、すごい人だと降りるときにわざわざ、「メルシームッシュー!」と運転手さんに声をかけて降りる人もいます。

 この「ボンジュール」と挨拶することで、ちょっと空気が和らぐような気がするというのもちょっと大げさではありますが、小さなほんの一瞬の人間関係でも基本です。

 ちょっとでも関わる人との人間関係の基本はこのほんの一言、「ボンジュール」と「メルシー、メルシーボクー」、これを言われて嫌な気がする人はいないし、もしも、フランスに旅行に来ることがあったら、たとえ、フランス語ができなくても、これだけは、心がけた方が過ごしやすいかもしれません。

 元気にあいさつができて、ありがとうって言えて、ごめんなさいと素直にあやまることって、今さらこんなおばさんになって仰々しく言うことでもないけど、にっこりと、これができれば、けっこうなチカラを発揮するもんなんじゃないかな?と思うのです。



ボンジュール メルシー


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2024年1月25日木曜日

フランスのニュースでも取り上げられている明治神宮外苑森林伐採問題

  


 今年は、能登半島での地震や羽田空港での飛行機事故のために、年明け早々から、フランスのニュースに日本が登場しました。

 その後、フランスでは、自国の洪水などの災害や内閣改造、また現在も次から次へと起こるニュースに日本の地震のその後の模様を追随するニュースは、あまり表だっては浮上してきていませんでした。

 それが、どういうわけか、ゴールデンタイムのニュースの枠の中に、東京の明治神宮外苑の森林伐採問題が取り上げられていて、ちょっとビックリしました。

 「東京の神宮外苑の銀杏並木はたいへん歴史のある場所で、銀杏の葉は東京のシンボルにもなっている。東京は、新宿区、港区、渋谷区にまたがる大規模な再開発計画で商業施設の入る高層ビルを建築するために、この場所に広大に広がる森林を伐採する計画になっており、多くの反対があがっているにもかかわらず、これを強行するようだ・・」といった内容のもので、この計画に対する反対の(おとなしく、大変、行儀のよい)デモの様子や、またミュージシャンなども反対メッセージを込めた曲を発表したりしていると、桑田佳祐さんが歌っている映像が一部、流れたりしました。

 インタビューを受けているこの計画に反対している人によると、「これは、公共の場でありながら、開発は民間企業が主導しているものなので規制が難しい・・」というようなことを話していましたが、これは、ちょっとフランス人には理解しがたい話で、フランスでは、たとえ民間の事業であっても、その再開発が公益が損なわれるものであってはならないために、政府のチェックはとても厳しく行われ、まず、政府の許可は下りないのがふつうです。

 だいたい、今は、環境問題が何よりも厳しく叫ばれる中、緑化していく方向ならばともかく、古く歴史のある森林、樹木を1,000本近くも伐採するなど、どう考えても世界的にも時代に逆行する話です。新宿区、港区、渋谷区には、もうすでに商業施設はあり過ぎるくらいあり、今、必要なのは、森林であるのは明白なことなのです。

 そもそも、日本はCO2排出量トップ5に入っている国、中国、アメリカ、ロシア、インドなどの大国に比べて、日本はとても小さい国なのに、この不名誉なトップ5に入ってしまっているという現実をどう考えているのでしょうか?

 少し前に、自宅周辺の再開発計画があるので、周辺住民に説明の集会があるというので、「えっ??まさか、工事期間は追い出されたりするわけ?」と心配になって、参加したのですが、これは、現在、在住している人には、迷惑が及ばないように工事は進められるということで、ホッとしたのです。

 それでも、一体、こんな工事、どうやって一体いつになったらできるのやら?と思うほど、美しく再開発された完成予想図のようなものを見せてくれたのですが、「このあたりがこんなになるの?」と緑があちこちに増やされていることにもビックリしたくらいでした。

 たとえば、パリ市内にあるリュクサンブール公園やチュイルリー公園、また、ブーローニュの森やヴァンセンヌの森の森林を伐採するなどは、絶対にあり得ないことで、住民、環境保護団体はもちろんのこと、国も絶対に許可する話ではありません。

 昨今の地球温暖化、異常気象を考えれば、今、必要なのは、どう考えても商業施設の入る高層ビルではなく、森林なのです。これを増やすならともかく、伐採するなど狂気の沙汰で、海外の国々が口出しできる話ではないとはいえ、日本という国の現在の地球環境問題に対しての認識の低さを露呈する話になります。

 すでに、フランスでもゴールデンタイムのニュース番組でも扱われているということは、遠く離れた国とはいえ、やはり問題意識を持って注目されているということです。

 様々な問題において、「海外では絶対に許されない!」と言われることで、日本もそれにならって、態度を改めていくことが、最近は、よく見られるようなので、この森林伐採問題についても、海外のメディアも、すでに目を光らせているということを日本政府も少しはわかっておいた方がよい気がします。

 あまりに常識外れなことをしていると、G7のメンバーなどと大きな顔をしていても、軽蔑されて、対等にお付き合いしてもらえなくなります。


明治神宮森林伐採問題


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2024年1月24日水曜日

ブーランジュリー ワールドカップ 16年ぶりのフランス優勝

 


 今年、行われた「クープ・デュ・モンド・ブーランジュリー」でフランスが優勝したそうで、しかも、優勝は16年ぶりということで、「あらら・・パンの国 フランスがそんなに優勝していなかったの?」と、そっちの方にちょっと驚いた次第です。

 その書かれ方が今年は、「フランスチームが日本、韓国を押さえて堂々、優勝!」とあったので、日本も入っていたのか・・と思ったら、今年、日本チームは3位だったようです。

 このいわゆるパンのワールドカップのような催し物は、ヨーロッパ見本市の一環として、2年に一度、開催されているそうです。

 そうでなくとも、バゲットコンクールとか、クロワッサンコンクールなど、毎年、行われているコンクールもけっこうあって(多分、パリ市がやっているものだと思いますが・・)、正直、このワールドカップの方は、これまで見逃していました。

 というのも、おそらく、フランスが優勝しなかったために大々的に取り扱われなかったため、なんとなく見逃してしまったのかもしれません。

 この職人技を競うような大会には、どの分野でもめっぽう強いイメージのある日本ですが、やはりパンの世界でも、その力量をふるっているのは、間違いないようです。

 この大会は、2日間にわたるもので、各チームがパン、ヴィエノワズリー(ペストリー系?)、芸術作品の3つの項目を披露するもので、今回優勝したのは、フランスのリヨン出身のパン職人だったようです。

 しかし、美食の国フランス、その中でもパンはある種、象徴的な存在でもある国としては、こんなにも長い間、優勝できなかったことは、フランス人のプライドが傷つけられる不快なものであったことは、想像に難くないところでもあります。

 ある記事には、パンは私たちの一部であり、キリアン・ムバッペやエッフェル塔と並ぶ国家の誇り! その最も美しい象徴であるバゲットは、2022 年にユネスコによって無形文化遺産に登録されている!

 にもかかわらず、この30年間で、フランスがカップを持ち帰ったのはわずか3回だけ、しかも、2008 年以来、フランスのチームがこのタイトルを獲得できなかったこの不快感をどう説明すればいいでしょうか? 」と書かれています。

 その原因として、この間に躍進してきた日本や韓国などのアジア勢のパン職人に対して、「彼らは私たちが想像もしないようなことをするのです」とフランス人にとっては伝統があるがゆえに思いつかない創造性に長けていると説明しています。

 また、物価の上昇や困難な労働条件などから、パン職人を志す人が減少しており、優れた職人が育ちにくくなっていることも原因の一つに挙げています。

 たしかに最近、日本に行くたびにパン屋さんが増えていることに驚かされますが、日本で売っているパンとフランスで売っているパンは、タイプが違うように思いますが、個人的には、フランスは、やっぱりパンはかなり美味しいお店が多いので、充分、満足しているために、日本に行った時に、他に食べたいものが山積みのキツキツのスケジュールのなか、わざわざパンを食べることがほとんどないので、日本のパンがどれほど美味しいのかは、正直、わかりませんがパン職人が減少していると言われるフランスに比べて日本はパン職人は増えているのではないか?と思うのです。

 しかし、フランスのブーランジュリー協会にとっては、「このフランスチームの優勝により、パン屋のノウハウを強調し、エネルギーや原材料の価格高騰、持続可能な開発、人材採用など、多くの課題に直面している業界全体を勇気付けることができます」と前向きに述べています。

 同時にフランスパン・ベーカリー・パティスリー全国連盟会長は、日本、韓国、台湾などには、非常に良い際立っている職人がいることも認めています。

 もともとあるものを真似して、それに新しい創意工夫を凝らして改良するのは、日本人の得意とするところでもあり、小麦粉と水という基本的な材料に地元のシリアルやオリジナルの食材を使って無限の創造性の息吹を吹き込み独創的なものを創り出す。

 彼らには想像力が豊かで異なる食文化を持つからこそ生み出す力があり、それこそが、フランスチームに欠けているもので、それがこれまで優勝から遠ざかっていた原因でもあると指摘しています。

 しかし、一方では、「フランスでは、依然として並外れたレベルの店舗が存在する」と豪語もしており、それには、私もやっぱり大きく同意するところでもあります。

 

ブーランジュリー ワールドカップ フランス優勝 


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2024年1月23日火曜日

パリのメトロ・RER (郊外線)の大気汚染問題

 


 これまで、大気汚染といえば、車の排気ガスや工場から排出されるものとばかり思っており、メトロなどの車内やプラットフォームで大気汚染の問題があるなどとは微塵も思ったことがなかったのですが、どうやら、パリのメトロや郊外線における大気汚染に警報が鳴らされているようです。

 この調査は、フランスのテレビ番組「Vert de rage」のために、交通組織当局であるイル・ド・フランス・モビリテス (IDFM) と、この地域の大気の質の監視を担当する協会であるエアパリフがこの番組に回答するために示したパリの地下鉄とRERの汚染マップを初めて公開したことから明らかにされました。

 現在の発表は、イル・ド・フランスのネットワーク(地下鉄、RER、トランシリアン)の397駅のうち44駅に関するものに限られていますが、このマップでは、国家保健安全局 (ANSES) が推奨する最大閾値を超える PM10 微粒子の濃度が示されています。

 このマップによると、最も大気汚染が酷い状態であるのは、 ベルヴィル駅と、パリの東に位置するジョレス駅とオベルカンフ駅であることが明らかになっています。
 
 メトロの駅の大気汚染ってどういうこと? 電車なのに大気汚染ってなに?と思ったのですが、これは、どうやら、電車がブレーキをかけた際に発生する微粒子の問題のようで、 車輪、レール、ブレーキ、電車線が磨耗していくと、より細かい粉塵が発生すると説明されています。

 IDFM(イル・ド・フランス・モビリテス)は、この影響を抑えるため、列車のブレーキ時に発生する微粒子の排出を減らすシステム(電磁ブレーキ)を、特にRER A線と1、2、3、4号線にできるだけ早く導入するよう求めています。

 現段階でこの電磁ブレーキが導入されているのは、4号線、11号線、14号線のみだということで、同じRATPで、どうして、こんなに差があるのかは、少々疑問でもあるし、あんなに、しょっちゅう工事している気がするのに、まだ、こんな問題があるの?と思ってしまいます。

 IDFMは「ベルヴィルは2024年から新しい扇風機に切り替え、 ジョレス駅では扇風機が強化され、オベルカンフ駅では2023年末から、すでに新しい扇風機が稼動している」と発表していますが、思わず、「そこ?」とか、「そっち?」と思ってしまうところでもあります。

 この微粒子は、その細かさによって有害度が異なるそうで、細かくなるほど、体内に吸収されやすくなり、危険になるということらしいです。車内は換気されているために危険度も下がるということではありますが、最も危険な場所として挙げられている場所では、健康体の人には、特に問題はないようですが、特に喘息患者などの人々における気道の炎症、あるいは、自律神経機能へのリスクは否定できないとしています。

 この問題は、これまで公にはなっていなかったけれども、水面下では対策をとられていたということは、ありがたいと言えばありがたいのですが、こんなメトロの大気汚染などという問題があることすら知らなかったので、これを公表に導いてくれたテレビ番組・マスコミの存在もやはり、ありがたかったな・・と思うのです。

 しかし、メトロまで大気汚染とは、少々ウンザリです。


パリのメトロ大気汚染問題


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2024年1月22日月曜日

海外から見る日本に足りない教育

  


 フランスでは、新しく教育相に就任した大臣が子供を名門と呼ばれる私立校に転校させたとかで大バッシングを受けていますが、私としては、むしろ、大臣だって、やっぱり子供の教育を考えるなら、フランスだったら私立に入れるよね・・とこっそり思っています。子供の教育については、個人的なこと、教育相とて、選択の自由はあるはずです。

 我が家の場合は、子供の就学前から、周囲にいた先輩方から、「子供は絶対、私立に行かせた方がいい・・特に小・中学校はマストだ!公立の学校は地域にもよるけど、大方、ヤバい子供たちもいて、ロクなことにならないから、絶対!私立に入れた方がいいよ!」と強い助言があり、また、公立校のあまりの学校のストライキの多さにウンザリもしていたので、「子供の教育は、後からでは取り返しがつかない・・」と近所の私立の学校になんとか入れるように、夫に奔走してもらい、なんとか小学校から私立の学校に入れたのです。

 なので、実際にフランスの公立の学校の現状は、外から見ているだけで、やはりストライキが多いな~くらいしかわからないのですが、娘がその後、高校まで通った学校は、良い学校であったことだけは、確かにわかります。だいたい、たまに行く、保護者会のようなものでも、親の教育に対する姿勢から、真剣身が全然、違い、それは来ている子供たちも違うわけだよな・・と思わされた記憶があります。

 また、やっぱり娘が学校に通っている様子から、日本の学校とは教育の仕方が違うんだな・・と感じることも多々ありました。

 なによりも、よく言えば、理論立てて考えて語る訓練というか、テストなども論文形式のものが多いことです。それも高校くらいになると、その論文の長いこと・・。

 当時は、だから、フランス人は口が達者で、良い意味でも悪い意味でも、理屈をこねくり回してモノ申す人が多いのだな・・と思ったりもしました。

 その理論をどう構築していくかは別として、だから、デモなども頻繁に起こるし、フランス人は黙って受け入れることがない・・やることやってから言えよ!などと思うことも多かったのですが、逆に今の日本を見ていれば、自分の頭で理論立てて考えて、それを話す、話し合うということは、とても大事なことだと思うのです。

 つい先日、日本のニュースを見ていて、ある政治家が「派閥を解散する」というほんの短い案件を発表する際のほんの1分ほどの内容に、なにやら、メモを読み上げている様子を見て、「それくらい、自分の口で言えないのかよ!」と本当に情けない気持ちになりました。

 日本の教育は、どちらかといえば、おとなしく従うことが基本で、議論を戦わせたり、自分の言葉で意見を言ったりする教育が足りないように思います。特に多くの政治家の話の説得力のなさには、言葉がありません。

 また、日本では、政治や宗教の話題はタブーといった印象がありますが、この政治や宗教の教育こそが日本に足りない教育のようにも感じます。フランス人は政治の話題を好み、家庭内でも政治の話をしたり、子供をデモに連れて行ったりすることも珍しくはありません。

 宗教についても、娘の行っていた学校はカトリックの学校ではありましたが、カトリックに偏ることなく、宗教全般に関する授業があり、宗教というものについて、様々な宗教の成り立ちや概要、そして、カルトの危険性などについての授業までありました。

 今では、他のことで、立ち消えになってしまったかに見える旧統一教会の問題なども、宗教とはどういうものであるか?がわかっていれば、予備知識として、「これは、おかしいのではないか?」とストッパーになり得たかもしれません。

 一般的に見て、日本人のポテンシャルは高いと思われるので、足りないところを補う教育を取り入れていけば、もっと力を発揮できるだろうし、何より、今は政治が最悪・・政治に対して、国民は、もっともっと、モノ申さなければ、このままでは日本は潰れてしまいます。

 日本には、もっと議論する、反対意見を臆することなく発表し、話し合う、討論する教育が必用なのでは・・と思います。フランスに来たばかりの頃は、やたら議論をたたかわせて、話し続けるフランス人をどうか?と思うこともあったのですが、この議論するということは、実はとても大切なことなのに、日本に足りない教育なのでは?と最近は思うようになりました。黙ってガマンするだけではなく、日本人はもっともっと、モノ申し、意見を述べなければなりません。

 最近は、失われた30年などと言われる日本ですが、日本は戦後復興から30年で高度経済成長を遂げた国でもあります。今後30年で、教育も含めて日本は新たな復活の可能性だってあるとも思うのです。


日本に足りない教育


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2024年1月21日日曜日

日本から持ってきた食料品の一部をちょっとだけご紹介

 

 

 まあ、自分でも呆れるほど、私は、食べることばかり考えているので、パリにいても、どこかに何か美味しそうなものがあるとすっ飛んで行くのですが、やはり、生まれも育ちも日本人の私は、やっぱり日本の食べ物が好きで、一時帰国した際に持ってくる日本の食材や調味料を使って、現地の食材を使って、なんとか満足のいく食生活が送れるように、日本から持って帰ってくる食材選びには、並々ならぬ情熱を注いでいます。

 夫は自分でも料理ができないわけではなく、私が休日出勤をする際などは、「朝、用意していくのは大変だから、自分がやるからムリしなくてもいいよ!」とやさしいことを言ってくれていたのですが、夫の料理は娘の口にはあわないようで、「お願いだから、ママが作って!」と嘆願され、また、私も娘を置いて、仕事に行くことに、なんとなく引け目というか、「ママ、お仕事行かなきゃいけないけど、あなたのことを忘れてないからね・・」というメッセージのつもりもあって、必ず私が食事の支度はしていました。

 夫には、私が日本に行く度に買い集めてくる日本の食料品、特に調味料関係はわけがわからないようで、「なんで、冷蔵庫の中、こんなに瓶がいっぱいになるの?」と不満気に言われたこともあったりしたのですが、私にとっては、フランスでは手に入りにくい宝物のようなもの・・そこは一歩たりとも譲ことができませんでした。

 あれから、夫は亡くなってしまい、今では自分の好きなものしか冷蔵庫に入っていないのですが、あの頃から比べると、私が日本から運んでくる食材もずいぶんと種類が増えてきたように思います。

 今回は、このたび私が日本から持ってきた(頂いてきた)食材でよかったな・・と思うものをご紹介します。

 まずは、だしの類、茅乃舎のだし、野菜だしは、定番で、前回は、白だしなども追加して、今回、持ってきたのは、こちらの2つ、「のどぐろだし」と「白エビだし」。これらは頂き物ですが、すごく期待しています。


 そして、糀みつと、友人宅で出してくれて、すっごく美味しいと感激したら、友人がくれたお醤油。「糀みつ」は、パリのサロンドショコラに行ったときにみつけて、味見させてもらったら、これが奥行のある深みのあるまろやかな甘さ・・この甘さはパリには絶対ないもの!と感激して買おうと思ったら、1本30ユーロもするというので目が丸くなり、なら、日本に行った時に買おうと思っていたもの・・(日本だと半額以下でした!)これと一緒に乾燥した糀も買ってきました。




 
 そして、前回、買ってきてとても重宝した明太子パウダーとあさりパウダー、貝柱パウダー。明太子パウダーは、そのままふりかけのようにご飯にかけて食べてもいいし、マヨネーズや生クリーム、クリームチーズやバターなどと混ぜてディップのようにしてもよし、簡単な明太子パスタにしてもよし・・また、あさりパウダー、貝柱パウダーは、お味噌汁に入れてもいいし、海鮮類のパスタなどにちょっと加えるのもよしで、と~っても便利です。



 そして、日本人の神髄・お味噌類と今回、従姉妹がくれた、ぬかチューブ、ぬか漬けもどきは、普段、パンとビールに昆布などを加えて代用していましたが、これはすっごく楽しみで、きゅうりの季節になったら、やってみます・・たのしみ~~。
 お味噌は、ふつうに使うお味噌とつけて食べる分のお味噌、これも頂き物です。



 それからそば好きの私としては色々なお蕎麦が食べてみたくて、数種類のおそばと友人がくれた揚げ玉。この揚げ玉がけっこう優れもので、ワサビ風味でそのまま食べてもおいしいし、冷ややっこにかけたりても美味しいです。
 


 そして、海藻類と海鮮系の乾物類、特に乾燥あさりと乾燥しじみは、レギュラーメンバーで、なんといっても軽いので嬉しいです。パリにもあさりは全くないわけではないけれど、どこにでもあるわけではないし、しじみに至ってはお目にかかったことがありません。
 



 それからけっこう便利なこれ!


 最近、お豆腐はパリでも買いやすくなったので、お豆腐と、私は、冷凍のほうれん草(味つけなしの素材だけのもの)を解凍したものを混ぜたりしています。混ぜるだけでできるので、簡単です。

 それから、私にとって、今や必需品に近く、最も重さを押さえられる食品はこちら!
 

 種で持ってきて、あとは、パリで育てるという日本の野菜たち。
 きゅうり、にら、しそ、三つ葉、小松菜、春菊、オクラ、ししとう、スナップえんどう、ナスなどは、育てたことがあるので、今回、わさびリーフ、からし菜、ごぼうに挑戦してみるつもりです。
 このベランダ菜園は、植物が育っていくのも楽しく、また、買い物に行かずに少しずつ収穫して楽しめて、時には、友人にもお裾分けしてあげたりもできるので、すごく楽しいです。
 急にロックダウンになった時などには、この野菜の種に気持ち的にもずいぶん救われた思い出があります。
 今回は、日本に行ったのが冬だったので、種を探すのに苦労しましたが、幸いにも宮古島や九州に行ったりもしたので、無事ゲットできました。

 結局、スーツケース2個分、23kg×2・・約50kg近い荷物のほとんどが食料で、これ以外にも、お米、玄米、お餅、缶詰めや明太子、干物やしらす、ウニ、鰻やお漬物類、佃煮、梅干し、ワサビ漬けなどなど、た~くさんの食材があって、今はとても満たされている気持ちです。
 日本に住んでいれば、いつでもどこでもたいてい手に入るものばかりだと思いますが、これが宝物みたいに感じられることも私の幸せの一つなのです。


日本食材

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2024年1月20日土曜日

フランス政府 電気自動車リース 月額100ユーロのオファー

 


 マクロン大統領が3週間で90,000人月から額100ユーロの電気自動車リースの申し込みがあったことを報告したことから、そういうサービスがあったことを知りました。

 欧州議会は、昨年の段階で、2035年には、内燃機関搭載の新車販売を禁止し、EU圏内のガソリン車、ディーゼル車、ハイブリッド車の新車販売を事実上停止し、欧州全体で、本格的に電気自動車に切り替えていく方針を決定しています。

 そんなこと言ったって、そもそもフランス人は、リッチな人は別として、一般的には車を探すのは、中古車から探すのがふつうで、 こんなこと決めても、そんなに簡単に変わらないだろうな・・と私は思っていたのです。

 そもそも、パリに住んでいれば、メトロもバスもあるし、車で出かければ、かえって駐車スペースを探すのに苦労するくらいだし、また駐車した車がいつどんな目に遭うとも限らないので、車の必要性を感じません。

 それでも、夫は、車が好きだったので、ほんの短距離にもかかわらず、車で移動したがる人だったので、車を持っていましたが、夫が亡くなってからは、車は手放してしまいました。

 大荷物で旅行する日本へ行く時などに頼む車の運転手さんなどは、車を持つのは、ほんとうにお金がかかりすぎるので、絶対、必要ないよ!などと力説する人だったりもしたし、実際、日常的に車は全く必要性を感じないので、私は車は持っていません。たまに旅行したりした時にレンタカーを借りるくらいです。

 しかし、郊外や地方に住んでいる人にとっては、車なしには、通勤できない場合もけっこうあり、娘が一時、日本の大学への留学をパンデミックのためにドタキャンされたために、ブルターニュのド田舎にある研究所でスタージュをしていたことがあって、本当に通勤に大変な思いをして通っていたことがあり、その研究所に併設された工場などでは、ほぼ全員が車で通勤しているとかで、そういう地域では、車は必需品なのです。

 これまでも電気自動車を購入する場合は補助金が出るということも行われてきたのですが、今回のリースはさらにお手軽感があり、そういった車が不可欠な地域などの人々にとっては、月額100ユーロの電気自動車リース(ファミリータイプの車の場合は150ユーロ)は、なかなかメリットがありそうな制度です。

 しかし、現在のところは、低額所得者を対象としているようで、このリースを利用できるのは、収入が15,400ユーロ未満であり、通勤に必要な場合は、自宅から15km以上離れたところに住んでいることなどの雇用主からの証明書が必用であり、そうでない場合はセキュリテソーシャル(社会保障制度)の証明書が必用になります。

 この契約期間は少なくとも3年間以上、契約終了時には、車を返却するか、残金を支払えば、その車を購入することもできます。

 現在、フランス政府は、いくつかの車のレンタル会社と車のメーカーとの契約を締結しているそうで、車は、シトロエン、フィアット、ジープ、日産、オペル、プジョー、ルノーが揃っているそうです。

 ここで、気付いたのは、トヨタが入っていないこと・・トヨタが電気自動車に遅れをとっている話は、聞いていましたが、こんなところにも表れているとは、ちょっと愕然とします。

 ともかくも、最も車が必用な人々で、しかも低所得者層で電気自動車に手を出しにくそうな人々をこのように電気自動車に誘導していくことで、フランスでの電気自動車の割合は、増加していきそうな気がします。

 2035年という目標を絵にかいた餅にしないように、色々な取り組みを行っていて、未来に向けて、どんどん変わっていくんだな・・ということを実感しています。 


電気自動車リース 月額100ユーロ


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「フランス人と車」