2023年8月20日日曜日

セーヌ川で泳ぐって、感覚的にちょっと勇気がいるかも・・トライアスロンテスト大会水泳中止

  


 パリの景色には、セーヌ川が映り込む映像も少なくありません。水のある景色というのは、美しいものです。歴史あるパリの建築物や街並みの中に映り込むセーヌ川は美しいパリらしい景色の一つでもあります。

 しかし、景色として美しいのと、泳げるような美しさというか、清潔な清い感じとは、また別の話で、セーヌ川で泳ぐかというと、感覚的には、ちょっと尻込みするのがふつうな印象があります。

 パリに来たばかりの頃、夏の暑い時期などだと、ところかまわず街中の噴水などでも水遊びだか水浴びだかをする人がいたりすることに、びっくりしたものですが、これと同様? いや、これ以上にセーヌ川で泳ぎ出す人がいたとすれば、「ちょっと大丈夫?」と思ってしまうと思います。

 しかし、来年のパリオリンピックのトライアスロンの水泳は、セーヌ川のアレクサンドル 3 世橋からスタートする予定になっているようで、このオリンピックに向けて、先日は、一度は、テスト大会のようなものが行われたようですが、昨日のパラリンピックのトライアスロンテスト大会は、水質に問題があるということで、土壇場になって中止になったようです。

 その2日前までに2日間にわたって行われていたテストでは、GOサインが出ていたものの、公衆衛生局は、研究所が提供した最新の水質分析結果と高周波サンプル分析装置との間に重大な矛盾があると指摘し、選手の健康と安全を危険に晒すことを避けるためにこのテスト大会は、トライアスロンの水泳部分を削除して行われました。

 パリオリンピックでは、セーヌ川で開会式の各国選手の入場行進が行われるということで、話題を集めていますが、その同じセーヌ川で泳ぐというのも、やっぱりなかなかハードルが高いのでは・・と思ってしまいます。

 パリを横断するように流れているセーヌ川は特にパリの中心部だと、ジグザグにどこを歩いていてもセーヌ川にぶち当たるような感じで、オリンピックでパリの美しい景色をアピールするのに、セーヌ川を利用するのは、とても素敵なアイディアであるとは思います。

 


 セーヌ川はパリとは、切っても切れない存在で、RATP(パリ交通公団)のマークは、グリーンのサークルに、一見、意味不明のブルーのラインがデザインされたものですが、このグリーンはパリ全体を表し、ブルーのラインはセーヌ川を表しているデザインだと言われています。

 パリの美しい景色はセーヌ川とともにあるといっても過言ではありません。

 しかし、当初、セーヌ川をトライアスロンのスタート地点として、水泳の場所に定めることで、セーヌ川の水質改善の促進を促すことにも繋がるとも考えられたとは思いますが、一時の最悪の水質状態よりは改善したとはいえ、今後1年の間に劇的に改善されるかといえば、あまり期待できるものではないし、ぶち壊すようで、申し訳ないのですが、私だったら、ちょっとセーヌ川で泳ぐのはごめん被りたい気持ちです。

 だいたい、セーヌ川は、大雨が降れば、すぐに洪水、水はけもよくないのか、水位が上がると、橋の下を通るバトームーシュなどの観光船も通行不可になり運航休止になってしまい、いい加減、この時代になぜ、いつまでも対策を講じないのか、長い間の私の疑問でもありました。

 結局、今回は、テスト大会が中止になっただけで、オリンピックでのトライアスロンのセーヌ川での水泳が中止になったというわけではありませんが、オリンピックともなれば、今回のようにドタキャンというわけにもいきません。

 この異常気象で、夏は、激しい暑さに加えて、今までは考えられなかったような激しい雨に見舞われることもあるようになったこのご時世。早いところ、別の候補地を探した方がいいような気もします。

 セーヌ川は見るだけで充分、美しいのですから・・。


セーヌ川 トライアスロン水泳テスト大会中止


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2023年8月19日土曜日

フランスの学校でのいじめ問題 被害者ではなく、加害者を転校させる法律発令

  


 8月も半ばを過ぎ、9月からの新年度に向けて、文部科学省は深刻になっているフランスの学校でのいじめ問題にメスを入れる新しい法令を発令しています。

 最近は、学校内でのいじめ問題も自殺者が出るほど深刻化しているため、今回の法令では、このいじめ問題から被害者を守る対策の一環として、いじめられている被害者ではなく、加害者の方を学校から追い出し、転校、あるいは、退学の措置をとれるようになることを法的に定めています。

 いじめの被害に遭っている子供たちが、不登校になったり、転校をせざるを得ない状況に追い詰められるということは、これまでにも多々、あったと思いますし、いじめられている子供の親にとったら、これ以上のいじめにあって苦しむくらいだったら、学校には行かなくてもいいし、転校させようか?と考えてしまうのは、あり得ることです。

 ましてや、いじめの果てに自殺してしまった子供の親にとったら、そんなに苦しんでいたのなら、もう学校なんて、辞めさせたってよかったのに・・と後悔しているに違いありません。

 しかし、これは、考えてみれば、おかしな話で、いじめられている人が学校から姿を消し、いじめている側がそのまま学校に残ることは、再び、次の標的を探すことにもなりかねないどころか、充分に考えられることで、本来、学校を去るべきなのは、加害者側の方なのです。

 今回の法令では、意図的、ならびに反復的ないじめ行為が他の生徒の安全や健康に危険を及ぼすことが証明されている生徒を別の学校に転校、あるいは退学させることが可能になります。

 学校でのいじめに対するこの措置は、被害者である生徒にこの学習環境の変更を強いることを避けるために導入されました。しかし、別の学校に移ったところで、ネットいじめの場合は、学校をまたいで継続される可能性がありますが、別の学校の生徒からのネットによるいじめの制裁は、別に検討中で、追って発表されることになっています。

 とりあえずは、去るべきなのは、いじめの加害者側という至極、まっとうなことが、今後は法律のもとに、行われることになるはずで、少なくとも、いじめられている側にとったら、少しは救われるであろうことで、また、どの学校も「いじめ行為をする生徒はいらない!」という頑とした態度をとることができるようになるのは、前進です。

 この懲戒規則は2023学年度の初め(9月)から適用され、小学生だけでなく中学生、高校生も対象となります。

 ただし、このいじめ加害者追い出しについては、あくまでも、義務教育の場合は、受け入れる学校がある場合の話で、公立学校が自治体に1校しかない場合は、他の自治体がその生徒の入学に同意するという条件でのみ転校が可能になります。

 つまり、問題児を引き受けたくない学校は当然、多いであろう中、そのような子供の「たらいまわし」が起こることになります。

 また、今の時代、携帯を持っていない、ネットを利用していない子供はいないため、学校内だけのいじめに留まらないことは、明白で、被害者に対する誹謗中傷などのいじめは、あっという間に拡散され、多くの人の間で共有されることになり、単に学校から追い出した程度では、解決にならない可能性も大きいのではないかと思います。

 SNSは、いつでも、どこでも簡単に情報を得ることができ、また、必要な情報を拡散できるという面では、大変、便利なものではありますが、悪用された場合の弊害もまた、ここのところ、かなり浮き彫りになってきているような気もするので、この利用についても指導が必要なところもあるし、また、プロバイダーもあらゆる悪用されるケースに対応したサービスを検討していくことが求められていると思います。

 フランスでは、毎年、80万人から100万人の子供たちが学校でのいじめの被害者となっていると言われています。


フランスの学校でのいじめ加害者に制裁を加える法律


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2023年8月18日金曜日

好奇心旺盛のフランス人の夫がアフリカで食べた動物がパリの動物園にいた!

  



 以前に、とっても懐かしい思い出があったパリの動物園のオランウータンに会いに行って、オランウータンのスペースを探しながら(動物園の地図には、なぜか載っていない動物がたくさんある)、水牛とか、獏とか、なんだかオレンジ色っぽい子ザルとか、一目見ただけでは、この動物はなんという動物だかわからないような動物がけっこういて、なんだか、感動ポイントがフランス人とはずれているのかなぁ?と思いつつ、なんだか、今一つ盛り上がりに欠けるかも・・などと思いながら、歩いていました。

 それでも、せっかく来たのだから、一応、ここにいる動物はひととおり見て行こうと思って、「これ、何?」と思う動物は、一応、看板を見て、何の動物なのかを確認しながら歩いていると、なにやら、熱帯動物を集めた、歴史を感じさせる、やけにガッチリ作られた石の門構えの建物があり、入ってみると、熱帯動物を集めているだけあって、中の空気は生ぬるく、蒸しっとしていて、ひとつひとつの動物?ごとに、ガラス窓でしきられていて、覗いてみると、なんとヘビやオオトカゲなどの爬虫類・・。

 あまり趣味ではないので、早々に退散、しばらくして、鳥類が集まっている場所の一部には、鮮やかなフラミンゴがいたりして、ちょっと救われた気がしたものの、なんだか、「もう!一体、オランウータンはどこだったんだっけ?」と思いつつ、もう少し、動物園らしい?喜びを感じさせてくれる動物はいないものだろうか?と思って歩いていると、その中のひとつに、看板を見て、「ん??これは何と読むのだ?」という動物がいました。

 もちろん、全部、フランス語(英語でも書いてあったと思う)で書いてあるので、ましてや、あんまり見覚えがない動物の名前など、フランス語はもちろんのこと、日本語だって、わかりません。


 しかし、「AGOUTI」(アグーチ)とたどたどしく読みながら、「アグーチ、えっ?アグーチ??」「アグーチって、もしかして、あのアグーチだ!」と、私は、一人でちょっと興奮していました。

 それこそ、感動ポイントがずれていると思いますが、アグーチという名前には聞き覚えがあり、なんとそれは、好奇心旺盛なフランス人の夫とコートジボアール(西アフリカ)にいた時に、その土地の名物料理のようなものが食べたいと、レストランで食べたことがあった動物だったのです。

 それは、テーブルに出てきた時には、シチューのような煮込み料理になっていたので、原形をとどめておらず、どんな動物なのか?とレストランの人に聞くと、なにやら、モグラとネズミの混ざったような動物だということで、どちらにしても、食用としたら、あまり気持ちのよいものではないだけに、あらためて、わざわざ調べてみることも、具体的に想像してみることもしてきませんでしたが、この名前だけは、なぜか鮮明に記憶していたのでした。

 まさかのパリの動物園で、このアグーチを見ることになるとは、思ってもみないことで、まじまじと見つめてしまいました。

 夫は好奇心旺盛で、フランス人はあまり行かない現地の小さい村のお祭りに大使館の現地採用のスタッフに頼んで参加させてもらったり、なんだか、野原のようなところの、「これ、ほんとに石鹸?」と思うような石鹸工場を見に行ったり、タバスキと呼ばれる、イスラム教のラマダンの終わりに行う羊をいけにえに捧げる行事に参加したり、物珍しいものごとには、果敢に参加して挑戦する夫は、現地の人が食べるとい珍しいお料理もぜひにと食べたがって、実現させたのでした。

 なんだか、得体のしれないものを食べたがるわりには、胃腸はあまり丈夫ではなく、必ずあとには、必ずお腹を壊すのですが、それでも、夫は大変、満足そうでした。

 実際に、現地の人々は、やはり、貧しくて、うちに来ていたボーイさんなどに聞く話では、動物は、ほとんど、どんな動物でも食べるそうで、そういわれてみれば、猫や犬でさえも、あまり外をウロウロしていることはありません。

 動物園といえば、アビジャン(コートジボアール)でも、一度、動物園に行きましたが、英語では、アイボリーコースト(日本語で象牙海岸共和国)と言われるくらい、大昔には、象牙の売買で有名だった場所。さぞかし立派な象がいるだろうと思いきや、あんなに痩せた象を見たのは初めてで、なんだか、悲しくなりました。

 話は逸れてしまいましたが、四半世紀を過ぎて、あの時、夫が食べたアグーチに会うとは・・、なんだか、私には、「へえ~~?これがあのアグーチ!」「まさに、モグラとネズミの混ざった感じ・・」と、ちょっと感動?しましたが、果たして、ふつうに動物園を訪れた人が何を思うか?不思議な気もしました。


アグーチ パリ動物園 コートジボアール


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2023年8月17日木曜日

冷蔵庫が壊れて、慌てて新しい冷蔵庫を買いに行きました・・

  


 2~3日前から、どうも冷蔵庫があんまり冷えないな・・と思い始めていたのですが、急ぎの仕事があったので、そのうちなんとかしなくちゃと思いつつ、それでも、冷凍庫は動いているので、そのうちなんとかなるか・・と甘い気持ちでいました。

 私は、電気系統とか、家電とかに全く弱く、ネットで冷蔵庫が壊れた時の対処法などを調べて、「冷凍庫に霜がたまっていませんか?」とか、「冷蔵庫の裏に埃がたまっていませんか?」など、故障の原因になっている場合があるということを少しずつやってみて、Twitter(X)の皆さまにも教えを乞うたりして、どれをやっても、結局ダメ。

 また、悪いことに、パリはちょっと気温がまた上がってきたタイミング、もう冷蔵庫なしでは、どうにもならない・・と、慌てて、冷蔵庫って、いくらぐらいするものだったっけ?とネットで調べ始めました。

 とにかく安い買い物ではないし、以前、冷蔵庫を買ったときに、おそらく、これが、私が生きている間に買う最後の冷蔵庫になるのでは?などと思って、そこそこいい冷蔵庫を買ったつもりではあったのですが、その冷蔵庫が届いた時から、運んできたおじさんが、得意気に、「これが冷蔵庫の霜取りに使うヘラです。こんなのもちゃんとついてます!」というので、「こんなのつけるくらいなら、霜のつかない冷蔵庫にせんかい!」などと思ったことは、覚えているのですが、肝心な値段は、全く覚えておらず、ただ「高いな~」という記憶しかありませんでした。

 しかし、数ある電化製品の中でも恐らくないと一番困るのは、冷蔵庫。ふつうにあることがあまりにあたりまえで、日頃は全く、ありがたみを感じることもないのですが、特にこの暑い中、冷蔵庫が冷えないと、当然のことながら、中のものはどんどん腐り始め、ほんとうに困ります。

 そういえば、家電製品修理の援助金というものができたんだったな・・と思いつつ、冷蔵庫などは、自分で持っていくこともできないし、冷蔵庫修理の援助金は25ユーロで、もう修理に来てもらうだけでも、そんな金額ではとても間に合わないうえに、来てもらったうえに、結局、なおらないとか言うことになった場合は、それこそ大変なうえに、何日もかかることになります。

 この夏の暑い中、できるだけ早く冷蔵庫は必要で、もう腹を括って、買いに行きました。ネットで買うこともできるのですが、やっぱり写真では、イマイチぴんと来ないし、今ある冷蔵庫を引き取ってもらったり、色々、わからないことを質問したりもしたかったので、お店に出向きました。

 やっぱり、実物を見てみると、中のしきりの大きさとかポケットとか、スペースの取り方とかがそれぞれ、微妙に違い、このスペースは何?と聞くと、「それは、チーズのためのスペース」とか、ワインラックがついているものとか、いかにもフランスな感じのものもあり、そんなものはいらない私は、やっぱり直に来て聞いてみてよかった・・などと思ったのでした。

 幸い、バカンス中でお店は空いていて、運よく、とてもテキパキした若い女の子が担当してくれて、非常にスムーズに、お店のカードをその場で作って、今日からそれで割引にしてあげる!ということになり、明日には、配達できるというので、けっこうあっという間に決めて帰ってきました。

 電化製品のお店は日本のようにそんなに選択肢がなく、たいていDARTYというお店に行くのですが、こんな風に何かが壊れた時に来るだけなので、本当に何年かに一度しか来ないし、前に来たのがいつだったか?何を買ったのかもよく、覚えていないくらいです。

 しかし、前に来た時にも少し感じたのですが、以前はたくさんあった日本の製品がすっかり姿を消していることに愕然とし、Samsung(サムソン)のものがたくさんになっていて、思わず、「私は日本人なので、日本のメーカーがいいんだけど、日本の冷蔵庫はないの?」と半分、冗談めかして言ってみたものの、あっさり、「全然、ない!ありません!」とのこと。

 他の電化製品にしても、すっかり日本のものはなくなっていて、かろうじてあるのは、SONYのテレビくらいのもので、ここでも日本の衰退ぶりをハッキリ見せつけられた気がして寂しくなりました。

 とにかく、明日の午前中には新しい冷蔵庫が届くことになっていますが、最後の最後まで安心できないのがフランスです。一度、約束の日になかなか来ないと思っていたら、電話がかかってきて、「運ぶときに冷蔵庫に穴をあけてしまったけど、割引するから、それでもいいか?」などと言われたこともあり(いいわけないだろ!という話ですが・・)、無事に運んでくれて、それがしっかり動くことを確認し、きっちり古い冷蔵庫を持って行ってもらうまでは、まだまだ安心はできません。

 しかし、とかく電化製品といえば、立て続けに色々なものが壊れ始めるというジンクス(我が家ではという話ですが・・)があるため、またまた、他のものにも、いつ何が起こるのか?不安な気持ちにもなります。

 以前から感じているのですが、電化製品というのは、当たりはずれがあって、やけに、あっさり壊れてしまうものもあれば、やたらと長持ちするものもあったりで、全く、寿命というものに見当がつきません。

 ちなみに我が家で使っている電子レンジは、フランスに来た時に、義姉が、もう家で使っていないものがあるから、これ、使って!と言われてもらってきたもので、ということは、少なくとも、我が家では、もう25年以上使っていて、その前に義姉が使っていたことを考えれば、スゴく長持ち・・昔の電化製品の方が長持ちするという感じもするのですが、とにかく、これは当たりの電子レンジでした。しかも、もらいもの。

 こんなことを言っていると途端に電子レンジが壊れた・・とかいうことになりかねませんが、その電子レンジはTOSHIBAのものです。

 どうか、今度の冷蔵庫は霜取りが必要ありませんように・・。


冷蔵庫故障


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2023年8月16日水曜日

母親の命を救った7歳の子供 救急隊員が通話記録をSNS上に公開して正確な通報を啓発

  


 殺伐としたニュースばかりが多い中、珍しく、ほっこりさせられるニュースです。

 目覚めない母親を心配して、救急隊に電話してきた子供とオペレーターの会話をSNS上で公開し、正確に状況を把握して処置を行おうとする救急隊のオペレーターと冷静な子供の応答を公開して、正確で冷静な通報の啓発と頼もしい救急隊の仕事ぶりをアピールしています。

 すごく不安で、小さな男の子が救急隊に電話をかけてくるだけでも、大変な勇気のいることであっただろうに、この男の子は極めて冷静で、オペレーターの質問に正確に答え、指示に従って、一つ一つの確認作業をこなしていくのには、聞いているだけでも、思わず、「がんばれ!えらいぞ!」と応援したくなります。



 子供は第一声、「ボンジュール、私のお母さんが起きられないので〇〇(住所)に来てください」と言います。

「ママは何歳ですか?」「34歳」

「一軒家ですか?アパートですか?」「一軒家です」

「ママはうつ伏せになっていますか?仰向けになっていますか?」「うつ伏せですが、起きられません」

「ママを仰向けにできますか?」「ママン・・」と言いながら、仰向けにしている気配で、オペレーターは、「呼びかけるとママは答えますか?」と畳みかけるように質問すると、「いいえ、返事がありません」

「ママの耳の近くで大きな声でママ~と叫んでみてください」「ママ~!具合わるいの?」

「仰向けにしてください」「了解」、「仰向けにできましたか?」「ウィ!」

「ママの鼻のそばに耳をあてて、空気が出ているか確認してください」「はい、鼻から空気が出ています!」

「君は何歳ですか?」「7歳半です」

「ママを肩を下にして、横向きにできますか?」「はい、できました!」

「君は家に子供一人だけですか?」「いいえ、妹と一緒です」

「妹は何歳?」「4歳半です」

「お隣さんのところへ知らせに行けますか?」「ハイ!」といって、子供はお隣に行って、事情を説明し、お隣のおばさんに電話を引き継ぎます。

 救急隊員は子供が確認したことを再度簡単におばさんに確認し、救急隊が到着するまで、子供と一緒にいてもらえますか?と頼み、「彼はとても立派だあったので、彼を誉めてあげてくださいね・・」と付け加え、通話は終了します。

 救急隊を呼ぶ事態となれば、大人であっても、冷静に会話、行動することは、なかなか難しいことですが、この子供はびっくりするほど冷静で、本当に全然、関係ない私も「偉かったね・・」とほめてあげたくなります。

 私は、ずいぶん前のことになりますが、夫が家で苦しくて息ができない!と言い出したことがあり、一度だけ、夜中に救急車を呼んだことがありましたが、救急隊に電話して何を話したか?全く記憶がありません。

 一応、命に別状はないとのことで、当時、娘はまだ3~4歳で、まさかそんな子供を連れて夜中に一緒に救急車に乗ることも憚られて、不安な気持ちで夜を過ごしたことだけは覚えています。

 しかも、娘にとっては、救急車が家に来たことが相当なショックだったようで、しばらくは、救急車を見かけるたびに、「voiture de papa !」(パパの車だ!)と反応していました。

 呼び掛けても答えない意識不明の母親を救った7歳の男の子、本当に立派だなぁ~と感心させられます。


意識不明の母親を救った7歳の子供


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2023年8月15日火曜日

エッフェル塔への相次ぐ爆破予告

  


 先週末にエッフェル塔に爆破予告があり、エッフェル塔を訪れていた観光客は、正午頃から避難を余儀なくされ、エッフェル塔には、爆発物処理要員が現場に向かったと報じられました。

 避難命令は、エッフェル塔の前庭、エッフェル塔内のレストラン、記念碑を含む3回部分に及び、近隣の交通も遮断され、迂回しなければならない大規模な警戒態勢になりました。実際にエッフェル塔が爆破された場合に及ぶ被害を考えれば、当然の避難、警戒態勢とはいえ、来場していた人、前庭にいた人全て避難させるなど、大変なこと、また、その場にいた人にとっては、大変なパニック状態になることは必須です。

 来場者全員の避難が終了したのは、午後1時半すぎのことで、けっこう時間がかかるものです。

 しかし、これは、結局は、幸い?にも虚偽の爆破予告だったようで、実際にエッフェル塔が爆破されることはなく、午後3時半頃には、警報が解除され、エッフェル塔の公開は再開されました。

 全く、人騒がせな爆破予告だ・・と思っていたら、今週になって、再び、爆破予告が届き、またエッフェル塔には、警報が出され、皆、避難。先週末と同じことを繰り返すハメになったようです。

 この2つの爆破予告は、jeuxvideo.com(ビデオゲームニュースを提供するサイト)とmoncommissariat.fr(警察及び、行政に関する通報、および相談などができるサイト)に投稿されたメッセージからのもので、「エッフェル塔に爆弾がある(ガラスの向こう側ではない)」、「どうやって知っているかは聞かないでください。確かなことは、エッフェル塔の周囲の地域はできるだけ早く避難しなければならないということです。」というものでした。

 特にビデオゲームニュースのサイトからの情報などといえば、少なからず、ゲーム感覚で周囲を騒がせて楽しんでいる愉快犯のような色が濃そうな気がします。

 先日の、警察官検が問の際に発砲した事件がきっかけでフランス中に広がった暴動や略奪行為もスナップチャット(SNS)での情報共有により、ついには、一部では破壊・強奪行為の競いあいのゲームのような現象にさえなっており、どうにもゲーム感覚で犯罪を犯すというスタイル?が増えてきている気がします。

 とはいえ、爆破予告を疑い、無視するわけにはいかないのは当然のこと、テロ行為が珍しくはない国、駅や空港、電車などでも、たとえ、それが単なる忘れ物であったとしても、不審物発見のために避難・通行止め、電車が不通となったりするのですから、ことさら、予告などがあったりすれば、警戒措置をとるのは、あたりまえのことでもあります。

 そういえば、以前、職場に突然、警察官がドカドカと入ってきて、急に「すぐに外に出て、できるだけ遠くに避難してください!」「とにかく早く~~~!早くできるだけ遠くに走って~~!」と大騒ぎになったことがあり、どうしたの?と思ったら、通りの前に止まったバスの中に不審物があるとのことで、だったら、バスごと移動してよ!パリのど真ん中でしょ!と思いながら、わけもわからず、必死で走ったことがあったのを思い出しました。

 しかし、度重なる爆破予告にエッフェル塔とて、大変な営業妨害を被っているわけで、そのたびに大勢の警察や憲兵隊が出動するのですから、迷惑千万な話。

 パリ検察当局は、この虚偽の予告について、犯罪の脅迫と虚偽の情報の開示の容疑で捜査を開始し、これらの犯罪には 2 年の懲役と 30,000 ユーロの罰金が課せられると逆に警告しています。

 エッフェル塔は年間580万人の観光客が訪れると言われるパリのウルトラ級の観光地、前回のエッフェル塔への爆破予告は、2020年9月に「アッラー・アクバル」と叫び、「エッフェル塔の全てを爆破する!」という電話だったそうで、この手の脅迫も、電話からネットに移行しているようで、ネットの功罪が続々、登場しているようで、犯罪も変化しているようです。


エッフェル塔爆破予告


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2023年8月14日月曜日

落とし物を届けに行ったら・・へんな顔をされた・・

 


 落とし物をしても、日本だったら、見つかる可能性もなくはないと思うし、以前、流行語にもなった滝川クリステルさんの「お・も・て・な・し」の東京オリンピック招致のスピーチの中に、東京は安全な場所だというアピールの中で、「もし、あなたが、落とし物をしても、きっと戻ってきます・・現金の入ったお財布でさえも、年間3000万ドル以上が警察に届けられる街なのです・・」 という話を思い出します。

 たしかに、これは、海外から見れば、現金でさえも、そんなに落とし物として届けられるなどということは、ちょっとしたミラクルのような話です。

 だいたい、落とさなくても盗られるのが不思議ではなく、しかも、盗られても、気をつけなかった方がいけないような雰囲気で、たとえ、スリなどにお財布を盗られたとしても、警察に盗難届を出しても、見つかる可能性は限りなく低く、保険のための盗難届の書類を書いてもらうために行くようなものです。

 パリでの私の落とし物に関しては、一度は、パンツのうしろポケットに入れていたNavigo(定期券のようなもの)を座った時に、レストランで落としたらしく、後で気が付いて、取りに行ったら、レストランの人がとっておいてくれた・・ということがありました。

 あとは、一度、歩いている途中にスカーフを落としたら、後ろから来た人が私のスカーフを持って駆け寄って来てくれて、「これ、落としましたよ!」ということがあったのですが、「うわ!ありがとうございます!」とお礼を言い、彼女たちが私の横を通り過ぎていく時に、一緒にいた女性が、「なんで?渡しちゃうのよ!ふつう、渡さないでしょ!」と拾ってくれた女性を責めているのが聞こえてしまって、「やっぱりね・・ふつうは、拾っても盗られちゃうんだよな・・」と思いました。

 もう一度は、バスの中でけっこう気に入っていた折り畳みの傘を忘れて降りてしまい、バスを降りてすぐに気が付いたので、猛スピードで走ってバスを追いかけて、ちょうど渋滞でストップしたバスの扉をドンドンたたいて、「忘れ物をしてしまったので、ちょっとすみません・・」とバスに乗り込み、私が座っていた場所に目をやると、ちょうど、隣にいた女性が自分のバッグにしまおうとしているところで、「それ!私のです!」といって、取り返してきたことがありました。

 その他は、娘も含めると、相当の落とし物をしていますが、見つかったためしがありません。

 最近は、もうできるだけ落とし物やスリに遭ったりしないように、服装などもできるだけシンプルに、大ぶりのバッグを持ち歩いたりと対策をとっているので、落とし物もしていないし、スリなどの被害にも遭っていません。

 それとは逆に、この間、動物園に出かけた時に、歩いていたら、子供用の帽子が落ちているのを拾ったので、ちょっと周りを見回しても、それらしい子供が見当たらなかったので、一瞬、これはどうしたものか? ここの近くのどこかにひっかけておいた方が、もしも、本人か親が探しに来た場合、見つけられるかな?とも思ったのですが、いやいや、関係ない人に盗られてしまうこともあり得るし、広い動物園の中、どこで落としたかのかもわからないだろうな・・と思って、動物園の入口(出口)の受付に届けておこうと思って、持っていきました。

 受付にいた一人の女性に、「これ、拾ったんですけど・・」と帽子を渡したら、「それ、あなたのじゃないの?」と変な質問をされ、「自分のものを拾って届けるわけないだろ!」と心の中でつぶやきながら、「およっ??やっぱり落とし物を届けるなんて、あり得ないこと??」と思いつつ、「いいえ、私のではありませんよ・・」と言って、その帽子を渡したら、「始末に困る・・」と言わんばかりの不機嫌な顔をされて、やっぱり落とし物を預かるということに慣れてないんだわ・・と、あたかも私がフランスの文化に馴染んでいないような気になりました。 

 落とし物が届けられるといことがどれだけ少ないことなのか?と思った体験でした。


落とし物


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