2025年11月5日水曜日

青少年の電子タバコ使用の深刻な増加

  


 最近、フランスでは青少年の電子タバコの使用が深刻な増加を見せていると言われています。そういえば、最近、軒並み、大小かかわらず、近所のコマーシャルセンターの空き店舗だった場所に電子タバコのお店がオープンして、「えっ??こんなお店、需要あるの?」と、ちょっと不思議に思っていたところでした。

 電子タバコは、従来のタバコのように目立たないことから、周囲に青少年がいない私にとっては、全く気が付かなかった現象でした。

 たしかフランス政府は将来的には、タバコ撲滅に向けて、将来的には、タバコのない世界にしよう!みたいなことを言っていて、喫煙場所は以前に比べてかなり減ってきたし、以前は、歩きタバコが異様に多く、「だいたい、危ないよな~」と思っていたのですが、それもずいぶん減った印象でした。

 しかし、皮肉なことに、タバコの税金を爆上げし、街中からタバコを閉め出しつつある状況の中で、従来の紙巻タバコよりもずっと目立たず、使いやすく魅力的な電子タバコが次々と登場し、その需要が拡大し、しかも、以前よりもさらに低年齢層にも簡単に手が届きやすくなって、電子タバコ利用者が急増しているというのです。

 電子タバコが急激に拡散したのには、ニコチンの有無にかかわらず、風味付きのエアロゾル・人工煙を楽しめることから、入口が広くなったということにも原因があり、結果的には、ただの風味付きの人口煙だけでなく、ニコチンへの移行に繋がることになります。

 この傾向は、脳がまだ発達途上でニコチンに敏感な脆弱層に影響を与えるため、大変、懸念されるもので、青少年期に喫煙を始めた人は成人期に喫煙を始めた人よりもニコチン依存症になるリスクが高くなります。

 電子タバコが人気を集めているのは、使いやすく目立たないポット型電子タバコの登場や多様性のある魅力的なフレーバー、若者をターゲットとした巧みなマーケティング、入手しやすい使い捨てデバイスや比較的低価格であることなどが理由として考えられます。

 ニコチンは青少年の脳に有害な影響を及ぼす可能性があり、注意力、学習能力を低下させる可能性があります。

 また、健康リスクとしては、今さらですが、呼吸器系への刺激を引き起こし、急性肺疾患の発症リスクを高める可能性があり、長期的にはその他の慢性呼吸器疾患のリスクも高まる可能性もあります。

 さらに困ったことには、この電子タバコによってPTC・合成カンナビノイド(人工的な大麻成分)の人気が高まっていることで、この物質は電子タバコのリキッドとして消費されることが多くなっており、これがまたさらに深刻な健康リスクを生み出してしまうのです。

 具体的な症状としては、失神、健忘、意識喪失、発作、妄想、幻覚、自殺念慮、パニック発作、吐き気、嘔吐などなど、かなり深刻な症状です。

 保健当局は、ついには、電子タバコからのこのPTC中毒、入院を必要とする新たな事例についてなど警告を発し始めました。

 またもう一つの懸念は、自分でリキッドブレンドできる「DIY Do It Yourself」が人気を得ていることから、危険な物質を取り込んでしまう可能性もあるということです。

 しかし、電子タバコにせよ、紙タバコにせよ、ひとつを閉じ込めようとすれば、また違うところから、さらに芽が出て、さらに拡大してしまうというのも、なんだか、多くのことに当てはまるような気もするのです。


青少年の電子タバコ使用の深刻な増加


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