とても個人的な事情なのですが、私にとってロンドンは他の外国とはちょっと異なる思い入れのある場所で、私が若い頃に初めて一人で海外で生活した場所であるために、その時の印象はとても強烈に私の中に刻みつけられているもので、パリとはまた別の意味で私の中で強烈な存在感のある場所でもあります。
若い頃、初めての海外生活で緊張もしていたし、目的に向かって必死だったりした自分自身がなんとなく愛おしく思い出されるような、そんな場所でもあるのです。
私がロンドンに住んでいたのは、もう遥か昔のことではあり、街の様子もずいぶんと変わっているところも多々あるのですが、同時に変わっていないものもたくさん残っていて、例えば、ロンドン市内を走っている地下鉄などは、昔の古いまんまだったりして、こんなに地下鉄の中が狭かったんだな~とあらためて思ったり、地下鉄の路線図の駅名ひとつひとつを見ていても、どの駅も懐かしく、そのひとつひとつで降りてみたくなってしまいます。
今回、あらためて、ロンドンの地下鉄の中であの頃には気が付かなかったことがあるのですが、それは車両の中で、実にロンドン市民は、座席の譲り合いをしているということで、高齢者だったり、妊婦さんだったり、いわゆる座席を譲ってあげた方が良いかな?という人がいたりすると、すぐに誰かが席を立って、譲ってあげることで、時には、同時に複数の人が立ちあがって、座席の譲り合い合戦のようなことがおこっていたりして、また、席を譲った人に対して、また別の人が座席を譲ろうとしていたり、「あら?ロンドンってこんなだった?」と思ったのです。
私がたまたまそういう場面に複数回遭遇しただけなのかもしれないのですが、今回の私のロンドン滞在はわずか2日間だけで、その短い間にこう度々、そういう場面に遭遇するということは、やっぱり座席を譲ろうとする人が多いんじゃないかと思うのです。
それは、パリにしても、ある程度、似ていて、実に彼らは周囲の弱い立場の人々に優しく、さっと席を立って譲る人が多いのです。
しかし、それにしても、ロンドンはパリ以上に座席譲りあい合戦は頻繁な気がしました。
優先席などというものはあらためて必用ないような感じさえしてしまいます。
この現象は以前、私がロンドンに住んでいた頃には気が付かなかったことで、なんだか新たなロンドンの一面を発見したような、ホッコリするような気分になりました。人が人に対して優しくしあえている場面って温かい気持ちにさせられますね。
ロンドンの地下鉄
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「派手にぶざまに転んだら、周りの人たちが、とっても優しかった・・」

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