2025年11月27日木曜日

サルコジ元大統領に2度目の有罪判決

  


 フランスの最高行政裁判所である破毀院はピグマリオン事件に関する二コラ・サルコジ氏の上訴を棄却する判決を下し、これにより、サルコジ元大統領の刑事有罪判決が確定しました。これでサルコジ元大統領にとっては、盗聴事件(ポール・ビスマス事件)とそれに関わる弁護士と判事と汚職協定を結んだとされる事件に続く2度目の有罪判決の確定になります。

 今回のピグマリオン事件とは、2012年の大統領選に失敗した選挙運動への違法な資金提供を罪に問われていたもので、2024年2月にすでにパリ控訴院において、懲役1年(うち6ヶ月の執行猶予付)の判決が下されていたもので、これに対してサルコジ氏が上訴していたものが棄却されたということです。

 この事件に関しては、捜査の結果、サルコジ氏の選挙費用が急増した事実(認可上限額2,250万ユーロに対し、約4,300万ユーロに上っていた)を隠蔽するために、架空の契約を装い、集会費用の大部分をUMP(現LR)党に負担させる二重請求システムが構築されていたことが明らかになっています。

 共犯者とは異なり、サルコジ氏はこの虚偽請求書システムに関与したのではなく、候補者として違法な選挙資金の受益者として関与していた事実に基づいて判決が下されています。

 サルコジ氏は一審と控訴審の両方で刑事責任を強く否定し、告発内容は捏造であり、嘘であると非難していました。控訴審におけるサルコジ氏の判決は拘禁部分(電子タグの装着、半自由など)の調整を命じたもので2021年の第一審で言い渡された懲役1年よりわずかに軽いものにはなっています。

 とはいえ、今年の9月25日、2007年の大統領選において、ムアンマル・カダフィ独裁政権下のリビアから側近らが不正資金を募ることを容認したとして懲役5年の有罪判決を受けて、サルコジ元大統領は、パリ市内にあるラ・サンテ刑務所に収監されました。3週間後に保釈されていますが、彼は、この判決に対しても上訴しており、この控訴審が来年3月から6月にかけて予定されています。

 この他にも彼は、このところの裁判に関わる問題においても、数件の告訴事案を抱えており、これからもしばらくは、彼の有罪判決→控訴→確定判決・・の日々は続きます。

 彼のケースにおいては、ここまでのところ、全ての嫌疑は大統領選に関わるもので、そこまでして大統領になりたかったのか?大統領になるためには、手段を選ばなかったのか?などということをありありとつまびらかにされていくことで、まさに高齢者枠に入りつつある彼の後半人生は、大統領にまでなりながら、結局、その後の人生は、「晩秋を汚す」日の連続となっているようで、虚しさしか感じないのです。

 だって、有罪判決をいくつも重ねて行ったら、彼は前科何犯?って話ですよね・・。


サルコジ元大統領に2度目の有罪判決


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