2025年11月25日火曜日

80人以上の国会議員が求めるフランスにおけるSHEINの販売禁止

 


 80人以上の国会議員が労働者、公衆衛生、そして地球を守るため、フランスにおけるSHEINの販売禁止を求めています。

 彼らは、「SHEIN は超ファストファッションの最も過酷な側面は体面の良さを装っているものの、地球、雇用、そして消費者の健康を破壊するこのビジネスの暗い側面を覆い隠すことはできない」とこの中国発の e-コマース企業を躍起になって非難しつづけています。

 彼らは、「SHEINは何も民主化しない、すべてを破壊する」と題した意見記事も公開しています。

 この動きは、11月初旬にパリ市内の百貨店「BHV」に「SHEIN」がオープンしたことを受け、より激化しています。

 彼らはこの超ファストファッションの巨人を「不公平な競争」と「有害な製品」で市場を氾濫させていると非難しているのです。

 もはやこのSHEINに関わる議論の激化は単なる憤りに留まることは不可能になっているため、国会の「持続可能な開発委員会」は、SHEINの幹部を招集しようとしているが、彼らはこの聴聞会を避け続け、11月26日に予定されていた聴聞会は彼らが他の裁判のために出席できないという理由で12月2日に延期されています。

 これを避け続けるのはもはや困難と見られ、SHEINは聴聞会の翌日、パリ司法裁判所に召喚され、裁判所は、子どものような〇〇XドールとカテゴリーAの武器の販売を受け、フランスにおけるSHEINのサイト停止処分についての判決が下されることになっています。

 違法な○○ドール等の販売はともかく、超低価格の衣料品等の販売の禁止については、一部では、禁止に反対する声も上がっています。

 というのも、中国製の超低価格、低品質の衣料品に関しては、なにもこのSHEINに限ったことではなく、今や、多くの比較的低価格帯のブランドの衣料品の多く、ZARAやH&Mなどに関しても、中国製の製品は多く販売しており、なぜ?SHEINだけが攻撃されるのか? やれ、労働環境や公衆衛生、そして、しまいには、壮大に地球の保護までを語って、実は本音は他のところにあるのではないか?などと言う声もあります。

 また、この国会議員の騒ぎに疑問を投げかける有名企業の経営者も名乗りをあげていることも事実。

 今やカーフールだって、フランスのハイブランドのお店だって、中国にもどこの国にも進出しているのに、問題をほじくり返して、進出してくる中国企業を閉め出そうとするのは、見苦しい・・というようなことを言っている人もいます。

 また、BHVへの出店にしても、これを受け入れて、この「SHEIN」の隆盛を利用しようとしているのもまた、BHV=フランス企業であることも事実なのです。

 いずれにせよ、まだまだおさまりそうもないこのフランスの「SHEIN」叩きの動き、これが国会で議論され、司法の場にまで引きずり出し、果たして、フランスの司法がどのような決断を下し、どのような道を辿るのか?本当にSHEINを追い出してしまうのか? 

 どこか歪な感じがするこのやり方、じっくり見守っていきたいと思います。


SHEINの販売禁止を求める国会議員


<関連記事>

「なにかと話題のパリBHVの中のSHEINの店舗に行ってみたけど・・」

「中国大手SHEIN 児童ポルノ人形販売による業務停止処分とCDG空港での中国からの小包20万個検査」

「超ファストファッションSHEIN 今度は百貨店へ進出」  

「アンチファストファッション法 ファストファッションと超ファストファッション」

「SHEIN, TEMU, Ali Express 中国からの小包に課税 2026年からの予定」 


0 コメント: