2022年11月24日木曜日

いつのまにか、また感染増加 フランスのコロナウィルス第9波

 



 パンデミックが始まって以来、もう大小さまざまの波が訪れて、なんとなく定期的にコロナウィルスの感染者数をチェックする習慣がついてしまいました。当初は毎日のように仰々しく感染者数がテレビでも発表されていたりしましたが、今やもうそんな報道もなくなり、自分から探しにいかなければ現状は把握しにくくなりました。

 私はこれまで15万人以上のコロナウィルスによる死亡者を叩き出しているフランスで生活しながら、今まで、一度も感染せずに生き延びてきました。コロナウィルスによるパンデミックが騒がれ始めたのは、2020年の2月頃のことでした。

 それから3月にあっという間にロックダウンという前代未聞の事態に陥りましたが、実際にコロナウィルスと見られる症例がフランスで見られ始めたのは、2019年の11月頃と言われており、その当時は原因不明の病気として処理されていましたが、その翌月の12月頃に異常にだるくて発熱し、起きれなかった時期があったので、もしかしたら、その時に感染していた可能性がないでもないと思っていますが、幸いにも、解熱剤を飲んでひたすら寝ることで回復したので、結局、それが何であったのかはわからないままになっています。

 ワクチン接種が始まってからは、ワクチンに対する懐疑的な思いもあったものの、いつもフランスは世界的にも感染率のトップを走っているような状況だったので、もはやワクチン接種による副作用等のリスクよりも感染するリスクの方がよほど高いと思い、これまで2回目のブースター接種までしています。

 私には、軽い心臓疾患もあるため、やはり感染は怖いのです。そんなわけで、コロナウィルスの蔓延状況は、常に気になり、感染者が多くなればなるほど、感染する確率も上がるわけで、それなりに注意を払って生活しているわけです。

 この2年半の間にフランス人でも、人が多いメトロの中などでは、少数ではありますが、しっかりマスクをする人はするようになり、またマスク義務化が撤廃された当初は「いつまでマスクなんかしてるんだ!」などと言われることもあったり、あれだけマスク嫌いだと思っていたフランス社会においても、今ではマスクをする人はそれはそれでOKという市民権を得て、マスクをしていても、していなくても、好きなようにしていられるところは、大変な変化です。

 それが、10月中旬には、小康状態を保っていたと思われていたフランスのコロナウィルス感染が、11月半ばを過ぎて以来、再び増加し始め、感染者数の増加とともに入院患者数も増加し、再びリバウンドが始まったのは確実、第9波に突入したと言われています。

 これには、月初に祝日があったり、大規模なストライキがあったことにも起因していると言われていますが、比較的、暖かい気温の日が続いていた後、例年どおりの寒さがやってきたことも原因と言われています。

 そうでなくとも、これから年末年始にかけてはノエルなどの行事も控えていて、人が集まる機会も増え、また、ワクチン接種の効果が一体どの程度なのかを示す指標となるデータも混乱状況にあるようで、不安要素は常にあります。

 結局は、自分の身は自分で守ることが基本なので、より危険な状況ならば、やはり自分でより注意を払い、できるだけマスクをするようにするとか、アルコールジェルや手洗いを頻繁に行うようにするしかないわけです。

 昨日、1日の感染者数を見てみたら、これまでせいぜい4〜5万人だったのが、急に6万人を突破していて、ギョッとしたのも束の間、何とは無しに日本も見てみたら、なんと日本は桁違いの12万人突破で、1日の死亡者数も100人以上・・一体、どうなっちゃったの?とフランスの感染増加以上にビックリしました。

 たしかに、この冬に向けてのタイミング、感染増加は世界的なもののようです。


コロナウィルス第9波


<関連記事>

「異常なスピードで拡大する乳幼児を襲う細気管支炎 小児用集中治療室が飽和状態」

「フランスの医者不足 医者に定年後も働いてもらうためのシステム」

「コロナウィルス第8波のピークとオミクロンBQ.1.1」

「コロナウィルス第8波 公共交通機関(閉鎖空間)でのマスク義務化検討中」

「体調不良で一気にダウン・・インフルエンザかコロナか? まずはコロナの検査から・・」



2022年11月23日水曜日

子どもの学校のバカンスの多さに追いまくられるフランスでの子育て

  


 「家族で旅行に行きたいけれど、平日に小学生の子どもを1日だけ学校を休ませて行ってもいいものだろうか?」という疑問を投げかけている人がいて、ヤレヤレ・・子どもの学校とバカンス問かか・・と、子育てが終わった今でも、思い出すたびに、ウッとくる気持ちです。

 私は日本で子育てをしたことがないので、今の日本の事情はわかりませんが、私が子どもの頃は、母も日常的に通勤が必要な仕事はしていなかったので、特に学校がお休みであっても、母が子どもの処遇に苦労していた記憶はありません。

 しかし、そういえば、私には、田舎というものがなく、夏休みにはおじいちゃん、おばあちゃんのいる田舎に行くという友達をうらやましく思ったことがあったので、そういう習慣にしていた人もけっこういたのだな・・と今になって思います。

 私がフランスで仕事を始めたのは、娘がちょうど1歳になった頃だったので、それから娘が成人するまでの間、どのように子どもの学校のバカンスと自分のバカンス(休暇)を調整するかは、常に大問題でした。

 保育園に行っている頃は、それでもバカンス期間中もほぼ関係なく、預かってくれるので、まだまだ全然マシでしたが、学校(フランスでは幼稚園から学校扱い)が始まってからは、約2ヶ月間の夏休み、その他になんだかんだと、ほぼ1ヶ月おきくらいに2週間ずつのバカンス(トゥーサン(ハロウィンの期間)、ノエル、冬休み、イースターなど)がやってきて、当然、いくらフランスの会社はバカンスが取れるとはいえ、自分が会社で取得できるバカンスの期間はせいぜい1ヶ月で、とても子どものバカンスをカバーできるものではありません。

 そうでなくとも、子供の学校(小学校まで)は、水・土・日とがお休みで、この日常のお休みとバカンスを合わせると、フランスの学校は1年の3分の1はお休みということになります。そのうえ、学校のストライキなどまであるのですから、もう親はたまったもんではありません。

 それでもまだ夫がいた頃は、二人でバカンスをずらしながら、騙し騙し、時には、バレエのスタージュやアートのクラスなどに通わせたりして、なんとか、少しでも有意義な時間を過ごさせてあげられる工夫をしてきたのですが、とにかく、四六時中、子どものバカンスに追いまくられていたイメージがあるのです。

 フランス人の家族だと、そこに登場するのは、マミーやパピー(祖父母)という助っ人なのですが、我が家の場合は、夫の両親はすでに他界しており、私の両親は日本と、全く親に頼ることはできなかったのです。

 一年間の子どものバカンス期間をどう調整するか?という問題、そのひとつひとつを乗り越えながら、あっという間に一年が過ぎる・・という感じだったのです。

 だいたい、子どもが小さい頃は学校は学校であると同時に託児所でもあり、私にとっては、ただでさえ多い学校の休みやバカンスを無駄にして、旅行に行くなどということは、全く考えたことはありませんでした。しかし、状況が許せば、家族の判断で学校を休ませて旅行に行くことは悪いことだとは思いませんし、フランスでも、実際に夏休みを前倒しにして、バカンスに出てしまう家庭もないことはありません。

 しかし、夫が亡くなってからは、さらに子どものバカンス期間のやりくりは、さらに大変なことになり、最初の1年目の夏休みには、娘を一人で日本に行かせて、叔母に預かってもらったのですが(母はすでに他界していたため)、当時、娘は11歳で、どんなトラブルがあったのかは未だにはっきりはわかりませんが、途中で叔母から電話があって、「もう預かりきれないから、飛行機が取れたら、フランスに帰ってもらいたい」などと言われて途方に暮れて以来、しばらく日本には行けなくなり、代わりに、コロニー(我が家の場合は財務省(夫の勤務先)主催の子供の合宿)をフルに活用することになりました。

 おかげで、娘はバカンスのたびに、冬はスキー、春は乗馬、夏はマリンスポーツとスポーツと旅行三昧の10代を送ることになり、学校での合宿や旅行や、私がバカンスをとれた時にする親子旅行を加えると、ほぼ1ヶ月おきにどこかを旅行して歩いている、見ようによっては、大変、贅沢な生活を送っていたのです。

 夫が亡くなった後は、ご親切なのか、いじわるなのか? 児童保護機関に通報してくださった方がおり、外国人一人親の子育てということで、児童裁判所から呼び出しを受け、よもや子供を取り上げられるかもしれないという怖い思いをしたりしたこともあり、結果的には、娘が成人するまでは、専任の判事がついて、「何があっても私がお嬢さんをお守りします」と言ってくれたのですが、私たちは児童裁判所の監視下にあり、そうでなくとも未成年の子供を一人で放置することは禁じられているフランスですが、私は特に子どもを一人で家においたりすることには、神経質になっていたのです。

 でも、振り返ってみれば、結果的には、大勢の人のチカラをお借りして、なんとかフランスの長いバカンス期間を乗り切り続け、いろいろな経験をさせてあげられて、よかったと思っていますが、当時は、もう娘の学校のバカンス期間をどうやって埋めていくかということに、常に追いまくられている気分でもうため息も出ない感じだったのです。

 今では、子どものバカンス期間とは関係ない時期に気楽に旅行ができる環境になりましたが、いつでも行ける、いつでもいいや・・などと思っていると、結局、なかなか行かなくなり、しかも、パンデミックや戦争・・などとなって、結果的には、あの忙しく子どものバカンスに追いまくられていた頃の方がよっぽど旅行していたな・・と思うのです。


フランスの学校のバカンス お休み


<関連記事>

「おたくのお嬢さんが刺されそうになりました!?・・バカンス中のサマーキャンプでの話」

「海外生活は、お金がかかる」

「パリでも日本語を堂々と話す叔母 そして、それが通じる不思議」

「バイリンガルになった娘の日本語 複数言語を使う生活」

「夏の一時帰国時の日本の学校への編入体験 バイリンガル教育の生体験」





 

2022年11月22日火曜日

パリオリンピック オフィシャルショップ オリンピックオフィシャルグッズと値段

 


 2024年パリオリンピックのマスコットキャラクターが発表され、オリンピックオフィシャルショップがパリにオープンしたというので、見てきました。 

 ショップは、パリ1区のレ・アール フォーラムの一画にあり、マスコットキャラクター「フリージュ」のぬいぐるみをはじめ、Tシャツ、トレーナー、キャップ、キーホルダー、マグカップ、ピンバッチなど、様々な商品が陳列されています。

 レ・アール、シャトレの駅からすぐのところにあるので、雨に濡れることもなく、迷うこともなく容易に行くことができます。

 見ようによっては、パリにあるお土産屋さんと変わらないような気もしますが、商品の一つ一つには、オリンピックの公式マークが入り、中には、数量限定のプレミアがつきそうなものもあるのは見逃せません。

 そんなに広いお店ではありませんが、一つ一つの商品を丁寧に見ていくと、なかなか工夫されたものなどもあり、楽しく過ごせますし、これからオリンピックまでの間という期間限定、今だけのものでもあり、パリのお土産としたら、なかなかお手頃な値段のものもあるので、記念に買っておきたいものなどもあるかと思うので、見てきた商品とお値段をご紹介します。




 


 まずは、マスコットキャラクターのぬいぐるみは、小、中、大、特大(13€、30€、50€、150€)の4種類で特大は抱き抱えるほどの大きさです。




 Tシャツ25€、子供用Tシャツ20€、トレーナー45€、キャップ25€

          


 

 

 また、記念コインなどは、Monnaie de Paris(フランスの国立通貨機関・造幣局)が発行しているもので、2021年、2022年バージョンのものがあり、来年、再来年も続々と新しいものがナンバリングされて売られています。

マスコットキャラクター入り1万個限定の10ユーロ硬貨


 片面にオリンピックのデザインが施されている2ユーロ硬貨が10ユーロ(10万個限定)、また、マスコットキャラクター入りの10ユーロ硬貨は85ユーロ(1万個限定)で販売しています。 


お手軽な10ユーロの2ユーロ硬貨


 
マグネット(5€)とピンバッチ(8€)

 今の若い世代はわかりませんが、ある一定の世代以上のフランス人はなぜか、ピンバッチが好きな人たちがいて、スーツの内側にこれでもかというくらいピンバッチのコレクションをつけている人もいて、驚いたことがあります。そんな世代を狙ってなのか、ピンバッチは、エッフェル塔、サクレクール、コンコルド、凱旋門など、他の種類のものもありました。

 


 また、サングラスなどは、なかなか本格的なもので、中には風避け、雪除けの部分がついているものもあり、オリンピック選手が入場してくる時に、このサングラスをしている様子が目に浮かぶ感じがします。しかし、これはなかなかなお値段で255€。

 



 そして、あるあるな感じのマグカップ(12€)やエコバッグ(12€)

 



 
キーホルダー5€

 小さなスペースですが、店員さんもとても感じがよく、ちょっと話をしたりしながら、楽しい時間を過ごし、なんか、一つくらい記念に買って行こうかと、私はマグカップを一つだけ買いました。



 ところが、ここは、VISAカードとのパートナーショップだとかで、お支払いはVISAカードしか使えない(もしくは現金)ので、ご注意ください。

 2024年オリンピックが近づいたら、シャンゼリゼにもお店ができるそうですが、それまでは、この1軒だけということです。


⭐️PARIS 2024 boutique officielle des Jeux olympiques 

 5 bis, rue Pierre-Lescot 75001 Paris


<関連記事>

「2024年パリオリンピック・パラリンピック マスコットキャラクター フリージュ」

「2024年パリオリンピック始動 シャンドマルスからヴェルサイユ宮殿まで!」

「パリ市内観光の新しい移動手段 トゥクトゥクには、ご注意ください」

「パリの治安の悪化再び エッフェル塔近辺で暴力を伴った強盗事件で一晩で12人逮捕」

「東京オリンピックの閉会式 パリではみんなが大熱狂だった!」

2022年11月21日月曜日

2022年のシャンゼリゼのイルミネーションは節制モード Sobrillance(ソブリランス)

  


 毎年、ノエルの時期には、一度は見に行くシャンゼリゼのイルミネーションですが、今年は、去年までの赤いイルミネーションと打って変わって、シャンパンをイメージしたという黄金色に輝いています。

 今年は、エネルギー危機、節電が叫ばれている中、さすがにシャンゼリゼのイルミネーションは中止ということはないだろうと思っていましたが、時間・期間ともに短縮になったようです。

 とはいえ、凱旋門を中心に広がる沿道の400本の木々が数百万のLEDで華やかにライトアップされて飾られる風景は、やはり、毎年のことながら、息をのむ美しさです。

 それでも、今年は節電の必要性から照明の数を大幅に減らしているため、「Sobrillance(ソブリランス)」(輝きと節制)と名付けられ、12月24日と31日を除き、新しい照明制御システムにより、例年は午前2時に消灯するところを、午後11時45分に消灯します。また、例年より1週間早い1月2日でイルミネーションは終了します。

 また、シャンゼリゼに面したすべての店舗やオフィスでは、午後10時から翌日の午前7時まで照明の消灯が義務付けられているため、例年とは、少々、趣が異なるかもしれません。(ただし、この時間帯に営業している店舗やビジネス(主に映画館、カフェ、レストラン)は当然ながら影響を受けません)

 このシャンゼリゼのイルミネーションシステムの消費電力は11,500kWh、50m²のアパルトマンに住む2人家族の年間消費電力量に相当するそうで、昨年の2分の1になっているそうです。ちなみに、16年前の2006年との比較すると97%の節電になっているそうで、そう言われてみると、2006年のシャンゼリゼのイルミネーションは、特に記憶していませんが、どれだけ華やかだったのだろうか?と、見返してみたくなる気がします。

 今年は、このイルミネーションは時短と節電の代わりに、5分ごとにエッフェル塔のように輝くようにプログラミングされており、別の美しさを味わうことができます。

 今年のシャンゼリゼ・イルミネーションのオフィシャルパートナーはSEPHORA(セフォラ)(化粧品・香水を扱う専門店・LVMH傘下)になっていますが、毎年、このオフィシャルパートナーは交代するので、広告がごちゃまぜになることはなく、統一感が保たれていることも全体としての景観の美しさを配慮したものだと思います。

 2020年には、パンデミックのために、イルミネーションはあったものの、観光客もおらずに人もまばらなシャンゼリゼ(しかも、多くの店舗は営業停止でもちろん店舗は消灯)、昨年は、どうにか例年の様子に近づいてはいましたが、依然として禁止事項もあり、手放しに喜べない感じ・・そして、今年は、照明削減、時間短縮、期間短縮のシャンゼリゼのイルミネーションです。

 毎年、シャンゼリゼのイルミネーションの様子の記録を見れば、その年の情勢が反映されるような感じになっていることは、皮肉なことでもあります。

 それでも、フランスは、「世界で最も美しいイルミネーション」と、「シャンパンの色を想起させ、祝祭の概念とヨーロッパの生活芸術に立ち返る」と誇らしく胸をはっています。

 しかし、だいたい、シャンゼリゼはイルミネーションがあろうとなかろうと、そのままでも充分に美しく、イルミネーションの美しさを競うには、ちょっと反則かとも思います。


2022年シャンゼリゼ イルミネーション


<関連記事>

「2020年コロナ禍中でもシャンゼリゼのイルミネーションの美しさは圧巻 パリにいて良かったと思う瞬間」

「パリの年越しと、シャンゼリゼのカウントダウン 日本語のオーシャンゼリゼ」

「シャンゼリゼのイルミネーション点灯がフランス人のノエル気分に火を灯す」

「12月31日 大晦日年越しの規制」

「2020年〜2021年 年越しのフランスの夜」

 

2022年11月20日日曜日

離婚率も高いが再婚率も高いフランス 子育て期間も長くなる

  


 フランス人の友人、知人、同僚などには、子供の年齢が結構、離れていることがある場合があって、私とそんなに年齢が変わらないと思っていた人に意外とまだ小さい子供がいたりして、驚かされたりすることがあります。

 彼女たちと世間話をしていると、子供の話題になることも少なくないのですが、そんな子供の話になって、「えっ?まだ、そんなに小さい子がいたんだ・・」と驚くと、「私だって、ほんとは、もう子供はいらなかったんだけど・・」などと、こちらが恐縮するようなことを言い出したりするので、びっくりさせられるのです。

 また、そこまで詳細な家族構成がわからずにいて、子供は現在、同居している子供だけだと思っていたら、「これがこの間、ブルターニュで生まれた私の孫で・・」などと写真を見せられたりして、逆にそんなに大きい子供さんもいたんだ・・」と驚かされることもあります。当然、これは前の夫との子供の子供(孫)で、ママであると同時にマミー(おばあさん)でもあるわけです。

 というのも、年齢の離れた子供を持っている人は、たいてい再婚をしていて、最初の結婚での子供に加えて、再婚相手との子供もいるので、おのずと子供の年齢が離れていることになるわけで、それだけ長期間にわたって子育てをしているわけです。

 フランスは離婚率が高くても、再婚率も高いわけで、その全部の子供たちと同居しているかどうかは別として、一度、離婚しても、懲りずに再婚して子供もいる場合も多いのです。

 考えてみれば、娘の友人などでも、異母兄弟を持つ人は少なくなくて、そういう我が夫も再婚だったので、娘にも異母兄弟がいるので、その例外ではないかもしれません。

 娘の友人の両親で、3人の子供がいて、パパが浮気をしているのが見つかって、家を出て行った・・別居・・かと思うと、いつのまにか、またパパが戻ってきた・・と何度か別居と復縁を繰り返していたと思ったら、ついに離婚。かと思ったら、今度は、ママの新しい恋人があっという間に同居・・と、日本的?な感覚からしたら、子供たちは新しいママの恋人をどうやって受け入れているのだろうか?と思ったりもするのですが、それはそれなりに成立しているようで、やはり、ここまでするのは、バイタリティーあるなぁ・・と感心させられたりもするのです。

 私だったら、双方に気を使って疲れ果ててしまいそうで、そんな面倒臭いことはゴメンだと思ってしまいます。

 そもそも、フランスには、PACSのような事実婚の形態も存在しているので、結婚せずに子供を持つ場合も少なくないこともあると思いますが、一度の離婚くらいではめげない、よく言えばバイタリティや奔放さ、自由さがフランス人にはあるのかもしれません。

 それに比べて、日本にいる私の友人、知人は、再婚どころか独身の人も多く、もちろん彼女らには子供はおらず、結婚していても、子供がいない人が圧倒的に多く、逆に私に1人でも子供がいることが奇跡的に感じるほどで、なるほど日本は少子化の一途を辿るわけだ・・とも思います。

 私は、離婚したわけではなく、死別だったこともあるのか、もう懲り懲りで、(また死なれるのはたくさん)全く再婚するつもりはない私は、やっぱり日本人なのかもしれません。


フランス人の離婚 再婚 子供


<関連記事>

「パリにいた、ある日本人カップルの離婚劇」

「エステルのパパの浮気」 

「フランス人の結婚観」

「フランス人の離婚と再婚 ママ母の気持ち」

「フランスの異母兄弟」

2022年11月19日土曜日

原子力発電所の生産量低下で、極寒の1月には停電のリスク 

   


 フランスの送電システム運用会社であるRTEは、この冬は、フランスの原子力発電所が歴史的な原子力発電の生産量低下などにより、寒さが厳しくなると見られる1月には、停電のリスクがあることを発表しました。(例年、電力消費のピークは寒波時1月前後に集中)

 RTEと環境エネルギー管理庁(Ademe)は消費者が国内の電力供給量や必要に応じて停電のリスクをリアルタイムで参照できるようにするために「エネルギー天気予報」として考案された「Ecowatt」(エコワット)ツールを共同開発しています。

 ここのところ、なにかといえば、天気予報のようなマップ・・コロナウィルスマップ、ガソリンマップ・・そして、今度はエネルギーマップ・・それだけ、わたしたちの生活がリスクに見舞われているということです。

 このエコワットでは、グリーン「通常の消費」、オレンジ「緊迫した電力システム、エコアクション歓迎」、レッド「非常に緊迫した電力システム、消費を抑えなければ停電必至」の3段階のグラデーションが予定されています。

 RTEは、この停電のリスクを回避するために、「利用可能なすべての生産手段を用いる」と断言し、環境汚染度の高い石炭火力発電所重要な役割を果たすことになると説明しています。

 これまでも、政府は国民や企業に向けての10%の節電目標をかかげ、夜間の電気広告を禁止したり、エッフェル塔のライトアップの時間短縮をしたり、暖房の温度は19℃までなどと呼びかけ、中には、冬の2週間を臨時休校にしたり、マクロン大統領自らタートルネックを着てアピールしたりと、節電を呼びかけてきました。

 私などは、停電のリスク以前に電気・ガス料金の値上げにより、値上がりしている分は、電力消費を抑えなければ・・と細かな努力ですが、こまめにコンセントを抜いたり、冷凍庫の霜取りをしたり(フランスの冷蔵庫は霜取りが必要な場合が多いのです)、暖房はできるだけ使わないようにしたりしていますが、そもそも大した電力消費をしていない我が家にとっては、これ以上、節電のしようがない感じもします。

 これから、12月の冬至までは、日に日に日も短くなり、電気をつける時間も長くなるので、これ以上節電するとしたら、早寝するくらいしかありませんが、残念ながら、朝、明るくなる時間も遅いので、夏に日が長い反面、冬はとても暮らしづらいところです。

 しかし、この停電のリスクは、この冬、電力需給が不均衡になった場合、家庭向け電力削減が行われる場合の具体的な停電対策が発表されていることから、ますますこの危機が現実感をもってきました。

 なお、エコワットシグナルがレッドサインを示した場合でも、病院、警察、研究所、安全上必要不可欠とみなされる公共道路信号および照明設備、特定の産業施設(特に国防関連の施設)は、停電の対象とはなりません。

 また、自宅療養中の生命に危険のある病人のいる世帯に対しては、PHRV登録(資格)を地域保健医療機関(ARS)に申請していれば、停電時の具体的な情報提供通知、停電予定日時の5日前に情報を得ることが可能になり、停電時に機器を動作させるための自律的な電力供給(発電機やバッテリーなど)の手配をすることができるとしています。

 停電といっても、計画的に電力消費負荷分散のために、地域ごとに、時間帯を区切って(朝8時〜13時、夕方18時〜20時)停電させるということで、この計画停電の情報を的確に得るためには、ECOWATTのアプリを入れ、アラートをセットすれば、通知を受け取ることができるので、ある程度は、備えることはできるのかもしれません。

 しかし、ひと月まえくらいまでは、このまま節電していけば、停電は避けられるということだったのに、まさかのこの事態・・。「例外的な状況を除き、夜間は決して行わない」としていますが、混乱は必須です。

 我が家のアパートはガスはなく、オール電化、停電は本当に困るのです。

 

フランス1月停電


<関連記事>

「エネルギー危機が疑問を投げかけるクリスマスのイルミネーションの是非」

「この冬の暖房費節約努力を示すシンボル タートルネック タートルネックは今年のモード?」

「ストラスブール大学 節電のためにこの冬の15日間の臨時休校を決定」 

「電気料金値上げによるエネルギークーポン再び配布」

「ロシア 大手ガスプロム フランスへのガス供給 完全停止の衝撃」


2022年11月18日金曜日

ボジョレーヌーボーと日本の関係

  



 ボジョレーヌーボー解禁の日だと、朝、気がついて、今年はどんな具合だろうか?とスーパーマーケットをのぞきに行ってみました。ここ数年、パンデミックの影響も多少はあったとはいえ、年々、衰退していくボジョレーヌーボーを「あ〜あ・・」という感じで、見ていました。

 もともと、ボジョレーヌーボーは、フランスでは、そんなに人気があるわけでもなく、私自身も特に飲みたいと思うわけでもないのですが、一応、11月の第3週目の木曜日と日付が決められていることで、なんか、季節感を感じる気がする程度です。

 とはいえ、一応は、解禁日からしばらくは、ボジョレーヌーボーのコーナーが設けられ、低価格(5〜10€程度)なこともあり、手にとっている人もいたのですが、いつの頃からか、スーパーマーケットのボジョレーヌーポーのコーナーは年々縮小されてきました。

 昨年も、「あれ?これだけ?」と驚くほど小さいコーナーが設けられていただけでしたが、なんと今年は、影もかたちもありませんでした。(あくまで私がいつも行っているスーパーマーケットでの話ですが・・)

 醸造期間の短いこのワインは、時に、人工酵母などの化学物質が添加されることも多く、ワインにピリッとした甘さを与えているなどと、悪評が広まったことがフランスでの人気低迷の理由にも挙げられています。

 ボジョレーヌーボーの人気のピークは1980年代だったと言われており、1984年には、ボジョレーヌーボーが数日で6千万本販売されるという記録が残されていますが、1985年以降は解禁日が11月の第3木曜日に固定されたことで、商業的に別の盛り上がりを煽るかたちになったことは否めません。

 ボジョレーヌーボーが話題にされるたびに、「なぜボジョレーヌーボーは日本で人気があるのか?」など、日本でのボジョレー人気が話題にあがるほど、フランスにとっても、ボジョレーヌーボーと日本は切り離せない存在のようです。

 フランス人の分析によれば、日本でのボジョレー人気を「日本人は何よりも非常にフルーティーで軽いものを求めている」という日本人の味覚があたかもボジョレーヌーボーの特質にマッチしているかのように語る人もいます。

 また、日本人にとって、ハロウィンとクリスマスの間にある、このボジョレーヌーボー解禁の日付が、祭りの季節感に敏感な日本人の心をくすぐり、日本市場はこれを巧みに広告にのせて、マーケットを展開しているとも評しています。

 とはいえ、ボジョレー・ヌーヴォーの生産量は、最盛期の50%から、現在では20%に過ぎないほど低下しているうえ、今年は、干ばつの影響でさらに過去5年間の平均を20%ほど下回っていると言われています。

 今でもボジョレー・ヌーボーの総生産量の3分の1は日本に輸出されていると言われているものの、同じ3分の1でも全体の生産量が落ちているので、以前とは違ってはいるのでしょう。

 実際に日本で実際に現在、どのようにボジョレーヌーボーが売られているのかわかりませんが、ボジョレーヌーボーにとって、今でも日本のマーケットは欠かせない存在のようなのです。


ボジョレーヌーボー


<関連記事>

「衰退するボジョレーヌーボー」

「ボジョレー・ヌーボーは、あまり注目されなくなった・・」

「FAUCHON(フォション・パリ)破産申請 コロナの経済打撃は、パリの老舗にも・・」

「日本の国税庁キャンペーン「サケビバ」にはフランス人も唖然」

「大寒波によるワイン農家の被害とカーフールのワインフェア」