2022年5月19日木曜日

フランス 5月の記録的な熱波

   ここ数年、フランスの夏の猛暑は毎年のことで、珍しいことではなくなってきました。 私がフランスに来た頃、20年くらい前は、夏の間、暑い日があってもせいぜい2〜3日のことで、湿度も低いせいか、夏は断然、フランスの方が過ごしやすいと思っていましたし、建物自体が木造ではないため、外が暑くても建物の中に入ると、冷房がなくとも、すっと涼しい感じでした。 年間を通して、あっつ〜 い!と感じる2〜3日のためにエアコンを買うこともないし、実際、一般家庭にエアコンのある家はほとんどありませんでした。 フランスでも、日本のエアコンのように壁面に取り付けるものも、もちろんないことはありませんが、それ...

2022年5月18日水曜日

カンヌ国際映画祭開幕セレモニー サプライズゲストはウクライナのゼレンスキー大統領

   パンデミックのために2020年には、開催が延期されたり、今ひとつ盛り上がりに欠けていた2022年カンヌ国際映画祭が開幕し、久しぶりにコロナ前の人出に沸き、ようやく取り戻したこの国際的なイベントの盛況ぶりに、カンヌの街、ホテルやレストラン、映画関係者は、祝祭ムードに包まれていることで喜びに湧いています。  昨日、今年が75回目にあたるこのカンヌ国際映画祭の開幕セレモニーが行われ、レッドカーペットが敷き詰められた会場は、満席状態、華やかな服装にマスク姿はもうどこにも見当たりません。 煌びやかにセレモニーが始まって、まもなく、司会の女性に、「今日はスペシャルゲストが登場します」と紹介されて、スクリーンに登場したのには、なんと、ウクライナのゼレンスキー大統領、これには、会場も一斉に立ち上がり、彼は大きな拍手で迎えられました。"C'est...

2022年5月17日火曜日

フランスに女性新首相エリザべス・ボルヌ現労働相が就任

   マクロン大統領の再選が4月24日に決定して以来、新内閣の組閣について、長いこと発表されないままでしたが、特に首相の選出については、注目されてさまざまな憶測が流れていました。 しかし、大統領選直後にJDD(Le Journal du Dimanche)が行った世論調査によれば、国民の74%が次期首相には女性を任命してほしいと思っているという結果が発表されていたので、もしかしたら、次期首相は女性なのかも?と思っていました。 74%といえば、マクロン大統領の支持率よりも多い数字、この世論を無視するわけはないと思っていましたが、数日前から新首相予想に上がっていた数名も女性ばかりでした。 昨日までのカステックス首相が首相に就任したのは、2年前の7月のこと、エリゼ宮での首相交代のセレモニーの記憶もそんなに遠いものではありません。パンデミックの第一波を乗り切ったばかりの頃で、前フィリップ首相の辞任により、突然、登場した感じでした。 彼が最初に現れた時は、その経歴からも、かなりのエリートであることは歴然としていたものの、彼の南仏訛りのきついアクセントやどこか冴えないスーツ姿に、フランスの首相としてどうなの?みっともない・・などという声もあがっていました。 しかし、結果的に首相に就任してからの彼の言動は、アクセントはそのままでしたが、暖かい人間味あふれる感じや誠実さ、そしてどこかコミカルな印象を与える人柄(決してウケを狙っているわけではないし、本人大真面目なのに、どこかコミカルという感じ・・)が、常に論理的で、口が立ち過ぎて、どこか反感を持たれるところのあるマクロン大統領のマイナス面を見事にカバーする役割を果たしていたように思います。 首相退任後にまず何をしますか?という記者からの問いに、「家でペンキ塗りをする所がある」と答えたとかで、家でのペンキ塗りもしっくりきそうなほんわかした人柄です。 実際に、パンデミックの感染悪化、テロ、暴力事件などの問題が起こるたびに、現地に出向き現地の人々声に耳を傾け、誠実に応対する姿勢をこの2年間、度々、報道で目にしてきましたが、これまでの首相の出張記録回数の新記録を樹立していたそうです。 新旧首相の挨拶では、お互いに向ける言葉の中でそれぞれを"Tu"...

2022年5月16日月曜日

お客様を招く時の簡単フレンチレシピ

  日本にいた頃は、友人に会ったりする時は、「飲みに行こう!」とか、これが食べたければ、あのお店に行こうとか、外食が多く、あまり友人を家に招くということはしませんでした。 しかし、フランスに来て以来、仲良くなった友人には、「家においでよ!」と友人を家に招くことが増えました。私の場合、子供が小さい頃などは、子供を連れていくのでは、ゆっくりできないし、ましてや子供を一人で家においていくわけにもいかなかったので、自ずと友人に家に来てもらって、ゆっくり飲んだり食べたりしたかった・・ということが主な理由なのですが、フランスの場合は、外食が高いこともあり、仲良くなると、「家においでよ!」となることが日本よりも多い気がします。 私の場合、お客様によって、メニューは変えているのですが、日本食を特にリクエストされない限り、フランス人のお客様の場合は、材料が手に入りにくいこともあり、また、本当にその味をわかってもらえそうもないので、いわゆる日本の洋食のようなもの、ドリアとか、トンカツとか、唐揚げとか、オムライスとか、比較的、彼らの好みに合いそうなものを作ります。 日本人の場合は、和食っぽいものを作ることも多いのですが、飲む人(ワインだけど)と、飲まない人でも、メニューは変わってきます。 先日、家にいらしたお客様は日本人でしたが、近々、日本に帰国されるという方々だったので、それでは和食というのも、なんか、しらける気がして、ちょっとフレンチもどきのものを用意しました。 お酒はあまり強くないので、たくさんは飲めないけど、ワインも好きです・・ということだったので、一応、ワインも用意(というか、ワインだけは、けっこうたくさんあるので、その中から選ぶだけですが・・)。 お客様がワイン好きだというだけで、なんか、ワインでかなりごまかせる気がして、気が楽になります。 できるだけ、出来立てのものをお出ししながら、私も一緒に食べたいので、とりあえず、つまめるものを探し、今回はアーティーチョークを茹でておき、少しずつちぎって食べられるように冷やしておきました。 アーティーチョーク用のソースは、バルサミコ酢にガーリックパウダー、マスタードちょっととお醤油ちょっとを混ぜただけの簡単なものです。 そして、アントレがわりにブリック、マッシュポテトにバター、生クリーム、茅乃舎の野菜だしを少しまぜたものをブリックの皮に包んで焼くだけです。あらかじめ包んでおいて、食べる直前に焼くだけで済みます。 サラダは、レタスやマッシュルーム、人参、きゅうり、トマトなどをドレッシングで和えただけの簡単なもの。 そして、帆立貝とエビを使ったお魚屋さんに教わったちょっとフレンチなレシピ。名前は知りませんが、フランスのお魚屋さんが教えてくれたので、フレンチだと勝手に思っているのですが・・なかなか簡単で美味しいお料理です。 エシャロットのみじん切りをバターで炒めたところに、小ぶりの帆立貝(私はピカールのものを使っていますが)とエビを入れて、軽く塩胡椒して火を通し、そこに生クリームとマスタードを少々、最後にコニャックで香りづけしてできあがりの簡単なメニューですが、ちょっと、プロっぽい感じにできるわりには、簡単なメニューです。 最後にお肉、お肉は軽く塩、コショウ、おろしニンニクを塗って焼き、お好みの焼き具合に火が通ったところで、一旦、あげて、フライパンに残った肉汁に、みじん切りにしたネギ、おろし生姜、おろしニンニク、お醤油、みりん(無ければちょっとだけお砂糖)、ちょっとだけごま油、ちょっとだけお酢を混ぜたものを入れて、少しだけ煮詰めます。 焼いたお肉をザクザクと切って、この肉汁入りのソースをかけて出来上がりです。ちょっと、普通のステーキとは違う変化球バージョンな感じが気に入っています。 デザートには、コンテ(チーズ)とコーヒーゼリーにイチゴを添えたものを用意しました。フランスだとゼリーというものは、ほとんど売っていないので、日本人のお客様には喜ばれます。 なんか、作りながら、自分も食べて、飲んで、おしゃべりも楽しくて、写真を撮るのを忘れてしまいましたが、次回、お客様をする時には、忘れないようにして、また、別のメニューもいつか、ご紹介したいと思います。ただし、分量などは、適当なため、正確にはお伝えできません。 あまり強くないので、そんなに飲めない・・とおっしゃっていたお客様でしたが、結局、3人でワイン3本飲みました。 今回のお客様は、ちゃんと家に帰られましたが、我が家のソファーはよほど寝心地がよいと見えて、ソファーで寝てしまう方も結構おられます。 昔、日本で「突撃、となりの晩ごはん」という番組がありましたが、人の家の食事って、なかなか興味深いものです。 フランスにいるゆえ、材料等が偏りがあるかもしれませんが、ちょっとでも参考になれば、幸いです。 上に添付した写真は、最後の最後に「あ!写真撮ってなかった!」と気付いてギリギリ最後に撮ったお肉のメニューです。簡単フレンチレシピ<関連記事>「ヌーベル・キュイジーヌが嫌いなフランス人の夫」「フランスのホームパーティー」「フランスの学校のキャンティーン・給食」「フランス人のこだわり」「娘のフランス人のDNAが活性化するとき・・生ハムの塊が消えた・・」「フランスでの日常の食料品の買い物...

2022年5月15日日曜日

海外で暮らしていると日本ではきっと会わなかったであろう人に出会う

   海外で長く生活していると、日本からの客人をお迎えすることがあります。今は亡き母も一度、友人とパリに来てくれたことがありました。その後、叔父夫婦、従兄弟が新婚旅行で来てくれたこともあったし、パリの大学と交流のあった大学教授の叔父(現在は退官しています)などは、 在任中は毎年のように学生を連れてパリに来ていました。 この叔父は、どちらかというと私にとっては、その度に叔母が用意してくれる大量の日本食を運んでくれる宅配便のような存在でした。 その他、親友も一度、弟、叔母二人、従姉妹たちやその友人など、思い起こせば、これまでずいぶんたくさんの人が来てくれました。 家に泊まってくれた人もいれば、友...

2022年5月14日土曜日

日本一時帰国の後遺症 マイおにぎりブーム

    コロナ禍、戦禍の中、日本に一時帰国して、フランスに戻って、あっという間に約1ヶ月が経ちました。今回の一時帰国は3週間弱のつもりでしたが、長距離フライトを甘く見ていて、思っていたよりも滞在期間は短くなりました。 そのうえ、日本到着翌日に娘が機内濃厚接触者になったと通知が来たために、ほぼ、最初の一週間は外食もできずに、「せっかく日本に来たのに外食もできないなんて!」と不満たらたらでした。 今回は、長距離フライトのせいだったのか、結局、時差ボケも日本滞在中はずっと治ることもなく、次から次へと用事が立て込み、スケジュールはキツキツになり、体力的にも限界を感じていました。 しかし、だ...

2022年5月13日金曜日

冷凍ピザ死亡事故に見るフランスの食品衛生管理

   すでに事件は3月に起こっていたようですが、大手食品メーカーの冷凍ピザから、溶血性尿毒症症候群(HUS)と毒素産生性大腸菌(STEC)の感染症が56件確認されたことから、このピザを製造している工場には、3月の時点で2度の徹底的な衛生検査が行われ、4月1日には、この工場でのピザの製造は禁止されていました。 これらの検査により、食品衛生管理のレベルが悪化していることが明らかになった」と報告が上がっており、特に、「ネズミが存在し、害虫の侵入を防ぐ効果的な手段や食品活動に適応した害虫駆除が行われていないこと」、「製造、保管、通路エリアのメンテナンスと清掃が行われていないこと」などが指摘されています。 この冷凍ピザはフランスのスーパーマーケットなら、どこでも売っている有名なメーカーの製品。決して、激安の怪しげな商品ではありません。 これまでに2人の子供がこのピザを食べて死亡しており、この事件は、5月に入って、パリ検察庁に捜査が移管されました。この司法捜査は、「過失致死罪、14人に対する過失傷害罪、人や動物の健康を害する製品に関する偽装、食品に使用される食品が偽造または破損して健康を害する展示または販売、健康を害する製品を市場に出して他人を危険にさらす容疑」で行われています。現段階では、同ブランドのFraich'upシリーズのみが懸念されていると、検察庁は発表しています。 その後の捜査でこの食中毒は合計75件発生しています。その大半が子供で、そのうち2人が死亡。この捜査がパリ検察庁の手に渡ったことで、再びこの騒動はクローズアップされ、このピザを食べて死亡した子供の両親などの証言も報道されています。  冷凍ピザはフランスでは、かなりポピュラーな存在。フランスでは共稼ぎの家庭がほとんどのため、仕事が終わって、帰宅後に簡単に食べさせることができる冷凍ピザの買い置きをしている家庭は多いのです。しかも、みんなが大好きな食品です。 その冷凍ピザを食べて、まさか子供が死んでしまうとは・・想像もつかない悲劇です。しかし、以前、この工場で働いていた従業員の証言や公開された映像からは、ちょっと信じられないほどの不潔な状態には目を覆いたくなる酷い状況です。 しかし、私の日常で食品工場を目にする機会はないものの、ネズミに関しては、もともとあまり驚かないフランス人、以前、働いていた会社(食品関係ではない)にもネズミ駆除の薬を置きに来る人が定期的に出入りしていましたし、大きなゴミ箱を回収に来ていた時にゴミ箱からネズミが出てきたのをたまたま目撃して、私が悲鳴をあげたら、ゴミ収集の人に、「ここは、どこだと思ってるの?パリだよ!」と笑われたこともありました。 また、食品を扱っているお店に勤めていた知人が仕入れたキャラメルの袋がネズミに食いちぎられた跡があり、メーカーにクレームを入れたら、「ネズミも食べたがるほど、美味しいってことだよ!」と言われたと驚愕していたことがありました。食品の管理状態をさほど気にしていないことがうかがわれます。 しかし、一方では、パリでレストランをやっている知人によると、食品衛生の検査は、とても厳しく、店内、厨房にいたるまで細かくチェックされ、冷凍してある食品の状態まで厳しくチェックされ、改善命令が出るとこの改善が確認されるまで、営業停止になってしまう・・ものすごく厳しい・・という話も聞いたことがあります。 しかし、今回、問題が起こったのは、食品工場、このような状態のまま放置されている場合もあるということが驚愕です。 このピザを食べて被害に遭っているのは、ほとんどが子供ですが、いずれも大腸菌を原因とする溶血性尿毒症症候群(HUS)と診断されており、ピザを食べて数時間後に腹痛を起こして救急車で運ばれて、あっけなく亡くなってしまったとのこと。 冷凍食品とはいえ、火を通して食べるものでありながら、こんなことが起こりうると思うと恐怖でもあり、それを食べさせてしまった親の後悔の念も計り知れません。 私自身もたまに、焼くだけで簡単に食べられる冷凍ピザを利用することがありますが、この映像を見てしまったら、しばらく冷凍ピザは食べる気がしなくなりました。冷凍ピザ食中毒死亡事故<関連記事>「パリで食べられる世界一のピザ PEPPE...