コロナウィルスによるパンデミックはワクチン接種により、かなりおさまってはきているものの、まだ終息の兆しは見えていません。
これまでに世界中で2億4,700万人が感染したと言われていますが、このうち、一旦、回復しながらも、症状が長期にわたって潮の満ち引きのように繰り返されるCOVID LONG(長期コロナ感染症)がある一定の割合(フランスでは、10%〜15%と言われています)で認められることは、昨年の段階から明らかになっています。
ワクチンが開発され、ある程度の予防や治療は可能になってきたものの、依然としてこの病気の未知の部分は多く、この病気の予後やその治療などが人体に与える影響に関しては、まだまだ解明されていません。
ここに来て、マルセイユのティモーネ病院の医師らが第一波でコロナウィルスに感染し、このCOVID LONG(長期コロナ感染症)の症状に苦しみ続けている子供や若年層の追跡調査で、彼らが脳の特定の領域に問題を抱えていることを発見したと説明する研究を発表し、話題を呼んでいます。
彼らは、第一波の間にコロナウィルスに感染した201人の子供・若年層を追跡し、このうちの約20%がCOVID LONG(長期コロナ感染症)の症状に苦しみ続けており、その一部に共通する脳の特定の領域に異常が認められることを発見しています。
このCOVID LONG(長期コロナ感染症)に苦しむ子供たちは、感染後1年以上経っても17%は、激しい倦怠感、記憶の問題、集中力、激しい頭痛などの症状が消失していません。
彼らを詳しく検査した結果、他の身体的な臓器の損傷は検出されなかった患者に対して、PETスキャンを介してさらに検査を行った結果、その画像から、共通して彼らの脳の一部に損傷が見られることがわかり、この代謝低下が特定の領域、嗅球、脳幹、小脳の領域である全てに存在することを発見しました。
これらの領域が機能不全であり、うまく機能しないという事実は、彼らのCOVID LONG(長期コロナ感染症)の症状の原因である可能性が強いと説明しています。
また、さらにこの症状の多くは若年層であり、同時にアレルギー性の疾患を持っている確率が高いことも述べています。
若年層は、感染しても重症化し難いという一面もありながら、悪くすると、長期化する上に、脳に損傷を受けてしまうという可能性が判明された中、やはり子供も若者も感染対策は依然として重要であることを彼らは警告しています。
酷いケースになると、コロナウィルス感染は陰性となった後も、学校に行くことも、起き上がることも、日常の活動をすることもできなくなるほどになり、治療を受け続けなくてはならない状況に陥ってしまうといいます。
彼らは引き続き、若年層のこの二次災害ともいうべく症状をフォローし続けていく支援を呼びかけています。
そして、彼らの症状の消失と「通常の生活」への復帰を促進するための支援には、医師、小児科医、理学療法士だけでなく、神経小児科医と心理学者の調整をとってのフォローアップが必要であると語っています。
まだまだ侮れないコロナウィルス・・感染すれば、子供の将来にも影響を及ぼす危険があるとすれば、子供たちに対しても一層の注意が必要です。
長期コロナ感染症 COVID LONG
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