2021年9月5日日曜日

8週目のヘルスパス反対デモ シャトレのコマーシャルセンターに乱入

   デモ隊が乱入したシャトレの巨大コマーシャルセンター もはや土曜日のヘルスパスのデモが近々に終わるとは誰も思っていませんが、このデモは7月17日から夏のバカンス中もずっと続き、とうとう8週連続のデモとなりました。 フランスは何かといえば、すぐにデモが起こるので、余程の暴徒化でもしない限り、かなりの人数でさえ、それほど大ニュースにはなりません。 このパンデミックのさなかでさえも、昨年3月の1回目の完全なロックダウン(生活必需品の買い物以外は外出禁止)の時以外は、デモ(その時々で目的は違っていたけど・・)は常に認められ続けてきました。 ただし、デモを行うには、予め、その日時や場所(出発地やデモ行進するコース、到達地点)などを申請する必要があり、概ねその通りに行われます。 デモ隊は、時に暴徒化して破壊行為や暴力行為に発展したりする危険もあるため、在仏日本大使館なども事前に土曜日のデモの予定を知らせてくれます。 当然、私は、大勢の人が集まる場所は避けたいし、巻き込まれるのもゴメンなので、できるだけ、その近辺には近寄らないようにしています。 とはいえ、狭いパリのこと、また、デモ隊は行進して場所を移動するため、例えば、今回のデモの予定は、パリ1区、2区、4区、5区、6区、11区、12区、15区、19区、20区とかなりの区域を網羅(パリは1区〜20区まであります)、もうほとんどの区がデモのコースにあたっており、あまり神経質に考えたら、外出不可能です。 しかも、デモは必ずしも届出どおりのコースを進むわけでもなく、今回は、デモ隊の一つから一部から派生して、予定していたコースとは別の道を進み、パリ1区にあるシャトレのコマーシャルセンター(フォーラム・デ・アール)になだれ込み、コマーシャルセンターでのヘルスパス提示義務反対を叫び始め、一時、大変な緊張状態に陥りました。 フォーラム・デ・アールは、パリの中心地(パリ1区)にある大型ショッピングセンターで、数多くのブティックを始めとして、書店、電化製品、映画館、レストランなど115軒の店舗が入っている、かつてはパリの胃袋と呼ばれていたランジス市場の跡地に建てられた巨大モールです。 本当に行ってみるとびっくりするほど、そこへ行けば、どんなお店もあり、「あ〜このお店もある!あ!これもある!」と思います。しかも、RER(国鉄)やメトロの駅からも直結しているために、非常にアクセスも便利にできています。 しかし、今回のデモ隊がこのコマーシャルセンターに流れ込んで、「リベルテ!リベルテ!(自由!自由!)」と騒ぎ出し、パリ警察はオーバーフローを恐れ、店舗の閉鎖を要請、CRS(Compagnies...

2021年9月4日土曜日

「さよなら 日本の菅首相が試合を放棄」フランスでの菅首相退任の報道

     「さよなら 日本の菅首相が試合を放棄」「日本の菅首相が彼の次の出発を発表する理由」「日本の菅首相自民党総裁を辞任」これらが、フランスでの菅首相退任に関する報道のタイトルでした。 そもそも、日本のニュースは、余程のことでない限り、フランスでは、大々的に報道されることはありませんが、さすがに首相退任のニュースは、大手新聞社では数社に及び、報道されていました。(テレビでの報道はほぼ無し) 新聞の報道では、彼は、「コロナウィルスとの戦いと選挙運動を両立することは不可能であるため、コロナウィルス対策に専念し、総裁選には出馬しない」と発表したと伝えています。 短い記者会見の内容に、各...

2021年9月3日金曜日

フランスの学校の新年度の始まり フランスの新学期手当とワクチン接種と唾液検査

    約2ヶ月間の長い夏のバカンスも終わり、フランスの学校の新学期が2日(木)から始まりました。毎年、カレンダーにもよりますが、なぜか木曜日スタートが多いというのも、フランスの不思議なところでもあります。 9月の新学期は、フランスでは新年度の始まりでもあり、子供を持つ親には、9月は何かと忙しい月でもあります。 入学式や始業式などの学校でのセレモニーはなく、しれ〜っと始まるのですが、そのしれ〜っと始まる新年度の前には、学校から、必要なものを揃えるようにと毎年毎年、前もって細かいリストが送られてきます。 教科ごとに必要なノート類(サイズから、様式、ページ数まで指定)、画用紙、筆記用具(ボールペンの色や時にはメーカーまで指定)、定規や電卓(年齢ごとに変わっていく)などなど、なかなか細かくて、フランスの学校に通ったことのなかった私にとっては、最初は見慣れない文房具、ノート類などの学用品を揃えるのは、なかなか厄介なことでした。 これだけ、同じものを揃えるなら、いっそのこと学校で纏めて揃えてくれればいいものを学校の先生は、子供に勉強を教えることだけ・・というフランスでは、一切の余計な業務は請け負わないのです。 それでも、業者が介入して、一切を取り仕切れば、なかなかのビジネスチャンスだとも思ったりもするのですが、不思議なことに、そんな習慣はあまり変わることがなく、夏休みが始まるとともに、スーパーマーケットには、新年度のための文房具などの学用品のコーナーができます。まあ、これもフランスの夏から秋にかけての風物詩のようなものでもあります。 そして、学校が始まり、教科書をもらってくると、教科書は1年が終わると返還しなければならないため、教科書一冊一冊にカバーをかけるのもフランスならではです。(汚したり、破いたり、失くしたりした場合は弁償させられます)合理的と言えば、合理的なフランス、日本などは、海外に住んでいても申請しておくと、日本人の子供ならば、毎年、新しい教科書をもらうことができるので、国によって、ずいぶん違うものだ・・と思います。 この新年度の準備のために、フランス政府からは、1人でも子供のいる家庭には、新学期手当(...

2021年9月2日木曜日

日本のワクチンパスポートはフランス入国後、そのままヘルスパスにはならない

   将来的に2次元コードを搭載予定・・??? 海外に住んでいると、時折、人伝てに、「日本から〇〇さんの親戚の子がフランスに留学する(あるいは、旅行する)から、何かの時に力になってあげてほしい・・よろしく・・」などと頼まれることがあります。 友人・知人などが日本から来てくれるのは嬉しいことですが、旅行の場合は、街中を案内したり、メトロやバスなどの乗り方を教えたり、買い物や食事の際に多少の通訳まがいのことをする程度で、実際には、大してお力にはなれてはいません。 しかし、留学やワーキングホリデーなどの長期滞在ともなれば、旅行ではなく、実際に生活をしていかなければならないとなると、色々な...

2021年9月1日水曜日

フランス政府の何があっても押し通すチカラ

    よく、フランス人がある程度以上の人数で、口泡飛ばして話に夢中になっている様子を側から見ていると、人の話をきいているのか、いないのか? 何人もの人が同時に話していて、周囲の人が意見を差し挟んでも、平気で、同時に話し続ける、まるで「朝まで生テレビ」の討論会のようだと思うことがあります。 要するに、議論が好きで、言いたいことを言い、自己主張をすることが美徳とされるのは、子供の頃からのフランスの教育によって培われているもので、議論とはいえ、必ずしも解決の糸口を探ることが目的でとは限りません。 それぞれが、人の話を聞くよりも、自分が話すことが重要なので、平行線のまま会話が進むことも少...

2021年8月31日火曜日

ヘルスパス 職場でのヘルスパス提示義務化に伴う職場内の摩擦

     フランスでは、今週から、ヘルスパスの提示義務が職域にまで求められるようになりました。つまり、同じ職場内で、従業員のヘルスパスをチェック・管理することが必要になったわけです。職務上以外のことで、人をチェックし合うというのは、あまり気持ちの良いものではありません。 現在の段階では、全ての職場でというわけではなく、レストラン・カフェ、映画館、美術館などの文化・娯楽施設、スポーツ施設、一部のコマーシャルセンター・デパートなどの顧客に対してヘルスパスの提示が求められる場所においての人と接する部門で働く従業員に対してのものであり、フランスでは、約180万人がこれに該当します。 現在、フランスのワクチン接種率は74.3%までに上昇していますから、そこまでの大問題には、発展しにくいとは思いますが、とはいえ、頑なにワクチン接種を拒否、ヘルスパスに反対する従業員を抱える企業では、少なからず、摩擦が生じています。 元来、フランスは、労働者の権利が強く守られている国で、一旦、正規採用した場合の従業員の扱い、特に解雇に関しては、法律で強く守られており、今回のような、ヘルスパスが提示できない場合(=ワクチン接種拒否)は、給与が支払われない=解雇同然、というような図式のケースは、元来のフランスの労働者保護の観点から考えれば、かなり異例なことです。 現在のところは、まだスタートしたばかりなので、たとえ、ヘルスパスの提示ができなかったとしても、他の部署への異動や、説得などの話し合いが持たれることが先決なので、そこまで深刻な事態は、浮上してきていません。 しかし、国の決定とはいえ、顧客に対して行うヘルスパスのチェックと職場の中でお互いのヘルスパスをチェックし合うという図式は、職場全体の意志統一ができていない限り、職場内で不穏な空気を生み出します。 と言っても、今回の場合は、経営者側もこれを遂行しない場合には、企業全体が営業停止になる恐れがあるため、これを回避することはできません。 このような強制的な管理体制を敷くというのは、まことにフランスらしくない、フランス人には受け入れにくいことであるに違いありませんが、(それ故、7週間連続で反対デモも起こっている)すでに1年半以上も続いているパンデミックという異常事態ゆえ、フランス人とて、多くの人が受け入れざるを得ず、このヘルスパスに追い立てられるようにして、ここまでワクチン接種率も上がってきたのです。 しかし、このワクチン接種の有無による不穏な対人関係は、企業内だけでなく、家族の中でも生まれ始めています。家族の集まりに際して、(誰かの誕生日パーティーや冠婚葬祭など)ワクチン接種をしていない者は参加してほしくないとか、それでも参加したい、家族に会いたいという摩擦で、家族関係にヒビが入ってしまった・・などというケースも少なくありません。 もともと、コロナウィルスという病気は、人との接触を避けなければならないという残酷な側面を持つウィルスではありますが、ワクチンが誕生したことで、それが回避できると思いきや、そのことで、一層、凝縮した人間関係のいざこざが、また別の形で生じてしまうことに、やるせない気持ちになります。 しかし、そこで、ちゃっかりした人もしっかり現れるのがフランスで、ワクチン接種を拒否している人が早々に医者に頼み込んで、ドクターストップ(Arrêt...

2021年8月30日月曜日

フランスに来てからの食生活の変化 

バゲットに分厚く切ったエシレバター とりあえず手っ取り早くて美味しいもの  思い返してみれば、フランスに来てから、私の食生活はずいぶん変わったなぁ〜と思います。まぁ、変わったと言っても、フランスに来てからすでに随分、時が経っているので、子供ができたり、状況も違うので、一概に国が違うせいとも言い難いのですが・・。 日本にいた頃は、外食も(と言っても、食べるというより、飲み歩いていただけだけですが・・)かなり頻繁で、しかも、数軒にわたって飲み歩いて、夜もかなり遅くなったりもしていたのですが、フランスに来てからは外食はめっきり減って、夜、遅くまで飲み歩くということもしなくなりました。 まあ、子供が...