2025年8月12日火曜日

忘れ去られた預金はどうなってしまうのか? CDC・預金保険公庫(Caisse des Dépôts)

  


 紛失?した古い銀行口座、忘れ去られた子どもの頃の貯蓄口座、あるいは亡くなった人の所在不明だった銀行口座や受取人不明の生命保険などの客観的には、放置されていると思われる資金は、最終的には、預金供託金庫、預金保険公庫(Caisse des Dépôts)の預金部門に移管されてしまいます。

 金融機関に対しては、一年間取引がなく、口座名義人からの連絡情報も確認されていない休眠口座(口座名義人による取引も連絡先情報も確認されていない口座)と休眠生命保険契約(満期を迎えているにもかかわらず請求されていない契約)を毎年記録し、顧客の生存を確認することが2017年から法律により義務付けられています。

 実際には、銀行は休眠口座の保有者に定期的に書面で通知し、口座が閉鎖されるのを防ぐように促しているのが通常ではあります。

 原則として、10年間、10年以内に回答がない場合、忘れ去られた資金は、CDC・預金保険公庫(Caisse des Dépôts)に移管され、CDCは、それを保管し、要求に応じて返還することになっています。

 このシステムがスタートして以来、CDCは、90億ユーロを保管しています。

 フランスに忘れ去られているお金が90億ユーロもあるというのも不景気な世の中で、驚きといえば、驚きですが、本人が亡くなってしまっている場合など、資産管理がしっかりしていない場合などは、大いにあり得る話なのではないかとも思います。

 しかし、たとえ、CDCに移管されてしまったとしても、後に正当な手続きを行えば、しっかり返金されるそうで、昨年は、約9万4千人が平均1,573ユーロを取り戻しているそうです。

 原則として10年間の活動停止後、お金は CDCへ。そしてCDCに保管されたお金は、20年間保管されます。そして合計30年経過しても誰も請求しない場合は、国に返還されます。

 この話を聞いて、私の場合は、どうせ、そんなにお金持ってないしな・・と思ったのですが、このCDC行のお金は、むしろ少額であることが多いのだとか・・。なるほど、大金であれば、躍起になって行方を追う人も多いのでしょうが、少額の場合は、忘れてしまったり、手続きの煩わしさから、放置してしまうのかもしれません。

 多くの人が放置?あるいは忘れていたお金は少額のお金の積み重ねで90億ユーロとは・・すごいことです。

 私はフランスでの銀行は1ヶ所と郵便局のみなので、行方不明になりようもありません。


CDC・預金保険公庫(Caisse des Dépôts)


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2025年8月11日月曜日

コントレックスとエパールに計測不能レベルのマイクロプラスチック汚染

  


 またまた「ネスレウォーターズ」??と、もうスキャンダルの常連になりつつあるネスレグループのミネラルウォーター汚染問題で、今度は、ミネラルウォーター「コントレックス」と「エパール」に高濃度のマイクロプラスチックが混入していることが、仏紙メディアパート(MédiaPart)がその詳細を報じています。

 マイクロプラスチックの人間への健康への影響は、明確ではありませんが、多くの研究により、血液、臓器、神経系に蓄積されると言われています。

 メディアパートが明らかにした司法調査によると、コントレックスとエパールのミネラルウォーターから環境中の測定値の最大130万倍に相当するマイクロプラスチックが検出され、これらの高濃度のマイクロプラスチックが検出された原因は、プラスチックの埋立地であると説明しています。

 メディアパートの記事では、フランス生物多様性庁(OFB)と環境公衆衛生被害対策中央局(OCLAESP)の調査を引用して説明しています。

 これまでにもネスレウォーターズは、違法精製を行っていたことや、細菌混入などの汚染問題、もはやペリエの名称剥奪か?とまで騒がれた問題を抱えているネスレグループのミネラルウォーター問題が定期的に取り沙汰され、いくつもの訴訟を抱えています。

 そして、今回は、このコントレックスとエパールのマイクロプラスチック汚染問題に関して、ネスレウォーターズは、コントレックスヴィル、テ・スー・モンフォール、サン・トゥアン・レ・パレ、クランヴィリエの各工場周辺の土壌と水域に有害粒子を漏出させたとして、訴追されています。

 つまり、コントレックスやエパールに計測不能と言われるほどのマイクロプラスチックが混入しているのは、プラスチックの埋立地であることが示唆されているのです。

 この埋立地は1960年代に遡り、埋め立てが行われた場所なのですが、これが、時を経て土の中でマイクロプラスチック、さらには、ナノプラスチックにまで分解され、土壌や地下水系に浸透・分散しているため、分解は著しく、浄化は不可能なレベルに達していて、もはや水源地としては、不適切になっています。

 ただ、現時点では、法的には、天然ミネラルウォーターに含まれるマイクロプラスチックの濃度の規制はないため、ネスレグループは、それを盾に「当局に提出した環境分析結果では、汚染は証明されておらず、当社の製品の安全性は保たれている」と頑として、非を認めない立場を通し続けています。

 しかし、メディアパートは、ネスレが2022年の段階で提出した機密メモも参照し、ネスレ側が「埋立地が水質に影響を与える可能性がある」と問題があることを自覚していたことも指摘。

 これまでも様々な問題を抱えつつもロビー活動などにより、それを回避してきたと批判しています。

 いずれにしても、ミネラルウォーターの消費者は、健康に気を配るからこそ、わざわざミネラルウォーターを購入しているわけで、それを欺くような姿勢は許されないことです。


コントレックス エパール マイクロプラスチック


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2025年8月10日日曜日

エッフェル塔からパラシュートで飛び降りた男 逮捕

  


 また、暑さが少しぶり返してきた感じのパリですが、そんな中、早朝からエッフェル塔に侵入し、パラシュートで飛び降りた輩3人が逮捕されています。

 朝早くから、ご苦労様という感じですが、それを見過ごすわけにはいかない警察官たちにとっても迷惑な話です。

 8月に入って2週目の土曜日の早朝、午前5時20分、ジャックシラク通りでエッフェル塔警備隊が警報を鳴らしました。

 このエッフェル塔からのパラシュートによる降下を試みた3人は、エッフェル塔に不法侵入して、(飛び降りるために)登ろうとしていました。現場で通報を受けた警察とGRIMP(危険環境介入グループ)の消防隊は、介入を試みたようですが、思うように迅速に介入することができずに、3人組のうちの1人は、降下予定地点に到着。

 考えてみれば、エレベーター等も当然、動いていない中、パラシュートで降りるのによい地点まで、パラシュートの用具をかついで登らなければならないのは、大変なエネルギーを要するものです。

 登り遅れていた2人は、追いつかれた消防隊により、足で降りてくるように指示されて、渋々断念。

 しかし、先頭を切っていた男は、パラシュートによる降下に成功し、シャン・ド・マルス公園付近の地上に降りた模様です。最終的にこの男性がどの階から飛び降りたのかは不明ですが、とにかくパラシュートによるエッフェル塔からの降下を成し遂げてしまいました。

 まったくご苦労なことだと思いますが、実はエクストリームジャンプ愛好家にとっては、エッフェル塔からのパラシュートによるジャンプは、偉業とされているようです。

 しかし、パラシュートによるジャンプに成功した者も断念した者も3人揃って、指定建造物、歴史的建造物への不法侵入の罪で逮捕されています。

 今回の件については、エッフェル塔占拠事件管理委員会の代表らが彼らを告訴するそうです。

 このエッフェル塔からのジャンプは、そんなに珍しいことでもないようで、実は、7月10日にすでに2人の男性がエッフェル塔の3階から飛び降りているとのことで、こう度々のこととなると、エッフェル塔の管理体制が問われてくることになります。


エッフェル塔パラシュート降下


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2025年8月9日土曜日

隣人の激しすぎるケンカにビビった!

 


 先日、自宅のキッチンにいたら、外から、もの凄い怒鳴り声が聞こえてきて、何ごとか?とビックリしました。まあ、なにかに腹を立てているんだろうと思いつつも、それがけっこう長く続くので、思わずそっと立って行って、玄関のドアの小さなドアスコープから外を覗いて見ると、隣人が表玄関を開けたまま、何やら、ドアの外に立っている人と、家の中にいる人が激しく言い合いをしていました。

 正確に言えば、怒鳴り声をあげているのは、家の中にいる女性だけで、怒られている男性らしき人は、ひたすら怒られ続けている感じでした。

 それにしても、怒鳴っている女性の怒りは相当なもので、恐らくフランス語で話している(怒っている)のだと思われますが、けっこう訛りが強く、語気も荒いため、全く聞き取れず、一体、何に対して、そこまで怒っているのかは、全くわかりませんでした。私は身近にそんな勢いで怒り続ける人に遭遇したことがなく、いつ手が出るか?モノが飛ぶか?さらなる暴力的な展開になるのでは?と、思ってしまいました。

 このご家族(高校生くらいの息子と40代くらいの夫婦)が越してきてから、もう5年くらいは経つと思うのですが、以前、住んでいたのは、フランス人のおばさんで、基本的には、彼女は、一人暮らし(たまに息子が来ていた)で、たまに、同年代のおばさんが居候していたのか、しばらく他の女性がいたり、バカンス時などは、自分が留守の間は、人に貸していたのか?突然、日曜の夜に若いイタリア人の女の子がドアを叩くので、何ごとかと思って、ドアを開けたら、「パンはありませんか?パン屋さんがやっていなくて・・」などと言われて驚いたこともありましたが、まったく穏便で平和で全く穏やかな隣人関係でした。

 私も忙しくしていたこともあり、ご近所づきあいは慎重にと思って、つかず離れずの感じでいたのですが、わりとおおらかな人で、お休みの日にヴァンセンヌの森で夫と娘と3人でボートに乗っていたら、橋の上から、「お隣さ~ん!」と大きな声で手を振ってくれたり(一緒に行ったわけではなく、偶然に会った)、冷凍庫の霜取りをしているので、その間、冷凍庫のものを預かってくれませんか?とか、私が家でピアノを弾いていたら、友人が来ていたのか?みんなで、ベランダから、拍手喝さいしてくれたこともありました。

 何よりもポニョ(猫)は、ベランダ越しに自由に彼女の家と行き来していて、ポニョは、勝手に別宅のように過ごしていました。

 それが、彼女が引っ越して、今の隣人に入れ替わってからは、ポニョはパッタリとベランダにさえ出なくなったのを見ていて、何やら、ポニョは不穏なものを感じているのかもしれない・・と私までより慎重になりました。

 これがいわゆる動物的感というものなのでしょうか?

 それでも、特に関係が悪いというわけでもなく、顔を合わせれば、気持ちよく挨拶するくらいの感じなのですが、今回のケンカというか、怒り様には、再び、恐れをなしています。

 何に対して、怒っていたのかはわかりませんが、私は、あのように、しつこく怒鳴り声をあげたことは人生のうちで一度もなく、また、周囲にそのような人もいなく、感情の爆発のさせ方が全く違うんだな・・声の出し方とかも全然違うんだな・・と、なんだか見たくないものを見てしまった感じがしました。

 隣人というものは、自分では選べないので、仕方がありませんが、静かに穏やかに暮らしたい私にとっては、ちょっと嫌な光景でした。


隣人


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2025年8月8日金曜日

早々に発表された2026年からの郵便料金値上げ

  


 年末になってくると、続々と来年からの値上げ・・等が発表されますが、今年は、まだあと5ヶ月も残っているというのに、早々に2026年からの郵便料金の値上げが発表されています。

 フランスでは、緊急を要さない郵便物を送るグリーンレター?(切手)が最も経済的で環境に優しい選択肢であり、20gあたり1.39ユーロの料金となっています。

 これは、航空便を使わずに3営業日以内に配達されるため、もっとも多く利用されており、この料金が郵便料金の基本的な金額として挙げられることが多いです。

 来年の話をすると鬼が笑う・・などと言いますが、値上げの話は笑えません。

 現在1.39ユーロのグリーンレター(切手)は、現在の1.39ユーロから、1.50ユーロになるそうで、これだけ見ると、0.11ユーロの値上げで大したことはないように思いますが、値上げされるのは、このもっとも経済的といわれるグリーンレターだけではなく、手紙や小包等、全ての料金が上がるわけで、これらの値上げの平均は、7.4%の上昇だそうです。

 ラ・ポスト(フランス郵便局)は、これらの値上げを利用者の減少とサービスの質の向上のためとしています。

 たしかに、ここ数年、私自身も何かを郵便で送るということは、極端に減り、今まで家賃などの支払いのために小切手などを郵送で送っていたものも、全て、ネットで振込や送金で済んでしまうし、なにかの手続きのための書類なども、多くはネット上で済んでしまうし、もっとも経済的と言われるグリーンの切手でさえも、ほとんど使わなくなってしまいました。

 以前は、けっこう頻繁に友人に手紙を書いたりもしていたのですが、今はメールやLINEなどで済んでしまうので、手紙も書かなくなりました。なので、値上げと言われても、正直、あまり影響はありません。

 これは、全般的に皆に言えることで、実際にラ・ポスト(フランス郵便局)の売上げは、昨年だけでも5億ユーロ減少したそうです。

 サービスの向上などと言っても、フランスの郵便事情は、以前よりはマシになったとはいえ、まだまだ安心できるものでもなく、言わせてもらえば、できるだけ、間に人間が介入しない手段の方が安心なのです。人間が介入すれば、それだけトラブルやミスが生じる可能性が増えるわけで、できればそれを回避したいと思うのは、当然の話です。

 しかし、一方では、なんでもネットで済むようになってきている世の中で、高齢者たちは、ちゃんとこれについて行けているのだろうか?と思うことはあります。

 実際にネットを使いこなせない高齢者などは、これまでどおりの郵便に頼るしかないわけで、年金生活に突入している高齢者にとっては、あまり歓迎できない負担増となり得るものかもしれません。

 私もネットは、あまり充分に使いこなせているとは言えないものの、どうにか、あっぷあっぷでついて行っている状態。ネットの時代になり、便利になっていく半面、それについていけないと、全てにおいて高くつくな・・とある程度、時代についていけなければ、大変だな・・と思っています。


2026年郵便料金値上げ


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2025年8月7日木曜日

ベランダで採れている日本のきゅうり

  


 もうここ10年以上、春から夏、秋くらいまでの間、ベランダで野菜を育てていますが、やはり、その中で一番ちからを入れているのは、なんといっても「日本のきゅうり」です。

 きゅうりはフランスでも買える野菜ではありますが、こちらのきゅうりは大ぶりで味も大味な感じ、そして、なんといっても歯ざわりが日本のものとは違い、やはり私にとっては、あのパキッと気持ちよく折れる感じのきゅうりが大好きで、日本に行ったときには、必ずきゅうりのタネ(だけではないが・・)を買ってきて、夏には、必ずベランダできゅうりを栽培しています。

 毎年、5月の初旬に種まきをして、芽が出て、10㎝ほどの苗になった時点で少しずつ株を分けて、植え替えますが、これが落ち着き始めた頃にだいたい鳩の攻撃が始まります。

 鳩との闘いは、たいてい2~3週間で終わりますが、年々、図々しくなる鳩は、早朝にやってくるらしく、やっと育ち始めた苗を踏み荒らします。なぜだか、その頃に、我が家のベランダで巣作りをしたいらしく、毎朝、起きると小枝が積んであって、ほとんど恐怖です。

 今年は、きゅうりの二次被害で、紫蘇の葉の半分は、鳩に踏み荒らされてダメになってしまいました。その時期は、鳩のクックーという鳴き声が聞こえてくると、棒を携えて、ベランダに出ますが、人間が表れたのを知って、重たそうにバタバタと羽音をたてて、飛び立っていくその気配だけでも、忌々しく、また、気持ち悪いです。

 ここ数年は、ベランダ越しのきゅうりは、蔓を巻いてグングン伸びて、ちょうどよい日除けにもなってくれるし、成長も目に見える感じでグングン育っていくのを楽しんでいます。このくらいになれば、さすがの鳩もきゅうりの棚を乗り越えてまでは入ってこないので、安心です。

 今年は、7月初旬に猛暑だった後は、すっかり涼しくなってしまい、収穫模様は、例年よりは、少ないのですが、それでも1日1~2本は採れています。一人暮らしとしては、充分な量です。

 年によっては、やたらとたくさん採れて、きゅうりのキューちゃんなどを大量に作ったりしたこともありますが、今年は、ぬか漬けと、もろきゅう、サラダくらいですが、このパリッとした歯ざわりがたまりません。

 ぬか漬けは、パンとビールをベースに、昆布や唐辛子などを入れてぬか床を作って、冷蔵庫に保管して、少しずつ、かき混ぜて利用していますが、これがまあまあの出来栄えで、悪くありません。

 私が愛してやまないこのパリッとした日本のきゅうりですが、フランス人の夫に言わせると、「水分の少ないきゅうり」と身もふたもない形容をされて、ガックリ・・しかし、同時に、水分が少ないきゅうり・・なるほどね・・そんな風に感じるんだ・・と冷静に思ったりもしたものです。

 しかし、毎朝、毎晩の水やりをかかさず(けっこうな量の水を撒きます)、蔓がのびてくれば、支柱に結びつけてあげたり、毎日毎日、一生懸命、育てているきゅうり、「水分が少ない・・」などと言われれば(本人は悪気は全くない)、それなら、あなたは、フランスの水分たっぷりのきゅうりを召し上がれ!とちょっといじわるに思ったこともありました。

 かっぱ巻きもやはり、日本のパリッとしたきゅうりだと美味しいし、何にしても美味しいです。

 今の季節は、ベランダに出れば、少しずつ大きくなっていくきゅうりを眺めつつ、いつでもポリポリ日本のきゅうりが食べられるささやかな幸せを楽しんでいます。

 

日本のきゅうり


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2025年8月6日水曜日

ルイヴィトン財団美術館 Fondation Louis Vuitton は思っていたよりずっと良かった!


 


 先日、友人に会ったとき、何気に「どこか良い美術館なかった?」と聞いてみたら、わりと即答で、「Fondation Louis Vuitton(ルイヴィトン財団美術館)がわりと良かったよ!」と返事が返ってきたので、これまで、勝手に「あんまりルイヴィトン興味ないしな・・」などと、まるでお門違いの避け方をしてきた私は、そこで初めて、ルイヴィトン財団だからといって、ルイヴィトンの商品が置いてあるわけでもないんだし、恥ずかしながら、見当違いな印象を勝手に持っていたことに気が付いたのでした。

 彼女は、自分でも絵を描いたり、色々、普段から芸術に触れていることもあり、彼女が言うんだったら、行ってみよう!と思ったのです。

 ルイヴィトン財団美術館はパリ16区、ブローニュの森の近くにあり、メトロの駅からは少し歩きますが、充分、徒歩圏内。さすがにパリ16区だけあって、瀟洒な街並みの中を歩き、Jardin d’acclimatationという遊園地?の続きくらいにあります。




 突如、表れる奇抜な建物に「おっ!これか!」と圧倒されますが、意外にも(私の勝手な印象)、けっこうな人気のスポットなようで、同じ目的地に向けて歩いて行く人の多さにまたビックリ!さすがに駅からは、ずっと「Fondation Louis Vuitton➡」の表示が途切れなくあるので、道に迷う心配はありません。メトロ1号線 Les Sablons駅から徒歩10分程度です。シャトルバスもあるようですが、メトロで充分な気もします。

 





 入口には、少々、行列ができていましたが、行列のわりには、待ち時間は5分ほどですんなり入れました。もちろん事前予約した方がスムーズかもしれませんが、当日、チケットを買うのも全然、簡単です。




 現在は、デイヴィッド・ホックニー(ノルマンディーを拠点に活動しているイギリスの画家・芸術家)の展示をしていました。



 私は、これまでポップアートというかモダンアートというか、この類の作品にはあまりなじみがなかったのですが、小さめ(といっても大きい)の絵をいくつも併せて、1枚の絵に見せるような展示の仕方や、映像や音楽を大きなシアターのように使って、四方から訴えかけてくる感じなど、とっても新鮮で、また単に鑑賞するにとどまらず、全身で彼の作品を浴びれる感じのつくりになっていて、とっても感動しました。




 映像に包まれる部屋では、正面、側面の大画面を前に、カーペットが敷いてあり、大きめのクッション?のようなものが置いてあり、そこに寝転びながら、鑑賞することがあります。




 カーペットに寝転ぶと、自ずと視界が広くなり、全身で作品を味わえるような気持ちに包まれます。

 途中、エレベーターで乗り合わせた外国人観光客に何やら興奮気味に「Amazing!Museum!」とうったえかけられたりもしました。




 いわゆる他のパリの有名な美術館のように旧建築の歴史的建築物で、その入れ物自体が芸術!というのとは違い、新しい近代的な建物の中にありながら、これだけ人を惹きつけるというのも見事なものだと思いました。




 お庭には、いつか、どこかで見たかな?と思うルイヴィトンの大きなトランクと金の彫像があり、お庭続きには、Jardin d’acclimatation(遊園地)にも行けるようになっており、こちらは、ルイヴィトン財団美術館のチケットがあれば(中からなので、当然、皆、持っているはずですが・・)、そのまま無料?で遊園地の方にもアクセスできます。




 こちらの方もなかなかクラッシックな感じのジェットコースターとか、公園の遊具、ボートなどがあり、こちらだけ行こうと思ったら、別に?入場料がかかるところなのですが、ルイヴィトン財団から入れば、両方楽しめるので、お得かもしれません。


 


 現在は、「デイヴィッド・ホックニー」展をやっていますが、これは、8月31日までです。

 9月以降は誰の作品になるのかはわかりませんが、また違う作家のものをどう見せてくれるのか?楽しみです。

 ルーブルやオルセーなどのいわゆるクラッシックなタイプの美術館とはまた、違った趣で、別の楽しさを味わわせてくれるので、とってもおすすめです。

 


🌟Fondation Louis Vuitton 8Avenue du Mahatma -Gandhi 75016 Paris 

 ルイヴィトン財団美術館


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