2023年10月26日木曜日

ゆっくりと長い日本の衰退が顕著になった 日本 GDP世界3位からの転落 

  


 IMF(国際通貨基金)によると、2023年、ドイツ経済が、1968年以来、初めて日本を上回り、アメリカ、中国に次ぐ、世界第3位になると言われています。

 「日本は地球上で最も強力な経済大国の世界的な序列から落ちつつある・・」と評されているのです。

 日本は、2010年にアメリカに次ぐ2位の座を中国に奪われて以来、今年、とうとう世界の表彰台に上がることができなくなりました。

  国際通貨基金(IMF)の予測によると、今年のドイツの国内総生産(GDP)は4兆4300億ドルに増加すると予想されているのに対し、日本は4兆2300億ドルとされています。

 フランスとしては、同じヨーロッパの国であるドイツの成長を讃える感じで書いており、ドイツは日本に比べて人口が32%も少ないにもかかわらず、注目に値するパフォーマンスであると・・。

 ドイツの一人当たりのGDPは、現在、日本よりも大幅に高く、2023年には、日本の3万3,950ドルに対して、5万2,824ドルに上昇すると予想されています。

 もし、これらの予測が正しいと証明されれば、世界経済秩序における変化は歴史的なものになると言われており、そして、それは、かなりの確率で現実のものとして、明白になるものと思われます。

 日本は1968年にドイツを追い抜き、世界第2位の経済大国になり、1990年には、GDPでドイツ、フランス、イギリスを合わせたものよりも多くなりました。当時は、2,000年までには、日本がアメリカを追い越して世界最大の経済大国になると予測した経済学者さえあらわれたほどでしたが、実際は、そうはならずに、逆にゆっくりと長い衰退の道を辿ることになってしまったのです。

 国際通貨基金(IMF)はGDPをドルで換算するため、現在の円安が響いており、アメリカやユーロ圏などの通貨上昇国にとって有利になるとはいえ、それに対応する策を日本がとってこなかったということでもあります。

 実際に、アメリカやヨーロッパの中央銀行は、インフレに対抗するために、過去18か月間で主要金利を大幅に引き上げてきたのです。それに対して、日本経済は数十年にわたるデフレを特徴とし、欧米諸国よりも低い金利で国内回復政策を続けてきた結果、日本の通貨は下落し続けているのです。これも、あくまでも内向きな国と言われる所以でもあります。

 これは、金利や円安だけによるものではなく、経済成長が鈍化している表れでもあり、日本経済のゆっくりとした長期にわたる衰退を反映していると見られています。

 IMFの見通しについて質問された日本の西村経済産業大臣は「日本の潜在成長力は遅れをとっており、停滞したままである」と認めたうえで、「我々は、過去30年で失われた地盤を取り戻したいと考えている」と答えているそうですが、「どうやって?」と尋ねたくなります。

 「内需の低迷、富裕国の中でも最大規模の高齢化、そしてすでに始まっている憂慮すべき人口減少に悩まされている日本は、依然として繁栄を続けているものの、20年以上にわたってその活力を失っている。 政府は何年も内需を回復させようと努力してきたが、無駄だった。 岸田文雄首相の将来計画では、エネルギー転換への補助金、賃金上昇の促進、減税の付与によって成長を回復することが計画されている」などと書かれていますが、その見解には、希望も期待も見えません。

 そのうえ、IMFの予測によれば、今後、両国間(ドイツと日本)の格差は拡大する可能性があり、 2025 年には、ドイツの GDP は日本より 10% も高くなる(日本の 4 兆 5,250 億ドルに対し、4 兆 9,600 億ドル)と言われています。

 IMFのGDPランキングという世界的にも注目されるわかりやすい数字に表れ始めたことで、日本の衰退ぶりがさらに顕著に世界に認識されていく様子は、悲しいことです。


GDP 日本の衰退


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2023年10月25日水曜日

罰金135ユーロを督促する詐欺メッセージ

  


 メールや LINE、messenger、what's up などの通信手段によるメッセージは、わりと頻繁に利用していますが、SMSでメッセージを受け取ることは、あまりありません。私の場合は、最近、やたらとうるさくなった銀行口座のお金を振り込みなどで、口座のお金を移動させた場合や、医者の予約の確認などのメッセージを受け取るくらいなので、あまり携帯にあるSMSに受信の通知がつくことはありません。

 一度、例外的にパンデミックの始まりの時に、政府からロックダウンの通知がSMSに入り、何で?私の電話にまで、通知が来るの?と驚いたことがありましたが、あれは、非常時のことで、「一切の必要最低限の外出は控えるように」という内容で、まあ、仕方ないというか、徹底しているというか、恐ろしいような、一方では、フランスのIT通信システムは、ここまで進んでいるのか?と感心するのと、半々のような複雑な気持ちでした。

 まあ、フランスに住んでいて、たしかに税金の書類や滞在許可証申請の際など、政府が私の電話番号を把握する機会はいくらでもあるわけで、非常時にこれらが使用される可能性は不思議ではないのです。

 今日、珍しくSMSの受信の通知が入ったので、何かと思えば、それは、「AMENDE GOUV: Dernier rappel avant majoration de 135 euros」(罰金の追徴金前の最後のお知らせ)というもので、ギョッとしてしまいました。まことしやかに書類ナンバーまで記載されていて、後ろめたいことのある人なら、思わずファイルを開いてしまいそうな感じでもあります。

 私には、何も後ろめたいことはなく、「ハテ?私?なにかした?」と一瞬は、焦りつつも、「いやいや、私、何も身に覚えがない・・」「これはウソだろう・・」と思い、いじらずに、家に戻ってから、その文面どおりをググって検索して、調べてみると、やはりこれは詐欺メッセージであったことが、発覚しました。

 SMSにより、罰金の請求が送られるのは、非常に限られた場合で、罰則行為に際しての法務執行官に電話番号を伝えた場合のみで、基本的には、ANTAI(国家犯罪自動処理庁)は、SMSでのメッセージ送信は送らないとのことなので、それ以外の場合は、詐欺メッセージであるとのことで、絶対にそのファイルを開けてはいけません。

 これらの詐欺メッセージは、お金だけでなく、個人データ(納税者番号や銀行口座、身分証明書など)を収集するための詐欺であり、決して触れてはいけません。

 通信手段がどんどん近代化して、携帯電話ひとつでなんでもできるようになりましたが、同時にこれに乗じた詐欺師もこれらに挑み、手を広げているのです。

 まず、疑問に感じるメールやメッセージを受け取った場合は決していじらずに、その内容を検索すると、たいてい、似たようなメッセージを受け取った被害をあげて、警告しているものが見つかります。

 最近、銀行をはじめとして、あらゆる個人的なサイトのセキュリティがやたらと厳しくなり、以前は、個人的に設定したパスワードなどで開けられるようになっていたものが、何重にもチェックが入り、自分のメールなどにセキュリティナンバーが送られてきて、それを入力しなければならなくなって、本当に面倒になったと嘆いていた矢先のことでした。

 IT関係には、もっぱら弱い私ですが、怪しげなメッセージやメールには、決してさわらない・・のは、鉄則です。

 しかし、身に覚えがないとはいえ、いきなり罰金の通知、しかも追徴金などという、さらに人を焦らせるような内容のメッセージは、決して気持ちのいいものではありません。というよりもいや~な気持ちになりました。

 罰金切符を切られても、すっとぼけて、支払わない人が多いというニュースを耳にしたこともあるので、こんな督促状詐欺も出現しているのかもしれませんが、まったく、物騒な話です。


詐欺メール 詐欺メッセージ


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2023年10月24日火曜日

いじめの被害者両親が学区教育アカデミーから受け取っていた脅迫状

  


 いじめの被害者の両親に対して、学区内教育アカデミーが送っていた手紙が脅迫状のようだったことが、公になり、アカデミーの責任者が辞職に追い込まれています。

 このいじめの被害者になった子供は、9月に新年度が始まった早々に自分の部屋で自らの命を絶ってしまいました。その直後の報道では、昨年末から、このいじめの問題について、両親が学校に相談を始め、数度にわたる、手紙のやりとりや面談や会合が行われていたことは、明らかにされていましたが、結局、納得のいく対応をしてもらえず、転校することが決まっていた矢先の出来事であったと言われていました。

 その後、この両親がマスコミに公表した同学区教育アカデミーとのやり取りの手紙は120通以上にもおよび、そのうえ、その内容が息子がいじめにあっていることを訴え続けている両親に対して、脅迫状めいた・・というか、脅迫そのもののような手紙を数度にわたり送っていました。数度にわたりとは、過小な言い方で後の調査によると、その半数近くが、この被害者の親に対しての手紙としては、看過できない不適切なものであったことが判明しています。

 息子のいじめ問題を心配した両親は、まず、現場となっている学校に相談し、書簡も送っていますが、数度にわたるアクションにも学校側の対応が見られず、警察に告訴状を提出するとともに、学校に対しても、「数度にわたる訴えに対しても、何も対応してくれないため、告訴状を提出した。息子に万が一のことが起こった場合はあなた方の責任だ」というような内容の手紙を送っています。

 この手紙に対して、学区アカデミーは、この両親からの手紙を「国家教育部門に対する嫌がらせ」であり、中傷的な告発を処罰する条項に言及し、懲役5年と罰金4万5,000ユーロの罰金が課せられると説明。 さらに保護者に対し、「今後は教育界のメンバーに対して建設的で敬意を持った態度をとること」を勧告し、「必要であれば、国家安全保障だけでなく公教育サービスが適切に機能するために必要なあらゆる措置をとらざるを得なくなるだろう」と逆に脅迫する内容の手紙を送っていました。

 これらのやり取りが続く中、家庭内において、いじめの被害にあっていた少年は、いじめの被害に遭い続けながら、それと闘おうとしてくれている両親の憤りを目の当たりにし、絶望していったのではないかと思われます。

 「万が一のことが起こったら、あなた方の責任だ!」というのは、かなり強い文面ではありますが、しかし、思いつめている息子を見守りながら、訴えているのに、学校側が何のアクションもとってもらえない両親からしたら、当然でもあります。

 結果的には、何より、万が一のことが起こってしまったのですから・・。

 充分な対応もせず、いじめ問題の存在もはっきりと解明せずに、逆に訴えを起こしている両親に対して、「国家教育部門に対する嫌がらせ」であり、さらに、刑法まで持ち出して、黙れと言わんばかりの脅迫状めいた手紙を送るなど、もってのほかのおそろしい話です。

 この事実が明らかになり、政府が動きだし、この教育アカデミーの送った手紙を「恥の手紙である」と凶弾し、詳細の調査が開始され、アカデミーの責任者は辞任しました。

 いじめ問題などをただす役割であるはずのアカデミーがこの問題を抹殺しようとし、黙れとばかりに脅迫状じみた書簡を送っていたということは衝撃的な事実です。

 いじめ問題は、まず、事実を学校側が認めなければ、解決には向かえないはずなのに、この問題に関しては、まず、事実を認めるという第一歩が大きなハードルとなっている気がします。

 失われた命は戻ってきませんが、このアカデミーの現状がマスコミの手によって、明かになり、凶弾されたことで、こんな対応は社会的に許されないということが、多くの教育関係者に周知され、このようなことが、二度と起こらないようなきっかけになってくれればと思います。

 やっぱり、マスコミは、弱者の叫びを代弁し、社会に訴えかける正義の味方であってほしいです。


いじめ問題


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2023年10月23日月曜日

ヴェルサイユ宮殿 8日間で7回の避難勧告

  


 イスラエル問題が勃発して以来、あちこちで爆破予告が続き、翻弄されている感がありますが、中でもヴェルサイユ宮殿では、昨日も爆弾警報発令で、観光客が避難、退去を求められ、なんと、避難勧告は、この8日間の間で7回目であったことがわかっています。

 8日間で7回目ということは、ほぼ毎日ということで、ハタから見る限り、オープンするのもどうなのか?と思ってしまいます。しかし、これで閉館にしてしまえば、テロに屈することになってしまいます。


 このうち、水曜日の爆破予告については、電話による爆破予告とのことで、すでに、37歳の精神疾患を患っている男が犯人として特定され、逮捕されているようです。これまでに犯罪歴はなかったというこの男、37歳で無職、両親と同居というフランスにしたら、珍しい感じではありますが、統合失調症とのことですが、刑事罰の対象とされるそうです。

 法務相の発表によれば、この間の爆破予告のための捜査は22件にも及んでいるそうで、ほぼ毎日の爆破予告のための避難勧告だけでも驚きなのに、それが、22件ともなれば、一日に複数の爆破予告があるということで、ヴェルサイユ宮殿だけでの話ではないでしょうが、パリ中が翻弄されている感じもあります。

 これらの爆破予告は、電話によるものや、SNSによるものなど、脅迫手段としては、比較的、簡単に行えてしまうものではありますが、法務省は、これに対して、これらの犯罪は、「最高2年の懲役と3万ユーロ(約500万円)の罰金が課せられる可能性がある」と警告しています。

 年間来場者数800万人といわれるヴェルサイユ宮殿、パリを訪れた人は、ヴェルサイユへも行きたいと旅程に組み込む方も多いと思われますが、せっかくの時間を割いても、現状では、結局、追い出される可能性も高いため、残念ながら、ヴェルサイユ宮殿観光は、避けた方が賢明かもしれません。


ヴェルサイユ宮殿 避難勧告


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2023年10月22日日曜日

クレジットカードが使えない! 複数の店舗でカード払いが不可能に・・

  


 もう、ここ数年、私は、ほとんど現金を持ち歩かないようになっています。たいていのお店では、クレジットカードで支払いが済むため、いちいち、現金をおろして、現金で支払う必要はないのです。

 フランスでは、このカードでの支払いは、コロナ禍でより一層進んだ気がしています。たまに、カードでの支払いは、20ユーロ以上のみ・・などというお店があったりもしますが、それさえも、今はもう、ほとんど見かけません。

 最近では麻薬や薬物に関する違反もその場でカード払いになっています。

 あまりに小さい買い物の際には、現金を使うこともありますが、そのためにお財布に入っている現金は、せいぜい20ユーロ程度です。治安もあまりよくなくて、高額の現金を持ち歩くのは、決して賢明とも思われず、仮に、スリなどに遭って、お財布を盗られたりしても、カードはすぐにストップすればよいし、被害を最小限に食い止めることができます。

 最近は、バゲット1本でさえも、カードでOKの場合は、カードで済ませてしまいます。

 そんなフランスで、土曜日の午後に、複数の商業施設でこぞってクレジットカード払いがストップしてしまったそうで、カーフールなどのスーパーマーケットをはじめとして、IKEA、マクドナルド、DARTY(電化製品のチェーン店)、オーシャン(スーパーマーケット)、Leroy Merlin ルロワメルラン(DIYショップチェーン店)、そしてSNCF(フランス国鉄)までもが同じ問題が発生して、大混乱に陥りました。

 今は、何か事件が起こるとX(Twitter)などで、その状況が拡散されますが、今回も、カーフールに買い物に来たけれど、カード払いができずに、店内が大混乱に陥っているという投稿に続いて、同様の投稿が浮上しはじめ、この問題が明らかになりました。

 フランスでは、多くのお店が日曜日には、閉店するために、買い物は土曜日に集中します。そんな土曜日にこのカード問題が起こったのでは、店舗側としても大損害に違いありません。

 最近のオートレジには、カードオンリーなどというものもあるので、当然、現金での支払いのための大行列ができたり、その場で買い物を諦めて、商品の入ったカートをそのまま放置していく人々も・・。

 さんざん、時間をかけて、商品をカートに集めて、いざ支払いとなったら、カードが使えないなんて、多くの人はカード払いを前提に買い物に来ているために、現金の持ち合わせがない場合は少なくありません。

 今回の事故?に関して、銀行カード経済利益団体 (GIE CB) は、即時にこの問題について、「これはサイバー攻撃でもCB決済ネットワークの問題でもない」ことを強調し、「同じ技術サービスプロバイダーに依存している特定のブランドに限定された事件です」と説明しています。

「すでに問題を特定されており、解決されつつありますが、CBは銀行、加盟店、その他の決済ブランドと同様に影響を受けるため、これ以上の詳細については、言及できません」と付け加えています。

 こんな話を聞くのは初めてのことですが、こんなことも起こり得るんだということを知っていれば、心の準備はできるというものです。また、いざとなったら、さらに逆もどりして、小切手一枚を持っておくというのもアリかな?などとも頭をかすめます。

 しかし、スーパーマーケットなどの前払いのお店ならばともかく、レストランなどだったら、どうしたんだろうか? お店側の場合、前もって知らせてくれなければ、困っちゃうかも・・? しかし、知らせてくれたところで、わざわざ現金をおろして、買い物に行くとか、食事に行くとかいうことが、すごく億劫な気がしてしまいます。

 全く、ラクなことには、すぐに慣れるくせに、それがもとに戻ってしまうことには、非常に抵抗を感じるのですから、しょうがないもんです。



クレジットカードシステム機能不全


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2023年10月21日土曜日

冬に向けてのワクチン接種

  


 毎年、秋が深まり、気温が下がってくる季節になると、しっかりやってくる「ワクチン接種を受けましょう!」というお知らせというか、招待状? 予防接種は、軽く?罹患するような状態になるため、予防接種後は、逆に体調を崩したりするので、私は、長いこと敬遠していました。

 それが、パンデミック以来、たしか、2年目からだったと思いますが、コロナウィルスもまだまだおさまっていなかった頃、インフルエンザに罹ったうえに、さらにコロナウィルスにまで感染してしまったら、さぞかし、苦しいだろう・・と思い始め、ここ数年は、インフルエンザの予防接種を受けていました。

 案の定、昨年、インフルエンザの予防接種をした後には、体調を崩し、微熱が続いたりして、けっこう辛かったので、今年は、どうしたものか?と迷っていました。

 いつも飲んでいる薬の処方箋をもらいに、3ヶ月に一度はかかりつけのお医者さんに通っているので、その際にでも、コロナウィルスの追加ワクチン接種とともに相談してみようと思っていたのです。

 ちょうど、先日、そのかかりつけのお医者さんに予約がとれたので、ワクチン接種の通知を持ってでかけると、待合室に入ろうとしたところで、「マスクをしてください!」と言われて、これは、また、久しぶりにマスク着用を求められて、ちょっとビックリ!

 診察の際に、「また、コロナウィルス感染、増えているの?」と聞くと、「もう、毎日、毎日、必ず、感染している人が後を絶たない・・」とのこと。

 最近は、もうすでに、パンデミックについては、ほぼ終了したような感覚でいて、感染者数なども発表されなくなって、秋のはじめに、「再び感染者数上昇!」などというニュースをそういえば、見ていたのに、慣れというのは、恐ろしいもので、もう、ちょっとやそっと感染者数が増えたくらいでは、「あ~また増えてるんだ~」などと思う程度で、あまりピンときていなかったのです。

 ところが、医者に来て、「マスクしてください!」などと言われると、途端にそれは現実味を帯びた問題として感じられ、「やっぱりヤバかったのかも・・」などと、ちょっとビビるのでした。

 一応、お医者さんに相談すると、この冬、旅行したりするのだったら、余計に両方とも、その前にした方がいいと言われ、さっそく翌日に予約すると、その日のうちにワクチンを薬局でもらって、まずは、インフルエンザの予防接種をしたのでした。

 コロナウィルスワクチンについても、変異種対応のワクチンになっているし、以前にしたワクチンからはもう、かなり時間が経過しているから、変異種対応のワクチンをしなおした方がよいとのことでした。(私の場合は心臓に少々問題があるし・・)

 「去年、インフルエンザの予防接種の後に熱を出したんですけど・・」と言ったら、ドリプラン(解熱・鎮痛剤)も処方してくれました。

 ところが、薬局に行くとワクチンはあるものの、ドリプランは在庫切れとのことで、品切れなら、すぐに注文してくれれば、明日には受け取れるのかと甘く考えていたら、生産が間に合っていないとのことで注文も不可能とのこと。

 フランスでドリプランといえば、知らない人はいないほどの薬で、何かといえば、ドリプラン。風邪をひいても、コロナにかかっても、「とりあえず、ドリプラン飲んどけ・・」みたいなところのある国民食ならぬ、国民的な薬です。

 そのドリプランの在庫がなくなっているということは、それだけ需要があるということで、やっぱりワクチン接種はした方がよいのかと、また、また、自分に言い聞かせるのでした。

 コロナウィルスのワクチンとインフルエンザのワクチンは、少し時間をあけてした方がよいとのことで、コロナウィルスのワクチンは、10日後になりました。

 お医者さん曰く、来年には、インフルエンザとコロナウィルスの混合ワクチンが出るから、一回で済むとのことで、今後は、毎年、冬のはじめにやってくるインフルエンザワクチンと同等の扱いになるような感じです。

 長いこと、ワクチン接種は、できれば避けて通りたいと思っていた私ですが、こうなったら、もうとりあえず、できるワクチンはやっとこうか?くらいに思うようになりました。いいのか悪いのか、よくわかりませんが、これも、感覚的な慣れかもしれません。

 いずれにしても、近くにこうしたことを含めて、フランクに相談できる、時には余計なおしゃべりまでできる信頼できるかかりつけのお医者さんがいるということは、海外生活においては、とても心強いことです。


インフルエンザワクチン接種 コロナウィルスワクチン接種


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2023年10月20日金曜日

エシレバターが小さくなった!

  


 日本に一時帰国することにしているために、そろそろ、買い物に行く度に、お土産に良さそうなものを物色し、値段をチェックしたりしています。

 一時帰国する際に、頭の痛いことは、お土産のことで、もう20年以上、数年、間隔があいてしまったこともありましたが、年に数回、行くこともあった年を入れれば、最低でも1年に一度の割合で日本に行っているわけで、少なくとも20回以上、ありとあらゆるお土産は持っていき尽くし、もうネタも尽きた感じで、おまけに近年は、生ハムなどの肉製品が持ち込めなくなってしまったので、最近は、めっきり、チーズやバターなどの乳製品を中心にもっぱら、食料品に偏りがち、時々、化粧品・・といった感じで落ち着いています。

 中でも、一番、みんなが確実に喜んでくれるのは、エシレバターで、日本では恐ろしく高く、また、誰でも使うものであり、あまり人を選ばないため、とりあえずは、毎回、少し多めに買っていきます。

 だいたい、モノプリ(Monoprix)などのスーパーマーケットならば、どこにでも売っているので、調達するのも楽ちんですが、お店によって、値段が違うので、一応、前もって、チェックしたりしているのです。

 なにせ、けっこうな量を買うために、一度、モノプリのレジで、バターを並べたら、レジをやっていた男の子に「バター好きなんだね・・」と呆れられたこともあります。

 そんなわけで、つい先日、モノプリに買い物に行った際に、お土産になりそうな食品を探しながら、ついでにエシレバターの値段をチェックしようとバター売り場を覗いてみたら、エシレバターの小さいサイズのものが、さらに小さくなっていて、「ちっちゃ!」と驚いてしまいました。

 インフレで、全ての商品が値上げしている中、容量を減らして、値段の上昇を抑えているという話は、聞いていましたが、まさかエシレバターまでとは・・。しかも、袋にガサッと入っているものなどなら、わかりにくいのですが、バターの場合は、内容物ピッタリに包装するため、容量を減らすと、ものすごく目立つわけです。なかなかインパクトのある大きさの変化です。

 通常のバターのサイズは250gのものがふつう、ハーフサイズのものは、125gですが、エシレバターの小さいサイズは、以前は125gだったものが100gとなっていました。表示に誤りがあるわけではないので、文句のつけようはありませんが、この内容量を減らして価格の上昇をおさえるやり方が、どの程度、効果があるのかは疑問などころですが、ちょっと衝撃的でした。

 ただちに、他のメーカーのバターのハーフサイズを見てみると、他のものは、通常どおりに125gのままで、なんで、エシレバターは、この方法をとったのか?疑問です。

一般的なバターはハーフサイズでも125gのまま


 そもそも、エシレバターは一般的にフランス人が買うバターよりも、ちょっと高価です。このエシレバターを購入する人々が25g分の値段の上昇を気にするかどうかは、非常に疑問ではあります。

 そのうえ、もともとハーフサイズは、通常サイズに比べて割高でもあり、割高なことを承知で買っているわけです。

 最近のハイブランドパティシエなどのインフレ全く関係なしの堂々たる価格設定を見ていると、なぜ?エシレバターたるもの、こんなセコい真似をするのか、少々、疑問でもあります。

 しかし、そもそも、エシレバターは、それほどフランスでは日本のように奉られているわけでもなく、意外と知らない人も多いくらいで、そんなに大勢に影響はない気もしますが、あまりに目立つ、内容量削減に、これからは、他のものの、内容量にも気をつけなければ・・と思ったのでした。


エシレバター


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