2024年4月5日金曜日

2026年 永遠の汚染物質 PFAS 製品を禁止する環境保護法案採択

  


 PFAS(パーフルオロアルキルおよびポリフルオロアルキル)は、人工的に作られた有機フッ素加工物の総称で、その非粘着性、防水性、耐熱性が高く評価されており、特に繊維製品、食品包装、消火泡、非粘着コーティング、化粧品、植物検疫製品、半導体、インクなどの多くの日常生活で利用される製品の多くに使用されています。

 PFAS は化学的安定性により環境中での分解が限られているため、体内に摂取した場合は、体外に排出されにくく、蓄積され、それらが廃棄物として排出された場合は、私たちが飲む水、土壌、空気、海に広がり最終的には食物連鎖に入ります。 母乳を介した乳児への感染も現在では証明されていると言われています。

  欧州環境庁によると、PFAS は、ほぼ確実に、内分泌かく乱作用に関連したさまざまな影響、つまり免疫機能の変化、腎臓および精巣がん、肝障害、コレステロール増加を引き起こすだけでなく、胎児の発育にも影響を及ぼすとされています。

 また、国際がん研究機関(IARC)は、PFOAを「人間に対して発がん性がある」、PFOSを「発がん性がある可能性がある」と分類したと、2023年11月30日付のランセット・オンコロジー誌で発表しています。

 国際的には、ストックホルム条約の枠内で、特定のPFAS(PFOS(パーフルオロオクタンスルホン酸)、PFOA(パーフルオロオクタン酸)、PFHxS(パーフルオロヘキサンスルホン酸)はすでに禁止されています。

 フランスでは、2024年2月、PFAS汚染は公衆衛生上の懸念から政府委託の報告書は当局に対し、PFAS汚染を調査し、これらの汚染物質の「産業排出を緊急に停止する」よう求めていました。

 PFASが使用されている製品やこれに汚染されている製品をみれば、どれだけ私たちの日常生活に浸透してしまっているかを考えると恐ろしいかぎりですが、ひとまず、今回のフランスでの環境保護法案で2026年には禁止されるのは、衣料用繊維製品(その他の繊維製品は2030年)、ワックス製品、化粧品とされています。

 この PFASで一番に思い浮かべるいわゆるフッ素加工のフライパンなどの台所用品は、その最大手であるSEBグループ(ティファールなど)による大規模なロビー活動により、代替品の欠如や無害の主張、過剰転置などを理由にこの禁止製品枠からは外されていることは、どうにもしっくりしないモヤモヤが残るところではあります。

 しかし、この PFASの有害性についての知識をある程度、持っていれば、たとえ、販売されていても、消費者はそれを利用するか否かは自分で選択することはできます。

 ル・モンド紙とフランス・インフォ紙が公表した調査結果によれば、先日、別の問題でスキャンダルとなったミネラルウォーターにも含まれているということです。

 このような問題に神経質になり過ぎると、もう食べてもよいもの、利用してもよいものが非常に限られてくるような気がしてしまいますが、やはり、体内に蓄積され、排出、消去する技術が存在しないとなると次世代の子どもを産んで育てていく若い世代にとっては、無視できない極めて深刻かつ重大な問題でもあり、小さい子どもを持つお母さんたちは、注意してあげないといけないだろうな・・と思うのです。

 この PFAS問題だけでなく、より良いものを開発して進歩していたつもりが有害だったり、環境を破壊していたということは、けっこう多くて、それを戻すって大変だな・・と思うことが最近、多いなと思うのです。


2026年 PFAS 製品禁止


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2024年4月4日木曜日

タクシーの運転手さんによると今年の夏はタクシーが大幅に減るらしい・・

  


 私はふだん、パリ市内かせいぜい、ごくごくたまにパリ近郊くらいしか移動しないので、ほぼタクシーというものに乗ることはありません。私がタクシーに乗るのは、日本から帰ってきた時にあまりに荷物が多いために、空港から乗るときくらいなものです。

 ヨーロッパ内を旅行してきた時は、そんなに荷物も増えないので、タクシーを使うまでもないのです。

 今回も空港からの帰り道はタクシーで帰ってきました。まず、驚いたのは、空港のタクシー乗り場の行列で、こんなにタクシー乗り場に行列していることも珍しいほどの行列でした。とはいえ、少し待っていれば、空港にはタクシーが集まってくるので困るほどではありません。

 長旅の末、無事に荷物を受け取れてホッとしつつも、ガックリと疲れが出てボーっとしながら、ようやくタクシーに乗って家の場所を言うと、車はスムーズにスタート。

 夜だし、スイスイと家に着くだろうと思いきや、なんと途中で渋滞にひっかかり、車はノロノロ運転。今、別のルートが工事中で閉鎖されているために、いつもは他の道を通る車が全部こっちに来ているために渋滞しているのだとか・・。

 高速まで工事で閉鎖とは・・そういえば、オリンピックの交通規制のために高速道路のレーン規制をするという話をしていたので、それだったのかもしれません。

 そのあたりで、運転手さんとの話が始まり、ここ数週間でフランスでは何か変わったことはありましたか?」と聞いてみると、「マクロンがとんでもないことを言って騒ぎになっている・・明日には、戦場に行かなくちゃならないかもよ・・」などと半分冗談めかして話してくれました。

 マクロン大統領が「戦場に派兵の可能性も排除しない」と発言して、国内だけでなく、海外からも批判を受けていたのは、私が日本に出かける前のこと。また、何かさらに過激なことを言ったのだろうか?と思いきや、それを補強するような発言はしていたものの、運転手さんにとっては、その発言がよほど、衝撃的であったのではないかと思われます。

 彼曰く、「マクロンは狂ってる・・」と。

 そして、タクシー乗り場の行列の話をしたら、実はタクシーの台数がそもそも減っているのだ・・という話。インフレや環境問題のための様々な規制によりタクシー業界もけっこう厳しいのだとか・・。

「オリンピックの時なんて、みんなバカンスに出ちゃうから、もっともっと減っちゃうよ・・」とのこと。オリンピック関係者や観光客が膨れ上がることでタクシーの利用客も相当数増えるだろうに、タクシー減っちゃうの? 日本人ならば、書き入れ時とばかりにタクシーも増えるだろうと思うのは、ここでは違って、「いろいろと規制もうるさいし、だいたい夏のバカンス期間中に仕事なんてやってられるか!」となってしまうみたいです。

 いつもの何倍もの観光客がどんどんフランスに入ってきて、恐らく、いつもよりも数倍厳しいセキュリティ体制がとられているであろう空港からものすごい数の人が出ていかなければならない状態で、その、ものすごい数の人が空港に溜まってしまうことがあっても大変です。

 空港からの移動手段は電車やバスもあって、タクシーだけではないにせよ、タクシーを利用しようと思う人はかなりいるであろうに、まず国の玄関である空港を考えても、大変な状態に陥ることは、必須ではないかと思うのです。

 パリに着いたとたんに、また戦争の話とオリンピックの話か・・と急にフランスに戻ったことを実感させられる感じがしたのです。

 日本でのクタクタになりながらも、久しぶりに会えた友人や親戚との楽しく美味しかった時間にどこかフワフワした気持ちでもあった私は、そんな話題を続けたくなくて、運転手さんに、「どちらの方ですか?」とか、「お子さんはいるんですか?」とか、おばさんチックな質問をして、話を切り替えたのでした。

 運転手さんは、アルジェリアの人で、子どもは上から「14歳、12歳、8歳、5歳・・」と言うので、思わず「えっ?4人も?」と驚くと、「4人なんて、ふつうでしょ!僕は日本人じゃないから子供は一人だけとか言わないからね・・」と言われ、「一人だけでもいればまだまし、子どもゼロの人も多いから・・」となんだかフォローになっていない切り返しをしたのでした。

 しかし、現実的にこの夏の、特にオリンピック期間中のタクシー問題、政府はどうするつもりなのでしょうか?・・強制的に働けなんて言えないだろうし・・だからといって白タクに頼るわけにもいかないだろうし・・とちょっとお手並み拝見という気がしています。


パリオリンピック期間中 夏のタクシー


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2024年4月3日水曜日

帰仏早々の歯医者さん 日本での食べすぎの報い

  


 日本滞在から帰仏する前夜のこと、家で食事中、フランスではあまり食べられない焼き魚を食べ収めとばかりに欲張って、何種類も焼いて、いちいち感動し、噛みしめながら食べていたところ、噛みしめ過ぎたのか、突然、なんかガリッと妙な金属製のものをかじった違和感があり、「えっ?今のなに?魚の骨?って感じとも違うし・・」と口の中に残った小さな欠片をつまんでみたら、なんと奥歯の詰め物がとれてしまったのでした。

 前回、歯医者さんに行ったのは、左側の奥歯のインプラントで、相当な時間もお金もかかったうえに、痛い思いもして、もう絶対に歯医者さんに行きたくない!と気を付けて、念入りに歯磨きをするように心がけてきたのに、久しぶりとはいえ、また歯のトラブル。

 しかし、日本に一時帰国中は、ふだんの生活の何倍もの勢いで食べていたので、当然、歯を酷使し続けてきたためにこのような事態に陥る原因としては思い当たることがあり過ぎるわけで、せめて、これが帰仏寸前の出来事でよかった・・と思ってもいたのでした。

 以前、インプラントにまでしなければならなくなったのは、歯医者さんに行きたくなくて、放置していたことが仇となって悪化した挙句のことで、今度は帰仏したら、すぐに歯医者さんに行かなくては・・と、落ちてしまった歯に詰めてあった小さな金のかけらを大事にしまいながら、心に決めていたのでした。

 そして、フランスに戻って早々に歯医者さんに電話したら、思いのほか早く予約がとれました。

 今まで大病といえるような大病もしたことない私にとって、気が重い検査などは数々あれど、歯医者さんというものは、かなり嫌な場所(その歯医者さん自体が悪いというわけではなく、歯医者さんというもの、歯の治療というものが嫌い・・というより大嫌い)、もう予約してある当日は、歯医者さんに行くというだけで、もう病人のように具合が悪くなっている気がするのです。

 今回は、別に歯の詰め物がとれたというだけで、感覚的には痛くもかゆくもないのですが、歯医者さんに行って、またガリガリやられることを想像するだけで、こんなに具合が悪くなるものか?と自分でも情けなくなるのですが、事実なので仕方がありません。

 久しぶりの歯医者さんは、こともなげに明るく「サヴァ?(元気?)」と挨拶してくれるのですが、大人げないことながら、私は思い切り不機嫌で「サヴァではないから来てるんだろうに・・」とか思いながら、答えにつまって自分でも仏頂面なのがわかるほど。

 一応、「詰め物がとれてしまって、そのとれてしまった詰め物も持ってきてはいるんだけど・・」と説明したものの、そのとれてしまった欠片には一瞥もくれずに、歯をチェック。

 いつものことながら、明るすぎるライトにもうまな板の鯉の気持ちで目を閉じ、口をあけます。考えてみれば、従姉妹の旦那さんは歯医者さんなので、日本にいる間だったら、彼に診てもらえたかも? そうしたら、もう少し気がラクだったかも・・?などと思うも、時すでに遅し。

 結局、レントゲンをとったり、詰め物がとれてしまったところをまたさらにガリガリ削られて、応急処置だけをしてくれたところで、初日は終了しました。

 これからさらに気が重いのは、その治療方法の選択と請求書。今回は奥の奥でもあり、目立たない場所でもあり、「最大限保険でカバーできる範囲でお願いします」と話してきましたが、今後、どうなることやら・・。

 今回の一時帰国の初旬は時差ボケがひどくて極端な睡眠不足でいつものような食べ物に対して盛り上がらなくてつまらないな・・などと感じていたものの、時差ボケが解消されるとともに、しっかり挽回して盛り上がって食べまくってきたので、このような報いを受けることも充分にあり得ることではあったのですが、なにかと高くついた今回の一時帰国でした。


フランスの歯医者さん


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2024年4月2日火曜日

高齢者の一年の変化は大きい

  


 小さい子どもは1年会わないと「うわ~っ!大きくなったね~!」とびっくりしたりしますが、高齢者の1年もけっこう大きくて、「えっ??」と驚かされることも少なくないことに、ここのところ日本に一時帰国するたびに感じます。

 現在の私の周囲に関しては、正直、小さい子どもはいないので、後者の方の驚きばかりで、あまり先が楽しみという感じでもありません。

 誰でも年齢を重ねていくので、仕方ないといえば、仕方ないのですが、ここ数年は、周囲の叔父・叔母たちの多くは80歳以上が増えてきて、やはり80を過ぎると1年1年の老化、変化はかなり大きいのだな・・とちょっと愕然とすることもあります。

 叔父の一人は、急に腰が曲がってしまっていたり、ふつうに歩くのでさえも、ちょっと危なっかしい感じだったり、会話が成り立たなかったり、明らかに人の話を聞いていない感じだったり、妙に頑固だったり・・とハッキリ言えば、一目瞭然な老化ぶりにかなりショッキングだったりもします。

 90を過ぎた叔母に関して言えば、ここ1~2年で大きく変わり、以前から外出の際に杖を使っていたりしたので、家の玄関先で顔を見たりする限りはそんなに変化はないような感じも受けるのですが、従姉妹曰く、寝たきりの生活にはなっていないものの、一人で転んだりすると、もう一人では起き上がれない・・とのことなので、かなり心配な状態です。

 認知機能に関しても、私が日常的には隣に住んでいないということがどこまでわかっているのかいないのか? 娘と混同しているのか? 顔を出しても「うわぁ~○○ちゃん(私のこと)そっくりね!」などと言われてしまったときには、返事に困りました。

 それも、まあまあふつうの極めて妥当な会話が成立することもあるので、日によって差があるみたいです。何よりも性格的に非常に明るく社交的であったキャラクターがそうではなくなってきて、表情が乏しくなってしまったような気がします。

 2年くらい前だったか、私が日本に一時帰国していて、フランスに帰るとき、「また、しばらくは日本には来れないと思うから、おばちゃま元気でいてね!」というと、「元気でいたいけど、あんまり自信がないわ・・」などと寂しい返事が返ってきて、その時はその時で、心配にもなったのです。

 今回は今回で、フランスに帰る日の朝、従姉妹がかいがいしく、色々、荷物を出したりするのを手伝ってくれたりして、タクシーが来るまでの間、立ち話をしていたら、叔母が杖をついて、出てきてくれて、「え~?おばちゃま・・大丈夫?危ないよ・・」と言いつつ、私がフランスに帰ってしまうことは理解してくれているようで、やはりわざわざ見送ってくれようとしていることは恐縮してしまうような、でもやっぱり嬉しかったりもしました。

 また、いつものように「今年はもう帰ってこれないと思うけど、おばちゃま元気でね・・」と言ったら、「ハイハイ!私はいつも元気でいますよ!」みたいな返事が返ってきて、昨年よりも事態は深刻になっている感じなのに、あまりその事態を不安に感じるということもなくなってしまったのだろうか?などと、逆に心配にも感じてしまうのでした。

 私の両親は、すでに他界してしまっているので、両親はそれ以来、私の中で歳をとっていかないのですが、両親の兄弟姉妹たちは、両親の年齢を遥かに超え始めた頃から、ぐんぐん老化が顕著になっていく感じに驚くのです。

 もちろん、個人差もあるのですが、身体的なことや認知機能的なことはもちろん、性格的な面もどんどん凝縮されていく感じも、自分がどう歳をとっていくべきか?また、自分がこのようにありたいとか考えることができる年齢にも限界があるのかな?とか、考えてしまいます。

 特別なことがない限り、恐らく少なくとも年内中に日本に行くことはないと思うのですが、次回に日本に行った時、彼らがどんなふうに変わってしまっているのかと思うとちょっと恐い気もします。

 これが小さい子どもの成長に驚くというのなら、どんなに嬉しいことかと思うのですが、小さい子どもは周囲には、全然いなくて老人ばかりというのも、やはりいかにも日本の縮図のようだな・・という気もします。


子どもと老人の一年


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2024年4月1日月曜日

イル・ド・フランス・モビリテ 2023年に発生したRER A,B,C,D,P 線の多数の遅延に対する払い戻し

  


 2023年に発生した多数の遅延を補償するために、イル・ド・フランス・モビリテは期間限定(2024年3月20日~4 月 17 日)で遅延補償キャンペーンを行っています。これは、RER A,B,C,D,P 線に関するもので、これにより、最大 126.15 ユーロの払い戻しを受けることができます。

 これは今年初めての試みではないようですが、遅延あたりまえのフランスで遅延に対しての補償を行うということで、ある意味、画期的な気もします。

 以前、あまりに長いストライキのために払い戻しではなく、次の月は割引になったことがあったような気がしますが、遅延に対する払い戻しはまた別レベルのことです。

 2023 年、イル・ド・フランスの公共交通網の一部の路線は定刻性の面で目標を達成できず多数の遅延が存在したことを補償するもので、これらの遅延はネットワークを近代化し持続的に改善するために必要な多数の作業が遅延の原因になっているとしています。

 これらの遅延に対する補償は主にパリ郊外線に関するもので、2023 年の少なくとも 3 か月間定刻性が 85% 未満であったすべての路線が払い戻しキャンペーンの対象となります。

 払い戻しは、Navigo(定期券のようなもの) 加入者であるイル・ド・フランス居住者であり、該当している路線に居住または勤務している場合に認められるとしています。

 払い戻しの手続きは全てイル・ド・フランス・モビリテの自分のアカウントから(ない場合はすぐに作れます)簡単にできるようになっています。

 もともと公共交通機関の定刻性といものにあまり期待しないようになっているし、どの程度の遅延を遅延と見なしているのかも疑問ではありますが、少なくとも遅延に対する払い戻しを行うというのは、遅延に対する反省が認められるもので、進歩だな・・と思います。

 私は、郊外線をあまり利用しないので、幸か不幸か今回の払い戻し対象にはなりませんが、どちらかといえば、特にここ1~2年、工事のために閉鎖されることの多いメトロの路線に対しても、ぜひ払い戻しを行ってほしいと思っています。

 このメトロの工事に関しては、代替バスなどが運行しているものの、全く充分なものではないうえに、利用しづらいもので、それこそ閉鎖のための迂回などのために、そのたびに大幅に時間がかかることになっているのでほとほと迷惑しています。

 このメトロの工事のための閉鎖に関しては、子どものバカンス期間中や夜間や週末などにしてくれてはいるのですが、それでも、もうこれでもか!というくらいの頻度で、しかも全線閉鎖せずとも部分的に少しずつやるとかもう少し乗客の迷惑を最小限にする方法はあるのでは?と思います。

 しかし、少なくとも遅延に対して、改善の兆しが見えることは嬉しいことです。

 


パリ郊外線 遅延のための払い戻し


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2024年3月31日日曜日

マッチングアプリ  ”ティンダー・レイピスト” 強姦魔の元写真家に懲役18年+永久国外退去命令

  


 「ティンダーレイピスト」と呼ばれる38歳のモロッコ人男性が、マッチングアプリ「ティンダー」を通じて知り合った女性に対する12件の強姦と3件の性的暴行事件で有罪判決懲役18年を求刑されています。

 この38歳の元写真家は、2014年から2016年にかけて、出会い系アプリ「ティンダー」を使って多数の女性を自宅に誘い込み若い女性たちを襲いました。 彼はモデルを探している写真家であると名乗っており、彼女たちに写真撮影を持ち掛け、巧に自宅に誘いこんで女性を襲うという同じ手口を数多くの女性に対して行っていました。彼の自宅ではアルコールが提供されると、その後、全員が異常な酩酊と体力の低下を訴えており、中には、薬物を投与されたと主張している女性もいました。

 被害者の女性たちは、事件当時20代前半の若い女性ばかりであり、この男性がモデルを探している写真家だと名乗っていたとしても、安易に男性の部屋にあがることも不用意でもあるし、そもそも相手をよく知らない出会い系サイトというものには、ふつうに出会う場合に比べて危険性が高いことは忘れてはいけないことを思い出させてくれます。

 この他に2件の告発がなされていましたが、2件の事件に関しては、証拠不十分として不起訴になっていますが、少なくとも17件の告発状が出されていることになります。

 彼はこれらの関係は合意のうえであったとか、そもそもそんなことは起こってはいなかったと主張し続けていましたが、2件の証拠不十分で不起訴になったケースを除いて15件に関しては有罪判決が下り、懲役18年の有罪判決となりました。

 この一連の彼のやり口は、計画的であり、連続的でもあり、極めて自己中心的で悪質であることから、懲役18年に加えてフランス領土から永久に離れる義務を伴っています。

 彼はすでにこの事件に対して2年半の公判前拘留を経て、写真家としての活動を禁止され司法監督の下で釈放されたのちにすぐに同様の事件を犯しています。

 再犯率が高いと言われるこの手の性犯罪で、司法監督下とはいえ、なぜ公判前拘留を中断して釈放してしまったのかは理解しがたいところです。

 今回の裁判にこぎつけるまで被害者の女性たちにとっては、長い闘いの日が続いていたようで、公聴会が数日間続くうちに、お互いを知らない被害者女性たちが近づき、お互いをサポートし、励まし合う姿が見られたと言います。

 この裁判で争われたのは、17件でしたが、恐らく告訴に及んでいない女性がまだまだ存在していると思われ、実際に今回の裁判で争われている事件以外にもすでに別の告訴状が提出されているそうです。

 マッチングアプリを全て否定するつもりはありませんが、危険人物も含まれているこんなケースもあるので、充分に気を付けてください。


マッチングアプリ レイプ


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2024年3月30日土曜日

帰仏前後のもろもろ・・どうやら、また時差ボケまっしぐら・・

  


 なにかとトラブルもあったものの、無事、日本滞在の全行程が終わって、帰仏に向けての最後のクライマックスは荷造りです。帰仏前日、九州から泣く泣く・・というか怒りながら別送した荷物がなんとか届きました。

 その荷物を加えて、ざっと来仏のスーツケースを計量して、23㎏に満たない分を最後に買い物に行って追加するつもりでいました。

 帰仏前日の朝、叔母から届けたいものがあるから、「午前中に家に行ってもいい?」と電話。今回の来日でまだ一度も会っていなかった叔母も一緒だというので快諾し、家でちょっとだけ彼女たちとおしゃべりしたあと、近所に食事に行くことに・・。

 親戚の叔父、叔母の中でも彼女たちは、叔母というよりもお姉さんのような存在のためにとっても楽しい食事とおしゃべりの時間を過ごしたのち、帰宅。

 一応、それまでに買い集めたものなどをざっくりとスーツケースを計量してみると、もうすでに23㎏に限りなく近いことがわかって絶望的な気持ちに・・。隣の従姉妹が最後の買い物に車で行ってくれることになっていたのですが、「もう荷物、かなりいっぱいで追加できないかも??」と泣く泣く告白。

 「あれもまだ買ってないし、これもまだ買ってないし・・」とこぼすと、「それじゃ、どうしても欲しいものだけを買って、選抜式にしたらどう?どうせ、入らないものを置いて行っても娘ちゃんがいるんだし・・」と。

 「そうだ!そうしよう!」とさっそく、二人で買い物へ。

 無事に買い物が済み、いよいよ本格的に荷造りをしていると、2階の部屋で仕事をしていた娘が下りてきて、「ママ!全然、甘い!まだまだ手荷物にたくさん移せるよ!」、「これもこれも、手荷物に移せるでしょ!」と。

 実のところ、娘もフランスにいて、一緒に帰国していた頃は、荷造りは彼女の担当で、彼女は実に効率よく上手く収めてくれていたのでした。彼女のアドバイスどおりになんとか荷物を手荷物とスーツケースに割り振るとなんとかその日に買ってきたものも全て持って帰れそうな感じになりました。

 しかし、グズグズ夜中まで荷造りにかかっているのを見かねた娘が結局、うまいこと荷造りしてくれました。もはやどちらがお母さんかわからない感じになっています。

 機内に持ち込む荷物には機内で食べるものも含まれています。最近、機内に持ち込んで食べるものの中でとても気に入っているのは、冷凍の枝豆で、最近の日本の冷凍の枝豆は塩味もついていて、自然解凍で食べられるようになっているので、飛行機の手荷物の中に忍ばせて置くと、飛行機に乗った頃には、解凍されてちょうど食べ頃になるのです。

 前回は、やけに羽田空港が混雑していたので、今回は3時間前に到着するように家を出て、娘に教わったGOタクシーというアプリでタクシーでリムジンバス乗り場まで向かい、そこからリムジンで空港まで。空港に着くとすぐにチェックイン。荷物を預けて一段落。それから、まだ最後にコンビニでおにぎりやサンドイッチなどを買い込み、保安検査場へ。

 保安検査場を過ぎたところで、免税手続き(今回も前回の戸籍の附票の写しとやらが使えたため、ユニクロで免税で買い物しました)、といってもパスポートをピッと通すだけですが・・。

 ここを過ぎたところで、やっとどうにかホッとして、日本の友人たちや従姉妹や叔母や娘に、無事に空港について、あとは乗るばかり、滞在中はお世話になりました・・というメッセージを送ったり電話したりしながら、ちょっとだけサンドイッチを食べたりコーヒーを飲んだりしていると、出発3時間前についたのに、あっという間に搭乗時間間近になっていました。私にとっては、出発3時間前に空港入りというのは、ちょうどいい時間のようです。

 飛行機はオンタイムで離陸するというアナウンスにエアフランスなのにオンタイム?と驚きました。機内のことは前のブログで書いたので割愛しますが、書き忘れたことが一つ・・。大したことではないのですが、食事と食事の間に後方のスペースに用意されている軽食(サンドイッチやマドレーヌ、チョコレートなど)の中に山積みのどら焼きがありました。

 CDG空港に着くと一応、ランダムに荷物をチェックされる場合もあるのですが、日本からの直行便に関しては、ほぼノーチェックが多いです。

 タクシー乗り場に向かうとけっこうな行列にびっくり。それでもなんとか家に着くと猫のポニョが熱烈歓迎でお出迎えしてくれました。また時差ボケだな・・と思っていたものの、飛行機でたっぷり眠れたにもかかわらず、しっかり夜も眠れて朝6時半に空腹で起床。

 まだまだ眠れると思いつつ、いやいやこれで寝てしまったら時差ボケになる・・と頑張って起きて、荷物を片付けつつ、Navigo(こちらの定期券のようなもの)をチャージしに行ったり、野菜や卵や果物などの買い物に行ったりして午前中を過ごしたあと、昼食をとり、一段落したところで、なんだかすごく疲れて、ちょっと横になろう・・と思ったのがまずかった・・。そのままぐっすり眠ってしまい、気が付いたら、夜の11時。

 「え~~~?」という感じ。途中で心配してポニョがニャーニャーないていた声が聞こえていた気がするのですが、まさかのもう夜中です。

 機内でもぐっすり眠って、その日の夜もぐっすり眠って、時差ボケ対策に向けてバッチリ!と思いきや、午後の時間までぐっすり眠ってしまって、どうやら、やっぱり時差ボケは必須状態です。


時差ボケ


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