2024年2月14日水曜日

日本の治安が悪化している・・とフランスでは報道しているけど・・

  


 「日本で驚くべき犯罪件数の増加!」というフランスの記事をみつけて、正直、半分は「おまえが言うな・・」という気持ちもあったのですが、反面では、ちょっとショックでもありました。

 なぜなら、これまで日本はとにかく「治安がよい」ことで有名な国であって、このような犯罪件数の増加を海外から取り上げられるなど、およそ、「らしくない」ことであったからです。

 「2023 年に日本で発生した犯罪および犯罪は 70 万件を超え、前年比 17% 増加」、これを精査すると状況の悪化がさらに明確に現れ、窃盗20%増、殺人と性的暴行は30%増、誘拐と人身売買40%増となっています。

 「この事実には、日本国民自身も、日本が安全な国であると考えている人の割合が10~20年前には80~90%であったものが、64%にまで減少していることからもわかります」とあります。

 また、「今年に入ってから1,500回以上の地震で壊滅的な被害を受けた能登半島で被害を受けた家屋への略奪が相次いだことにも垣間見える」としています。

 そして、この記事では、この日本の治安の悪化の原因の一つには、困難な経済状況にあると説明しています。「物価の高騰にもかかわらず賃金が上がっていない」、この物価と賃金の差による貧困化が、強盗や万引きの増加につながっており、この困難な経済状況は、カップルや家族内の関係にも緊張をもたらします。 これは家庭内暴力や児童虐待の増加によって証明されているとしています。

 多くの不安定な労働者が職を失っていますが、日本では非正規の雇用契約では、解雇後に失業手当を受け取る権利がありません。 警察によると、職を失った不安定な労働者のうち一定数が、「闇バイト」に走っているとも言っています。

 専門家によると、長年にわたる社会的距離の維持が精神的健康に悪影響を及ぼしており、死を決意するほど落ち込んでいるのに自殺できない日本人は数え切れないほどいます。 そして、一部の人は「無差別」または「無差別」殺人を行うことを選択します。 

 「つまり、彼らは知らない人を攻撃します。建物に放火したり、路上や電車内で人を刺したり、手製の爆弾を作って犯罪を犯したりします。その結果、それらの犯罪者は確実に死にます。日本では大量殺人の加害者は死刑を宣告されるのです。」と記事を括っています。

 私自身は、もう長い間、日本には住んでおらず、せいぜい年に1~2回くらいしか日本に行っていないので、日本の治安の悪さを実感することはありませんが、(むしろ、フランスの治安と比べてみてしまうので、なんて平和なんだとさえ思う・・)この記事の「なぜ?」という原因の部分を見ると、なるほどね・・と思うくらいです。

 たしかに、数年前までは日本での犯罪件数は減少し続けていたということを考えれば、増加に転じただけでも、大きな転換期でもあり得るのかもしれません。

 しかし、フランスでは、おそらく桁違いの犯罪が発生していて、犯罪もよりダイナミックで暴力的、また、簡単な犯罪はカウントさえ、されていないことは間違いありません。

 日本で「高齢の男性がおにぎり1個の窃盗で逮捕された」などという話を目にしたことがありますが、まあ窃盗といえば、窃盗で、犯罪ではあるのでしょうが、おそらく、これはフランスだったら、その場でお金を払うことを促されて、帰されるくらいで、よほどの常習者でもない限り、記録にも残っていないと思います。

 実際に、スーパーマーケットで万引きをして捕まっていたお客さんが、そのままレジに戻されて、お金を払うように促され、そのまま帰されているのを目撃したことがあります。

 スリやひったくりに至っては、あまりに危険な機会が多すぎて、被害に遭っても、注意が足りなかった・・と思わず被害者側が反省してしまいそうになるくらいです。

 破壊行為、暴動のたびに起こる放火なども、これもあまりに多すぎて、これらの犯罪を全て警察が追跡しきれているとも思えません。

 なので、フランスが日本の治安悪化を語るのは、お門違いというか、おまえが言うな!といった感じもするのですが、なんとなく、日本とフランスでは犯罪傾向が少々、異なるような気もしていて、日本の犯罪にはどこか陰湿さを感じるところもあります。

 そもそも、今、日本で大問題になっている政治家の不正な金銭問題。日本のトップのこの金銭問題の方が日本では、治安の悪化・・よりも重大問題、横領、脱税、政治資金規正法違反も立派な犯罪。

 なんなら、いっそのことフランスでもこっちの問題の方を取り上げてくれないかな?と思ってしまいます。


日本の治安悪化


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2024年2月13日火曜日

未成年の少女2人に売春を強要した3人が逮捕

  


 日本から、パパ活とか、立ちんぼとかいう話を漏れ聞くことがあり、驚いていましたが、フランスでも、未成年者の売春行為は社会問題になりつつあり、なかでも未成年者に対する売春強制行為の件数は過去 4 年間で 6 倍に増加していると言われています。

 この売春行為には、様々なケースがあるようで、今回のケースは、未成年の少女たちを誘拐してアパートに監禁し、売春行為を強要していたという残酷なものでした。

 被害に遭ったのは、15歳と17歳の少女で、パリ19区のアパート内に監禁され、売春を強要されていました。この少女たちは、家出していたそうですが、1月半ば過ぎに父親に「自分は今、誘拐され、監禁されている」と助けを求める電話をしており、この娘の携帯電話の位置情報から、居場所を突き止めることに成功し、パリ19区の警察官とパリ警察本部の未成年者保護旅団がアパートに突入しました。

 アパート突入時は、容疑者3人は酩酊状態で、ナイフを持って暴れて抵抗した模様ですが、警察がスタンガンで応戦し、3人の身柄の拘束に至ったと言われています。

 容疑者は、25歳と30歳の男性2人と22歳の女性の3人だそうで、女性が混ざっていることがさらに恐ろしいことです。

 しかし、売春行為はもちろんのこと、このような未成年を誘拐して、売春を強要するという事件は、珍しくはないようで、過去の事件を遡るとけっこうあることにさらに驚かされます。

 昨年の8月には、17歳の少年2人が14歳と20歳の女性を監禁したうえで、脅して売春を強要するという事件があり、1日に6人から10人の客が来ていたと言います。しかし、彼女たちには、報酬はなく、この17歳の少年でさえも別の人物に雇われて警備のような仕事をしていたにすぎず、この誘拐、売春強要は、組織的なものであったことがわかっています。

 調べてみると、14~15歳の売春強要事件は次々と出てきます。多くのケースにおいて、この少女たちは家出少女であることが多く、最初は金品のために、甘い言葉に誘われて、むしろ、お姫様気分にさえ陥っている場合もあるのですが、現実には、暴力、殴打、強姦、侮辱、唾吐きが待っており、暴力と脅迫により、完全に支配される力関係になっていきます。

 そもそも、常識的に考えてみれば、14~15歳の女の子がたとえ、一晩でさえも家に戻ってこなければ大騒ぎになるのが普通で、それが数日間、数週間、時には数ヶ月にわたり行方不明となれば、売春行為云々以前に大変なことです。

 それが売春を強制されて初めて親に連絡してきたり、警察に駆け込んで助けを求めるまで見つからないなどというのは、異常な話でもあります。

 しかし、こんな話で不謹慎ではありますが、売春も、需要と供給があって成立する話でもあり、それだけの客がいるということも見逃してはならない現実でもあります。

 1月初旬には、オー・ド・フランスで14歳の少女と親密な関係を持った疑いで13人の男が逮捕されています。

 まったく、家出少女、売春をする者、それを強制する者、そして、その客・・とどこから手をつければよいのか? どうしたら、こんなことになるのでしょうか?


未成年少女を売春強制


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2024年2月12日月曜日

小さな子供に生乳チーズを食べさせてはいけない

  


 ローヌ地方(フランス南東部)でモルビエ(生乳チーズ)を食べた2人の少女(1人は7歳、もう1人は生後18ヶ月)が大腸菌による感染症を引き起こし重篤な状態に陥っていることがわかりました。

 この感染症は成人にとっては重篤になることはほとんどありませんが、小児では重篤な症状を引き起こし、死に至る可能性もあると言われています。

 この事件を受けて、当局は子供の食事に関して予防策を講じることを推奨しています。

 この細菌は反芻動物の消化管に存在し、その肉や牛乳を汚染する可能性があり、溶結性尿毒症症候群(HUS)を引き起こす可能性があります。

 溶血性尿毒症症候群(HUS)は、成人にとってはそれほど危険ではありませんが、虚弱体質の人、特に高齢者や5歳未満の子供にとっては危険であり、場合によっては死に至る可能性があります。 フランスでは年間約160件の症例が記録されており、主に不十分に調理された肉や低温殺菌されていない乳製品が原因となっています。

 これを聞いて、チーズにそんな危険があったことに、今さらながら、身が震え上がる思いがしたのです。

 というのも、フランス人の夫は、大のチーズ好きで、「フランスには、何百、何千種類のチーズがあるんだ!この素晴らしい食文化をどうしても子供には教えなければならない!」と娘が小さい頃には定期的に違うチーズを何種類か買ってきては、娘に食べさせていました。

 残念ながら?娘はチーズが嫌いで、むしろ、小さい頃に様々なクセのあるチーズを無理矢理食べさせられたために、余計に嫌いになったきらいがあります。「嫌いかどうかは食べてみなければわからない!」と夫はひとくちでも食べてみろと娘に食べさせていました。その中に、モルビエも入っていたことは間違いありません。

 そのたびに、娘はひとくち食べるだけで、「ノン、ノン、ジェムパ・・」(嫌い)と言って、結局は、ほとんどは夫が食べていたので、そのうち私たちは、「チーズを食べたいパパが口実をつけて、チーズを買ってきているだけじゃん!」などと、冷たくあしらっていたために、しばらくして、夫はそんな娘へのチーズ教育をやめてしまいましたが、それでも、娘が小さい頃に食べたフランスのチーズの種類は相当数に及ぶと思います。

 しかし、結果的に、それでわかったことは、娘がチーズはあまり好きではないということで、今でも、娘が食べるチーズは、ほんの限られた種類のみです。

 今回のモルビエ事件を受けて、パリのトルソー病院(小児病院)の医長は、子供に食べさせてはいけない食品を説明しています。

 生乳から作られているルブロション、サレール、ブリー、ピコドン、ぺラドン、特定のカマンベール、モルビエ、モンドゴールドなどはNG。

 子供に食べさせてよいのは、エメンタール、コンテ、アボンダンス、グリュイエールなどの調理済みのプレスチーズ、スプレッド加工されたプロセスチーズ」や低温殺菌牛乳から作られたチーズであると例示しています。

 肉、特に牛ひき肉はよく火を通しておかなければならず、生乳、生乳から作られたチーズなどの乳製品は5歳未満の子供にたべさせてはいけないと説明しています。

 また、子供たちには、ピザ、ケーキ、パイ生地などの小麦粉を使った調理品を生または調理が不十分なものを与えないように勧告しています。

 そういえば、何年か前にブイトーニの冷凍ピザで食中毒事件があり、子供が数名死亡したことがありました。あの時も溶血性尿毒症症候群(HUS)と毒素産生性大腸菌(STEC)の感染症が原因でした。

 しかし、あの時は、むしろ、あの冷凍ピザ工場の衛生状態のあまりの酷さがクローズアップされていたのですが、考えてみれば、ピザ生地の調理具合は問題にはされていませんでした。

 いずれにしても、子供の食事には気をつけなければいけないことが多々あったにもかかわらず、私には、一応、常識的な、なんとなくの感覚があったのみで、詳しい知識はなく、大病をすることもなく娘が無事に育ったのは奇跡的なことだった・・と今さらながら、胸をなでおろす気持ちです。


生乳チーズ モルビエ食中毒


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2024年2月11日日曜日

パリオリンピックのメダルの特別感 デザインは高級ジュエリーブランド「ショーメ」が担当

  


 開催まで半年を切ったパリオリンピック2024の各競技で授与されるメダルのデザインが発表されました。

 これまで私は、オリンピックメダルのデザインなどについては、あまり注目したことはありませんでしたが、なるほど、これほどオリンピックにとって象徴的な存在のもの、こだわりをもって作られるのは、当然といえば、当然です。

 パリオリンピック組織委員会の発表によると、今回のオリンピックメダルは、パリオリンピックのプレミアムパートナーであるLVMH傘下の高級ジュエリーブランドの「ショーメ」がデザインを担当し、パリ造幣局が製造します。

 このメダルのデザインに関しては、非常に特別な注文であったために、「ショーメ」の内部においても極秘裏に進められ、この件について知らされていたのは5人だけだったと言われています。

 「ショーメ」のデザインというだけでもインパクト大なのですが、このデザインには、他にもパリオリンピックならではの特別な意味が込められています。

 メダルの表側には、フランスを想起させる六角形にパリ 2024 とそのロゴが描かれており、この六角形からメダルの金属を象った光線を発しているような比較的シンプルですっきりしたデザインになっています。

 この中で最も特別感があるのは、この六角形の部分(18g)にエッフェル塔の鉄が使われていることで、このエッフェル塔の鉄は、改修工事でエッフェル塔の破片から抽出されたもので、これまでパリ郊外の格納庫に密かに保管されていたものなのだそうです。




 オリンピックメダルには、勝利の女神アテナ ニケ、パナシナイコ スタジアム、アクロポリスの彫刻が国際オリンピック委員会 (IOC) によって課されていますが、パリ 2024 大会ではエッフェル塔のデザインを追加する例外的な認可を受け、パリオリンピックならではの特別感を演出しています。

 「ショーメ」はヴァンドーム広場に 250 年にわたって存在し、ギュスターヴ エッフェル自身も顧客だったと説明しており、 デザイナーは、20 世紀初頭に作成された結婚式や記念のメダル、ティアラの輝く外観、さらには 50 年代から 60 年代の六角形のエメラルドにインスピレーションを受けてデザインしたと語っています。

 こういったものに、色々と意味付けをして、講釈を垂れるのは、フランスのお家芸の一つでもあるような皮肉な受け取り方もしてしまうのですが、最も注目を浴びるオリンピックのメダルですが、意外にそのメダル自体は、そのこだわりほどには注目されていないな・・などと、いじわるなことも思うのです。


パリオリンピックのメダル 


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2024年2月10日土曜日

現在フランスで起きているMe too ラジオ番組人気司会者の性加害告発続々浮上

  


 昨年の11月に、ある女性が2014年から2022年にかけて、彼女に対して性的暴行行為を行ったとして人気ラジオ司会者を告発しました。彼女は現在25歳ですが当時は16歳の未成年でした。

 番組の場で彼女を見つけた司会者は、オーディションをするといい、彼女をスイスに来るように呼び出し、彼女は、姉夫婦とともにスイスに出向きました。

 待ち合わせたホテルの階下で姉夫婦とともに待っていた彼女に司会者は、部屋でテストを行うといって、姉夫婦には待っている間、でかけてくるようにと薦めます。

 彼は部屋に入り、座って話を聴くように促した後、すぐに彼女の隣に立つと、ズボンを数インチ下げ、彼女にオーラルセックスをするように要求し、「これがラジオの世界のやり方。あなたに何ができるか見せてください。」と言い、彼女は恐怖でそれに応じてしまいました。

 当時、この司会者は42歳、彼女はまだ16歳でした。彼女は恐怖に打ちひしがれたにもかかわらず、その後、彼女は、数回にわたり、違う場所(車の中など)で被害を受け続けます。彼女は声をあげられなかったのです。

 それ以来、彼女は自らの命を絶とうとし、何度か入院したと述べ、今も「抗うつ剤と夜眠るための薬を服用している」と告白しています。

 この告発以来、この司会者は番組降板。弁護士を通じて、「これらの主張は完全に虚偽である」、「これらの重大な根拠のない中傷的告訴に対して検察に告訴する」と発表しています。

 当然、このスキャンダルに対して、マスコミが殺到し、当初、匿名告白していた彼女の身元も割れてしまい、今度は、彼女に対してのネット上での心ないバッシングを受け始め、彼女はそのバッシングとも戦うハメになりました。

 SNS上には、どこから流出したのか、WhatsApp(日本でいうLINEのようなもの)メッセージのスクリーンショットが公開され、炎上しています。SNS上の炎上は今やテレビにまで飛び火し、彼の過去の番組でのちょっと理解しがたい番組内での性的な蛮行を遡って、あらためて伝え始め、彼のプロダクション全体がそれを助長するような体制であったのではないか?とも言われ始めました。

 その後、彼女の告発を受けて、それ以来、「彼女に勇気をもらった・・実は私も・・」と他の3人の告発者が登場し、告発状を提出していますが、この人気司会者は、「自分こそが被害者である」と、最初の告発を行った彼女やSNS上で彼を誹謗中傷した者、また彼の出演を打ち切ったラジオ局に契約不履行を訴えています。

 そして、先週、また、新たな告発者が表れ、彼は追い詰められています。

 それぞれ、知り合いでもない犠牲者があちこちから続々と登場することで彼は追いつめられつつあり、検察は捜査を開始することを発表しています。

 少なくとも彼は人気者のスターで、相手をしてくれる女性は大勢いたであろうに、なぜ、嫌がる女性、しかも未成年にまで手を出していたのか?

 しかし、日本で今、騒がれている性加害スキャンダルとも相似する点がいくつもあり、こういう性加害に及ぶ男性には、共通するところがある・・性加害を受けた被害者が告発するには、時間がかかり、この手の犯罪に時効のようなものを設定するのはおかしいな・・と思うのです。

 告発されたこの男性は、事実を否定しており、「無実の証拠もある」と公言していますが、彼は今のところ、それを裁判を理由に公表していません。


Me too フランス


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2024年2月9日金曜日

フードウォッチが名前を挙げたチープフレーション警告食品

  


 フードウォッチは、消費者が健康上のリスクがなく、信頼性が高く透明性のあるラベルが付いた高品質の食品を提供される権利を求めて運動を行っている消費者保護団体で、このフードウォッチは、2 年間で 20% 以上の食料インフレが進む中、平たく言えば、コスト削減のためにレシピを変更し、材料の質を落としたり、量を減らしたりしつつ、且つ値上げをしている食品メーカーの特定商品について、警告を発しています。

 これをチープフレーション(チープとインフレーションの造語)とか、シュリンクフレーションと呼びます。

 つまり、同じものを食べているつもりでも、中身は変わっている・・しかも、値上げされているのにもかかわらず・・という、ハッキリ言って、知らないうちに騙されているものを買わされているという現象です。

 なんとなく、そのブランド名や商品名、パッケージなどは、今までどおりなので、同じものを買ってしまっているのに、実は中身は違うものになっている・・ということです。

 メーカーにとっては、ピンポイントに名指しされてしまえば、大変な営業妨害でもありますが、いつのまにか、以前よりも低品質の材料や配合になっていることがわかるのは、消費者にとっては、ありがたいことでもあります。

 フードウォッチは、フルーリー・ミションのすり身スティック、マイユ・マヨネーズ(ユニリーバ・グループのブランド)、ミルカ・チョコレート(モンデリーズ)、シェネルのリエット、アフターエイト チョコレート (ネスレ)、または Findus ブランドのフィッシュ (Nomad Foods)の商品について、製造元のメーカーに異議を申し立てたと公表しています。

 たとえば、すり身スティックは、日本で言うところの「カニカマ」で、今やフランスではどこのスーパーマーケットにも「SURIMI」という名前で売っている商品なのですが、その「SURIMI」(フルーリー・ミション)は、魚肉の含有量が11%少なくなっており、そのうえ、価格は47%上昇しているそうで、マイーユのマヨネーズは、2023年11月から2024年1月の間に卵黄の割合が24.7%減少していると指摘しています。

 原材料価格が上昇しているから値上げも致し方ないと思うところが、しっかり品質を落として原材料価格を抑えつつ、そのうえさらにかなり値上げしているというのは、消費者にとっては、二重の痛手を食っていることになっており、許しがたいことです。

 それがマイーユのような、どちらかといえば、高級イメージのあるブランドにおいてまでとなると、なおさら衝撃は大きく、そんなことをしていたのか?とガッカリします。

 フードウォッチは、食品業界と大量流通の巨大企業がインフレを利用し、危機を悪化させているということを指摘し、インフレで、より利益をあげていることを告発しているのです。

 いいかげん、どんなに世間一般が困ろうと、必ず得をしている者がいることにウンザリし、健康志向などと言われながらも、実は、逆方向に動いている部分も確実にあるのだということも思い知らされます。

 今回、名指しされているのは、大手メーカーのものばかり、食料品を買うときには、ある程度、安心の目安の一つにしていたこの大きな食品メーカーの信頼性は、落ちるばかり。つい、この間もネスレグループのミネラルウォーターが実はミネラルウォーターではなかったという大スキャンダルが発覚したばかりです。


チープフレーション シュリンクフレーション


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2024年2月8日木曜日

パリオリンピック開催時に予想される住民が迷惑すること

  


 もうここ数年にわたり、ず~っと、メトロがあちこち工事のために、ちょくちょく閉鎖になったりして、特に昨年からは、もう未だかつてないほどに、工事のための閉鎖が多く、すでにかなりウンザリしています。

 夏の間も1ヶ月強、工事のために閉鎖していたのに、「また~?」、「まだ~?」と本当に信じられません。この間、駅に張り紙がしてあって、何気に眺めたら、「2月は、ほとんど真っ赤で閉鎖ではないか!」ということに気が付いて、「もう、これなら、今月のNavigo(定期券のようなもの)、返金してよ!」と思いました。

 2月は、子供の学校のバカンス(冬休み・・だいたいノエルのお休みもあるのに、冬休みまであることでさえ、前々から疑問に思っている)にあわせてのことだとは思うのですが、この時期にバカンスに出る人は、そんなに多くはありません。

 だいたい全線同時に工事できるはずもなく、少しずつずらして、できるだけ市民に迷惑をかけないようにとか、考えないんだろうか?と憤然とします。そうでなくても、度々、ストライキだのプロブレムテクニックだのと、まともに動かないことも多いのです。

 そんなメトロだけでなく、イル・ド・フランス地域(パリを含むパリ近郊地域)全体に及び、車の通行制限や、道路の封鎖、市民の公共交通機関の利用や駐車場から買い物にいたるまで、けっこう面倒な呼びかけが始まっているのには、さらにウンザリです。

 パリを覆う環状道路には、すでに新しい電子標識が用意され、「パリ2024車両承認済み」と表示されています。 これは、車線全体がタクシー、公共交通機関、選手や公式代表団を輸送する車両のみがこの環状線を利用する権利を持ち、一般車両の通行は制限されるようになるということです。

 なので、この期間に例えば、海外に出かけていても、家族に空港まで自分の車で迎えに来てもらうということなどは不可能ということになります。

 また、周辺の道路も閉鎖される場所が増え、例えば、BMXやスケートボードのイベントが開催予定のコンコルド広場などは準備のために、6月から閉鎖されます。アレクサンドル 3 世橋やイエナ橋も同様です。

 そもそもパリ自体は小さな街で、これらのいくつかの閉鎖区間が通れなくなるということは、それを回避しようと思うと、迂回迂回で大変、複雑になります。

 大会期間中は地下鉄11路線だけでなく、RERの5路線も「飽和閾値を定期的に超える」と言われており、政府はイル・ド・フランスの住民に可能な限りテレワークと同時に公共交通機関の利用を避け、徒歩や自転車での移動を推奨。

 また、オリンピック期間中は荷物の配達を受けないように呼びかけもしています。配達用の車両も少しでも減らしたいようです。

 ただでさえ、荷物の配達のトラブルの多いフランス、この期間中は、一層、トラブルが増えることが予想されるため、回避する方がよいかもしれません。

 また、交通規制された「レッド ゾーン」で駐車場のサブスクリプション カードを持っている場合、駐車場管理者にサブスクリプションの払い戻しを要求した方がよいなどという情報も出回っています。

 すでに、各国からの選手受け入れのために奨学生のための寮に住む学生は6月には、退去させられることになっていることは伝えられており、大反発を生んでいます。

 まあ、ふつうに私が想像がつく範囲で考えても、周囲のホテルなど全てが満室になっているとすると、私がふだん、利用しているバスやメトロなどは、大変な混雑になることは必須です。

 なので、パリの住民には、「この期間は、パリを離れてバカンスに行く!」などと言っている人が多いのも事実ですが、正直、ただでさえハイシーズンで高い交通費(オリンピックのためにさらに高くなっている)を使って、パリを脱出できる人は限られています。

 それよりも、慣れない観光客がこの混乱を極めそうなパリの交通網の中で、無事に移動することができるのだろうか?・・だって、身動きとりづらくなるのは、観光客も同じことで、しかも、メトロのチケットなどもこの期間は倍増します。

 また、そんな観光客を狙って周辺のヨーロッパの国々からは、スリやひったくりなどの出稼ぎ犯罪者もやってくるんだろうな・・などと、そんなことも考えます。

 そんな私はどうしようか?と思いますが、せっかくパリでオリンピックをやるのなら、オリンピックを覗きに行ってみたい気もするし、怖くて逃げたい気もします。


パリオリンピック 交通網混乱


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