パリ5区にあるパンテオンは、パリの中心にありながら、巨大なドームが青空にそびえる荘厳なパリの歴史的建造物のひとつでもあります。
パリ5区市庁舎のすぐ前で、しかもリュクサンブール公園からも近いので、たまにお散歩がてらに付近を歩くことがあったのですが、今回、初めて中に入ってみました。
その独特な建築は、内部は、ドームがあることもあるのか、ちょっとどこかの大聖堂みたいな感じもあり、どこかシンとした雰囲気と涼しさが漂っています。
正面入り口から入場すると、地上階中央部分には、天井から吊るされた振り子時計が存在し、その奥には、ドーンと大きな像がまるで舞台に上がっているような感じにそびえ立っています。
そして、ここに埋葬?祀られている偉人たちの墓所は、そのさらに奥にあります。石造りの建物には、荘厳さと歴史が刻まれており、途中、いくつも進入禁止の部分がありますが、その奥には、石の階段などが続いていて、方向音痴の私などは、迷い混んだら、間違いなく、容易には外に出られなくなりそうな感じです。
![]() |
ルソー |
ここに埋葬されているのは、ヴォルテール(哲学者)、ジャン・ジャック・ルソー(思想家)、ヴィクトル・ユーゴー(小説家)、マルセラン・バルテロ(科学者)、ピエール・キュリー/ マリー・キュリー(物理学者)などなど、最近、ここに新しく仲間入りしたのは、ジョセフィン・ベイカー(歌手・女優)です。
![]() |
ピエール・キュリー/ マリー・キュリー |
政治家、革命家、思想家、哲学者、画家、軍人、冒険家、小説家、学者などなど、そのジャンルは様々ですが、ひとつひとつの墓所を見て行くと、昔の政治家ほど、派手な棺で装飾も、どちらかといえば派手めです。
![]() |
ヴィクトル・ユーゴー |
マリー・キュリーなどは、今回、ここで見るまでは、フランス人だったことは知らなかったくらいで、祖国のポーランド(彼女の国籍はポーランドとフランスの二重国籍)は、よく彼女の墓所をフランスに委ねたな・・と思いますが、けっこう、彼女のように、この人フランス人だったの?という人もいます。
それにしてもフランスに長い歴史の中で選ばれた人々の墓所は、それなりに一見の価値があります。
以前、この内部(地上階の石像の前の広場?)をテレビで見たことがあったな・・と思いだしてみたのですが、数年前に、マクロン大統領が死刑制度廃止などについてのシンポジウムかなにかを開いた時に会場として使われたのが、ここでした。
パリには、著名人が眠っている墓地・ぺー・ラ・シェーズなどもありますが、あそこは、あくまでも墓地で一般人の墓所でもあります。また、このパリの真ん中にあり、この荘厳な建物の中にある墓所というのもすごいことです。
中を見て歩くのも1時間ほどあれば、充分なので、またちょっと違うパリを見るには、ロケーション的にもアクセスがよく、便利でわりと簡単に立ち寄れる場所かもしれません。
チケットはもちろんネットで事前予約できますが、当日、その場でも簡単に買うことができるし、そんなに待ち時間もありません。
美術館にちょっと飽きた・・という方もちょっと目先が変わった感じで面白いかもしれません。
パンテオン Le Panthéon / Place du Panthéon 75005 Paris
<関連記事>
「カタコンブ・ド・パリ 600万人の遺骨が納められているパリの納骨堂」
「フランス・死刑制度廃止40周年 死刑制度廃止説得のための戦い」