2025年12月13日土曜日

ユーロスターでハムとバターのサンドイッチが禁止に!

  


 「ユーロスターでハムとバターのサンドイッチが禁止に!」最初、そんな見出しを見て、正直、「何それ??」と思いましたが、これは、2025年4月から英国が禁止しているルールの具体例のひとつだそうです。

 しかも、ユーロスターは、「ハムとバターのサンドイッチ、あるいはチーズが含まれたサンドイッチは、乗車前に食べるのならOK!しかし、乗車後には食べないでください」と、なんだかよくわからないことを言っています。

 英国が最近、科しているルールをシンプルに説明すれば、英国当局はヨーロッパ大陸での口蹄疫(こうていえき・牛、豚、羊などの偶蹄類(ぐうているい)が感染するウィルス性の家畜の伝染病)の症例増加を受け、英国の家畜保護のため、この規則を導入しました。

 これは、ユーロスターに限った話ではなく、EU加盟国からの旅行者が手荷物に肉(生肉・乾燥肉を問わず肉製品全て)や乳製品を英国国内に持ち込むことを禁止したもので、包装済、真空パック済、免税品を問わず、個人消費用の肉製品と乳製品の持ち込みを禁止したもので、これらの製品を持っている場合は、国境検査の際にこれらの品物は税関職員に引き渡さなければならず、違反した場合は最高5,000ポンド(約5,900ユーロ)(約104万円)の罰金が科せられます。

 この規則は今年の4月に制定されたようですが、ユーロスターの中という国境の境がはっきりしない乗り物の中については、これまで曖昧にされていたものを、つい最近、ユーロスターが具体的に「ハムとバターのサンドイッチ」をホームで食べるのはOKだが、車内はNGというおふれを発表したのです。

 ハムとバターのサンドイッチが特に名指しされているのは、ハムとバターのサンドイッチ・・いわゆるフランスでいうところの「サンドイッチ・ジャンボンブール」はフランスのもっとも伝統的?というか、シンプルでポピュラーで比較的安価でお手軽なサンドイッチの代表で、サンドイッチの王道(バゲットにバター、大ぶりのハムが挟んであるサンドイッチ)のような存在だからだと思います。

 口蹄疫はヒトには感染しない病気だそうなので、ユーロスターの車内での食べ物にまで厳しく規制する必要があるのだろうか?と思いますが、規則ならば仕方ありません。

 私は、つい先月、ユーロスターでロンドンに行ったばかりでしたが、その時には、そんな話はまるで知らず、駅でもずいぶん、このジャンボンブール・サンドイッチを売っていたような気がするし、ましてやロンドン到着後の手荷物検査など全くしていなかったので、今、こんな規則を聞いても、俄かに信じ難い気がしないでもありません。

 だいたい、1日、何十便というユーロスターがパリ⇔ロンドン間を走っていますが、ただでさえ、混雑が大変なところ、こんな規制までして、大丈夫?とさえ思います。

 とはいえ、日本入国の際も肉類(ハムやサラミ・ソーセージなど)の持ち込みは禁止されており、かつてはお土産に生ハムやサラミなどを持って行っていったのが一切、持っていけなくなってしまいました。

 この禁止がどれだけ意味のあることなのか?よくわかりません。

 もっとも、パリからイギリスに行く場合に、なにもわざわざユーロスターの中でジャンボンブールのサンドイッチを食べなくてもいいかな?私はおにぎりの方がいい!などと思いますが、フランス人にとったら、もっともお手軽に食べられるハムやチーズのサンドイッチを車内で食べられない・・(考えてみたら、ハンバーガーなどもダメですね・・)のは、残念なことなのかもしれません。


ユーロスター車内の食べ物制限


<関連記事>

「ロンドン発着ユーロスターの終日運休で3万人が足止め」 

「ブレグジット(Brexit)がもたらす混乱 M&S(マークス&スペンサー)がパリから消えていく」 

「トラブルの絶えない娘の学生生活最後の2年間」 

「パンデミックによる留学・スタージュ・インターンシップのキャンセル」 

「まずいイギリスの食事の懐かしく甘い記憶」 



 

0 コメント: