2025年12月11日木曜日

メトロ15号線全線開通までの遠い道のり

   


 パリの新しい地下鉄15号線は、パリの首都圏ネットワークで建設中の路線で、全長75㎞、36駅の予定。通称グラン パリ エクスプレス プロジェクトと呼ばれているそうです。

 この地下鉄15号線は西、東、南の3つの区間で結ばれる予定になっています。このうちの南の部分の2025年末に予定されていた一般供用区間の運行開始が2026年の夏頃に延期されたということです。

 そもそもメトロ15号線の開通については、あまり記憶が定かではなく、延期と言われても、「あれ?そんなのあったっけ?」と思う程度なのですが、まあ工期がずれ込むのはフランスではよくある話です。

 むしろ、延期が半年くらいで大丈夫?そんな気さえしてしまうくらいです。

 この新しい路線の管理を担うイル・ド・フランス・モビリテスによれば、「最適なレベルの技術的パフォーマンスを保証するために、テスト段階を深化させる必要がある」とのことです。

 そもそも工期というものは、技術的パフォーマンスを保証するためのテスト段階も含めての工期だったはずで、これは理由にはなっていません。

 実際のところは、すでに行われていたテストにおいて、大きな問題が発生したために、それに対する対応には時間が必用だった・・というのが正しい説明のようです。

 そして、このグラン・パリ・エクスプレスプロジェクトの理事会のメンバーの一人は、この延期について、「テストの最初の段階で、この複雑さが私たちの判断が正しすぎることを意味していることがわかった」と述べており、結局のところ、延期することになったことまでも、「私たちの判断が正しすぎる」という超ポジティブな言い訳。あまりの言いぐさに眩暈がしそうになったほどですが、この発表に怒りを爆発させている人々も少なくありません。

 怒りを表明しているのは、イル・ド・フランス・モビリテスや15号線南が位置するシャンピニー・シュル・マルヌ市長などです。「私たちの民主主義社会において、公の言論や公約に対する敬意の欠如は公の意思決定者に対する不信感を増大させるだけである!」と極めて真っ当なことを言っています。

 しかし、言わせてもらえば、「もともと誰も信用などはしていないよ・・(とくに工期に関しては・・)」というのが正直な気持ちです。

 怒っているのはRATP(パリ交通公団)をはじめとする首都圏のタイムテーブルを組み立てている人々。この路線が加わってくるか否かで予定していたタイムテーブルが組み直しになるのです。

 個人的には、あまり広範囲に移動しているわけではないので、今のままのメトロで十分で、このうえ拡張してくれたりすると、逆に混雑するようになったり、問題が引き起こされる原因が増えるので別にこれ以上工事してくれなくてもいいのにな・・という気持ちです。

 一応、このメトロ15号線、最終的には2030年に完成する予定だそうですが、これもまだまだ当てにはならず、私の生きているうちにできるかな?くらいの気持ちです。


メトロ15号線


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