2025年8月4日月曜日

お酒は一生分飲みました!

  


 最近、肝臓の数値が良くないということで、お医者さんから、アルコールはダメ!と釘をさされ、そうはいっても、このお酒が大好きだった私がなぜかパッタリとアルコールを欲しなくなったために、かれこれ2年以上、私はほとんど飲まなくなっています。

 あれだけ好きだったお酒を、この私が飲みたいと思わない日が来るとは、思いも拠らぬことでしたが、まあ、飲んではダメ!と言われた時に、飲みたいのにガマンするわけではないので、全く苦に感じないのは、幸いなことながら、逆に「お酒を全然、飲んでないのに、なんで肝臓悪いのよ!と、ちょっと悔しい気もしないではありません。

 しかし、私がこれまで飲んできたお酒(アルコール)の量を考えれば、恐らく、ふつうの人が一生に飲む量は、余裕で飲んできたと思うので、お酒に関しては、大げさではありますが、我が人生に悔いはありません。

 我が家は子どもの頃から、父がお酒が好きだったので、父は必ず、夕食の際に晩酌をしながら食事をするのを見てきたので、お酒をごくごく身近に感じてきたということもあると思いますが、父は帰ってくるとたいていビールを飲んでから、その後は、その日のお料理に合わせて、ウィスキーだったり、焼酎だったり、日本酒だったり、必ずお酒を飲みながら、延々と食事をしていました。

 小さい頃は、私はもっぱらの辛党で、甘いものは苦手なかわりに、酒の肴になるようなものが好きで、小さい頃から「こりゃあ、酒飲みになるだろうな・・」と言われてきて、その通りになりました。

 日本では、仕事帰りに友人などと食事に行くというよりは、飲みに行くというのがメインで、人付き合いが活発で大好きという方ではなかった私もお酒のおかげで、それなりの人並みの人間関係をかろうじて、継続できたような気もします。

 思うに友人などと「飲みに行こう」というのは、飲むことそのものというよりは、飲んで話そうということで、アルコールが入ってかろうじて口が滑らかになって、人付き合いができていたのかもしれません。

 しかも、自分で言うのもなんですが、私はけっこうお酒に強くて、お酒で潰れたという経験もなく、最悪、翌日も酔っぱらっている状態・・。以前、けっこう仲良くしていた男の子に、「一緒に飲んで、口説こうと思っても、こっちが先に潰れちゃうから上手くいかないよ・・」とボヤかれたこともありました。

 しかし、全く、失敗がなかったかというと、そういうわけではなく、途中、記憶が定かではなかったりすることもあるのですが、ちゃんと家には、帰って自分のベッドに寝ていて、翌朝、目が覚めると、なんと服を着ておらず、ベッドの脇には、ホックを外していないワッカ状になったブラジャーが落ちており、これ、どうやって脱いだんだろう?と不思議に思って、自分で笑ってしまったこともありました。

 フランスに来てからは、子どもがいたこともあり、外に飲みに行くということはなく、もっぱら、友人を家に呼んで飲む、あるいは、夜、一人で飲むことが多かったですが、家のソファはたいそう寝心地がいいのか、家に飲みに来てくれた友人は、途中でソファで寝てしまうことが多かったです。

 フランスに来てからはもっぱらワインかウォッカでしたが、娘が小さい頃には、スーパーマーケットに行くと、ウォッカが置いてある近くに行くと、娘がパーッと走っていって、「ママ~オッカ!オッカ!あったよ~!」と得意気に叫んで私に教えてくれるのに、赤面しつつもうれしかった思い出もあります。

 とにかく、お酒にまつわる話は数限りなくあるのですが、お酒のおかげでたくさんの楽しい思いをしてきました。お酒を飲まない人生は、人生の多くの楽しみを損しているような気もしてきたのですが、今は、そのお酒がない生活。

 少々、寂しい思いもありますが、今まで飲んできた時間を考えれば、まさに悔いはありません。

 飲まなくなった今でも、もう身体に沁みついているというか、酒瓶を見るだけでワクワクするのは、ひっそりと心の中で感じる幸せです。


アルコール 酒飲み


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2025年8月3日日曜日

パリ モンマルトルのオーバーツーリズム問題

  

 

 昨年のパリ・オリンピックでは、期待していた観光客は極端なホテル価格の値上げや、観光地の便乗値上げや、オリンピックのための規制などから、例年の夏よりも、よほど観光客も少なく、がらんとしたパリになっていました。

 今年は、その反動なのか、夏のバカンス期間のパリの観光客は急増し、例年に比べるて20%増の予約が入っているそうです。

 観光客が多い都市では、どこでも同様の問題を抱えているのだと思いますが、パリでは、今年は、特にモンマルトルでのオーバーツーリズム問題。地域の住民は、このあまりに多くなりすぎている観光客や、街自体が破壊されていく様子に声をあげ始めています。

 パリを訪れる観光客の約4分の1の人が訪れていると言われているパリ・モンマルトル地区。丘の上にあるサクレクール寺院を中心として、サクレクール寺院の裏?あたりにある絵描きさん(似顔絵かき)が溜まっているエリアなど、半日くらい歩いて回るには、なかなか面白い場所でもあります。

 しかし、地域住民たちは、このあまりに増加している観光客、特に団体観光客の迷惑行為や地域全体の店舗等が観光客仕様に変わってしまい、一般的ないわゆる日常生活に不可欠な食料品等の店舗がどんどん観光客目当てのクレープ、ケバブ、タコスやフライドチキン、ハンバーガー、アイスクリーム、お土産屋さんなどの店舗に入れ替わってしまっていることや、Airbnbや短期賃貸のアパート業の乱入により、不動産価格は、過去10年間で19%上昇したうえに、安っぽいお土産屋であふれ、街全体が破壊されつつあることを嘆いています。

 たしかに、以前からモンマルトル界隈は、ガラの悪いイメージがあり、とにかく観光客目当ての露天商が多いことでは、恐らくパリの中でも一番。モンマルトルの丘というだけに坂が多い道には、観光用の電車の形のバス?が走っており、住民たちは、「これではディズニーランドみたいだ・・」と言っている模様。

 たしかに、サクレクール寺院に上がっていく道には、偽物のミッキーマウスまでいる始末で、これでは、全体が胡散臭い、えせディズニーランドといわれれば、そんな感じがあるかもしれません。

 それならば、厳しく管理されているディズニーランドの方がよほどマシで、少なくとも、ディズニーランド内は、清掃も行き届いていて、怪しげなしつこい物売りなどはいません。

 この悪循環は、このまま放置してはいけないのに、どういうわけかいつまでも放置。路上では簡単なバクチで詐欺まがいのお金集めをする人までいます。

 パリ・オリンピックの期間中は、あんなにいた露天商はどこに行ったのか?と思うほど、厳しく取り締まりがされていましたが、今年はすっかりもとどおりになっています。

 モンマルトルは、映画「アメリ」で有名になって以来、観光客が激増したと言われていますが、たしかに何とかした方がよいパリの大切な観光地のひとつであるような気がします。


モンマルトル オーバーツーリズム


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2025年8月2日土曜日

59歳保育士アシスタント 昼寝中の子どもに性的暴行で告訴 拘留

  


 ヴィック・ラ・ガルディオール(オクシタニー地域圏・エロー県)の保育園に勤務していた59歳の教員助手の女性が児童に対する性的暴行・性的虐待の罪で告発され、公判前拘留されました。

 もうバカンス期間に突入しているのに・・なぜ?今?と思ったら、この告発については、すでに7月初旬にメールによる通報があり、それから捜査が進められてきた模様です。

 3歳から4歳までの少なくとも9人の児童に対する性的暴行・性的虐待の罪で起訴されているこの女性は、保育園教員のアシスタントという職にあり、昼寝時間を利用して、昼寝中の子どもたちに性的暴行・性的虐待を行っていたと言われています。

 捜査開始以降、他の保護者も名乗り出ており、被害者の数はさらに増える可能性があります。

 3歳から4歳までの子どもに対しての性的暴行?というのは、あまりピンとこなかったのですが、検察の発表によれば、彼女が行っていたのは「デジタルディスペクション(指による性交、挿入と自慰行為)」とされています。

 3~4歳の子どもからしたら、さぞかし恐怖の時間であったであろうと、想像するだけでも痛ましい話ですが、この告発メールが保護者から市長に送られたのは、7月1日の夜のこと、この容疑者は、7月3日には、停職処分になっています。

 彼女は、この保育園には2024年10月から勤務していたということですが、教育現場には10年間働いていたといういわゆるベテランの部類に入る人物だったといいます。

 しかし、彼女を知る周囲の人々の評判は、パーティーガール?(パリピ?)、抗議活動家、自由奔放な女性と評しており、彼女の住むアパートでは、かなり変わった人物で多くの人と仲が悪かった・・と言われていたようです。

 この手の児童対象の性的虐待の容疑者が59歳の女性ということにも驚きますが、この業界?で10年も勤務してきたということがますます驚きと恐怖を感じます。

 アシスタントとはいえ、こういう職員の採用は、どのように考査されているのかも、見直す必要があるのかもしれません。

 子どもを保育園に預けるのは、子どもを安全に教育してくれる場と信じて、預けている親にとってみれば、怒りと憤りを感じる事件でもあります。

 今となれば、かなり昔の話になりますが、娘も保育園に通っていた時期があったので、子どもを保育園に預ける親としては、そうそう選択肢が多いわけでもないため、そんなに選べるわけではありません。

 ですから、やっと滑り込めた保育園は、いかにしても安全かつ信頼のおけるものであってもらわないと、親の立場としてはお手上げ状態・大変困るのです。

 余談になりますが、保育園のお昼寝には、私には、先生に注意された苦い思い出があります。

 とにかくお昼寝が嫌いだった娘は、保育園のお昼寝の時間にも全く寝なかったようで、「○○ちゃん(娘)と○○ちゃん(当時の娘のお友だち)は、お昼寝を全くしないで、他の子を起こして回るので、お昼寝の時間は、2人には、別の部屋にいってもらいます」と怒られて、失笑したことがありました。

 後にも先にも学校で娘について、注意されたのは、その時だけなので、よく覚えています。


3~4歳の児童に性的虐待の保育士アシスタント


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2025年8月1日金曜日

検査続きで疲れて病気になりそう・・

  


 いよいよ7月ももう終わり、パリは8月に入ると多くの人々がバカンスに出てしまいます。

 バカンスに出てしまうのは、私のかかりつけのお医者さんも同じで、彼女がいなくなってしまう前に一度、血液検査をして、その段階で私の状態をチェックしてから、必用な薬の処方をしていきましょう。ということで、7月の終わりに、まず1回目の血液検査をして、その結果を持って、彼女のところに行きました。

 前回の血液検査では、血糖値が少々高めで・・と言われていたので、多少、糖分を控えるように心がけていたので、少しは、良くなっているかな?と、血液検査の結果を見るのは、まるで、成績表を見るみたいな気がしていました。

 検査というのも学生時代のテストのような感じとも少し似ていて、点取り虫というわけではないのですが、少しは、よい成績を取りたいと思ってしまうのが心情で、結果、血糖値は、ほぼ正常値になっていました。ところが、今度は、肝臓の数値が良くないと言われ、「これは、ちゃんと調べた方がいいから・・」と、自分は8月の2週目からバカンスに出てしまうので、その前にもう一度、念入りな血液検査をして、肝臓のエコーもとってもらって、その結果を持って、来てくださいとのこと。

 まったく我ながら、あっちが引っ込めば、今度はこっち・・と、次から次へとガタが来て、検査ばっかりしている感じで、その度にハラハラして、疲れます。

 特に検査の前の夜は、何も食べてはいけないので、そのあたりもストレスで、検査自体もやっぱりストレス。フランスでは、ひとつひとつ検査は、別の場所で、別々に予約をとって、診てもらうので、処方箋を持って、予約を取ります。

 ところが、エコーなどの検査は、ただでさえ取りにくいうえに、バカンスで医者がいつもどおりには、人がいないため、予約がいつも以上に取りにくくなっています。それでも彼女が処方箋に「緊急」と書いてくれたので、通常の予約よりは早く予約がとれた方だったと思います。

 血液検査の方は予約が必用はないとはいえ、こちらもやはり前日の夜から絶食。エコー検査は、朝9時の予約がとれていたのですが、なんのための予約?と思うほど待たされて、結局、検査をしてくれたのは、10時頃。

 もしかしたら、深刻な病気なのかもしれない・・とビビりながら、ひたすら待っていたのですが、もう前日の夜8時から何も食べず、水も飲んでいない状態なので、もうお腹がすいて、ふらふらです。

 検査自体はエコーなので、そんなに複雑な検査ではありませんが、慣れない検査でもあり、そのうえ、もしかしたら、重病かも・・などと思っているので、小心者としては、検査が終わると、もうグッタリ・・。

 その結果を持って、今度は、もとのお医者さんに戻るのですから、もう今週は、1週間、ほとんど検査と医者通いで、なんだか生活のリズムが崩れて、グッタリです。

 幸いなことに結果は、ひとまず、すぐに深刻な状態というわけではないらしく、肝臓の働きが悪くなっていて、若干、脂肪肝で数値はよくないものの、炎症等は起こしていないので、食事に気をつけて、筋トレ等の運動をするようにということでした。

 しかし、脂肪肝というのは、なんだかデブと言われたみたいでショックで、「やっぱり少し痩せた方が良いですか?」と聞いたら、体重は多すぎるわけではないから、痩せる必要はないけど、とにかく食事に気を付けて、油ものと糖分は避け、アルコールはNG。

 もう数年間、アルコールは飲まなくなっているのに、ショックでした。

 とはいえ、ひとまず、すぐにどうにかなってしまうというわけではなかったので、本当は安心しちゃいけないんだろうけど、とりあえずホッとしたところです。

 ヤレヤレ、いつも検査に行くと思うのですが、検査ってすごく体力・気力ともに消耗するし、健康に良くないなあ・・と思うのです。


検査


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2025年7月31日木曜日

欧州 × 米国間の関税について、マクロン大統領が沈黙を破った

  


 欧州と米国との間の貿易協定、欧州製品のアメリカへの輸出に15%の関税がかけられるという、どう見ても不均衡な貿易協定が締結して以来、ずっと沈黙を守ってきたマクロン大統領がとうとうその沈黙を破りました。

 週なかばに開催された閣僚理事会において、マクロン大統領は、「これで終わりではない!我々はそこで止まるつもりはない!」と断言しました。

 とはいえ、協定が締結してしまった今、これは、苦しい言い訳には違いなく、マクロン大統領は、同時に「ヨーロッパ諸国は充分に恐れられていなかった・・自由になるためには、恐れられなければならない・・だが、我々は、充分に恐れられていない」と語っています。

 しかし、あくまでも完全な譲歩を認めてはおらず、「これは物語の終わりではない!我々はそこで止まるつもりはない!」と続け、「この合意は、短期的に可視性と予測可能性をもたらすというメリットがある」と述べ、この合意が「フランスと欧州の利益を守る」ものであると指摘し、特に「航空分野を含む一部の主要輸出部門の関税免除」と「我々の健康・環境基準」へのいかなる挑戦も脅かすものではないと断言しました。

 明らかに不利な協定をのまされたにもかかわらず、メリットがあると言い張るあたり、なかなかな苦し紛れの負けず嫌い・・関税15%の貿易協定が締結してしまった以上、これはいかにも苦しいエクスキューズにしかなっていません。

 結局のところ、マクロン大統領は、「欧州はまだ自らを充分な力があるとは考えていない・・自らを充分な大国と認識していない」と認めています。

 まあ、この期に及んで、国家元首としては、「やられた!」とか、「参ったな~」とか、言うわけはなく、これが精一杯だったとは思われますが、なんとしても、フランスだけではなく、欧州全体の話。まとまっているようで、それぞれ違う国の集合体。マクロン大統領の思うようには、事は運ばなかったということです。

 彼が言うように、これが本当に「まだまだ終わりではない」のならば、禍を転じて福と為す・・挽回の道を探ってくれるように期待します。

 これは、輸出する欧州側にも痛手であると同時にアメリカの消費者にとっても痛い話に違いありませんから・・。


欧州製品のアメリカへの輸出に15%の関税 マクロン大統領


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2025年7月30日水曜日

EU(欧州連合)アメリカとの貿易協定締結 EU製品への15%の関税

   


 EU(欧州連合)は、アメリカとの貿易協定を締結し、EU製品への15%の関税のほか、7,500億ドルのエネルギー購入(特にロシアのガスの代替を目的としていると伝えられている)と6,000億ドルの融資を約束しました。

 当初の30%という提案からは、減らされたものの、なぜ?あまりに一方的に見える協定に、これほど早く屈服してしまったのか? なぜ?欧州はアメリカに踏みにじられるままにしているのか?などなど、怒りの声も多数、上がっています。

 この報を受け、フランソワ・バイルー首相は、珍しく怒りを爆発させ、この協定は、服従であり、欧州にとっての暗黒の協定であると表明しています。

 これは、ユーロの対ドル上昇により生まれたものであるという見方もあれば、今後の免除対象品目の交渉は、まだ続いているという見方もあります。

 すでに航空機部門や特定の化学物質、特定の農産物および重要な原材料に関しては、この免除対象品目に加えられています。

 これに続くものとして、フランスにとって、大きな影響を受けると言われているワインやスピリッツについては、先行きが見えない状態が続いています。

 2024年にEUは、最大の輸出市場であるアメリカに50億ユーロのワインを含む80億ユーロ相当のアルコールをアメリカに輸出しています。そのうちの約半分はフランスが占めており、合計で24億ユーロ相当のワインと15億ユーロ相当の蒸留酒がアメリカで販売され、これは、アメリカの輸出量の約25%に相当します。

 例えば、ボルドーワインの売上げの20%はアメリカでの販売によるものと言われています。

 彼らが関税の免除を求めるのも無理からぬことであることは言うまでもありません。

 しかし、一方では、この手の国際ニュースに対しては、通常ならば、すぐに反応し、なんらかのステートメントをSNS上などで発表するマクロン大統領が現在のところ沈黙を続けているのには、なにか、別の動きが水面下で行われているという見方もあります。

 この貿易協定が締結されてしまった今、望みの綱は、この免除対象品目のリストがどの程度に拡大されるかですが、これは、週末に発表される予定とのことで、この時点で何らかの説明がマクロン大統領からなされるのではないか?とも言われています。

 これら欧州からの輸出品に関する課税に対して、現在のところ、アメリカ製品に対しては0(ゼロ)となっていることについて、特にIT(情報技術)、電子機器などの分野では、欧州には、代替品を生み出す能力がないということも同時に指摘されていることでもあります。

 いずれにしろ、なんだか振り回されている感が拭えないこの貿易戦争の行方は、まだまだ、混迷していきそうな気配です。


欧州・米国間 貿易関税15%


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2025年7月29日火曜日

日本人ファーストへの疑問

  


 ここのところ、よく目にするようになった「日本人ファースト」という言葉に複雑な気持ちを抱いています。

 大きく言えば、「自国の国民を優先する」ということなのだとは思いますが、それを曲解?してのことなのか?外国人ヘイトのような動きもあるようで、昨日、X(旧Twitter)上で、日本に長く在住している外国人が「ここのところ毎日、私に、帰れ!と言ってくる日本人が表れます・・」と投稿しているのを見て、なんだか心が痛みました。

 何より、日本人である私自身が外国人として、長く海外(フランス)で暮らしているわけで、これが逆の立場だったら、なんと悲しいことだろうか?と思ったのです。

 一時、パンデミックの際に、ウィルスが発症したのがアジアだったということで、一部の人々の間で、アジア人ヘイトのようなものが起こったことがありましたが、それ以外で、ことさら、外国人に向けてのヘイトというものを目の当たりにしたことはありません。(だからといって、差別が全くないというわけではありませんが、これは外国人という括りでの差別というものとは違います)

 だいたいパリなんて、外国人だらけの街です。

 しかし、私はやっぱり外国人であることにはかわりなく、フランスが何らかの(戦争などの)非常事態に陥った場合、一番、優先されるのは、フランス国民だということは、承知しているし、そんな事態に陥った場合には、日本に帰ろうかと、心の中のどこかでは、うっすら考えないではありません。

 しかし、日常では、現在のフランスの法律に基づいて、それなりに合法的に滞在しているわけですから、外国人であるからといって、なんら恥じることはないと思っています。

 フランスでは選挙権こそないものの、その他の社会保障等は、外国人であろうと、合法的に滞在している場合には、ほぼフランス人と同じ保障が受けられるようになっているし、そもそも、現在、移民はフランス人にとって、重要な存在でもあり、フランス人だけでは、とても国は廻らないのが現状なのだと思います。

 だからといって、フランスで外国人が優遇されているとも思いませんが、海外からの留学生などに関しては、きちんとした手続きを踏めば、かなりの門戸も開かれており、援助などもあるようです。

 しかし、今回の日本の「日本人ファースト」旋風の、なんだか外国人を攻撃するような動きは、お門違い・・。日本という国が凋落していって、国民が生活苦に陥っているのが、外国人が優遇されているからだ・・というのは、短絡的すぎる気がします。

 たしかに日本人の弱者への援助とのバランスが悪いということは、あるのかもしれませんが、今の政治では、それをやめたところで日本という国は良くならないだろうし、根本的な問題は、そこではないと思います。

 生活への不満が募るとどこかを攻撃したくなるのもわからないではありませんが、ターゲットの違うものを攻撃しても意味がありません。

 娘は現在、日本で仕事をしていますが、彼女の周りの友人たちは、フランス人をはじめとして、外国人の方が多いくらいのようですが、彼らは恐らく、同年代の日本の若者よりも、ずっと多くの税金を日本に払って日本で生活しています。

 今回の「日本人ファースト」の波は、選挙公報にその単を発しているものであり、政党に先導されている向きがあると思いますが、根本的な問題は何なのか?もう一度、考えてみる必要があるように思います。


日本人ファースト


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