今年に入って、すでに2ヶ月が過ぎようとしていますが、今、フランスでは、来たる3月を「mois de mars rouge」レッドマーチ(赤い3月)などと名付けられ、これまで続いてきたインフレがさらに悪化すると見る向きが多く、「2月のうちに買い物をしておいた方がよいのか?」などという話題が上がってきています。
これに対し、財務相は、このレッドマーチ(赤い3月)のリスク(特にスーパーマーケットなどでの食料品や日用品に関して)を否定する心強い言葉を表明してくれてはいますが、彼が否定しようとしまいと、すでに、もう2月の段階で価格はかなり上昇しています。
これまでに、食料品に関しては、この1年で平均13.2%の値上がりしていることが明らかにされていますが、これも、品物によって、かなり差も大きく、大きいものだと、小麦は40%、砂糖45%、ステーキ肉33%となっており、特に小麦を原料とするパンやパスタなどは、そこまで値上がりしているかというと、現在のところそこまでの印象はないものの、今後もこのままで据え置きになることは考え難く、徐々に値上がりすることはやむを得ないかもしれません。
大手スーパーマーケットチェーンなどは、おおよその年間の仕入れ価格をできるだけ抑えるように交渉を進めるとしているものの、それ以上の努力は難しく、当然のことながら、仕入れ価格に見合った値上げは致し方ないものと半ば開き直っている感じで、品物により、10%~30%の値上げが予想されているようです。
すでに、かなりの値上げに直面している国民は、4人に1人が食料品の買い物を抑えていると言われており(特に若い世代)、また、価格を抑えるために、これまでよりも食品のランクを下げて買い物しているために、必然的に身体によくないものを摂取する傾向にあり、健康問題にまで発展することが懸念されています。
私も昨日、たまたまスーパーマーケットに買い物に行って、あまりの値上がりぶりにびっくり! これまで1ユーロで売っていたサラダ(レタス)が1.5ユーロになっていました。そもそも、そんなに高いものではないとはいえ、非常にわかりやすい1ユーロから1.5ユーロという1.5倍の値段に、せこいと思いつつも、なんとなくバカらしい気がして、手を引っ込めてしまったのでした。
それで注意深く、他の野菜をチェックすると、どれも似たり寄ったりの値上がりぶりで、思わず、ため息が出てしまいました。
野菜の値段は、これまでもシーズンに左右されることもあったものの、サラダとか、じゃがいも、玉ねぎ、にんじんなどの、比較的、あまり季節感がなく、いつでもお手頃価格なイメージの野菜がこんなに値上がりしているし、(私が今まで気が付かなかっただけで、いつからこの値段になっていたのかはわかりません)これよりさらに、赤い3月などと値上げが続くのかと思うと、この値段の上昇に気持ちもお財布も慣れていくのは大変かもしれません。
気付いてみれば、コマーシャルセンター全体が低迷していて、テナントの店舗が次々と撤退して、空きスペースも目立っていたところ、さすがに食料品や生活必需品を扱うスーパーマーケットはかろうじて生き残っているものの、こうインフレが進んでは、厳しい状況になっていくかもしれません。実際、価格が上昇しているために売上高は増加しているものの、販売量は減少しているということで、これがインフレによる買い控え、消費低迷ということなのだと身をもって感じています。
そんなインフレの影響からか、コマーシャルセンター内の撤退した店舗の空きスペースに新たにオープンするのは、2ユーロショップとか、Action(アクション)などのハードディスカウントショップなどの日本でいう100均のようなお店(100円ではないけど・・)で、これが、さすがに安いだけあって、けっこう人も入っていて、結構、売れているのです。
とはいえ、このようなお店では、さすがに食料品もスナック類やお菓子、せいぜいジャムや乾物のインスタント食品で、生鮮食料品は扱っていません。
長いこと、日本の100均のようなお店がフランスにも出来たらいいなぁと思っていた私ではありますが、こう続々と登場し、パリらしいお店が消えていくことはそれはそれで、寂しくもあり、まったく常にないものねだりなのかも?とも思うのでした。
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