2022年7月13日水曜日

この猛暑の中、パリ市内のプールがストライキ

   今年の夏のバカンスシーズンが始まるとともに、SNCF(フランス国鉄)やRATP(パリ交通公団)の一部、空港公団などのストライキが立て続けに起こり、バカンスに出かけようとする人々を大混乱に陥れています。 特に空港のストライキによる多くのフライトキャンセルとともに空港に山積みにされた荷物が2週間近く経った今も未だに空港に山積みにされている光景には、荷物を持たずにバカンスに出発させられた人々の困惑ぶりを思うと本当に言葉もありません。 私が同じ目に遭っていたなら、こんなトラブルに巻き込まれるくらいなら、フライトはキャンセルしていたのに・・と思っていたと思います。 まさにバカンスシーズ...

2022年7月12日火曜日

青く晴れ渡る空の下のセーヌ川岸 パリプラージュの圧倒的な美しさ

    夏になると、パリプラージュがセーヌ川沿いに登場するようになってから、なんともう20年近く経っているのだそうです。初めてパリプラージュができた年に親子でどんなものか覗きに行ったのは、まだ娘が小学校に入る前のことだったと思うので、言われてみれば、そのくらい時間が経ったのかなぁと思います。 パリプラージュは当初はなかなか画期的な試みで、夏に入ってもバカンスに出かけられない人にも身近なところでバカンスを楽しめるように作られたものでしたが、その後、すっかり定着し、パリの夏の風物詩のようなものになりました。 一昨年は、このパリプラージュに検査場ができた!などというニュースで賑わっていま...

2022年7月11日月曜日

シャルル・ド・ゴール空港のロストバゲージの行方

   パリ・シャルル・ド・ゴール空港の大掛かりなストライキから1週間経って、空港に足止めを食ったスーツケース約2万個が依然として持ち主の元に届いておらず、空港に山積みにされているようです。 先週末のパリの空港でのストライキは、多くのフライトをキャンセルさせただけでなく、何万人もの旅行者の荷物を奪いました。荷物係もストライキを起こしていたうえに、荷物積載のシステムダウンが原因だったと言われています。 今回のシャルル・ド・ゴール空港でのロストバゲージの多くは当然のことながら、最も発着便の多いエール・フランスの便に関するものが多いそうで、エール・フランスは、荷物を積まずに離陸してしまった旅行者に対して、当初は、「1週間以内には、荷物を届ける」と発表していたにもかかわらず、荷物は山積みにされたまま、持ち主の元には届いていないのです。 そもそも、このハイシーズンに人員不足にストライキ、次から次へと離発着が続く空港では、その日の荷物の処理で手一杯。賃金値上げとともに、過剰労働の緩和を訴えていた空港職員が、残業までして山積みにされた荷物を処理するとは考え難く、また、時間が経てば経つほど、空港に残された荷物の配送先は、旅行先に届けられるべきものなのか?それとも自宅に届けられるべきものなのか?どんどん複雑な要素が含まれてきます。 平常時のフライトでさえも、荷物が無事届くかどうか?盗難にあったり、スーツケースが壊されたりしていないか?いつも不安を感じるところですが、空港に足止めをくって1週間以上経ってしまったスーツケースに関してはもう不安というより絶望的です。 エールフランスおよびシャルル・ド・ゴール空港は現在、ロストバゲージ扱いになっている荷物は空港で保管していると発表していますが、スーツケースが何の保護もされずに倉庫の外、コンテナでむき出しになっているものもあることがわかっています。 これまで、個人的には最も荷物のトラブルが多いのは、イタリアというイメージがあって、ローマからの便でスーツケースの鍵が切られていたこともあったし、サルディニアに行った際は、空港について、やたらと空港内にロストバゲージのコーナーが多くて嫌な予感がしていたら、やはり荷物は同じ便には積まれておらず、必ずしも荷物は同じ便では届かないのは普通というようなことを言われてびっくりし、荷物は翌日ホテルに届けてくれたものの、一晩は着替えもなく不自由な思いをして以来、イタリアに行く際には、もう荷物は預けずに手荷物以外には持たないようにしているくらいです。 しかし、ここまで大掛かりに荷物が溜まって保管(というより、放置)されている状態には、楽しいはずのバカンスが荷物のクレームを入れることに費やされるストレス満載のものになってしまいます。 この事態を受けて、エールフランスは、一刻も早くスーツケースを持ち主に返すために増援を動員したことを発表していますが、このロストバゲージの量を考えると、パリ空港組合は、この荷物の山が処理されるには、数ヶ月間かかるはずだと断言しています。 ということは、バカンスに出かけた人はさすがにもうバカンスを終えて帰ってきたあとに荷物が戻るということです。 エールフランスは「荷物はすべてこちらに向かっている」と、これ以上荷物の配達の遅延を否定していますが、荷物の保管状況を考えると現実的な解答ではありません。 すでに、補償問題についての解説が始まっていますが、荷物が遅れた場合、補償を受けることができることが可能で、荷物がない間に生活必需品(衛生用品、下着など)を購入しなければならなかった場合、請求書の提示により航空会社に払い戻しを請求することができます。また、荷物を紛失した場合、乗客1名につき約1,200ユーロを限度として弁償を請求することができます。 しかし、どちらもクレームを申し入れるのは、書面で21日以内に航空会社宛に申し立てをする必要があるので、この期限を過ぎてしまえば、補償されることはありません。これは、旅行保険などの補償とは別のものなので、もしも、泣き寝入りしたくなければ、航空会社と保険会社との両方の手続きが必要になります。 航空会社が補償を拒否した場合、民間航空総局(DGAC)にオンラインで苦情を申し立てるか、旅行観光オンブズマン(MTV)に連絡し、解決を図ることができます。 友好的なアプローチがうまくいかない場合は、裁判を起こし、被った損害の賠償(物の交換、荷物の紛失・破損)を請求することができます。管轄の裁判所は、紛争に関わる金額によって異なります。会社や裁判は2年以内ということです。 まさに、ここまでくると、完全な戦闘体制、やっぱりフランスで生きていくためには、常に戦闘体制に入る覚悟が必要なのか・・と、ほとほとウンザリします。 私の場合、飛行機を利用するのは、やはり日本⇄パリ便が最も多く、スーツケースの中身はほぼ食糧、しかも航空便ならではの保存のあまりきかないものなども多いので、もし、今回のようなロストバゲージになり、数ヶ月間も放置されてしまったら、ほぼ私のお宝の食糧は絶望的なことになると思うと、ゾッとしてしまいます。 それでも、無事に回収できたらまだマシですが、保管?放置されている間に盗難に遭う可能性も大です。今は、海外からの小包も規制が厳しくなり、やたらと税金がかけられるようになっている今、ロストバゲージに泣き寝入りするわけにもいきません。 本当に今は航空運賃も爆上がりしている上に迂回ルートなどで時間もかかり、そのうえロストバゲージで荷物を受け取るのに数ヶ月もかかるのでは、本当に踏んだり蹴ったりです。シャルルドゴール空港 ロストバゲージ<関連記事>「シャルル・ド・ゴール空港 ストライキのための大混乱」「マリアンヌの切手の買い置きとパリでの戦闘体制の日々」「フランス生活の修行の一つ 「届くはずの荷物を待つ」「...

2022年7月10日日曜日

ニースの交通機関でのマスク着用義務化、裁判所から停止命令

   1日の新規感染者数が20万人を超えてしまった現状を受けて、ニース市長は政府の決定に先駆けて、週明けの月曜日から、公共交通機関でのマスク着用を義務化することを発表していました。 公共交通機関でのマスク着用義務は強く推奨されているものの、全然、マスク率は上がらず、感染者数がひたすら増えていく状況に、このニースでの公共交通機関でのマスク着用義務化をきっかけに、これが全国レベルに広がってくれるのではないか?と、私は期待していたくらいでした。  ところが、事態は思ってもみない方向に転換し、ニースの行政裁判所は、「自治体特有の緊急の理由」はなく、「そのような措置の制定が不要」であると判断...

2022年7月9日土曜日

安倍元首相の訃報に関する海外(フランス)の報道、反応

   朝、目が覚めて、ツイッターを覗いたら、「安倍、おまえ、いけすかない奴だけど、死ぬなよ・・」というツイートが目に入って、「???安倍って誰のこと???」と思って、そのまま見過ごして見ていると、どうやら安倍元総理のことらしい・・とちょっと、トレンドを見るとフランスのツイッターのトレンド1位も「Shinzo Abe」になっていて、どうやら、安倍晋三元総理が選挙の応援演説中、銃で撃たれて危篤状態ということを理解しました。 日本とは7時間の時差があるので、一体、日本で何時ごろ起こったことなのだろうか?と思いながら、フランスでもツイッターでトレンド1位ってことはもしかしたら、フランスのテレビでもやっているかもしれない・・と思って、いつもは日中はつけることのないテレビをつけたら、大騒ぎでほぼ生中継のような感じで、安倍元総理が撃たれた時の模様やその後ドクターヘリで運ばれていく様子を日本に駐在しているジャーナリストが解説しながら、報道を続けていました。 つい、この間、日本の猛暑の様子がフランスのテレビで報道されているのを見て、日本のことをこんなに大々的にニュースで取り上げることはないのに日本の映像がテレビで流されるのは珍しいな・・などと思いながら見ていたばかりだったのに、まさかこんなことで数日後にフランスのニュースで日本の報道が流されるとは、思ってもみませんでした。 フランスのテレビでは、日本は、合法的に所有されているか否かにかかわらず、G7の中で民間用銃器の流通が圧倒的に少なく、フランスは100人あたり20丁、アメリカは120丁、日本の銃器保有数は0.25丁、こんな社会背景もあり、銃器に対する警戒が希薄であるのかもしれない・・などと言っています。 しかし、やはりこんなことが日本で起こることなのか?と日本人も思っていると同時に海外の人々も「世界一安全な国・日本」がもはや過去のものとなりつつあるのか?と驚きの目で見つめています。 そして、もう一つ、驚いたことは、世界中の首脳や要人たちが、決して型通りではない、彼との思い出を重ねた弔意を届けていることで、エリザベス女王をはじめ、バイデン大統領、イギリス、ドイツ、イタリアの現首相、メルケル元首相やオバマ元大統領、トランプ元大統領、そしてプーチン大統領やゼレンスキー大統領まで彼の功績を讃えています。 中でもメルケル元首相の「日本と世界は偉大な政治家を失った」という彼に対する賛辞にも彼女の最大限の敬意が込められていると感じたし、インドのモディ首相などは、「親愛なる友人が悲惨な死を遂げ言葉にできないほどのショックを受けている。9日、インドは国全体で喪に服す」と語っています。 日本でさえ、国全体で喪に服すとはいっていないのに・・。 現在の世界情勢の中心にある人々の中に、安倍晋三という人がこんなにしっかり存在していたことを思うと、他に問題になることはあったのかもしれないけれど、やはり彼の存在は日本にとって、貴重なものであったと思わざるを得ない気持ちになりました。 この世界各国の要人からのメッセージを見るに、総理大臣という立場を退いてなお、彼の発言に対する影響力は甚大なものであったことがわかります。世界の中で存在感をアピールすることが苦手な日本人としては、彼の存在感はやはり日本人としたら、異例の存在であったようです。 マクロン大統領もこの安倍元総理に対するツイートを危篤状態の時点で一度、死亡が確認されてから再度、発信しています。(残念ながらマクロン大統領のツイートは型通りの感じの印象) この危篤状態の時点で、「心肺停止」と日本で報道されている間にフランスでは、「日本では所定のプロセスで医師が確認するまで死亡とは言わない。しかし、心臓はもう止まっているということだ・・」などと言っているのを聞いて、なんか、そんなこと、サラッとよく言うな・・と思っていました。 しかし、それは、そのとおりだったようで、昭恵夫人が病院に到着して、すぐに、死亡宣告が行われたようで、彼の死亡時刻はちょうどそのタイミングになっていました。 マクロン大統領のツイッターを見ていて、偶然に発見したのは、マクロン大統領の公式アカウントで彼がフォローしている日本人は安倍晋三氏ただ一人だけで、岸田首相は入っていません。政権が変わってもなお、発言が注目されていたのは、安倍晋三氏だったことがわかります。 彼の死とともに、彼の業績がフランスでも解説されていますが、それに比べると、圧倒的に存在感のない現在の岸田首相が浮き彫りにされているような気もしてしまいます。現職の首相をよそに、今回の事件の記事には、「日本で最も有名な総理大臣が暗殺された」などとタイトルがつけられているのをみかけます。 これが日本での選挙のさなかに起こったことで、民主主義への冒涜などと言われていますし、そういう側面もあるとは思いますが、この事件は事件で、選挙とは別問題です。 この選挙直前のこのような暴挙は決して許されることではありませんが、これが同情票に繋がる危険もありそうなことを私は少し心配しています。事件は事件、選挙は選挙で、投票はお香典ではないことを忘れてほしくありません。 それにしても、現在、戦争真っ只中で、「明日はもう、この世にいないかもしれない・・」と国連で演説していたゼレンスキー大統領やプーチン大統領が、世界一平和なはずの日本で銃撃された元総理大臣に弔電を送るとは・・安倍氏自身も思ってもみなかったことに違いありません。 結局、この日は、1日中、フランスのトレンド1位は「Shinzo...

2022年7月8日金曜日

海外生活一人暮らしの女性の終活

     海外生活をしている者にとって、終の住処については、いつかは具体的に考えなくてはいけない問題の一つでもあります。海外生活はストレスも多いせいか、わりと早く亡くなる人も少なくないような気もしています。 ある程度の年齢に達すれば、日本の両親は亡くなり、日本に一時帰国するといっても、もう帰る場所もないという人も増えてきます。私の場合は、母が亡くなってからはかなりたっていますし、父もそれから10年後くらいに亡くなって、実家はいなくなってしまいましたが、幸か不幸か家が残っているので、今のところ帰る場所がないわけではありません。 私は、海外に出た時には、あまり具体的...

2022年7月7日木曜日

ニース市長 公共交通機関でのマスク義務化を発表 フランス人は義務化されなければマスクはしない

  ニース市長・クリスチャン・エストロジは、公共交通機関でマスクを着用することが再び義務付けられるよう、ニース市の他の市長と共同で政令を制定し、来週の月曜日から交通機関でのマスク着用義務を復活させることを発表しました。 この政令は、「メトロポリスの交通網全体」において、「月曜日から、市長たちとの共同政令に基づき、全員が強制的にマスクを着用する」ことを意味しています。 今回の措置で、ニース市は政府の勧告をさらに上回ることになりました。ニース市長はこの公共交通機関でのマスク着用義務復活の理由として、「24時間以内に20万人以上の患者が発生し、急激に増加する第7の波に乗り、このままでは新学期を危険...