パリ市はすでにパリ中心部の地域を中心に「交通規制区域」(1~4区とサンジェルマン大通りとセーヌ川の間に位置する5、6、7区の一部)を導入する計画を進めていますが、当初の2022年半ばまでには・・という計画は、想像以上に困難が立ちはだかり、計画を2024年のパリオリンピック前までに延期されています。
それが、今度はパリ18区のモンマルトル地域がこの交通規制を2022年秋には第一段階を開始する予定だそうです。公共交通機関、タクシー、配送車、地域住民のみが歩行者専用エリアにアクセスできる歩行者天国化を計画中です。
歩行者天国の外周はまだ検討中であり、道路の狭さは道路選定の基準のひとつになると言われています。
モンマルトルの丘はパリ市内を一望できるパリで一番高い丘、丘の上には、サクレクール寺院が聳えたち、年間1,200万人の観光客が訪れる観光地でもあります。もともと、メトロの駅から丘に登っていく道は、ごちゃごちゃしていて、あまり治安がよいと言える場所でもなく、そんなにビュンビュン車が通るところでもないので、パリの中心部に比べて交通規制は行いやすいのかもしれません。
モンマルトル地区はすでに毎週日曜日と祝日の11時から19時まで、一部の道路が通行止めになっています。
このモンマルトル地区がこの歩行者天国化(交通規制)に躍起になっているのは、ユネスコの世界遺産登録を目指していることも理由のひとつであると聞いて、「えっ?サクレクール寺院は、世界遺産じゃなかったの?」と逆に驚いています。
18区の市長は、「この計画はモンマルトルがユネスコの世界遺産に登録されるためにも不可欠な問題だ」と述べているのです。
このユネスコの世界遺産というのをあらためて、調べてみると、モンサンミッシェルやヴェルサイユ宮殿、シャルトル大聖堂やランスのノートルダム寺院、パリのセーヌ河岸などなど、フランスには49ヶ所あるようですが、パリのノートルダム寺院(これはパリのセーヌ河岸に入るのかもしれない?)やルーブルやオルセーなどは入っていません。
そもそも申請しなければ、登録されることはないので、あらためて申請して、世界遺産として認めていただかなくともよいとほど有名な場所はこの「世界遺産」というブランドは必要ないのかもしれませんが、逆に考えてみれば、今さら?モンマルトルが世界遺産登録申請をしているということが不思議な気もしています。
たしかにモンマルトルは観光にも力を入れているような感じもあり、中でもサクレクール寺院はシンボル的な存在でもあります。その周囲には、ストリートアーティストなどが集まっている広場や街並みは、印象的でもありますが、中には、「ジュテームの壁」などといういかにも観光スポットを狙ったような人工的なちょっと意味がわからない壁を作ったりして、ちょっとビックリしてしまったこともあります。
また、世界遺産問題は別としても、ここ数日、6月というのに40℃近い気温を記録しようとしているフランスでは、交通規制でもなんでもして、少しでもこの異常気象の改善の小さな一歩になってくれればと思います。
久しくモンマルトルには行っていませんが、娘が小さかった頃は、なぜか、サクレクール寺院は彼女のお気に入りで、彼女はなぜか「神様のおうち」と呼んでいて、よく連れて行ったものです。
なんといっても、サクレクール寺院は丘の上にあるために、元気がありあまっていた娘を少しでも疲れさせるには、絶好の場所だったのです。
今から思えば、あの頃は、夏でさえもこんなに暑いことはなく、なんとか、私も彼女に付き合って、あの丘を登ることができたのですが、今のこの気温だったら、かなりキツかったかもしれません。
娘の幼少期にこの異常気象がなくて、幸いだったな・・とちょっと、胸を撫で下ろしていますが、ここ数年のパンデミックのロックダウンやこの異常気象、小さいお子さんをお持ちの方はどれだけ大変だろうか?と思います。
全く、生きにくい世の中になってきたもんですが、少し涼しくなったら、歩行者天国になったモンマルトルの丘へ久しぶりに行ってみようかな?とも思っています。
モンマルトル交通規制 歩行者天国 世界遺産登録
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