2022年5月12日木曜日

公共交通機関でのマスク義務化も解除へ フランスのコロナウィルスに対する規制撤廃

  


 すでに、公共交通機関利用の際以外は、屋内、屋外もマスク着用義務は撤廃になっていましたが、来週から、フランスはその公共交通機関でのマスク着用義務も撤廃になることになりました。

 メトロ、バス、電車、飛行機、タクシーなど全ての公共交通機関がこれに該当します。

 パリの街の中の様子などを見ていると、もうほぼほぼコロナ前の日常とほとんど変わりないくらい、日常生活に戻っており、それでも、これまでは、よくもこの人々がルールを守ってるな・・と逆に感心するほどに、メトロやバスの中では、ほぼほぼ全ての人がマスクを着用していました。

 やはり罰金135ユーロの威力は恐るべしです。

 ここのところ、フランスの感染状況は、かなり減少してきており、ここ一週間の1日の感染者数の平均は3万7千人程度にまで下がってきており、それにつれて、集中治療室の患者数も確実に減少してきています。

 オリヴィエ・ヴェラン保健相は、「パンデミックは終わっていないが、流行状況は改善しており、日々の新規患者数は減少しており、マスク着用義務を維持することはもはや適切ではないと考える」「しかし、ウィルスの感染は無くなったわけではないため、高齢者や持病のある人に対しては引き続きマスク着用を推奨する」と発表しました。

 また、公共交通機関でのマスク着用義務解除後も、高齢者施設や医療施設へのアクセスにはマスク着用が義務付けられたままで、一部の制限は維持されます。また感染者(陽性だった場合)には少なくとも1週間の隔離が課されます。

 医療施設では、現在、ワクチン未接種の医療従事者は働くことはできませんが、これらの人々に対しても、すぐには復職できないが、政府は彼らの状況を考慮するとして、近々、保健衛生局の意見を求める意向を明らかにしました。

 保健相は重ねて、秋に新しいワクチン接種キャンペーンを行う可能性についても言及しましたが、詳細は明らかにせず、すべては新種の出現と、その危険性や既存ワクチンに対する耐性プロファイルの多寡に依存すると説明しています。

 実は私のところにも「2回目のブースター接種(4回目のワクチン接種)のお知らせ」という通知が届いています。私には、心臓疾患があるために届いていると思われますが、強制ではないけど、2回目のブースター接種をしませんか? 希望すればできますよ・・くらいの緩い感じのものなので、「そんなに何回もしても大丈夫なのだろうか?」という不安も少々あり、現在の感染状況を見る限り、自分で感染対策をきっちりしていれば、今のところはいいかな・・と保留しています。

 折りしも、今週、来週とパリはもう夏のような暑さで、マスクがなかなか苦しくなっている気候。この公共交通機関でのマスク義務化解除のニュースを受けてのインタビューを見ていると、「いやいや、まだまだ、マスクは外さない・・」などと答えている人もいるにはいるのですが、フランス人の気質から考えるとこれで、マスクは一気に消えていくことは明白です。

 先日も買い物に行ったら、マスクをしている人に、「おまえ、いつまでマスクしてるんだ!」と、いちゃもんをつけている人を見かけたばかり・・私自身は、まだまだ怖くて、当分、マスクはし続けるつもりですが、たとえ、気をつけたいと思っても、マスクなんかやめろ!と言われかねないのも少々心配です。

 この公共交通機関には、飛行機も含まれており、先日、日本に一時帰国した際に、長距離フライトでマスクをし続けているのが、けっこう苦しかったことを思い出します。

 この飛行機内でのマスク着用義務撤廃も、国際便となると、また物議を醸しそうで、例えば、フランスから日本に行く場合、相変わらず、迂回便とはいえ、やっと直行便も少しずつ復活し始めたものの、エアフランスで行けば、マスク着用義務はなく、JALかANAだとマスク着用は義務のままであると思われます。

 日本人なら、おとなしくマスクをしていそうな気もしますが、6月には入国制限を緩和すると言っている日本が、外国人観光客も受け入れ始めるとなると、結構、あがらう人もいそうです。

 しかし、フランス側は、国際便については、「最終的には航空会社の判断」としています。

 日本側にとっては、やれやれ、ようやく鎖国が緩和・・と思ったら、また新たに出現しそうな機内でのマスク着用問題・・日本は日本で毅然とするところは、毅然と日本のやり方を通しつつも、こんなことで怯まずに、日本の鎖国は一刻も早く解除してほしいと願っています。


公共交通機関マスク着用義務解除


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2022年5月11日水曜日

プーチン大統領に続いて、習近平国家主席と電話会談するマクロン大統領

  



 今月に入ってからのマクロン大統領のスケジュールを見ると、一体、いつ寝ているのか? 大統領2期目の組閣や次から次へと湧き起こる出来事、大きな会議などに臨むにあたって、いつ、どうやって考えをまとめているのか?と不思議になるくらいです。

 今月3日の約1ヶ月ぶりのプーチン大統領との電話会談を皮切りに翌日には、インドの首相、さらに、その翌日には、トルコ、南アフリカ、セネガル、モーリタニア、エジプト、アルジェリアの大統領(あるいは首相)と電話会談。

 そして、また次の日には、チュニジア、チャド、アブダビの首脳、そしてビルゲイツ、イギリスのジョンソン首相との電話会談。

 その間、電話会談だけでなく、国防会議などが挟まり、大統領就任のセレモニー、戦勝記念日のセレモニーを経て、G7の会合、ストラスブールでの欧州議会、ベルリンへ飛び、ドイツのショルツ首相との会談と強行スケジュールをこなしています。

 ベルリンから戻ってきたと思ったら、今度は習近平国家主席との電話会談というなかなかな緊張がありそうな電話会談に臨みました。

 この習近平氏との電話会談については、なぜか、仏紙では、この二人が話し合った内容について、特にコロナウィルス対応についてを取り上げていて、「ゼロコロナ戦略」のために、厳しい感染対策をとっている中国に対して、中国でのフランス人の懸念に配慮するよう要請したとし、具体的には、「フランスへの航空便を維持し、空港への渡航を許可し、いかなる状況でも親から引き離すことを避け、子どもたちの最善の利益を守る」ことを主張したと報じています。


 しかし、マクロン大統領自身は、習近平氏との電話会談について、「私たちは習近平国家主席とともに、ロシアの侵略によってウクライナの人々が経験している劇的な状況について把握しました。我々は、停戦、ウクライナの領土保全と主権の尊重という目的を共有している」

 「ウクライナ戦争は、世界的な食糧危機の危険をはらんでいる。フランスの対応策である食糧危機に対するFARM(Food and Agriculture Resilience Mission)を成功させなければならない」

 「中国国家主席は私に、両国のパートナーシップを引き続き深化させ、互恵的にバランスをとっていきたいと表明されました。その思いは私も同じです。航空や民生用原子力のプロジェクトでは、我々の力を結集し、さらに前進していくことになるでしょう」とツイートしており、中国との電話会談の本題がウクライナ問題にあったことが伺えます。 

 エリゼ宮もまた、同様の内容を同日発表しており、上記の内容に加えて、北朝鮮問題についても、外交努力の調整のために議論されたことを記しています。 

 以前、マクロン大統領は「中国の言うことをバカ正直に信用してはいけない!」と声高に叫んでいたことがありましたが、その中国の国家主席との会談さえも、こうして前向き?に発信しているのは、やはり現在のロシアに対する対応のために他なりません。

 ロシアへの制裁に関しては大きな鍵を握ると思われる中国ですが、「我々は、停戦、ウクライナの領土保全と主権の尊重という目的を共有している」と言っても、都合のいい解釈である可能性も低くない気もします。

 もっとも、今のところ、この会談は少なくともフランスのテレビなどの報道ではほとんどスルー状態で、まともに受けとられていないのかもしれません。

 そもそも、プーチン大統領とはさんざん話をしてきたマクロン大統領、信用できない相手との会話もお手のもの・・たとえ裏切られても、少々のことでは、今さら応えないのかもしれません。


マクロン大統領と習近平国家主席の電話会談


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2022年5月10日火曜日

ロシアの戦勝記念日とマクロン大統領の「欧州政治共同体」提案

   


 未だかつてないほど世界中が注目していた今年のロシアでの戦勝記念日は、様々な予想をよそに、あまり例年と変わらなかったどころか、例年よりは控えめでした。危惧されていたような特別なことも起こらず、プーチン大統領も開戦宣言をすることもなく、航空機によるパレードも天候のために中止ということで、予行演習の際には登場していた「週末の日の飛行機」と呼ばれる特別機「イリューシン80」も登場することはありませんでした。

 今回のロシアの戦勝記念日は、身構えていた世界中をまた逆に驚かせ、それでも、戦争が終わるわけではなく、フランスの報道でも喧々轟々と議論されており、プーチン大統領の内向きな演説を読み解こうと、在仏ロシア大使館のロシア政府報道官や在仏ウクライナ大使などにもインタビューを行いながら、今後の戦争の行方を話し合っていました。

 各国に駐在しているロシア大使館の外交官のインタビューなどを時々、目にしますが、苦し紛れの言い訳が、見るに堪えない感じがしていましたが、昨日のフランスのテレビでは、インタビュアーの方から、途中で、「今日はインタビューに答えていただきありがとうございました」と打ち切ってしまう潔さ?これ以上聞くに堪えない視聴者の気持ちを代弁してくれたような感じで、それはそれで妙に納得がいく気がしてしまいました。

 海外からの要人が訪れることもないロシアの戦勝記念日にロシアの孤立化が鮮明になったとの声も上がっていましたが、一方、戦禍のウクライナには、アメリカ大統領夫人やカナダの首相が電撃訪問など、世界からのVIPが来訪している様子は、まことに皮肉なものを感じます。

 プーチン大統領の真意はわかりませんが、今回のような戦勝記念日のセレモニーで開戦宣言もしなかったのは、世界中から孤立している中、ロシア国民に背を向けられたら終わりという気持ちからだったような気がしています。

 一方、マクロン大統領は、ストラスブールの欧州の将来に関する会議で再選後初の欧州に関する演説を行い、EUをより効率的で独立したものにするための欧州条約の変更に賛成であり、それなくして我々の民主主義の正統性はない」と述べています。

 また、彼は、ウクライナのEU加盟には「数十年」かかると警告し、その間にイギリスのような国も受け入れることができる「欧州政治共同体」を提案し、後にベルリンでオラフ・ショルツ氏との共同記者会見を行い、「もう一つの協力の形」を提供できるだろうと述べ、「我々の一連の価値観を信奉する民主的な欧州諸国が、政治協力、安全、協力のための新しい空間を見つけることができるだろう」と語りました。

 「この組織は、我々の一連の価値観を信奉する民主的なヨーロッパ諸国が、政治的協力、安全保障、協力のための新しい空間を見出すことを可能にする」と説明しています。

 また、「この組織に参加することは、将来のEU加盟を妨げるものではないし、EUを脱退した人々に対して閉鎖的になるものでもない」とも述べました。

 マクロン大統領は、来月23日と24日に予定されている欧州首脳会議で、加盟27カ国の首脳とともに「必要な大胆さと自由さをもって」この問題に対処することを望んでいます。

 しかし、さすがにこれは、そう簡単に通る話でもなさそうで、これには、すでに13カ国が「EUにさらなる権限を与えたり、その機能を修正したりするような、取得が複雑なこのような変更に反対する意向」をすでに示しています。


 

 ポーランド、ルーマニア、フィンランドを含むこれらの国々は、署名国であるスウェーデンが月曜日に配布した文書によると、「我々は、熟考されていない早まった手続きを開始しようとすることに賛成しない」と発表しています。

 EU(欧州連合)、NATO(北大西洋条約機構)など、さまざまな組織が重なって存在している中、さらにまた新しい組織というのも、より複雑で収集がつきにくくなるような気もするのですが、今、ヨーロッパ全体の在り方を見直す必要があるということは、必須なのかもしれません。

 あくまでも今後の話し合いのための提案であるので、この提案により欧州の国同士が険悪になるとは思いたくはありませんが、マクロン大統領がヨーロッパをより強靭なものにしたいという前のめりな気持ちがこの提案から伝わってくるような気がします。

 この戦争を見ていると、各国の政治家の話すチカラに驚かされます。マクロン大統領の口がたつのは有名ですし(時には、それが過ぎて、逆に反感もかってしまうこともある)、国によっては、失言としか思えないような発言が気になるところもありますが、全世界に発信を続けて味方につけてしまうゼレンスキー大統領などのアピールするチカラ、牽引力は見事なものだと思っています。

 それを考えてみると、日本には、世界に向けて説得力のある話ができる政治家がいるかな?と思ってしまうとともに、「理論立ててしっかり話をして相手を説得する」というような教育が日本にも必要なのではないか?とも思うのです。

 

ロシア戦勝記念日 欧州政治共同体


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2022年5月9日月曜日

5月8日のフランスでの戦勝記念日とG7の会議

  


 翌日には、世界中が注目しているロシアの戦勝記念日の前日の5月8日はフランスは1945年の戦勝記念日として、凱旋門の下でセレモニーが毎年、行われています。

 ロシアの戦勝記念日には、軍事パレードが行われるようですが、フランスの軍事パレードは7月14日のパリ祭(革命記念日)で、シャンゼリゼを華やかにパレードする光景は華やかで美しく、沿道には大勢の人々が集まります。

 パリ祭に比べるとフランスの戦勝記念日はこじんまりとしたものではありますが、やはり、華やかで美しいことには変わりはありません。

 しかし、今年ばかりはウクライナでの戦争中ということもあり、美しい騎馬隊に先導されて車をマクロン大統領の乗った車が凱旋門に向かっていく様子には、いささか、もやもやとした気持ちを感じずにはいられませんでした。

  


 第二次世界大戦のために犠牲になった何百万人もの人々に対して今でも最大の敬意をもって悼むという意味では、美しいセレモニーは尊いものであるには違いないのですが、テレビやネットなどの報道とはいえ、毎日のように、悲惨な戦禍を目にしている現在は、美しく身なりを整えている騎馬隊や兵隊を見ていると、戦争は決して、こんなにきれいなものではない・・という抵抗を感じてしまうのです。

 セレモニーは午前中の1時間程度で終わり、同日午後には、ウクライナ情勢に関するG7の会議が行われていました。今回のG7の会議にはウクライナのゼレンスキー大統領も参加しています。

 エリゼ宮は、同日中にこの会談で話し合われた内容について、17項目にわたって詳細を発表しています。

 第二次世界大戦終戦から77年、ロシアのプーチン大統領とその政権は、主権国家に対するいわれのない侵略戦争として、ウクライナに侵攻することを選択しました。G7は、ロシア大統領の行動は、ロシアとその国民の歴史的犠牲の上に不名誉をもたらすものであり、ロシアは法の支配に基づく国際秩序、特に第二次世界大戦後に戦争の惨禍から将来の世代を守るために起草された国連憲章に違反しているという確認を致しました。

 プーチン大統領と、ベラルーシのルカシェンコ政権を含むこの侵略の立案者と共犯者に、国際法の下で責任を取らせるために、国際刑事裁判所の検察官、国連人権理事会が委任した独立調査委員会、欧州安全保障協力機構の専門家ミッションなどによる、この分野での継続的な調査と証拠収集の作業を支持いたします。

 G7は、ゼレンスキー大統領に対し、ウクライナが自由で民主的な未来を確保できるよう支援し、同国が今日の自衛と将来の侵略行為を抑止できるよう、新たな約束を引き続き行う意思を再確認し、ウクライナ軍への軍事・防衛支援を継続するとともに、ウクライナのネットワークをサイバーセキュリティ事件から守るための支援を継続し、情報セキュリティも含めた協力関係を強化し、ウクライナの経済とエネルギーの安全保障を強化するために、引き続き支援を行うことを約束しました。

 プーチン大統領の戦争は、世界のエネルギー供給、食糧および肥料の供給、そしてより一般的に世界のサプライチェーンの機能に影響を与え、深刻な世界経済の混乱を引き起こしており、最も脆弱な国が最も大きな打撃を受けています。私たちは、世界中のパートナーとともに、この紛争がもたらす否定的で有害な影響に対抗するための努力を強めることで同意。

 ロシアの石油の輸入を徐々に削減または禁止するなど、ロシアのエネルギーへの依存を段階的に解消することを約束し、世界が代替エネルギー源を見つける時間を確保し、クリーンエネルギーへの移行を加速させることを含め、安定的かつ持続可能な世界のエネルギー供給と消費者にとって手頃な価格を確保するために、お互いに、またパートナーと緊密に協力することを確認。

 これらは、ロシアが依存する重要なサービスの供給を禁止または阻止するための措置をであり、経済のあらゆる分野でロシアの孤立を強化するものです。

 内容的には、これまでのG7の発表と大きな違いはありませんが、つまりは、ロシアの侵略行為を徹底的に非難し、ロシアに対する制裁、ウクライナへの支援を強化するということです。

 決して遠くはないところで起こっているこの戦争が一体いつまで続くのか、わかりませんが、子供の頃に戦争を知らない世代と言われていた私も、現在、戦地で暮らしているわけではありませんが、「戦争を知らない」という意味を今になって、深く思い知らされる気持ちです。

 自国を守るために軍隊が必要なのは理解できますが、これまで華やかで美しいパリ祭の軍事パレードなどを見るにつけ、これが見られてフランスにいてよかった!などと思って見ていた自分が今は少し恥ずかしいような複雑な気持ちです。

 シャンゼリゼをパレードする戦車なども、人を攻撃すための兵器で、これまでのように単純に美しく華麗なパレードをうわ〜っ!かっこいい!素敵!などという気持ちでは見られなくなりそうな気がしています。


G7  戦勝記念日 軍事パレード


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2022年5月8日日曜日

パリでのベランダ菜園 本格的な種まき開始 ベランダでの野菜の育て方

  


 私がベランダで野菜を育て始めたのは、最初にアフリカに住むことになってからで、現地でどんな食料が手に入るかもわからず、また、距離的にも、早々簡単には日本には戻れないことから、「現地で手に入らないなら、自分で育てればいいじゃない・・」という母のアドバイスから、いくつかの野菜の種を荷物に忍ばせて渡航したのが始まりでした。

 今から考えると、アフリカでは大きなベランダがあったにも関わらず、まずはフランス語を勉強しなければ・・と、他のことに必死で今から思うに大変もったいないことをしたと思います。

 それでも、ベランダのほんの一角に枝豆を育てた記憶があるのですが、あまり期待もしていなかったこともあり、毎日、水をやる程度で、大した世話もしなかったのに、手がかかるわりには、大した収穫もない・・などと、あまり魅力的なものには感じませんでした。

 今から思えば、やり方が適当すぎたのですが・・・。

 その後、主人の仕事の関係でフランスに転勤になり、娘が小さい頃には、通勤に時間がかかっていたこともあり、仕事と子育てで一杯一杯で、野菜を育てるなどという時間の余裕もなく、ベランダで野菜の栽培を始めたのは今の住まいに引っ越してきてからでした。

 それがいつだったか、はっきりと記憶もないくらいなので、もう10年以上は経っていると思いますが、その間、色々な野菜を育ててきました。

 基本的には、フランスで手に入りにくい野菜が中心で、特に紫蘇や三つ葉、小ネギなどの「やくみ系」の野菜は欠かせなく、たいていは、前年にこぼれ落ちた種や冬になって枯れたと思われても春になると自然と復活してくれるので助かります。

 今年は新しく山椒の苗を手に入れたのですが、どうやら今のところ枯れずに順調に育っています。和食を作ったりした時には、このやくみの面々があるかないかで、ずいぶんと食卓が引き立ちます。

 フランスの気候とベランダのような狭い場所でも栽培できる野菜には限界があり、広い庭があったら、大根やキャベツ、とうもろこしなどにも挑戦したいところですが、これまでかなり収穫ができたのは、春菊や水菜、小松菜などの葉野菜(これらは比較的簡単です)、そして何より我が家のベランダ菜園でのメインイベントは「きゅうり」です。

 


 これは、今までに失敗した経験から、まずは種まきの時期が大事で、春先に種を蒔くのですが、3月、4月は暖かくなったから、そろそろいいかな?などと思っても、また急に寒くなったりもするので、5月を過ぎて、天気予報を見て、ある程度、気温が上がる日が続きそうなことを確かめてから、プランターに少々、土に肥料を混ぜて土を盛り、5㎝ほどの間隔をあけて、指で穴を作り、2〜3粒ずつの種を植えて行きます。

 発芽して、本来ならば、間引きをするらしいのですが、もったいないので、私はある程度、その2〜3本の芽が10㎝くらいまでに育ってきたところで、根分けして、もともとのプランターからはみ出した分は別のプランターに植え替えます。

 土はできるだけ根につけたまま、植えかえると、根付きやすく、その後、しばらくすると、それぞれにスクスクと育ち始めます。それから、ある程度を過ぎると、きゅうりは本当に毎日の変化が目に見えるように、ジャックと豆の木みたいにぐんぐん育つので、成長が楽しみになります。

 ある程度まで育つと蔓(つる)が出てくるので、その時点で支え棒を脇にたててあげると、蔓を巻いてぐんぐん伸びて行きます。自分の脇に棒がたっているのに、となりの棒を横取りしようとするものもあったりして、人間でもこう言う人いるよな・・と思ったりして、それはそれで面白いです。

 途中、土が沈んでいくので、土を足してあげると良いです。

 夏の暑い間は、ベランダ一面が緑で囲まれ、ここのところ数年にわたる夏の猛暑の際にもよい日除けになります。育ってくるにつれて、かなり大量の水が必要で、朝晩、かなりの水をやる必要があります。

 しかし、ある程度、育ってくるとハトがやってくるという恐怖もあり、一時はハトが巣作りを始めて、朝起きると小枝が盛ってあり、避けても避けても翌朝になると小枝が・・ということもありましたが、アルミホイルを細く切って、支柱にからめてたなびかせておくと、ハトが寄って来なくなることがわかってから、そんなこともなくなりました。

 5月の初旬に種を蒔くと、7月初旬には、黄色い花がつき始め、7月中旬くらいから収穫できるようになります。

 特に2年前のロックダウンの際などは、3月から4月にかけてのことだったので、外出ができない中、ベランダでの野菜の栽培は気持ちを和らげてくれて、実際に食料にもなり、大変、助かりました。

 太陽と土と水のチカラってすごいんだな〜〜とそんなことに感動していると、なんだかゆったりした気持ちになるのです。

 フランスでもきゅうりは売っているのですが、大きなきゅうりで日本のきゅうりのようなカリッとした食感ではなく、フランス人の主人に言わせると水分が少ないきゅうり・・などと言うのですが、なるほど、そう言う感じ方もあるのか・・と思いながらも日本のきゅうりが断然好きな私としては、毎年きゅうりを育てるのは、ここ10年ほどの年中行事になっています。

 その他、にら、なす、ししとう、さやえんどう、スナップエンドウなども、育てやすいです。



 

 特ににらは多年草なので、数年にわたって、切っても切っても生えてくるので、とても便利です。我が家はにらが伸びてくると餃子やニラ饅頭を作ることにしています。ただ、時に小さな土と見間違えかねないような黒い虫がついてしまうこともあるので、その時には、殺虫剤はできるだけ使いたくないので、牛乳を水で薄めたものをスプレーすると、虫がいなくなります。

 今年もきゅうりの種まきの頃合いを見計らっていたのですが、どうやら今週末から来週にかけては気温が上昇するらしく、昨日、ここぞとばかりにきゅうりの種を蒔きました。

 一応、発芽まですれば、きゅうりの場合はたいてい順調に育ってくれるので、今年もうまくいくことを願っています。

 狭いベランダですが、夏はきゅうりにほとんどのスペースを用い、1シーズン200本近いきゅうりが収穫できます。この夏に収穫できるきゅうりのために、我が家はパンとビールでぬか床まで作っています。

 あまりにたくさん採れすぎて、キューリのキューちゃんまで作ったこともありました。

 最近では、秋から冬にかけて、野菜が育たない時期には、次の年のために、前年に使った土をほぐして、野菜くずなどを混ぜて翌年の栽培のための土を準備するようになりました。

 我が家のベランダはせいぜい一畳ちょっとほどの小さなベランダですが、植物がそだっていくのは楽しいことで、そのうえ食べる楽しみもあり、今では、私の海外生活には欠かせないものになっています。 


ベランダ野菜栽培


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2022年5月7日土曜日

ついにギャラリーラファイエットグルメにまで登場した日本のパン屋さんブーランジェリーAKIとおにぎり

   


 ギャラリーラファイエットから、コマーシャルメールが来て、大抵、いつもは、スルーしてしまうのですが、スルーしようとしたら、「GOURMET JAPONAIS グルメ・ジャポネ」という文字が目に入ってきて、ふと目を止めると、なんと「グルメで東京を感じよう!」「日本の美食を味わおう!」と銘打って、パリにある「日本のパン屋さん」こと、ブーランジェリーAkiや、おにぎり屋さんGili-Gili、WAKAZEの日本酒などが出店していることを知って、びっくり!

 パリ1区のサンタンヌ通りに「日本のパン屋さん」として、オープンしたブーランジェリーAKIは、今や同じ通り沿いにお餅のお店からカフェまで一体、何軒あるかわからないほど人気が拡大し、最初はオーソドックスないわゆる日本のパン屋さんにあるような食パンやカレーパン、あんぱん、クリームパンなどから始まって、いわゆる日本のショートケーキやロールケーキ、お弁当などにまで、商品の種類が増えて、最近は可愛く彩られたメロンパンが大人気なのは、知っていました。

 それが、パリのグルメ界の王道とも言えるラファイエットグルメにまで登場したのには、驚きです。ラファイエットグルメは、少々お値段は高いのですが、あちこちのお店を回ることなく、美味しいものが確実に手に入るので、便利といえば、便利なのです。

 美食を誇るパリの真ん中で、選りすぐりの名店が軒を連ねるラファイエットグルメに登場するのは、かなりパリの中でも評価を得ているということです。

 昨今の日本食ブームはSUSHI、ラーメンに止まらず、日本のパン、お餅、おにぎりにまで広がろうとしていることを思い知らされる感じです。



 さっそく行ってみると、Akiとおにぎり屋さん、お酒は同じブースにひとまとめになっており、Akiに関しては、高く積み上げられたケースから察するに、おそらく、目玉商品はメロンパン、その他はスイーツ系のお餅(桜もちやいちご大福、どら焼きなどなど)やどら焼きなどでした。

 

 こうして人気のメロンパンを見ると、もはやメロンパンというよりもシュークリームみたいです。

 おにぎりは比較的小さめで、具は、梅干し、昆布、明太子、梅おかか、鮭、ツナマヨなどの想像よりもオーソドックスなラインナップ(私が行った時には、かなり売り切れていました)でした。

 

 お昼すぎの時間だったために、棚はガランとしていましたが、それだけ売れているということです。ショーケースの写真を撮らせてもらっていたら、写真を撮っているとは知らずに私の後に行列ができてしまったほどです。

 気になるお値段ですが、メロンパンは1個5ユーロから5.8 ユーロ(680円〜800円)、おにぎりは、3ユーロから 4.5ユーロ(400円〜600円)となかなかなお値段です。

 おにぎりに関しては、もはや、別のコーナーにテイクアウトができるコンビニのような食料品がおいてあるスペースには、常駐のおにぎりもあり、こちらに関しては、かなり変化球バージョンの具で、サーモンクリームチーズ、チキン蜂蜜マスタード、ツナスパイス、牛肉照り焼き、とともになぜか、なす味噌というユニークな品揃い(こちらは 1個3.8ユーロ(500円程度))でした。


 このラファイエットグルメのAkiやおにぎり屋さんの出店は現在のところは、期間限定で、5月31日までのようですが、そのうち、もしかしたら、本格的に常設店になる・・なんてこともあり得ないではありません。

 しかし、先月、日本に一時帰国していた身としては、どう考えてもこのお値段は受け入れ難く、なんなら、自分でおにぎり作って売りたいくらい・・と思ってしまいますが、まあ、GLF(ギャラリーラファイエット(グルメ))価格ということもあり、他の店舗の商品と比べてみれば、相応な価格ではあります。

 何より、これで、けっこう売れています。

 考えてみれば、パリの外食、特に日本食店、ラーメン屋さんの値段などを考えれば、普通といえば、普通なのですが、パリで外食する場合、特に日本食の場合は、決して円換算をしていたら、とても食べる気がしなくなるので、「円換算はご法度」、これがパリで日本食を食べる時の心構えかもしれません。


*ちなみにこれは期間限定の出店であったため、現在は入っておりません。


ギャラリーラファイエットグルメ Aki


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2022年5月6日金曜日

中国とともに赤塗りされた日本の鎖国 6月にはようやくG7並みに水際対策緩和と発表

   



 3月1日から日本の新型コロナウィルス感染対策のための水際対策が緩和され、フランスからの入国についても、入国後の隔離が撤廃されたり、公共交通機関の利用などができるようになって、ずいぶんと日本も入国制限が緩和されたような気になっていました。

 しかし、考えてみれば、これは日本人、日本国籍を持った人に対して、また観光目的以外の外国人に対してのみのことで、一般的には、外国人に対しては、依然として鎖国を続けています。

 先日、仏紙で「強制検査、検疫...予防接種を受けていても、旅行者の入国を制限している国はあるのか?」という記事を見かけて、ギョッとさせられました。

 新型コロナウィルス感染も多少、落ち着きを見せ始め、多くの観光客が夏休みを前にして、旅行先を検討する時期に入って、多くの国で国境規制が緩和されました。それでも多かれ少なかれ入国制限を課しています。

 「中には、自国への入国を全面的に禁止している国もあります」(記事の中では日本は名指しされてはいませんが・・)、色分けされた世界地図を見れば一目瞭然、全面的に禁止している国は真っ赤に塗られた日本と中国、そしてトルクメニスタン(中央アジア南西部の小さな国)、かなり特異な感じで扱われています。

 この世界地図を見てもわかるように、濃いブルーはワクチン接種済みの人に対しては制限なし、薄いブルーの国は、出発前の検査を義務付けています。

 例えば、ニュージーランドでは、5月1日(日)以降、フランスを含む約60カ国の観光客に対し、予防接種を受けた場合の入国を許可しています。ニュージーランドに加え、EU諸国、カナダ、メキシコ、アルジェリア、チュニジアなどがこのグループに入っています。

 また、アメリカ、モロッコ、インド、アフリカ諸国の半数は、ワクチン接種を受けた旅行者に依然として陰性検査を要求している国のグループに入っています。

 そして、アジアの一部の国では、ワクチン接種を受けた旅行者が、出発前の検査で陰性であることに加え、到着後に隔離期間を設けることを現在でも要求している。例えばマレーシアでは、当局が指定するホテルに24時間隔離しなければなりません。

 中国については、国内でさえもかなり厳しい感染対策措置がとられているニュースが報道されているので、問題外としても、日本はその中国と同じ分類の「問答無用に入国を認めない鎖国を続けている国」なのです。

 そもそも、同じワクチン接種をしていながら、外国籍だから入国させないというのは、おかしな話です。だいたいウィルスは国籍の区別をするわけではありません。何もウィルスは今さら外国からだけ入ってくるわけではありません。

 せめて、最低でも、日本人に対して入国の際に行なっている検査等を同様に行えば、外国人とて入国を許可するべきだと思います。

 在外邦人の方々は心あたりのあることかもしれませんが、ただでさえ、アジア人というだけで、いっしょくたにされがちで、中国と日本の区別もよくついていないフランス人(ヨーロッパの人)も少なくない中、あらためて、この地図を見せつけられて、ますます同一視されかねない嫌な感じがしているのです。

 20年ぶりの円安の中、外国人観光客には、本来ならば、日本に旅行するチャンスです。パンデミック前までは、日本行きの飛行機はほぼフランス人でいっぱいだったほど、日本はフランス人に人気の旅行先でもありました。

 こちらの知り合いにも、「私も一度は日本に行ってみた〜い!」という人はたくさんいました。この日本人気が消え去らないうちに、なんとか外国人に対してもいつまでも鎖国などせずに、必要ならば検査を義務付けても、扉を開いてあげてほしいです。

 一部では、日本はグローバル化を叫びながら、いつまでも内向きな国だという酷評も受けています。

 さらに言わせてもらえば、日本人に対して行なっている現在の水際対策でさえ、機内で濃厚接触したからといって、隔離させておきながら(現在は家族のみということになっているらしい)、隔離解除には検査も義務付けないというザル方式。これでは「やってます感」だけをアピールしているとしか思えません。

 しかし、昨日、ヨーロッパを訪問していた岸田首相がロンドン滞在中にシティでの講演で「新型コロナウィルスのための水際対策を緩和すること」を発表。「G7(主要7カ国)並みに円滑な入国がとなるようにさらに緩和していく」「日本は今後とも世界に対してオープンだ」「みなさん日本にお越しください。最大限のおもてなしをします。」と宣言しました。

 講演後の記者会見では、この水際対策緩和について、「連休後の感染状況を見極め、6月にも専門家の意見も踏まえて水際対策を含め新型コロナ対策を段階的に見直す」「さらに日常を取り戻して行きたい」と語りました。

 ヨーロッパ首脳との会談とともに、ヨーロッパですっかり日常が戻っている様子に刺激を受けてくれたのか・・足並みを揃えるのが得意な日本・・岸田首相が鎖国解禁を思い直してくれるきっかけになってくれて、よかったと思っています。

 贅沢を言わせてもらえば、せっかく緩和するならもっと早くしてくれればいいのに、なぜ6月から?6月は燃油サーチャージが大幅に値上げされるタイミングです。

 しかし、ようやく日本の鎖国も終わる兆しは、やはり朗報です。

 これで円安緩和も少し期待できるかもしれません。


日本の鎖国 水際対策


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