2023年4月7日金曜日

マクロン大統領ゆかりのレストランが燃やされる! 11回目の年金改革反対デモ

 


 今年に入ってから、公式には11回目のデモが、色々な意味で盛大に行われました。CGT(全国組合連合)の発表によると 200 万人、当局の発表によると 74万人の人がデモに参加しました。

 パリだけでも、少なくとも11,500人の警察、憲兵隊がデモの警備にあたる中、今回はプラスイタリー(イタリア広場)が集結場所として選ばれました。集結場所はプラスイタリーでも、そこに到達するまでにデモ隊は、抗議の声を挙げながら、パリ市内をあちこち行進していくわけで、その途中で、様々な摩擦が生まれるのは毎度のことです。

 今回は、パリ6区にある有名なブラスリー「ラ・ロトンド」付近でデモ隊の一部と警察の衝突が起こり、レストランの赤いテントに発火筒が投げつけられ、赤いテントが燃え上がる火災が発生しました。



 火災が起こったのは午後15時半から16時頃のことで、昼時の混雑時間帯ではなかったにせよ、観光客の多い場所、お店にはお客さんも少なからずいたはずで、負傷者が出なかったことは、不幸中の幸いでした。

 消防隊の介入により、比較的早い段階で鎮火しましたが、レストランにとったら、大変な惨事に違いありません。

 このブラスリーは、2017年にマクロン大統領が大統領選挙に最初に当選した際に祝勝会に使われた、いわば彼のお気に入りのお店、いわば大統領御用達のお店で、そのために標的にされたものと見られています。

 レストランに行くと、有名人がここを訪れましたとばかりにその人がお店で撮った写真やサインなどが飾られていることがありますし、このブラスリーも2017年マクロン大統領当選直後は、大統領が祝勝会に使ったお店として、誇らしい出来事として捉えていたに違いありません

 しかし、それから6年後、年金改革問題により、反マクロンの勢いが強烈になり、とうとう攻撃の標的にまでされてしまうとは、このブラスリーにとっては、とんだもらい火に違いありません。

 これから先にマクロン大統領が外の場所で祝勝会を行うようなことや一般のレストランで食事をする機会があるかどうかはわかりませんが、こんなことが起こるのでは、彼は招かれざる客になってしまったことに違いありません。

 パリだけでなく、あらゆる街での破壊行動は止まることはなく、次回のデモは憲法評議会の決定が下される日の前日4月13日であると発表されています。

 恐らく、次回の山場は、この法案に対する「憲法評議会の決定」であることは間違いなく、どうにか少し回収され始めたパリ市内のゴミの山が復活しそうな気配で、ゴミ収集業者の組合が4月13日から、ゴミ収集ストライキ・シーズン2を予告しており、今度は「この年金改革が撤回されるまで、パリの街中を公共のゴミ捨て場に変える!」と宣言しており、憲法評議会の決定がGOサインを出せば、また、パリの街は手が付けられない状態になることは必須のようです。


ブラスリー レストラン ラ・ロトンド火災


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2023年4月6日木曜日

23年間務めたエリゼ宮の職員が突然の解雇で投身自殺未遂

 


 今回の事件が起こるまでは、私はエリゼ宮(大統領官邸)の職員には組合がないことを知りませんでした。とかく、組合が強すぎる傾向のあるフランスで、エリゼ宮というフランスの象徴的な場所に組合がないとは、びっくりです。

 逆に私の中のイメージとしては、エリゼ宮など、どこよりも組合が強いような気がしていたくらいです。

 一般人は容易に足を踏み入れることはできないエリゼ宮は、大統領をはじめ、政府の首脳や外国からの要人が招かれるたびに、しばしば、その中の様子をテレビなどで映し出され、その煌びやかな様子や、そこで供される食事や軽食などをチラッと垣間見ることはできますが、なんと300人の憲兵を含む825人がフルタイムで働いているのだそうです。

 組合がないとはいえ、民間企業がエリゼ宮の管理を行っているはずはないのですが、場所が場所だけに、常に緊張を強いられ、時間的にも不規則になることも多い、しかし、職員にとっては、大統領をはじめ、フランスの中枢にある宮殿のようなところにお仕えするという厳しさと誇りを持っているに違いなく、かなり特別な場所であることには違いありません。

 そのエリゼ宮で、23年間、銀食器の管理を担当していた50代の男性が突然、解雇を言い渡され(解雇といっても、管轄の文化省に戻されるという話)、そのうえ、エリゼ宮の従業員としての住居を取り上げられるという通告を受けたショックでRER(パリ郊外線)の線路に身を投げるという悲惨な事故がおこっています。

 この男性が解雇された理由は報道されていませんが、解雇や異動などに関して、組合があれば、組合に訴えれば、ここぞとばかりに組合が掛け合ってくれるであろうところですが、文化省への異動としても、23年間のキャリアを持つ職員に対しては、突然の事実上の解雇の宣告、しかも、住居まで取り上げられるなど、フランスの・・しかもエリゼ宮で起こるとは、ちょっと信じがたい話です。

 長年エリゼ宮で銀食器を担当していた彼には、おそらく、その仕事に対する特別なプライドがあったに違いありません。

 それに追い打ちをかけるように、住居まで召し上げるなどということは、嫌がらせ以外のなにものでもないような気がします。

 この男性の自殺は未遂に終わったようですが、彼は深刻な容態のまま入院中ということで痛ましい限りですし、彼の一件で、エリゼ宮内の他の職員も心穏やかではないでしょう。

 ここまで人を追い詰めるには、その通告の仕方などにもハラスメント的な側面があったとも思われますが、この事件に対するエリゼ宮の声明は発表されていません。

 このような解雇がまかりとおるということは、エリゼ宮という職場はかなり封建的な場所なのではないか?という疑惑が沸き起こりますが、現在の年金改革問題・49.3条問題で思いっきり国民の反感を買っている政府の本拠地で起こった事件としては、まさに、国民の意見を無視する政府をさらに非難する材料が増えたような気もします。

 この事件を受けて、マスコミは、「大統領府が社会対話を維持できていないのは、年金改革だけではないようだ・・」と書き立てています。

 幸いにも彼は一命をとりとめましたが、彼のおかげでエリゼ宮の過酷な現実が公になりました。彼が線路に飛び込んだ時、彼はエリゼ宮のバッジの他には、何の身分証明書も持っていなかったそうです。

 

エリゼ宮の職員


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2023年4月5日水曜日

マルセイユ麻薬密売組織による銃撃事件で一晩で3名死亡

  


 日曜日の夜にマルセイユで一晩に3名死亡、12名が負傷する銃撃事件が起こり、世間を震撼とさせています。しかも、標的になったのは14歳、15歳、16歳の未成年だというのですから、さらに驚きです。

 実は前日の土曜日の夜にも銃撃事件は起こっており、20代の男性4人が負傷し、警察は通報を受けて、現場にかけつけていますが、翌日の銃撃事件では死亡者が出たために、大きく報道され、前日の事件も併せて公になったと思われます。

 日曜日の夜(日曜日から月曜日にかけての夜)、午前0時20分頃、3人のティーンエイジャーが銃撃され、そのうち1名(16歳)は現場で死亡、他2名(14歳と15歳)のティーンエイジャーは重体で入院、他21歳と23歳の男性が死亡しています。

 この銃撃事件は麻薬密売組織の縄張り争いだそうで、麻薬密売組織の縄張り争いでなぜ?14歳・15歳・16歳の少年が撃たれて死ななければならないのか?標的にされるということは、この年齢で麻薬の密売にかかわっていたということで、麻薬やドラッグの取り引きにこんな年齢の子供が加わっている現状には、ちょっとため息も出ない感じがします。

 たしか、2年前にも同様の事件がマルセイユで起こっており、その時に事件を受けてマルセイユ市長が発表した声明の中に、「マルセイユではパン・オ・ショコラを買うようにカラシニコフを買うことができる。この現実はなんとしても止めなけらばならない・・」という部分があって、衝撃を受けたことを記憶していますが、残念ながら、その状況は改善されていないようです。

 麻薬密売組織=銃器などの武器を確保という図式は定番というか、もうセットになってしまっているのが現状のようで、麻薬密売組織の拠点を追跡すると麻薬やドラッグだけでなく、銃などの武器が押収されるという図式になっているようで、武装してまで守りたい縄張り争いとは、恐ろしいことです。

 フランスは欧州一の麻薬消費国と言われていますが、彼らにとっては最高のマーケットとなってしまっている現状をフランスはなんとかしなければなりません。

 この事件を受けて、内務相ジェラルド・ダルマナンは秩序維持に特化した部隊である CRS 8 の派遣を発表しています。

 内務省によって 2021 年に創設された CRS 8 は、都市内暴力などの公共秩序の乱れの状況に対応するために特別に訓練された 200 人の男性で構成されるエリート部隊であり、このユニットの目的は、「公の秩序と都市の暴力の深刻な混乱が発生した場合に、半径300キロメートル以内に15分で配備される」ことであるとされています。

 具体的には、CRS 8 は麻薬密売に関連する暴力の影響を最も受けている地域を占拠し、密売人を妨害し、隠蔽されている薬物や武器を探すことで、この部隊は、マルセイユの 14 区にあるラ パテルネル市で 2 月にすでに配備されていたとのことですが、この現状からは、何か起こってからではなく、彼らは常駐してもらう必要がありそうです。

 それにしても、14歳~16歳という年齢の子供までもが、麻薬売買にかかわっているというのは、そんな子供がこんな深夜に出かけることだけでも、保護者は何とも思っていないのかと理解に苦しみます。

 しかし、死亡した子供の両親が現場近くにいたという目撃証言もあるため、家族ぐるみで麻薬売買にかかわっていたという疑いも持たれています。

 その後の捜査の過程で、犯人が現場に移動した際に使用した車両と思われる車両が燃やされた状態で発見されたと検察のプレスリリースでは発表されており、どうにも激しいこの事件は、組織化されたギャングの犯行によるものと見られています。

 麻薬密売組織は市場シェアを維持、拡大するために犯罪を犯すことをためらわない人身売買業者、他の若者を殺害するために若者を勧誘することを躊躇しない人身売買業者と結びついていると見られており、マルセイユでは、薬物密売という 1 つの原因による悲劇的なサイクルが続いているようです。

 2022年には、麻薬関連の銃撃事件で32人が死亡、33人が負傷していますが、2023年に入ってからは、わずか 3 か月で 14 人が死亡し、43 人が負傷という急激な増加の気配が顕著に表れています。


マルセイユ銃撃事件


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2023年4月4日火曜日

マクロン大統領の風刺フレスコ画消去要請

  


 溢れるほどの歴史ある芸術作品が存在するフランスで、皮肉を込めた風刺画もまた、フランスでは珍しくはありませんが、アヴィニョンのある駐車場に描かれたマクロン大統領を描いたフレスコ画(壁画)が物議を醸し過ぎて、消去されることになったそうです。

 このストリートアートは、グラフィティアーティスト、レクトの署名入りのもので、マクロン大統領の姿をアドルフ・ヒトラーに寄せて、髪は白髪混じりのグレーヘアー、その額には皺が刻まれ、険しい顔つきでヒトラーのシンボル?でもある口髭の部分には、49.3の文字が書かれており、肖像画の上と下に「NON MERCI」(ノーサンキュー)と書かれている、まさしく現在のマクロン大統領に対する抗議や嫌みが全面に表れている壁画です。

 このグラフィティアーティストは、ことあるごとに、この種の物議を醸すアートを発表してきたようで、すでに以前に描いたフレスコ画のために、「憎悪と人種差別の扇動」と「公衆の侮辱」で訴えられている芸術家のようです。

 レクトは、アステリックスのヘルメットをかぶった歌手フランシス・ラランヌの肖像画を含む、いくつかの人物の肖像画で名を馳せた人で、しばしば政府の方針に反する絵を描くことでも有名な人で、ヘルスパスが起用され、ほぼワクチン接種が事実上の義務化のような状態になった時は、当時の保健相であったオリヴィエ・ヴェランが注射器に囲まれている絵や、マクロン大統領が(この時もヒトラー)ナチスの制服を着て、「従え!ワクチン接種を受けよ!」というスローガンを添えて描いていたそうです。

 その際は、2021年7月の段階でレクトは起訴されましたが、昨年12月、「表現の自由の範囲を超えていない」ということで、罪に問われていません。

 現在は、その後に描いた別の壁画の件で裁判を待っている状況だそうで、彼にとっては起訴されることなどは、全く意に介していない様子で彼の創作意欲を削ぐことはないようです。

 

 今回は、この肖像画がSNSで拡散されてしまったこともあり、また、かなり国民の怒りが暴力的になっていることもあり、県知事が駐車場の持ち主に、この壁画を消去するように申し入れ、受け入れられたとのことで、できるだけ早く消去の作業にとりかかることになったそうです。

 先日は、マクロン大統領をSNS上でゴミよばわりした女性が逮捕されたばかり。今回は起訴されるのかどうかはわかりませんが、それにしても、止まらない「マクロン大統領への意怒りの表現の自由」を抑える機会がネズミ叩きのように出てくる状況のようです。

 それにしても、こんなに嫌われても意思を貫こうとしている政府、メンタルも相当、強いな・・と感心します。


マクロン大統領 風刺肖像画


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2023年4月3日月曜日

パリからセルフレンタルサービスの電動キックボード消える

 


 パンデミック以来、パリには自転車が急速に普及しました。以前は、フランス人にとって、自転車は、移動手段ではなく、スポーツや娯楽として、車に自転車を積んで、郊外の広い場所に行って乗るような位置づけでした。

 日本で生まれ育っている私にとっては、車で移動するほどではない場合、駅まで自転車とか、ちょっとした買い物には自転車という生活をしていたので、パリではそれができないことがとても不便に感じていました。

 自分の自転車で移動するのは、別に自由ではあるのですが、すぐに盗難に遭うので、買い物をしている間に自転車が盗まれてしまうことが心配でおちおち買い物などしていられない感じだったり、もしくは、すごく頑丈な鉄パイプのような鍵でロックしなければならないので、その重たい鍵を持ち歩き、いちいち、その大仰な鍵をかけなければならないことが煩わしくて、結局、自転車はあまり乗らないことになってしまっていたのです。

 ところが、環境問題やパンデミックでの感染拡大を懸念することから、Velib(べリブ)という自転車のレンタルサービスが一気に増加し、それに加えて、電動キックボードのセルフレンタルサービスがここ数年であっという間に、ものすごい数になりました。

 ところが、この電動キックボードについて、利用者があまりにも無秩序で危険であるという反対の声が大きくなり、パリ市は利用可能年齢を12 歳から 14 歳に引き上げ、罰金を 35 ユーロから 135 ユーロに引き上げましたが、こんなことでは危険な状況は改善されないと、この電動キックボードの是非についての市民投票が行われることになりました。

 実際、パリは狭い道も多く、また自動車の交通量も人も多く、それに加えて、自転車、キックボードが混在しては、事故が多くなるのも当然のことでもあります。

 電動キックボードの便利なところは、小回りが利いて、車や人の間を縫うようにして移動することができる点でもあり、その分、無理をして通過しようとするケースは当然、多いわけで、しかも電動である分、想像以上の力で動くわけです。

 一時は、犯罪を起こした人の移動手段として、電動キックボードが多用されていた印象もあり、なんだかあんまり良い印象がないな・・と思う時期もありました。

 2022 年にパリ市が委託した調査によると、ユーザーの 26% がすでに事故に遭っており、そのうちの 9%がかなり深刻な事故を起こしているという結果も出ています。26%が事故に遭っているという数字は利用者の4人に1人が事故を起こしているということで、これはなかなか、穏やかな話ではありません。

 一方では、車やバスなどに比べてCO2の排出量は圧倒的に少なく、環境問題には寄与する交通手段でもあります。

 パリの電動キックボードのユーザーの80%は45歳未満で、これに対して反対の大きな声は特に団塊の世代以上の人々から上がっています。

 現在パリに存在する電動キックボードは、15,000台と言われています。

 来年に迫ったパリオリンピックの時などは、おそらく交通規制なども厳しく行われ、公共の交通機関も飽和状態になると考えられる中、この電動キックボードは大きな交通手段の一つとしても貢献するものになるとも考えられていました。

 以前、娘の小学校で、「傘は子供にとって、危険だから、傘は禁止!」と言われて仰天したことがありましたが、「危険となりえるものでも、便利に上手に使うことをなぜ子供に教えようとしないのか?」と思ったものです。

 今回の電動キックボードにしても、安全に利用するように指導したり、一部、規制したりすれば、便利な交通手段として存続することができるのに・・と思います。

 しかし、結局、約10万人のパリ市民による投票の結果、セルフレンタルサービスのキックボードは 9 月 1 日からパリから消えることになりました。


パリ市電動キックボード セルフレンタルサービス禁止


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2023年4月2日日曜日

医療従事者ワクチン接種義務解除とコロナウィルス第10波 フランスだけがなぜ?

 


 フランス保健当局は、2021年9月15日から施行されている医療従事者および介護者の予防接種義務を終了することを提言し、保健省は、この提言に従うことを発表しています。

 とはいえ、現段階での医療従事者および介護者の中でワクチン未接種者は0.3%と言われており、大勢に影響はないと思われますが、一時は、このために、「ワクチン未接種の場合は、事実上の退職勧告だ!」などと、かなりすったもんだした問題であったため、このために、離職してしまったり、異動を余儀なくされたりした人々もいたわけで、パンデミック対応として、最後まで残されていた部分に区切りがつけられたことになります。

 保健当局 (HAS) は、医療専門家の予防接種義務に関する最初の部分を構成する新しいレポートを発行し、 このテキストでは、引き続き、病院職員と医師がコロナウィルスの予防接種を受けることを強く推奨してはいますが、それ以外の人を除外する必要はないと記しています。

 これにより、予防接種を受けていないスタッフは排除されないことになります。この医療従事者のワクチン接種義務解除の理由として、「新しい症例の数は明らかに減少しており、新しい亜種の病原性は低下していること」また、「医療従事者のワクチン接種率は非常に高く、これまでにすでに 95% 以上が少なくとも 2 回の注射を受けていること」を挙げています。

 また、現状では、「ワクチンの入手可能性はの十分に満足のいくものであり, これにより, 流行が再燃した場合に迅速に対応することが可能であるため」としています。

 これでヤレヤレ、どうやら終息かというと、一部の感染症専門家のあいだでは、「フランスは現在、小さい波ではあるが、第10波を迎えているため、これを過小評価するべきではない!」と警鐘をならしている人々も存在します。

 たしかに、ここ数週間でフランスの感染者数は脈々と増加傾向にあり、1日の新規感染者も一時は2,000人~3,000人くらいまで下がっていたものが、ここのところ1万人近い数字にまで上昇しており、1日あたり400人程度の人がコロナウィルスのために入院し続けています。

 身近なところでも、久しぶりに連絡をとったフランス人の知人が「なんだかちょっと最近、具合悪くて・・」と言うので、すっかりコロナウィルスを疑わなくなっている私は、「インフルエンザ?」と言ったら、彼は「プチ・コヴィット(プチコロナ)」だと言うので、「え~~ワクチンもしてるし、前に1回、かかってるよね!季節がら花粉症かもよ?」と言ったら、彼は頑なに「いやいや、絶対、プチ・コヴィットだ・・だって、味覚がなくなっちゃったもの・・」と。

 それでも、彼は検査に行くこともなく、ひたすら、ドリプラン(パラセタモール・鎮痛解熱剤)を飲んで症状が消えるのを待っているのでした。

 こういう人もきっとけっこういるわけで、検査をしなければ、感染者としてカウントされていないわけで、実際の感染者はもっと多いのではないかとも思うのです。

 先日、かかりつけのお医者さんにいつもの処方箋をもらいに行っていた時も他の患者さんから、どうやら家族揃って、コロナウィルスに感染したという電話がかかってきていて、身近なところでも、なんかちょいヤバな感じがしています。

 パンデミックが始まった当初はヨーロッパの国々はイタリアにしても、スペインにしても、ドイツにしても、足並みそろえて悲惨な状況だったのに、今回の第10波はフランスだけが、飛びぬけている状態です。

 この寂しい?状況はなぜなのだろうか?とちょっと不思議な感じもするのですが、考えてみれば、これだけ毎日のように大規模なデモが起こっていて、群衆が集まって、あれだけ大声をあげて騒いでいれば、そりゃ~そうかな?とも思い、この年金改革問題の2次災害かもしれないとも思います。

 とりあえず、自分にできることは、マスクはいつでも携帯し、メトロの中など人が多くて距離が取れない場所では一応、マスクはしておくとか、こまめに手を洗うとか、そんな基本的なことは続けておこうと思うのでした。


医療従事者ワクチン接種義務解除 フランスコロナウィルス第10波


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2023年4月1日土曜日

おしゃべり好きなフランス人とマルシェ

 


 我が家の、ごくごく近所には、これまでマルシェというものがなくて、近所にマルシェがある人をずっと羨ましく思っていました。

 それでも、コマーシャルセンターがごくごく近くにあるので、特に買い物に不便ということはなく、考えようによっては、マルシェがあるよりもコマーシャルセンターがあった方が広範囲にわたる商品があり、しかも、毎日、営業時間も長くて便利といえば便利でもあったのです。

 特に娘が子供の頃は、「急に学校で、明日○○を持ってきなさい!」などと言われて、「えっ??何?そんな急に言われても!?」という時などには、(学校が終わって、エチュードが終わって、迎えに行って、家に帰ってくるのは、もう午後7時近く・・)コマーシャルセンターがあってよかった・・と思うことも多かったのです。

 しかし、食料品、ことに魚屋さんに関しては、カーフールに入っている魚は、お世辞にも新鮮とは言い難く、しかも種類も限られているので、「マルシェがあったらな~~」とずっと思っていましたが、もはや魚に関しては諦めてもいました。

 でも、やはり日本人としては、魚が恋しくて、未練がましくカーフールに行くと魚屋さんは一応、覗いてみたりもして、時には「これなら、まぁいいっか!」と思って魚を買ったりすることもあるのですが、一度、食あたりでエライ苦しい思いをして以来、どうにも、躊躇うことが多くなり、魚というものを滅多に買うことはなく、もっぱら魚はピカール(Picard)の冷凍のお魚に頼っていました。

 それが、最近、どういうわけか、家のごくごく近所に週1ですが、マルシェが出ることになり、代わり映えのしない近所に新しい楽しみができました。



 マルシェといえば、新鮮な野菜、果物、魚、肉、お花、チーズと見ているだけでも、楽しいのですが、何と言っても人が人に直接、物を売るという、その間に生まれるフランスらしい和気あいあいとした雰囲気や会話も楽しいものです。

 フランス人にはツンとしたイメージがあるかもしれませんが(事実、私もフランスに来るまではフランス人をそんなイメージで見ていました・・)、実際のところは、フランス人はおしゃべり好きで、知らない人とも平気で話す人が多く、どこか下町のおじちゃん、おばちゃんみたいなところがあります。

 もっとも、これには個人差はあると思いますが、そんな下町のおじちゃんやおばちゃんみたいな、人と人の距離が近い感じを、ことさらマルシェでは感じることができます。

 このどこか暖かい感じの雰囲気が、私がフランスの好きなところでもあり、最近では特に心地よく感じるところでもあります。

 そもそも、私はどういうわけか、バス停などでも知らない人に話しかけられることが多く、当初はなぜ?外国人である私なんかに話しかけるんだろう?と思ったりしたこともあったのですが、そもそもパリは外国人だらけなので、そんなに外国人を特別視することもないのです。

 マルシェのおじさんたちは、商売ですから、話すことにも慣れていて、声も大きく、話も楽しく、ちょっとジョークを交えたり、オーバーアクションだったりして、楽しい人が多いのですが、それに加わるお客さんたちも、どこか、ほっこりしていて、スーパーマーケットで淡々と買い物をしている人々よりも、生き生きとしていて、楽しそうなのです。

 そこに流れる暖かい空気感が私は好きなのです。

 また、野菜や果物、魚などの並べ方も、彩り豊かで美しいのも楽しいです。

 マルシェには必ずお花屋さんもあって、けっこうお花屋さんに行列ができたりしているところもパリらしいところで、今日もお花屋さんで「ブーケを作ってくれる?」と頼んでいるおばちゃんがいて、「これは私のためのブーケなの・・」などと言いながら、ひとしきり話をしていく人を見かけました。

 


 デコレーションのつもりか?口の中に思いっきりレモンを突っ込まれているお魚も愛嬌があって可愛いけど、こんなこと、日本じゃ絶対やらないだろうな・・とニヤッとしてみたりもしてしまいます。

 最近、マルシェを出し始めたばかりだからなのか? マルシェの脇ではバンドミュージックのサービスつきで、それが若者ではなく、けっこうな年長者なのも、味わい深いです。

 私は間違いなく、このマルシェの常連になります。

 



マルシェ おしゃべり好きフランス人


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「MADE IN AFRICA」