2025年9月7日日曜日

サン・ドニのとんでも警察官の動画があっという間に拡散されて

   


 セーヌ・サン・ドニ(パリ近郊)で8月28日に撮影された約42秒の動画がSNS上であっという間に拡散されたことにより、事件は公になりました。

 この動画というのは、若い男性が警察官に取り囲まれて、尋問されている中、激しく平手打ちをくらい、唾を吐きかけられているもので、当然、警察官は制服姿で警察官であることは、一目瞭然で、この若い男性は、フェンスにもたれかかった状態で、暴れているわけでもなく、抵抗しているわけでもないのに、暴行を受けているという全く一方的なものであるだけに、実に衝撃的な動画だ!とあっという間に拡散され、警察官に対する非難の声が大きく炎上しています。



 また、この動画をSNS上に最初に投稿したのが、LFIの議員であったこともあり、「尋問の理由が何であれ、身動きが取れない若者への暴行と屈辱的な唾吐きは容認できない!警察の管轄外だ!恐れるべきは彼ではなく、警察官だ!」などと、大いに各方面の政治家からの声も大きく上がっています。

 この動きを受けて、ボビニー検察庁は、9月5日、「公権力の立場にある者による暴力」の容疑で捜査を開始すると発表しました。ボビニー検察庁は、「警察パトロール隊と関与した警察官の身元確認が進行中」として、具体的な場所や日時等は、発表していませんが、地域の警察にとってみれば、そんなものは、動画を見れば一目瞭然なはずで、とっくにこの警察官の身元は確認できているものと思われます。

 もちろん、ほとんどの警察官は正義の味方で、こんな横暴な振る舞いはしないとは思うのですが、ある一定数の、威圧的というか、高圧的な態度の警察官というものが存在することも事実です。

 こういう暴力的だったり、高的であったりする警察官に反感を感じている人々もかなり一般市民の中には、いるもので、数年前に運転中に警察官の指示に従わずに停車しなかったことで射殺された少年の事件(その時は、さらに酷いことに、警察官は嘘の供述をしていたことが後に発覚して、余計に反感が大きく燃え上がった)の時には暴動のような騒ぎになりました。

 今回のこの動画では、暴行を加えている警察官のほか、2名の警察官がそばに立っていますが、携帯を見たり、素知らぬ顔をして見過ごしています。

 たいてい警察官は3人以上の体制でパトロールしています。

 今の時代、防犯カメラはいたるところに設置されているうえに、全ての人が携帯片手に何か事件がおこれば、誰かがどこかで動画を撮っているのが珍しくはない時代です。

 今回のこの動画を撮影したのも地域の住民でした。

 そんな中、もろに身元が特定されやすい警察官の制服姿でこのような暴行行為を行うとは、悪気がまったくないというか、そんな行為がよっぽど常習的なものなのではないか?と疑いたくもなってしまいます。


警察官の暴行動画SNSで拡散


<関連記事>

「服従拒否で警察官発砲 17歳の青年死亡の後、警察官のウソがばれた・・」

「燃え上がる警察への怒り 燃える炎は全国に飛び火」

「手がつけられなくなっているフランスの暴動に巻き込まれて、しばし、お店に閉じ込められた・・」

「大惨事となっているフランスの暴動とSNSの関係」

「未成年を射殺した警察官の家族へのクラウドファンディングに150万ユーロ」

 

2025年9月6日土曜日

サントリー新浪会長辞任についてのフランスの報道で・・

  


 サントリーの会長新浪氏辞任のニュースはフランスでも報道されており、その中で、日本とは違う、ちょっと興味深い見方をしている点がいくつかあったので、それについて、ご紹介したいと思います。

 ちなみに、フランスではサントリーは2つの独立した事業体を持っており、1つは清涼飲料水(シュウェップス、オランジーナなど)を、もう1つはジムビーム、サントリーなど)サントリー・グローバル・スピリッツ・フランス(サントリービバレッジ&フードフランス)となっています。

 まさか、シュウェップスやあのオランジーナがサントリーだったとは、私はこれまで全然、知りませんでした。いつのまに??・・って感じです。(2009年にサントリーが推定約26億ユーロで買収)

 近年のウィスキー人気の急拡大に加えて、このオランジーナというのは、長いこと、フランスでオレンジジュースといえば、オランジーナ・・というほどの大きな存在のため、サントリーはフランスにとってもわりと存在感が大きいように思います。

 さて、今回の新浪氏会長退任のニュースについては、「違法薬物所持の疑いで警察の捜査を受けていたサントリーのカリスマ会長である新浪氏がサントリー会長辞任」、「警察は8月に新浪氏の自宅を家宅捜索したが、新浪氏は関与を否定し、違法薬物は発見されなかった」、「新浪氏は合法だと信じて購入したサプリが捜査の焦点であり、警察は捜査を継続しており、サントリーはこのサプリメントの合法性は警察当局が判断すべきだと考えている」と記者会見で述べている」

 そして、彼が大手コンビニエンスストア・ローソンの代表取締役社長を務めた後、サントリー社長に就任したことや、歯に衣着せぬ物言いで知られる経営者であることも紹介しています。

 日本の報道と少々違う部分は、日本が薬物に関する規制が非常に厳しい国であるという指摘で、不法薬物は所持だけでも懲役刑に課せられる可能性があり、日本の当局は世界で最も厳格な麻薬取締法であるといっている点です。

 「カリスマ経営者新浪氏が辞任を発表した理由は、財務上の不正行為、酩酊状態、職権乱用、あるいは政治スキャンダルでもなく、むしろ、世界のほとんどの国ではほとんど問題視さえされないであろう出来事、多くの国であれば、この話は旅疲れを解消するために自然療法に頼る経営幹部の逸話として終わるであろうものの、日本ではいかなる容認も認められない状況下でこの事件は全国的な論争へとエスカレートした」

 「日本の公の場での「悔悟の文化」に則って行われた彼の謝罪は評判と企業責任が不正行為の真の証拠に勝り得ることを強調している」

 「ハーバード大学卒の幹部でサントリーを世界的な大企業へと変貌させるうえでの中心的な役割を果たした新浪氏の辞任は、日本の強硬姿勢がもたらした不相応な結果を如実に物語っている」と締めくくっています。

 ただし、これも、彼の供述していることが本当に真実ならば・・との話だとも思いますが、いずれにしても、考えてみれば、フランスの場合、捜査を受けただけ、起訴もされておらず、もちろん裁判にもなっていない状態で、このような辞任騒ぎにまで繋がるというのもあまりないことかもしれません。

 いくつも起訴状を抱えていて、裁判を待っている・・つまり判決が下るまでは推定無罪ということなのか?つい最近では元文化大臣など、まったく何もなかったかのように職務を継続しています。

 どちらが正しいというわけではありませんが、どちらにしても、日本は日本の国の法律で動き、このようなことをしたら、こういうことになる・・ということは、理解できる話。しかし、それは、よその国から見ると、奇異に映っているところもある・・ということです。


サントリー会長辞任


<関連記事>

「一晩で4件もの深刻な薬物過剰摂取による救急隊発動 国会議員までが含まれていた・・」

「現職文化大臣とカルロス・ゴーン 汚職の罪で裁判へ」

「空港職員もぐるだった! フランス・ブラジル間の大規模なコカイン密売組織」

「死亡事故を起こしたスクールバスの運転手から薬物反応の衝撃」

「800キロのコカイン密輸に加担していた漁師の存在」



2025年9月5日金曜日

プラグインハイブリッド車は、2035年EUの新車販売規定に食い込めるのか?

  


 2022年、欧州議会は2035年からEU圏内におけるガソリン車およびディーゼル車(ハイブリッド車を含む)の新車販売を禁止する法案を承認しました。

 この決定を受けて、フランスも電気自動車への援助等を拡大し、なんとか電気自動車のシェアもぼちぼち増えつつはあるようです。(2025年上半期の電気自動車の販売台数は2024年と比して24%増)

 しかし、欧州議会のこの自動車販売に関する法案には、2026年には、状況を評価し、条文の修正を行うための「見直し条項」が設けられており、プラグインハイブリッド車(PHV)(ガソリンエンジンと電気モーターの2つの動力源を持っている車)については、認められる可能性が出てきています。

 そして、2026年がそう遠くない未来に近付いてきた今、フランスの電気自動車充電事業者協会(Charge France)は、2035年以降のプラグインハイブリッド車に対する適用除外の可能性について懸念を表明しています。

 もし、例外措置が導入されれば、欧州の自動車メーカーはプラグインハイブリッド車に過剰な投資を行い、電気自動車の競争力を低下させ、中国メーカーとの競争で問題を引きおこすだろう・・とフランスの電気自動車充電事業者協会(Charge France)は言っているのです。

 電気自動車充電事業者協会は「特定の技術を強制しないという技術中立の原則を装い、一部の自動車メーカーは、プラグインハイブリッド車の受け入れによって2035年までに内燃機関車を禁止するという目標を放棄しようとしている」と抗議しているのです。

 しかし、実際には、電気自動車はやはり高価であることや、充電の問題もあって、人気があるのはハイブリッド車で、消費者は現段階でもかなりの国からの援助や優遇措置があるにもかかわらず、電気自動車には傾ききらないのが現実なのです。

 いくら、温室効果ガスの排出量などの環境問題やガソリンの消費量(輸入量)削減などを語っても、現実には、まずは自分たちの生活を考えるのが消費者です。

 ハイブリッド車を生産している自動車メーカーは、その折衷案ともいうべくプラグインハイブリッド車という車に歩みよっているのに、この協会は、環境問題等を盾に現状にそぐわないことを威圧的に押し付けようとしている感がなきにしもあらずです。

 プラグインハイブリッド車は、ガソリンエンジンと電気モーターの両方を搭載し、電気自動車と同様にバッテリーを充電できる車両であり、環境負荷の低減につながります。しかし、彼らが言うには、「プラグインハイブリッド車が電気で走行するのは全体の45~50%、企業向け車両の場合は10~15%程度である」と主張。

 また、「重いバッテリーを搭載したプラグインハイブリッド車は、軽量のガソリン車よりも多くの燃料を消費する」など、敵?の難点をあげつらって攻撃しているように見えます。

 まずは、個人に負担が及びにくい公の機関(警察や消防、公共交通機関など)の車両から、全て電気自動車に変えていくことから始めてみればよいのでは・・?などと素人感覚では思いますが、やもすると、彼らは本当に環境問題・エネルギー問題を考えているのか? はたまた利益を独占したくて言っているのではないか?と疑いたくなります。


プラグインハイブリッド車


<関連記事>

「欧州議会 2035年から内燃機関搭載の新車販売禁止を採択 100%電気自動車を目指す」

「2035年にはヨーロッパは電気自動車だけになる」

「トヨタ・ヴァランシエンヌ工場の成功 TOYOTA ハイブリッド車は売れている!」

「フランス政府 電気自動車リース 月額100ユーロのオファー」

「昨年、フランスで最も盗まれた車はトヨタだった!」

 

 

 


2025年9月4日木曜日

フランスの若者4人に1人がうつ病という痛ましい現状

  


 Mutualité Française(フランス相互健康保険全国連盟)、Institut Montaigne(モンテーニュ研究所)、Terram Institute(テラム研究所)が発表した調査によると、フランスの若者の4人に1人がうつ病に苦しんでいるという痛ましい状況が浮き彫りになっています。

 2025年春にオンラインアンケートで実施されたこの調査は、フランス本土および海外在住の15歳から29歳までの若者を対象に実施されました。

 この調査はうつ病の症状の有無と程度を測るために一般的に用いられているPHQ-9 の質問票も併せて行われています。

 回答によると、若者の14%が精神的健康状態が悪いと答え、64%が良好と回答しています。しかし、PHQ-9 の回答によれば、若者の4人に1人(25%)がうつ病の症状を示しており、10人中6人以上が悲しみ、憂鬱、または絶望感を感じており、3人に1人近く(31%)が自殺願望または、自傷行為を考えたことがあることが判明しています。

 様々なプレッシャーに直面するこの世代では、倦怠感、引きこもり、興味の喪失があたりまえのようになっているのです。

 特に学校や職場でのストレスが大きなストレス要因となっていることが多く、若者の87%が学業で、75%が仕事でストレスを感じていると回答しています。いじめ(オンライン上でのイジメも含む)もまた不幸の大きな要因となっています。調査対象となった若者の4分の1以上(26%)がネットいじめの被害にあっており、31%が学校でのいじめを経験しており、メンタルヘルスに直接的な影響が出ています。

 既に、他の調査でも確認されているとおり、若い女性の方が影響を受けやすく、女性27%、男性22%と性別によっても、違いが出ています。これは、年齢が下がるとさらに、男女差(女性29%、男性19%)に開きがみられます。

 また、この調査では地域格差も顕著にあらわれており、海外の若者のうつ病罹患率は39%であるのに対し、全国平均は25%になっています。4人に1人だけでも驚きなのに、39%といったら、3人に1人以上ということになります。

 特にフランス領ギアナ(52%)、マルティニーク(44%)、マヨット(43%)は、深刻な状況です。

 これには、公的機関の対応の問題があり、特に海外圏においては、公的機関へのアクセスが著しく困難な状況にあることが指摘されています。

 この調査に私がギョッとしたのは、ちょうど、娘が調査対象になっている年代に該当していることもありました。

 ある程度の年齢になれば、悩み事や本当に困っていることなど、親になどはなかなか話しをしないものです。私もそうでした。

 フランスと日本と離れたところで生活しているために、わかりにくいところもあるのですが、とりあえずは、とても忙しそうに仕事をし、相変わらず、寸暇を惜しんで旅行して歩いているようなので、大丈夫だとは思うのですが、こんな話を聞くと、ちょっと心配にもなります。

 まあ、もっとも、自分を顧みる限り、若い頃は繊細で、なにかと気にしたり、思い悩んだりすることも多くありましたが、年齢とともに、良く言えば、おおらかになり、大雑把で鈍感になって思い悩むことも減りました。

 これがおばさんになるということなのでしょうが、若くて脆かった頃の自分がちょっと愛おしくなるような気もするのです。


フランスの若者のうつ病


<関連記事>

「いじめを苦に自殺した娘の両親 いじめに加担した教師と2人のクラスメイトを告訴」

「フランスの職場でのイジメと嫌がらせから、悲惨な結果になったリンダちゃんの話」

「外交官生活の後にうつ病になったフランス人の夫 普通のおじさんになれなくて・・」

「フランスの学校でのいじめ問題 被害者ではなく、加害者を転校させる法律発令」

「フランス人の嫉妬心と日本人の嫉妬心 一時帰国の際の娘の日本の小学校への編入時のいじめ」


 

 

2025年9月3日水曜日

パリで人気のステーキのお店 Le Relais de l'Entrecote

  


 これをフランス料理と言ってよいのかどうかはわかりませんが、ステーク&フリッツ(steak frites)は、フランス人が最も好きなメニューのひとつだと思います。要は、ステーキとフライドポテトです。

 以前、知人が「フランス人の夫が和食だと嫌な顔をして、機嫌が悪くなるから、ふだん、あんまり和食は作らないんだ・・」と話していたことがあって、お気の毒だな・・と思ったことがありました。(うちの夫はフランス人でしたが、私の作ったものは、なんでも美味しい美味しいといって食べてくれていたので、大変、たすかりましたが・・)

 その知人には、「それじゃ、ご主人は何がお好きなの?」と聞いてみたら、「とりあえず、ステーク&フリッツにしとけば、ご機嫌なの・・」というので、「ああ~なるほどね・・」と思った覚えがあります。

 考えようによったら、そんなに手間がかかるお料理でもないので、ラクといえば、ラクですが、ちょっと寂しいような気もします。

 しかし、それくらい、フランス人が(特に男性)スタンダードに好むメニューのひとつでもあります。

 今回、ご紹介するのは、そんなステーキのお店でとても人気のお店があって、いつでも行列ができていて、いつか、行ってみようと思いつつ、長いこと行かずにいたお店です。




 なんといっても、このお店、ステーキしかない(デザートはあるけど)ので、ガッツリお肉を食べる気にならないときには、他のものを食べてみるということができないので、胃の具合と食欲などのタイミングが合うときではないと、なかなか行けなかったのです。

 このお店は、皆が同じものを食べているので、メニューを選ぶ必要がないのですが、オーダーの際には、お肉の焼き具合とドリンクを注文するだけです。どのテーブルも同じものが並んでいるお店というのも珍しいお店です。



 まず、パン(バゲット)とクルミのサラダが出てきますが、これはサラダにクルミが散りばめられているシンプルなもの・・これもドレッシング(マスタードベースですが、ソフトな感じ)で和えてありますが、そのドレッシングの量がちょうどいい!クルミもとてもサラダにあいます。

 そして、そのあとに、フライドポテトとステーキ(リブロース)が出てきます。ステーキには、このお店のオリジナルのソースがかかっています。




 一般的なフレンチのビストロなどだと、ステーキのソースは、マスタードソースとか、ベルネーズソースとか、胡椒のソースとか、ワインのソース、シャンピニオンのソースとか、色々ある中から選べるところも多いです。

 しかし、このお店では、ソースはハーブの効いた(わりにはくせがない)オリジナルのソース一択ですが、おそらく、このソースがきっとクセになって、また食べたい・・となるような気もします。

 マスタードは、頼めば、別に持ってきてくれます。

 フライドポテトもお肉も大きな銀のお皿で運んできて、それぞれのテーブルの近くに備え付けてある、保温のできる場所の上におかれ(といっても、頻繁に運んできてくれるのでほぼ、人数分の量)、あとで付け足してくれます。

 というか、ポテトもお肉も2回に分けて、サーブしてくれるので、アツアツのものを最後までいただけます。

 私は、ふだんは、どちらかというと、ステーキはあまり食べないし、フライドポテトというものも滅多に食べないし、自分でも作らないので、なんかこんな機会だと、ちょっと罪悪感も薄れて嬉しくなってしまいます。




 お肉はしっかり注文通りに焼いてきてくれるので、焼き加減も納得、お肉自体もテンダーな赤身、アブラは気にならない感じのしっとりしたお肉でした。

 お店の内装は、クラッシックな感じの赤が基調のデコレーションで、ウェイトレスさんたちもクラッシックなメイドさんみたいな恰好をしています。どういうわけか、あんまり若すぎない感じ?の方が多かったですが、皆、親切です。




 考えようによっては、メニューがよくわからない・・ということも関係ないので、外国人にとっても、言葉の心配がないので、気楽に入れるかもしれません。

 このお店、いつか、ボルドーに行ったときに、夜、すごい行列ができていて、「一体、何のお店なの?あんな行列ができるって?」と思って調べたら、娘が「パリにもあるみたいよ!」というので、そんなに人気なら、いつかは行ってみようと思っていたのでした。

 私は、サンジェルマン・デ・プレのお店に行ったのですが、実は、パリだけでも、シャンゼリゼの近くやモンパルナスの近くなど、5店舗くらいあるみたいです。

 料金も29ユーロ(ドリンクやデザートは別料金)(2025年7月現在)と、リブロースのステーキとしたら、良心的で明朗会計、そこそこの高級感もあります。

 お肉好きの方は、ぜひ、行ってみてください!


🌟Le Relais de l'Entrecote  20 Rue Saint Benoit 75006 Paris 


<関連記事>

「マルシェ・サントノーレのカフェ・レストランがすごい人気みたい・・」 

「「孤独のグルメ」に登場するレストランに行ってきました! Le Bouclard Paris」

「パリで美味しいクスクスが食べられるお店 Le 404 と La mosquée」

「パリで一番、美しいスターバックス Starbucks Boulevard des Capucines」

「1686年創業のパリ最古のカフェレストラン ル・プロコープ Le Procope」

 

2025年9月2日火曜日

フランスで新生児スクリーニングが拡大 新たに3つの重篤疾患も対象に・・

  


 フランスでは新生児スクリーニングの対象が拡大され、乳児脊髄性筋萎縮症、重症複合免疫不全症、極長鎖アシルコエンザイムA脱水素酸素欠損症があらたに対象に加わりました。

 脊髄性筋萎縮症を含む3つの重篤疾患は、9月1日から、出生時にスクリーニングされます。

 これまでフランスでは、生後2~3日以内に乳児のかかとから、数滴の血液を採取し(吸取紙に採取する検査)が義務ではありませんが、強く推奨されており、13の疾患について、無料で検査が提供されてきました。

 私が出産したときには、こんな話は全然、知らなかったので、まあ、フランスではなく、アフリカでの出産だったため、今になって、こんな話を聞くと、「え~~~?こんな検査、本当はしなければならなかったんだ!」と驚くばかりですが、幸いにも、娘は健康に育ってくれたので、助かりましたが、これからフランスで出産する方がいたら、このような検査が無料で提供されていることは、知っていてもいいかもしれません。

 今後は、あらたに3つの重篤疾患を含む16の検査をしてくれるわけですから、万が一に備えて、一応、やってもらった方が良いのではと思います。

 今回検査に加えられた3つの疾患の中でも、乳児脊髄性筋萎縮症(SMA)は最も多く、7,000人に1人の乳児に発症します。これは不可逆的な神経筋変性を特徴とする非常に重篤な遺伝性疾患です。最も重篤な場合、罹患した乳児は2歳になる前に死亡し、急速に摂食障害や呼吸困難に陥ります。

 しかし、早期治療によって、その影響を大幅に削減することができます。

 他の2つの疾患はさらに稀です。重症複合免疫不全症(SCID)は30,000人に1人の割合で発症し、乳児の免疫系を著しく弱めますが、生後2ヶ月以内の骨髄移植で治療可能です。極長鎖アシルコエンザイムA脱水素酵素欠損症(VLCAD)は100,000人に1人の割合で発症し、出生時から高度な栄養管理が必要となります。

 まさに万が一に備えてという確率ではありますが、万が一にもこれらの重篤疾患が認められた場合、早期治療ができるか否かは、大変な違いが生まれます。

 フランスは長らく、この分野では先進国であり、過去50年間で4万人の子どもがスクリーニングによって治療を受けてきました。

 しかし、イタリアなどは、出生時に約40の疾患をスクリーニングしているそうで、現状では、まだまだ・・という声も多いそうです。

 まったく、私は、自分が出産した時には、何の知識もなかったので、今になって聞いて、びっくりすることが多いのですが、本当に無知な親のもとに生まれた娘が無事に健康に育ってくれたことは、奇跡的なような気がしています。


新生児スクリーニング拡大


<関連記事>

「フランスの出生率は2023年に急激に減少したが、2024年には、さらに減少する」

「不妊治療対応のための二十歳前後の女性への不妊検査の無料化と卵子自己保存キャンペーン」

「フランスの出生率低下が浮き彫りにする中流階級が苦しい現状」

「アフリカでの出産で・・・陣痛促進剤2日間の産みの苦しみ」

「子供が生まれて思ったことーアフリカでの出産」




 

2025年9月1日月曜日

エッフェル塔などへのテロ攻撃を計画していた未成年者2人逮捕・起訴

  


 パリでシナゴーグ(ユダヤ教の礼拝堂)やエッフェル塔へのテロ攻撃を計画していた未成年者2人(2008年生まれの17歳と2010年生まれの15歳)がジハーグ主義的(外部からの攻撃への抵抗のためや安定を手にするためのの闘い)な暴力行為を計画していたとして、逮捕・起訴されています。

 2023年以降、この種のへの未成年者の関与が急増しており、テロ対策関係者の間で懸念の的となっていることを受けて、彼らは犯罪的テロ共謀罪で起訴されました。

 アラブ系イスラム教徒の家庭出身のこの10代の若者たちは、暗号化されたメッセージサービスで作成された専用グループで互いに連絡を取り合っており、彼らはイスラム国に強い関心を持ち、そのプロパガンダを拡散していました。彼らは、このメッセージサービスの中で、海外でもジハード攻撃を行うことを話し合っており、超暴力的なコンテンツの熱心な視聴者でもありました。

 彼らはすでに関心の段階を超えており、すでに行動を起こすことを検討しており、様々な暴力行為の計画を練っており、反ユダヤ主義と中東戦争を背景にしたシナゴーグやジハード主義の象徴でもあるエッフェル塔などの具体的な場所も選んでいました。

 2人の未成年者たちは、すでにこの計画のための武器入手の段階に入っており、サイバー犯罪のスーパーマーケットともいえるダークウェブにおいて、武器の調達の準備を進めていました。しかし、この2人の未成年者たちは、テレグラムでのチャットグループに参加していたために、面識があるわけではないといいます。

 この互いに面識のないもの同志が、犯罪を計画して実行に移そうとするというのは、最近の未成年者のネットによる犯罪加担の特徴でもあります。

 国家反テロ検察庁(Pnat)は、「数年前には、テロ関連犯罪で起訴された未成年の数は、片手で数えられるほどだったが、2023年には15人、2024年には18人、2025年には、既に7月1日の時点で11人に達している」と報告しています。

 今回の2件の新たな起訴により、今年の起訴は既に13人になっています。

 弁護士や裁判官など、司法に携わる者によれば、これらの少年たちが過激化(主にジハード主義運動)する前には、非行少年ではなかったこと、そして、その多くが極度の内気さを露呈していたり、家庭環境が脆弱であったりすることなど、いくつかの特徴があると述べています。

 9月には、14歳と15歳のときに、ベルギーのイスラエル大使館に向けて、トラックを爆破する計画をたてた3人の少年の裁判がパリで行われる予定だそうです。

 まだ、若いのに・・というべきか、若いからこそ、無謀なことに強烈なエネルギーを傾けようとしてしまうのか? 

 恐ろしいことです。


未成年者のテロ攻撃計画


<関連記事>

「15歳未満へのナイフ販売禁止とソーシャルメディア禁止」

「増加する携帯電話ショップ強盗と犯罪のウーバー化」

「SNSで募集されたマルセイユの14歳の殺し屋」

「「捕食者の巣窟」と呼ばれる危険なオンライン・チャットサイト」

「大惨事となっているフランスの暴動とSNSの関係」